Web特集
2007年09月01日
木材保護・着色塗料特集2007 塗料メーカー動向
水系シフト掲げ、製品改良に着手 和信化学工業
水系シフトを全面に打ち出す和信化学工業。7月には販売店を対象に全国11カ所で製品説明会を実施するなど、これまで以上に本気度を増している。
環境対応型水系塗料ブランドとして展開する「アクレックスシリーズ」は「この4年間で倍以上の伸長」(担当者)と屋内用を中心に好調な動きを見せている一方で、外装用の代表格である「ガードラックシリーズ」は7割以上が溶剤系。「この比率を逆転させたい」と環境対応の流れを追い風に水系ニーズでいち早くイニシアチブを確保したいとの狙いがある。
その鍵を握るのが、「ガードラックAアクア」「ガードラックLXラテックスステイン」の水系2製品。いずれも屋内外用の木材保護着色剤だが、それぞれの特性を生かした販売展開を行っている。F☆☆☆☆表示は継続の方向。
「ガードラックAアクア」は水系半造膜タイプで、高耐候性と強力な撥水性が特長。1回塗りで着色力に優れるため工期短縮に寄与する。特に「塗り替えの際は、施主は木目より色付きを気にする傾向が高い」とリフォーム用としての位置付けを明確にし、浸透タイプとの差別化を図っている。
一方、「ガードラックLXラテックスステイン」は浸透タイプで木目を生かした鮮明な仕上がりを得意とすることから、新築向けとして位置付ける。
また現在、作業性や耐候性など上記2製品の全面リニューアルを実施。原料選択から見直し、それぞれの弱点だった作業性や耐候性なども改善される。今秋にも発売する予定。
ツヤ感による意匠でファンを獲得 トーヨーマテリア
含浸型のツヤ消しタイプが主流で、ある意味画一的な木材保護塗料の市場において、同社が展開しているシッケンズ木材保護塗料「セトール」シリーズは独自のポジションを確立している。同シリーズの特徴はまず、バリエーションの豊富さにある。
スタンダードタイプの「セトールHLS」はごく薄い膜を形成。それ自体でも、また他のシリーズの下塗りとしても使えるオールラウンドプレーヤー。低光沢のツヤを希望する場合は上塗りとして「同Filter7」を推奨。またガッチリとした厚い膜で仕上げる場合は「同TGL」を塗る。HLSを下塗りに用い、TGLのツヤ有りで仕上げれば意匠的にも優れた高光沢が得られる。
更に今秋、HLSの半ツヤクリヤーをラインアップする。レッドシダーサイディングなど耐候性木材の木地色仕上げを要望する層にピッタリ。またHLS着色タイプの濃淡希釈剤として、更に目止めなど下塗り材としても使え、汎用性に富む。10月の発売を予定。
この他、作業工程の短縮化を図れるハイソリッドタイプの「セトールノバテック」、耐摩耗性と耐紫外線性に優れデッキやベランダの木部床にうってつけの「セトールデッキ」など他社にない特徴的な製品群を揃える。「シッケンズ木材保護塗料の特徴のひとつがツヤによるデザイン性。その点が他社との差別化になり、意匠的な好みでファン層を獲得、リピートにつながっている」(担当者)と、需要の停滞からパイの奪い合いになっている市場において独自のポジションを確立している。
水系プラス性能での差別化図る 太洋塗料
太洋塗料は「水系」に特化した木材保護塗料を展開している。木材の生地色を生かしたいとのニーズに応え開発したのが、水系透明仕上塗料「ウッドスキンコートシリーズ」だ。
同品は「透明仕上で抜群の耐候性」がキャッチフレーズ。造膜タイプの木材保護塗料で、塗膜に光化学反応を抑制する機能を持たせ、紫外線が木材にできるだけ到達しないバリヤー効果を発揮する。公害上問題になる塩素系の薬剤を用いず、樹脂と特殊薬剤とのバランスで腐食菌や虫害から木材を守る。防腐機能は木材保存協会の規格をクリア。透明仕上げであるにもかかわらず長期の暴露に耐え木材の腐食、変色を防ぐ。
ただ造膜タイプゆえの施工性の問題などもあり、生地色仕上げにこだわった物件での採用が主体となっている。
これに対して、水系木材保護塗料の汎用化を狙って開発したのが「WSCパーム」だ。同品は防腐・防虫などの薬効成分を含んだウレタン樹脂が主成分。ナノレベルまで微粒化しているため木材への含浸性に優れ、木材内部の奥深いところまで浸透して木材を保護する。油性タイプでも困難とされるジャラやイペ材など比重が重く堅い木材にも浸透するほどだ。
更に耐候性についても市場で主流の油性タイプと同等以上の性能を実爆テストで確認しているが「現在更なる改良を図っており、水系でありながら市販品の数段上をいく性能を確保し差別化を図りたい」(森井社長)とブラッシュアップに余念がない。
現場ニーズに応え、販売好調 三井化学産資
昨年、木材保護含浸塗料「ノンロット205N Zカラーシリーズ」を投入した三井化学産資。マーケット全体が横ばい傾向を示す中で、前年比2ケタ増と好調な荷動きを見せている。
その決め手となっているのが、耐UV、超撥水、防腐性と同社が掲げる3大機能に加えて、木の香りを引き出す臭い抜けの良さとF☆☆☆☆表示を取得している点。F☆☆☆☆表示については「今後の動向を見て対応する」(担当者)としているものの、これらの特長が他社にない差別化となって急成長につながっている。
特にユーザーサイドで評価が高いのがテープ付きの良さ。軒天などの見切り時にテープを貼るケースが多いが、「乾燥性が良く、翌日にはテープが貼れる。テープは仕上がりを引き立たせる上で重要な要素」(ユーザー)と現場サイドの細かなニーズに対応していることも成長の要因となっている。
現在、同社が見据えるのは、メンテナンス市場の拡大。「木造建造物をいかに美しく維持して守るか」をコンセプトにする同社にとって、塗料の性能向上及び塗り替え仕様を確立することが、木造建造物の長寿命化の上で不可欠との姿勢を打ち出している。
今回投入した「ノンロット205N Zカラーシリーズ」はまさにメンテナンス性に配慮して開発した製品で、推奨塗り替え年数は4-5年と従来品と比べてアップさせ、更に2度目の塗装によってトータル10年の耐久を可能にするなど、塗り替え用途に適した製品となっている。
新製品投入で汎用分野を拡大 大阪塗料工業
大阪塗料工業は木材防虫防腐着色塗料「ニューボンデンシリーズ」を上市している。油性、水性ともに揃え、全製品F☆☆☆☆を取得。仕上がり感や性能に応じた製品提案ができる他、屋内外ともに対応できる用途性の広さを武器としている。
油性タイプの「ニューボンデンDX」は耐候性、防虫防腐効果、撥水効果、作業性に優れた性能を有し、シリーズの中でも最高グレードの位置付け。色数も13色と豊富に揃えている。
水性タイプの「水性ニューボンデン」はエナメルタイプで乾燥時間(23℃)1時間と速乾性が特長。専用レジューサーで色の濃淡を調整することで、ステイン仕上げも可能にしている。市場では依然として溶剤系が多くを占めるが、「ホルムフリーの南洋材が増えたことで、屋内にも保護機能が求められている」(担当者)と、合板ラインに採用されるなど、水性タイプの需要が高まっているという。
昨年発売した「水性ニューボンデン ステインクリヤー」は、木目を生かした鮮明な仕上がり感が特長。特に透明色は色の調整や下塗りとして吸い込み止めに使うことができるなど利便性に優れた製品となっている。
また同社では汎用分野での更なる拡大を図るべく、新たに「ニューボンデン ガーデンカラー」を投入した。油性タイプの同品は、作業性と撥水性を特長に廉価な価格設定で差別化を図った。卸ルートを通じた供給も始まっており、競争力の高い製品として今後の販売展開に手応えを見せている。
耐候性に優れ、豊富なカラー 新宮商行
新宮商行は米国・PPGインダストリー社の木質用油性ステイン「オリンピックステイン」の販売を行っている。国内での販売実績は30有余年になるが、一般住宅からディズニーランドなどの大型物件まで幅広く採用されている。「新築物件が多い中で、リピートオーダも増えてきている。またwebの楽天市場を活用するなど、より末端市場に対応した展開を進めている」とコメントする。
販売を行っているオリンピックステインは亜麻仁油を主成分とする「オリンピック・オイルステイン」、デッキ専用ステインの「オリンピック・デッキステイン」及びクリヤータイプの「オリンピック・ウォーターガード」からなる。
更にオリンピック・オイルステインは半透明タイプのセミトランスパーレントステイン(23色)と濃色タイプのソリッドカラーステイン(24色)に分けられ、木質の自然な風合いを演出する。「オイルステインを中心に展開を進めており、色数の豊富さと紫外線防止、防水性、カビ防止、更には長期にわたる耐久性など機能性を有する点が大きな特長」と説明する。
オリンピック・デッキステインは擦り傷防止剤を配合させることで耐摩耗性を有し、水分や紫外線から木肌を保護するというもの。カラーは12色。またオリンピック・ウォーターガードは紫外線防止、防水性、防カビ性、亜麻仁油による保護の4つの効果により木の自然の美しさをあらゆる状況からガードする。
自然系で更に差別化進める 大谷塗料
大谷塗料は自然系木部用浸透型着色剤「VATON」(バトン)のラインアップを強化するべく、新製品の開発を積極化させている。
同社では、日本塗料工業会のホルムアルデヒド自主管理要綱の改定に伴い、「VATON」の塗料分類をこれまでのアルキド系塗料から新設された天然系塗料に移行させ、F☆☆☆☆を継続する予定。植物油の不安を問われている状況下にあって、改めて自然系塗料として差別化を進めていく意向を固めており、屋内用製品としての位置付けを明確にしている。
「VATONシリーズ」は現在、油性系の「VATON」、水性タイプの「水性VATON」を揃えているが、昨年「VATONカラーオイル」(油性系)を開発し、新たな需要の取り込みに期待している。
同品は屋内用の着色剤で、より高級感のある仕上げを得意としている。隠ぺい力が高く、これまでのOPやペンキと同様に塗りつぶし仕上げができる一方で、ふき取りをすることで木目を生かした仕上げも可能にした。そのため家具や建具、造作部材など、被塗物や仕上げニーズに応じた幅広い仕上がり感を演出することができる。
「VATON」のコンセプトは"質と安全性"。食品衛生法に適合するなど製品の安全性を確保する一方で、いかに木の素材を良く見せるかにこだわりを持っている。「より本物志向が問われている」(担当者)と今後も自然系塗料として更に進化させていく意向を示す。
リーズナブルな価格設定 ユニオンペイント
ユニオンペイントは建築木部内外装全般の保護着色塗料として「タフウッドステイン」を展開している。油性タイプの浸透性の良い塗料で、木材に深く浸透し腐れ、カビ、虫害などから守る。これらの機能に関わる薬剤成分に関しては、経口毒性だけでなく魚毒性もクリアした安全設計。従って外部のみならず建物の内部にも使え適用範囲が広い。ログハウス、壁、羽目板、柱、ベランダ、窓枠、フェンス、戸袋、ベンチ、格子戸など手軽に使用できる。
更に機能面での特長は超撥水性による水はじき。撥水性を求める物件や箇所で多用されており、高い評価を得ている。その他の特長として1)防腐、防カビ、防虫(蟻)効果2)粘度が低いので扱いやすく、そのままムラなく塗装できる3)浸透型塗料のためフクレ、ハガレなどの発生がない-など。色はクリヤーの他、最も多用されるブラウン系7色を揃えた。
使用方法は下地調整後、刷毛による同品の2-3回塗り。針葉樹など吸い込みの多い材に対しては、吸い込み止めを兼ねたクリヤーでの下塗りを推奨。塗装インターバルは下塗りクリヤー2-8時間、上塗り4-24時間。また10缶(16リットル缶)から指定色への対応も行っている。
同品は他社品に対してリーズナブルな価格設定がなされており、ユーザーや販売店は同等品スペックで同品へ置き換えることで、価格対応力が強まる。そういった意味でも市場受けの良い木材保護着色塗料だ。
改修需要を視野に新規参入 エーエスペイント
エーエスペイントはデンマークの木工塗料メーカーDYRUP社と販売契約を締結し、水性木部用保護着色材「GORI」(ゴリ)を擁し、市場に新規参入を果たした。現在、地域限定の試験販売にとどめているが、物件データを分析後、来年にも本格販売に踏み切る意向を示す。
DYRUP社はデンマーク・コペンハーゲンに拠点を有する木工塗料メーカーで、EU各国に供給している他、中国、ギリシャ、スイスなどに販売代理店を持つ。今回、日本への新規参入が実現した背景には、エーエスペイント側による強い呼びかけがあった。DYRUP社に日本市場向けに浸透性タイプの開発を依頼するなど、日本の気候風土や塗装条件に適したオリジナル製品の開発を実現した。
「GORI」は、水性木部用保護着色材「GORI33」、水性木部用保護着色材「GORI11」、水性屋外木部用専用クリヤー上塗り「GORI79」の3製品をラインアップ。主力の「GORI33」は半造膜仕上げで、浸透タイプの持つ塗りやすさと造膜型の持つ耐候性を合わせ持つ製品。水性でありながら、塗り継ぎムラや刷毛ムラが出にくいのが特長で、改修用途に適する。施工は2回塗りで乾燥時間(再塗装)4-6時間以上。刷毛は継ぎムラ抑止に優れた専用刷毛を揃える。色は10色。
また防虫・防カビ・防腐機能を付与した「GORI11」を下塗りに揃えるなど、劣化状況に応じた塗装仕様が提案できるのも強みで、同社は改修需要をターゲットに販売拡大を狙う。
水性需要を喚起、塗装提案に強み キャピタルペイント
屋内外とも水性製品の展開を基軸に据えるキャピタルペイント。依然として溶剤系が圧倒的需要を占める中にあって、塗装サイドからアプローチすることによって水性需要の喚起に努めている。
木材保護塗料では「ワンダー水性一液型シリーズ」として内部用に「ワンダー水性一液型」、外部用として「ワンダー水性一液型ウッドガード」をラインアップ。オイルステインのような仕上がり感を特長としている。特に安全性に対してはこだわりを見せ、超低VOC化を実現。また木材保護塗料市場では稀少なエコマーク認定を取得するなど、一歩先んじた環境対応で差別化を図っている。これに内部用としてオイル調水性フロアー用エコ塗料「フレッシュアクアF」、ウレタン難燃クリヤー塗料「モーエン アクア」なども揃え、現在設計活動を中心に屋内外一体での販売活動を行っている。
最近では環境問題の高まりもあって、順調に販売量を伸長している同社だが、その秘訣は10年以上に及ぶ販売経験で培った塗装ノウハウの蓄積に裏打ちされている。「水性タイプは溶剤系と同じ塗装はできない」と塗り継ぎムラや刷毛ムラなど、塗装作業の工夫で対処していく提案を行うことで、ユーザーの不安感を取り除いている。
担当者は「水性タイプはより木材の専門知識が必要になる」と木工専門メーカーとしての強みが生かせると、今後の展開に手応えを見せる。また仕上がり感や耐候性など、性能面での向上に着手していく方針。
エコロジーと性能の両立図る 日本オスモ
日本オスモが昨年発売した木材保護塗料「ウッドステインプロテクター」が昨年までの従来品と比べて2倍以上と好調な売れ行きを見せている。内装分野が7割を占める同社にとって、同品が外装分野拡大の火付け役となっている。
これまで設計関係など川上展開に強さを見せてきた同社だが、最近では塗料販売店や塗装業者の新規開拓を強化している。改修需要の増加によって、同品の需要が汎用的に拡大しているためで、塗料販売店、塗装業者の存在感が増している。
同品は天然植物油をベースに防腐・防カビ効果を付加、木目を生かした透明及び半透明仕上げを特長としている。販売好調の影には、天然植物油を原料としたエコロジー性に加え、木材保護機能や耐候性(推奨塗り替え年数5-7年)を保持するなど、「エコロジー性と性能面の両立を訴求したことが評価されたのでは」(担当者)と分析する。また新設されたJASS規格については、現在「適合品」として販売する準備を進めている。
今後の展開として同社が見据えるのは改修需要への対応。現時点では新築需要が多く占めるが、塗り替え時の施工仕様や塗装工程を盛り込んだ「塗り替えハンドブック」を来年刊行する予定。情報提供を通じて新たな"オスモファン"の獲得を図る。特に非塩素系の洗浄剤「ウッドリバイバー」をラインアップしていることで、下地調整から上塗りまでの工法提案を可能にしていることも強みとなっている。
水性タイプ、DIYユーズで好評 吉田製油所
吉田製油所は今年始め、水性タイプの屋内外兼用木材保護着色塗料「木材ガード」を発売した。
同品は木材の防腐・防虫といった自社の得意技術を生かした水性タイプの木材保護塗料。ホルムアルデヒド、クロルピリホス、トルエン、キシレンなどの有害物質を一切含有せず安全性、環境適性が高い。防腐・防虫・防カビ効果に優れている他、水性のため取り扱いも容易。木目を生かすステイン仕上げで、8色をラインアップしている。油性タイプが主流の中で、「現在、特定のホームセンター系列で販売してもらっているが、扱いやすさといった点でDIYユーズでの受けが良い」(吉田社長)と手応えをつかんでいる様子。
一方、メインの木材防腐材でも明るい話題が出始めた。家庭用品規制法によるクレオソートへの規制強化に対し、19年版の公共建築工事標準仕様書(国交省)での仕様禁止解除に続き、東京都土木材料仕様書でも植栽保護材料として使用する丸太の保存処理剤として認められた。規制法に対応して開発した「クレオソート油R」の官公庁へ向けたPR活動が功を奏した格好だ。
この他、クレオソート成分を含まない「クレオトップ」、撥水効果の高いクリヤータイプの「九三七一(くさんない)」などの木材防腐剤をラインアップ。更に安全性の高い白アリ予防駆除剤など木材の防腐・防虫分野を得意とする同社。今回発売した「木材ガード」にも木材保護に関する豊富なバックデータをもとにした技術が盛り込まれている。
« 前のWeb特集 | Web特集アーカイブ | 次のWeb特集 »