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Web特集

2007年10月09日

粉体塗料・塗装特集2007 塗料メーカー動向

樹脂の切り替え提案で販売価格増を図る 中国塗料

中国塗料の粉体塗料事業はここ数年大きな伸びを見せてきたが、今年度はややペースダウンの様相だ。現在の出荷数量は月に40‐45トン。 新規開拓を進めた結果、顧客数は増えたものの、既存顧客での需要が減っているのが原因。「大手鋼製家具メーカーは順調だが、道路資材や配電盤関連では需要は減っている」(担当者)。 同社が展開する「コナロンシリーズ」はエポキシ/ポリエステル樹脂のハイブリッドタイプが主力となっており、その他にポリエステル樹脂系やメタリック粉体を揃える。 メタリック粉体塗料の引き合いは多く、椅子や棚など屋内用だけでなくドアフレームや建築資材の一部など屋外用途の製品にも広がりを見せている。ただ、既存粉体からの置き換えは進むものの、溶剤からの切り替えにはネックがある。「環境配慮の高まりからくる追い風は感じているが、溶剤と比べると外観品質に問題が残る」と述べる。

同社のメタリック粉体塗料はボンディングタイプとドライブレンドタイプを揃える。大量生産で回収を必要とするユーザーにはボンディングタイプ、回収装置がなく単価を優先するユーザーにはドライブレンドタイプを推奨している。 原材料価格の高騰に対する価格転嫁はあまり進んでいないのが現状。コストアップ分をそのまま転嫁するには至っていない。また、同社は韓国メーカーに製造を委託しており、以前は海外生産によるコストメリットを武器としていたが、韓国経済の成長などによりメリットは少なくなった。輸入販売をしている以上輸送経費の比率を低くする必要があり、販売価格の高い製品の販売を強化していく。 今後も性能や意匠を提案して溶剤からの切り替えに注力する。更に既存の粉体からの切り替えでは、ウレタン硬化からプリミドに替え低温硬化メリットを提案するなどニーズに合った提案をすることで拡販を図る。

溶剤系からの切り替え進む トウペ

トウペの粉体塗料の出荷量は前年比10‐20%増の月間約180トンとなっている。担当者は「2ケタの伸び率だが、VOC規制法の施行を考慮すると思ったほどの伸びではない」と述べ、今のところ規制が十分な追い風にはなっていないとの見方を示す。 伸びた分は新規ユーザーの獲得と既存ユーザーでの使用量の増加が寄与。メインであるエポキシ/ポリエステルのハイブリッド及びポリエステル樹脂系が伸長している。これは工作機械や鋼製家具など一般機械向けで溶剤から粉体への切り替えが進んでいるため。

ダクタイル鋳鉄管など水道資材向けでは塗料の供給不足状態となっている。鋳鉄管に使用するエポキシ樹脂塗料では、環境配慮の面から塗料に含まれるビスフェノールはAからFへの切り替えが進み、ビスフェノールFが供給不足状態。「需要が増えても、原材料が入ってこないので供給できない」ため、一部の鉄管メーカーでは下水管など上水管以外ではビスフェノールAに戻す動きもあるという。 需要が増えている小口・多色化に関しては技術供与している三王と連携して対応を行っている。同社のミニマムロットは500kgとしている。 同社では環境対応、ランニングコストなどトータルでのコストパフォーマンスをアピールし、溶剤からの切り替えを進め拡販を図る。茨城と三重の工場ラインはフル稼働の状態。量が増え色数が増えるとともに色替え時間も増加している。塗料の拡販のためには生産体制の拡充は必須。増産体制に向け2直制も視野に入れる。

ボンディングメタリックを開始 三王

三王は小ロット・多色・短納期対応といったフットワークの良さを生かし、「コナール」を展開。出荷数量は月間8トンとなり採算ベースに乗っている。「今期はペースダウンした」(高橋専務)とは言うものの、前年比で5%程度の伸長率を示す。主力のエポキシ/ポリエステルタイプの他にさまざまな製品をラインアップしている。 同社では9月からボンディングメタリックの販売をスタート。以前は色決め・納品に1カ月以上かかっていたが、2‐3週間ほどに短縮された。シルバーだけでなくパールなど新色も出せ、10ケース(150kg)から対応する。「メタリックの需要は感じている。作業の容易さで溶剤からの切り替えとしてアプローチをかける。吹きムラもなく回収も可能になるなど、業者さんにメリットが出せる。また、意匠面では溶剤とは違う仕上がり感をアピールしたい」として、今後は色見本帳の作成も視野に入れ、本格展開していく。  また、ポリエステル樹脂タイプではグロス70程度までだったツヤが3分まで出せるようになり、ツヤありから3分ツヤまでに幅が広がった。半ツヤ、3分ツヤはニーズが高く、今まで対応できなかった需要の取り込みを狙う。

模様粉体塗料は工作機械やラック関連で採用されている。3種類のリップル調の大きさとツヤを揃える。自社で技術を取得しているため、個別に模様を変化させるなどきめ細かなニーズ対応を行っている。 製品開発・販売体制の小回りの良さがユーザーに評価され顧客の広がりも進んでいる。同社は販売店としてのネットワークを生かし拡販を図る。また、来年春にはエポキシ/ポリエステルで140×20分の低温硬化タイプの上市を予定する。

プリミドタイプをより身近なものに BASFコーティングスジャパン

BASFコーティングスジャパンは粉体塗料の高付加価値化へ向けた製品開発を積極化させている。そのひとつがプリミドタイプのツヤのバリエーション化に関する取り組み。 粉体塗料の需要で現在主流のポリエステルウレタン系粉体塗料だが、低温硬化性とともに焼付時に発生するヤニ成分の問題点などから改善が強く望まれており、近年、ウレタン硬化系に替わるニーズとしてプリミド硬化のポリエステル粉体塗料の動きが強まっている。

ただしプリミド系粉体塗料はこれまで光沢の制約が指摘されていたが、同社では困難とされていたマット調からフルグロスにいたる製品群を揃えることを可能とした。「今後、ワンショット化によって光沢の安定性及び生産性向上を図ることでコストを抑制し、お客様にとってより身近に感じられる安定した製品を提供できるよう取り組む」とし、08年の上市を目指している。 また同社は2001年からサハリンプロジェクトなど日本国内でも展開してきたBASFの3レイヤーパイプコーティング用エポキシ粉体塗料を全世界に向け展開している。厚膜、短時間硬化(プレヒートのみ)が可能でポリエチレンフィルムとの付着も良好といった特性がある。「日本国内でも継続的に引き合いが多く、今後とも拡大展開に注力していく」とコメント。

設立10年経過、初心に戻り営業活動 タイガードライラックジャパン

タイガードライラックジャパンはアルミサッシ、アルミカーテンウォールなどの建材分野へ向けたアプローチを積極化している。そうした中、今年大型物件での採用が決まった。仙台駅周辺の再開発プロジェクトで目抜き通りに建設中の「仙台一番町ビル」のサッシ部に採用されたもので、アルマイト処理に高耐候性ポリエステルのメタリックシルバーで仕上げ、6,000m2ほどの規模に達する。更に神奈川県下の大手建設会社の本社ビルでも、当初決まっていたフッ素塗装に替わり採用された。「工程減によるコスト面とともに、天然石部分との重厚感のバランスで当社のブラウンサテンがデザイナーに強く支持された」ことが採用理由。既に終えている神奈川工科大学、豊田市体育館などの採用も合わせ、著名大型物件での実績増を背景に更に設計指定活動を積極化させていく。

同社の販売のうち、3分の1をメタリックが占める。昨年末、メタリックをベースとした内外装建材向けとファインテクスチャーの2種類の色見本帳を新作。メタリック75色、ファインテクスチャー30色と豊富なラインアップで色調、輝度感、ツヤのバリエーションなど、意匠性を得意とする同社の強みがいかんなく発揮されている。既に数百冊レベルで頒布されており、見本帳からの色指定で注文がくるなど波及効果が出始めている。 今期に入り金額ベースでは10%ほどアップしたものの量的には横ばい。建材向けなどが金額面に寄与。反対に量的な部分では、生産拠点のある中国で今夏、異物混入などの問題から化学品関連の輸出すべてが検査のために1週間留め置きされており、それによる納期遅れも微妙に影響している。  そうした中、同社はこの9月で設立後丸10年を数えた。世界的な原料高に加え為替の影響などで「仕入価格が上がり厳しい状況にあるが、在庫の削減など内部努力でカバーし耐えられるところまで値上げはしない」とのスタンス。エポキシ/ポリエステルを縮小し得意なポリエステル、特に高耐候性タイプへのシフトを強化するなど集約による効率化と高付加価値化を進める。その一方で「まだ拾いきれていないユーザーも多い。10年経過を節目に再度初心に戻って足で稼ぐ営業に努めたい」と気を引き締める。

VA提案による利益確保を図る 神東塗料

神東塗料の粉体塗料事業は出荷量で前年比5%程度の微増の状況。フェンス、道路資材、軽量鉄骨など建材関係がややトーンダウンしているものの、一昨年獲得した鋳鉄管の大手直管メーカーの需要が好調。また配電盤やケーブルラックなど企業の設備投資に伴う需要は全般的には上げムードにあり、建材関連での需要減をカバーしている状況。 特に鋳鉄直管は良質な水質の確保という命題からモルタル管からの置き換えが進んでおり好調な需要にあるが、エポキシ樹脂粉体の原料であるビスフェノールFの確保が目下の課題。供給メーカーが限られ、現在のところ増産計画もないためその確保が難しく「直管メーカーの中には塗料が確保できず生産を一時ストップするところも出てきている」とタイトな状況。その分、価格転嫁は進んでいるものの、原材料確保という難しい課題がある。

同社は昨年から今年にかけて千葉・八千代工場の粉体製造設備を、それまでの4ラインから5ラインへと増強し月産350トンのキャパを確保した。「生産にある程度余裕が持て、フレキシビリティーを高めた。素早いレスポンス、小回りが効くといった当社の評価を更に高める」ことに注力する。 一方、原材料費の高騰と価格転嫁のギャップによる国内の粉体塗料事業採算の悪化という図式は、同社も例外ではない。値上げは難しく、また販売量の拡大によるカバーも即効性が期待できない中で「VA提案による付加価値品の拡販で利益確保に活路を見出していく」方向にある。 その一環として同社では今秋、自己洗浄機能を有する低汚染タイプの粉体塗料を発売する。土木建材などをターゲットに拡販を図っていく構えだ。またデュポンからOEM供給を受けているボンディングメタリックもスチール家具や工作機械のパーツなど、意匠を求められる分野で動き始めた。 更に5年ほど前から取り組んでいるUVパウダーの開発にも意欲的。「まだ基礎研究の段階」にあるものの、木質や厚物など用途を大幅に広げ、CO2の削減、生産性の向上など粉体塗料需要を一気に広げるとし、開発に拍車をかけている。

薄膜粉体塗料が好調に推移 ナトコ

ナトコはこの秋に生産増強を図り月産のキャパシティーを約180トンにする。これまでの自動化を更に推し進めるとともに、生産設備は大バッチにし、より生産効率を高める方向だ。 今期の粉体事業は出荷数量で年率30%アップと好調に推移しており、棚板、ケーブルラック、コンテナ(小物)更には産業機械関連でも採用が進んでいる。「ここ数年、粉体塗料は順調に伸びている。既存ユーザーの溶剤塗料から粉体塗料への置き換えが進み、脱溶剤が鮮明になっている」と状況を説明する。 採用されている粉体塗料は同社が開発した薄膜粉体塗料。微粒化ではなく、従来タイプを改良。レベリング剤の選定及び樹脂の相溶性など独自の処方技術で平均膜厚40μmを可能にした。「隠ぺい性、仕上がり外観に主眼を置くとともに、貯蔵安定性を考慮して開発した」という。

この薄膜粉体塗料はポリエステルタイプのツヤ有り、ツヤ消しとエポキシ/ポリエステルのツヤ有り、ツヤ消しの4品種を揃え、市場対応を強化している。「従来のメラミン焼付塗料から粉体塗料への置き換えはイニシャルコスト的には厳しい。平均膜厚40μmにすることで塗料使用量の低減が図られ、回収再利用によってトータル的に見ると十分採算に合うベースにきている」とコメントする。 また意匠性・デザイン性のニーズからボンディングメタリックを求めるユーザーが増えている。「検討を進めているが、現状高輝度塗色のレパートリーが少ない。それにマーケット的にどのくらいのボリュームが見込めるのか未知数」と慎重な構え。 その他、同社が展開している機能性粉体塗料は滑り止め性を付与したタイプや高耐候性ニーズからサンシャインウエザオメーター2000時間をクリアした高耐候性ポリエステル粉体塗料などを有している。  同社はオリジナリティーを重視した機能・意匠性を追求することで粉体塗料の裾野の拡大に寄与していく考えにある。

生産能力増強に向け設備更新 日本ペイント

日本ペイントの粉体塗料事業が順調に推移している。今期前半の出荷数量は前年比7‐8%増の伸長幅にあり、月平均の出荷量は740‐750トンのレベルにある。 建設機械や産業機械で採用が進むとともにデザイン提案によって工作機械にメタリック粉体塗料が採用。更に大手スチール家具メーカーのオール粉体化など需要範囲が広がっている。 同社の差別化製品として期待されるのがボンディングメタリック「多彩ビリューシア メタフィール」。自動販売機などの大型物件対応の生産が減少しているものの、小口・多色化対応の市場ニーズは高く、現状の出荷数量は月間24~25トン、年率15%の高い伸びを示している。「塗色としては彩度の高いものよりシルバーメタリック系が好まれる。また、粉体独自の意匠も溶剤系から切り替えの大きな要素となっている」とコメントする。

また同社が誇る粉体調色システムは既に5システムを納入。今年も3件採用が決まっている。従来フラットなパネル類の粉体塗装に採用されてきたが書棚などの凹凸の形状物に採用され始めたことから、同社では帯電調整を行うことで作業性を高めた。 更にこれまで吹き捨てで塗装していたものを再調整し、残塗料を使い切るようにCCMのバージョンアップを図り、コストメリットを出していく方向だ。 ここにきて注目されているのが低汚染型粉体塗料だ。ガードレールに採用され、国土交通省の「新技術情報共有システム」に登録されるなど、その機能性の評価が高まっている。粉体塗料専用に設計されたシリケート(親水化剤)を粉体塗料中に配合することで低汚染性を付与した。

そのメカニズムは「低汚染粉体塗料を金属素材に静電塗装し焼き付けると、塗料中の親水化剤が塗膜表面に移行し層を形成する」というもの。同社は他のマーケットに向け横展開を進めている。 同社の千葉工場は既に生産能力がいっぱいであり、国内5極(小規模も入れて)で賄っているのが実情。「長年の懸案であった生産能力増強に向け古い設備から順次更新していく」意向だ。これによって1.5倍の能力強化となる。また中国、東南アジアを含めた最適地生産、供給に向け取り組んでいる。

最適塗装に向けトータルに対応 関西ペイント

今年、関西ペイントはVOC対策、CO2対策など粉体塗料の立場から環境問題にトータルに対応するための新たな開発セクションとして粉体塗料開発部を設置した。環境規制が強まる中で、粉体塗料の引き合いが増えていることから総合塗料メーカーとしてのメリットを発揮し、関西ペイントならではの粉体塗料の開発を目指す方針だ。 汎用粉体塗料のニーズは低温硬化、薄膜化が依然として強い。従来のウレタン硬化のポリエステル粉体塗料は硬化温度が180℃×20分と溶剤系塗料に比較すると焼付温度が高いことがネックとされてきた。またブロック剤であるεカプロラクタムはPRTRの指定化学物質であるとともにヤニによる黄変が指摘されてきた。

同社は低温硬化が可能なHAAタイプのポリエステル粉体塗料の開発に注力。溶剤系並みの焼付温度を目標に取り組んできた。「樹脂や触媒の選定など独自の処方によって150℃×20分まで対応の幅を広げた」とコメントする。 溶剤系塗装の設備をそのまま利用できればイニシャルコストの大幅な低減が可能になるとともにCO2の問題もクリアできるとの判断だ。またHAAタイプの最大の問題点であった耐水性の課題も克服しつつあり、「見通しはついた」と打ち明ける。同社は140℃×20分を目標に更なる開発を進めていく意向だ。併せて薄膜仕上げへの対応も行っていく方針だ。

更に同社は電着+粉体塗装の2コート2ベーク仕上げを2コート1ベークで仕上げる省エネ工法を確立した。既に一部のユーザーに採用され稼働しているという。 「VOCに限らずトータル的な視点に立って最適塗装を目的に電着グループと共同開発を図ることで実現した」とし、粉体塗料にとどまらず自社の生かせる技術を活用し、ユーザーニーズに応えることで価値を見出していくことを強調する。 粉体塗料のニーズは高いものの、汎用粉体塗料で付加価値を付与していくのは難しい。同社は総合塗料メーカーのメリットを生かし、独自機能を追求することでマーケットポジションを高めていく方向だ。

一貫生産を生かしアクリルで差別化 東亞合成

東亞合成は自動車部品をメインにポリエステル樹脂系、エポキシ樹脂系、及びアクリル樹脂系の各粉体塗料を供給している。今期前半の出荷数量はほぼ横ばい状態にある。 同社は機能など性能重視で粉体塗料事業を進めてきたが、自動車部品の粉体化は行き着くところまで来たとの認識だ。「数年前に溶剤塗料から粉体塗料に置き換わり、厳しい膜性能が求められるところが残っている」状況だ。 そのような中で、アクリル酸エステルからの一貫生産メーカーとして同社はアクリル粉体塗料での差別化に重点を移しつつある。「現在、クリヤータイプの開発に力を注いでいる。フロー性に優れ、かつ耐食性能にも優れたタイプを開発することでニッチなマーケットにおいて採用が進む可能性がある」と化学メーカーの優位性を発揮し、マーケットの拡大を図っていく意向だ。

また低温硬化のエポキシ粉体塗料の引き合いが増えつつあるという。同社のエポキシ粉体塗料の硬化時間は120℃×20分のレベル。この低温硬化に注目が集まっている。「CO2の問題や樹脂と金属の複合材料が増える中で、マスキングレスなどの工程短縮、更にはコストダウンに結びつくことから採用が増え始めている」と事情を説明する。塗料の管理は30での保管と納期は1週間で対応しているという。 「コストダウンの要請が厳しい中で、マーケットを絞り込み、機能・性能面で差別化を図ることが生き残り策。国内は最終的には本質的な技術力の勝負となる」と明確だ。


メタリック粉体と模様粉体で差別化 コープラント

コープラントは台湾アクゾノーベルから粉体塗料を輸入・販売している。月間の出荷数量は数十トン、その半分近くがボンディング製メタリック粉体塗料となっている。「色見本帳もあるが、そこから採用されるケースは少ない」とオーダー品の多さを強調する。納期は標準色であれば1週間から10日で供給可能だが、オーダー品であれば1カ月は見てほしいという。オーダー品のミニマムロットは300kgからとなっている。
また価格も国内メーカー品より30‐40%ほど安価に設定。「現状、シルバーメタリックが多く採用されている。用途はパイプイス、車椅子のパイプや家庭用レンジフードなどとなっているが、年々色数は増える傾向にある」とコメントする。更に模様粉体塗料も国内メーカーが持たないデザイン性の高いマット調の砂模様などを差別化製品として紹介している。


一般色においてもHAAタイプのポリエステル系粉体塗料やエポキシ/ポリエステル系粉体塗料などがコストメリットから採用されており、「国内メーカーでなければダメというユーザーは少ない。ユーザーの品質、スペックをクリアしていれば問題はない。しかし、技術及び営業フォローをキッチリしていかないとユーザーは離れてしまう。売りっ放しでは難しい」という。
またパウダーの粒子径を揃え、シャープな粒度分布にしたフロー性のいい粉体塗料AFが弱電関連で採用されている。薄膜化の要求が高まる中で、同社は個別のニーズにも対応した供給を強化している。
今年は新規ユーザーの獲得も奏効し、出荷数量は伸長している。「マーケットは溶剤から粉体に切り替わっている。ジョブコータ-などからの紹介もあり口コミで広がっている」と現状を説明する。

ボンディングメタリックで差別化 大日本塗料

「VOC規制(改正大気汚染防止法)や室内汚染の問題から全体的に粉体ビジネスは底上げされている。設備更新に際しては粉体塗装を採用するケースが増えている」と状況を説明する。同社の月平均の出荷量は約500トンとほぼキャパシティ一杯になりつつある。 昨年同社は数億円を投じて小牧工場の粉体製造ラインを改造するとともにボンディングによるメタリック粉体塗料の製造設備を導入した。 製造ラインの改造は100‐300kgの小・中ロットに対応するとともに、生産効率のアップを目的にCCMによる効率生産を推し進めた。「小ロット・多色化が進む中で、量を求めると必然的に小口もついてくる。これをいかに効率的に生産していくかが採算ベースの分かれ目になる」という。通常1回で色が合うことはまれで、数回繰り返して合わせるが、小ロットに対しては調色回数を最小で済ませるよう管理している。

また現在のボンディングメタリック粉体塗料の出荷数量は月平均約10トン。従来のドライブレンドからボンディングに置き換わる他、二輪やトラックの一部の部品などに採用されている。「現状シルバーメタリックが量的には多い。非常にニーズとしては高い。デザイン性の求められるマーケットに拡販を進めていく」方向だ。 更にHAAタイプのポリエステル粉体塗料の開発にも本腰を入れている。「低温硬化が可能で、揮発成分がないといったメリットを生かしていく方向。建機や産機など厚板の熱容量の大きなマーケットに展開できる」とする。耐水性などの課題は前処理との組み合わせも検討しており実験段階では良好な結果が出ているようで、早期に品種の確立を図りたい意向だ。

同社は粉体塗料の差別化としてボンディングメタリックなど意匠性・デザイン性を高めていく方向にある。「嗜好性の高い分野は付加価値が認められるマーケット。デザイン提案を行いながらボンディングメタリックの認知を広げていく」考えだ。 同社の粉体塗料の生産キャパシティーは月産約500トン。既に一杯になりつつあることから「生産能力の増強に向け検討を進めている」とコメント。

市場対応力で差別化を図る 久保孝ペイント

粉体塗料事業が全社売上の40%を占める久保孝ペイント。これまでオーダー色10ケース(150色)から受け付け、納期は2週間に代表されるように少量多品種対応、即納力を武器としてきたが、今年から営業開発部を新設。大規模ラインを中心に新規ユーザーの獲得に力を入れている。また相次ぐ原材料値上げについても対策を打ち出し、供給体制面での強化を積極的に進めている。 同社の付加価値製品としては、昨年発売した脱カプロラクタム・非イソシアネート系粉体塗料が主力。同品は同社の固有技術を駆使した硬化方式を利用したポリエステル樹脂系粉体塗料で、既に一部のユーザーとの間で供給が本格化。硬化条件は160℃×20分で、耐黄変性、耐変色性を備えるとともに、エッジカバーリング性に優れた特長を有している。

また意匠面で注目されるボンディングメタリック粉体に関しては、「溶剤系と比べて価格及び意匠で見劣りが否めない」(担当者)としながらも、メタリックそのものの需要は鋼製家具分野を中心に旺盛な動きを見せている。現時点では、ドライブレンドタイプが圧倒的に多く占めるが、メタリック専用の色出しに専従のスタッフを配置するなど、機動力を高めた動きを見せている。 また同社はこのほど、1カートン(15kg)からの受注を可能にしている常備色を収録した粉体塗料用色見本帳を刷新。これまでの見開きタイプのブックタイプから、日塗工色見本帳と同じく扇形に開く色見本帳に作り変えた。ハンマートーンなどの特殊模様仕上げ色を削除したことで色数は減少したが、ソリッド色171色、特殊模様仕上げ21色の計192色をラインアップしている。 HAAタイプについては、継続して開発を続けており、専用の前処理の推奨や処方を改善することで、難点とされていた2次付着性の問題をクリアした。低温硬化タイプのニーズは「落ち着きを見せている」と話すものの、「これからは熱容量の多い被塗物のニーズが出てくる」と販売強化のタイミングをうかがっている。

超低温硬化タイプの販売を強化 川上塗料

川上塗料は昨年発売した超低温硬化エポキシ粉体の販売を強化する姿勢を全面に打ち出している。粉体市場全体が伸長する中にあって、同社の粉体需要は横ばい傾向をたどっている。「原材料の値上げが追いつかず、これ以上量的拡大を追うわけにはいかない」とあえて量的拡大を追うよりも付加価値化への転換を鮮明にし、採算重視へと転換を図っている。 その付加価値製品の代表格となるのが、先述した超低温硬化タイプのエポキシ粉体塗料。110×20分を実現した同品は、発売1年が経過し、建機の部品関係などに実績ができたことで、「これから全面的にPRしていく」と拡販に意欲を見せている。

というのも超低温化にしたことで、エネルギーコストの削減に寄与するとともに、建設機械や機械部品などこれまで粉体塗装が難しいとされていた厚物分野、耐熱性に劣る合成樹脂やダンボールの複合材、多孔質な表面の素材といった塗装も可能になることから新たな用途展開に期待している。更に焼付炉の改造や排ガス処理装置など新たな設備導入が要らず、溶剤ラインを一部改良する程度で粉体塗装の導入が可能になることから、メラミンユーザーの置換もターゲットに置いている。保存は通期で25以下としている。

今後の開発テーマとしては、エポキシのために屋内用途に限られるため、ポリエステル系の超低温硬化タイプの開発を進めることで屋外用途への展開も見据えている。 意匠性については、凹凸仕様を中心にオフィス機器や工作機械などで要求が上がっており、ボンディングメタリック粉体については外部に委託する形で対応している。 採算重視に切り替えたことで、課題は工場稼働率の向上。そこで少量多品種、色数など、小回りと技術力で差別化を図る方向。ミニマムロット100kg体制を構築し、納期通常2週間、新色3週間とリードタイムの短縮化にも努めている。

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