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Web特集

2007年10月09日

粉体塗料・塗装特集2007 原料メーカー動向

HAAタイプのポリエステルで差別化 ダイセル・サイテック

ダイセル・サイテックの出荷数量が順調に推移している。今年も半期で前年比2ケタアップとなっており、低温硬化のエポキシ/ポリエステル(ハイブリッド)とHAAタイプが貢献。 低温硬化のエポキシ/ポリエステルは出荷数量のかなりのボリュームを占めつつある。触媒内添タイプで140℃まで硬化温度が下げられるのが特長。 また同社が差別化製品として販売に注力しているのがHAAタイプのポリエステル樹脂。商業ベースで流れている製品はスタンダード2品種と高耐候ポリエステル樹脂の3品種。前者は添加剤が異なるものの160℃硬化で、かつ外観品質に優れ性能と物性のバランスがいいのが特長。後者の高耐候性ポリエステル樹脂はフロリダ暴露5年、グロス値50%以上の保持率を示し、硬化温度は180というものだ。既に国内において建機、自動車部品に採用されている。

ニーズの高いツヤ消しタイプではウレタン硬化のポリエステル樹脂とHAAタイプのスタンダード品と高耐候性ポリエステル樹脂でラインアップしている。特にHAAタイプの高耐候性ポリエステル樹脂のツヤ消しはサンシャインウエザオメーター1000時間、光沢保持率80%以上といった性能を有している。 同社が採用に向け取り組んでいるのがUVパウダー樹脂。現状、テーマを探している段階にあり、ボードメーカーや建材メーカーに向け提案を進めているがいまひとつ。そこで発想を変えロールコーターで塗装する方法を考案し、同社と水谷ペイント、ユニオンペイントの3社で協力体制を取りながらマーケットフォーカスを進めている。開発したコーティングシステムはペレット状のポリエステル系樹脂を熱ロールコーターで溶融しながらワークに塗布。IR及びUV照射で硬化させる。UV粉体塗料の技術を応用したもの。「VOCゼロの環境適性とともに1コートで100の膜厚が得られる」とコメントする。続いて「1コートのツヤ消しができれば目止めのような使い方が提案できる」とし、技術確立に努めていく意向だ。

マーケット拡大に向け拡販 エムスケミージャパン

EMSのPrimidの出荷数量は全世界で20万トンを超えた。上市以来欧州を中心にTGICの代替として採用され右肩上がりで伸長してきた。特に屋外用途で高い採用率を示し、汎用的な触媒として認知を得ている。 一方、国内においては昨年の出荷数量は約35トン。今年は50トンを目標に掲げ拡販を進めている。「従来のウレタン硬化系のブロック剤はPRTRの指定化学物質であるが、Primidは揮発成分を含まず、かつ低温硬化が可能になる」とアドバンテージを強調する。同社は産機、建機、自動車分野など付加価値の高いスペシャリティーのマーケットに展開をしていきたい意向だ。

EMSのPrimidXL552は08年末に特許が切れる。同社ではXL552に次ぐ新たな製品の販売について検討を進めている。「既に欧州で販売している熱安定性に優れたQM1260、フロー性を高めたSF4510など製品としては持っている。しかしいずれも既存化学物質として化審法の認可を必要とする」とコメントする。 既に特許切れを見越して数社の化学メーカーが同等品の販売に乗り出す意向にある他、中国では類似品が出回っているという。同社では来年更にコストパフォーマンス性を高め競争力を維持していきたい考えだ。

HAAタイプの専用樹脂が好調 ユニチカ

ユニチカの今年前半の出荷数量は前年比10%弱の伸長幅にある。「粉体塗料用樹脂は着実に伸びている。特にこれまで傾注してきたHAAタイプの専用樹脂の出荷が好調。出荷数量の20%弱を占めるまでになってきた」と説明する。 同社のHAAタイプの専用樹脂は「RE-8810」「RE-8820」及び高耐候性グレードの「RE-8850」の3製品を揃える。更にサンシャインウエザオメーター1500時間、光沢保持率90%以上の高酸化のツヤ消しタイプもラインアップし、製品の充実に努めている。

従来のポリエステル樹脂のウレタン硬化は硬化時間が180℃×20分で、ブロック剤にPRTR指定化学物質のεカプロラクタムを使用していた。近年低温硬化やノンヒュームのニーズの高まりと相まってHAAタイプのポリエステル樹脂の採用が増えつつある。「これまで鋼製家具などはエポキシ/ポリエステルのハイブリッドを使用してきたがエポキシ樹脂の高騰、耐候性のアップなどからHAAタイプを使用する動きがある」とコメントする。 またHAAタイプで薄膜化のニーズも高まっており、隠ぺい性、レベリング性などがテーマに上がってきているという。「50‐60μmの膜厚であれば問題なく使用できるが、40になると耐食性能の問題があり、ハードルは高い」と説明する。 同社では、HAAタイプの専用樹脂の開発については第2ステージに入ったとの認識に立ち、より性能アップを図っていく方向だ。「ひとつの大きな柱になりつつあることから、更なる耐水性の向上、更にはハイブリッドの知見を生かし、エポキシで耐食性を補うなど改良・改善を行い用途の拡大に結び付けていく」考え。

プロセス添加剤など新製品を投入 ビックケミージャパン

ビックケミージャパンは粉体塗料用の添加剤の販売を強化している。 今回、投入する新製品は粉体塗料向けのプロセス添加剤。粉体塗料用の顔料湿潤分散剤として「BYK‐3950P」と「同‐3951P」を上市する。高顔料濃度の粉体塗料は溶融時に粘度をどこまで下げられるかによって平滑性、鮮映性が決まる。顔料を吸着して保護層を形成し、顔料同士の接着を避けるというものだ。無機顔料において好結果を得ている。「これまでワックスを利用するケースがあったが、今回本格的な粉体塗料用の顔料分散剤として製品化。レベリング性、フロー性が高まる」と説明する。 またコンタミ、ハジキ防止用にアクリル系レベリング剤「BYK-3900P」、ハジキ防止剤「BYK‐3931P」を上市する。前者はポストウェッティング効果によりコンタミが表層に浮くのを防止する。いわばコンタミにアクリル系レベリング剤が吸着し表層に直接コンタミが出ないように覆ってしまう感じ。

後者のハジキ防止剤は表面張力を均一にすることでハジキ耐性を高める。「易動度が速く、表面への配向性を高めた設計。界面活性度が非常に高く、クレータ防止、レベリング性向上に効果を発揮する」と説明する。両製品は溶剤系に用いられている分散技術を粉体塗料用に応用したもの。 脱泡用の添加剤としてはワックス添加剤「Ceraflour961」「同962」「同993」がある。同じワックス添加剤としてポリエチレン・PTFEベースのツヤ消し剤及びテクスチャー用として「Ceraflour968」「同969」「同970」(ツヤ消し用)の3製品を擁す。 更にシリカをコーティング及びカプセル化することで光輝材の耐薬品性、耐湿性を向上させる「PowderSafe」はシリカコーティングのPCRとゾルゲル法によりカプセル化したPCSの2タイプがある。PCSは新しいタイプとして拡販していく意向だ。 その他、エカルトの製品としてゴールドブロンズパウダーやドルランシリーズなどメタリック材料も提供していく方向にある。

海外の建材用途で採用が進む 旭硝子

旭硝子はフッ素樹脂「ルミフロン」を展開している。建築向けの常乾タイプから焼付タイプまで用途に合わせ幅広いバリエーションを有す。近年環境問題から水性、粉体、弱溶剤とそのバリエーションを更に広げマーケットニーズに対応している。 粉体塗料用のフッ素樹脂は10年以上前に上市し、サンプル出荷を行っている。耐候性、耐久性、耐食性などの性能評価に時間を要すとともに、コストがネックとなり、国内では特殊な用途に使用されてきた。 しかしここ数年、海外マーケットにおいてアルミ建材の窓枠、サッシ類や金属部材に採用が進み年率30%以上の高い伸長を見せている。「環境問題から従来の溶剤タイプのPVDFからフッ素粉体に置き換わっていることが大きな要因。またこれまで3コート2ベークで塗装を行っていたものが1コート1ベークで仕上げられ、かつ塗料ロスが少ないことからコスト的にも十分採算に合うことが分かってきた」と事情を説明する。

既に海外のグローバルメーカーを始め各地域のローカルメーカーにも採用が進んでいるようで、「グローバルメーカーは非常に積極的。各社フッ素粉体を戦略製品と位置付けダイナミックな動きをしている」コメントする。 一方、国内はこれから。アルミ建材関連ではフッ素粉体塗料の仕様がなく、その規格作りに動き始めた。「国内でも設計士、ゼネコンが環境問題に敏感になってきている。流れとしては粉体塗料にあり、高耐候性が求められる外装建材はフッ素粉体の方向」と環境は整いつつある。 粉体塗料用フッ素樹脂のルミフロンはブロックイソシアネート硬化タイプで、焼付温度は180℃×20分というもの。同社はマーケットの拡大に向け低温硬化のフッ素樹脂の開発に取り組んでおり、160℃×20分がひとつの目安という。

高耐候性ポリエステル樹脂が好調 日本ユピカ

日本ユピカの粉体塗料用樹脂の荷動きは4月以降若干落ちているもののまずまずの動きという。同社が先鞭を付けた高耐候性ポリエステル樹脂(ウレタン硬化)が好調に推移している。屋外用途ではスタンダードになっており、室内用途でも被塗物によっては黄変を避けるために採用が進んでいる。「用途に合わせ、5品種を揃えており、ニーズにあったモノが選択できる」という。 またその高耐候性ポリエステル樹脂でもツヤ有りからツヤ消しのフルマットまで対応できるようになった。ツヤ消し剤と専用樹脂をセットにして販売を始めた。「ツヤ消しのコントロールがしやすいことから評価は高い。既にコマーシャルベースで流れている」とコメントする。

一方、HAAタイプのポリエステル樹脂は塗料メーカーの評価も済んでいるものの、採用には至っていない。またツヤ消しタイプの開発も進めているが、反応速度が速いため安定的にツヤが消えないといった課題を抱えている。更に高耐候性タイプの開発も終わっている。「サンシャインウエザオメーターで1500時間をクリア、光沢保持率80%以上。このHAAタイプはウレタン硬化の高耐候性タイプと同等の性能を持つ」と説明する。 同社は中国・江鮮省常熟に不飽和ポリエステル樹脂のプラントを建設している。誘導品として粉体塗料用ポリエステル樹脂の生産も行っていく方針にある。「中国、東南アジアはTGICタイプが利用されている。今後、HAAタイプが普及していくものと思われることからHAAタイプの専用樹脂を生産し、拡販に結び付けていく考え」を示す。また日本に輸入することも検討しているようだ。

アクリル粉体樹脂の普及に期待 大日本インキ化学工業

大日本インキ化学工業は高付加価値化樹脂へのシフトを鮮明にする。ナフサの高騰により樹脂原料の値上がりが続いており、「ここ数年で最大で2倍高騰している」(担当者)と、塗料メーカーに対し値上げ協力を求める一方で、汎用樹脂と一線を画した高付加価値化への転換を図っている。 そこで同社は、高耐候性ポリエステル、プリミド硬化用ポリエステル、アクリル樹脂の3タイプを差別化製品として位置付け、開発を集中させている。 高耐候性ポリエステルについては、SWOM 1,500時間以上を確保し、高外観タイプ、物性バランスタイプなど用途や要求性能に応じたラインアップを揃える。その一方で、将来的には溶剤系、シリコン樹脂並みの超耐候性の領域にまで開発を進める意向を明らかにする。

プリミド硬化用ポリエステルは、難点とされる耐水性など2次物性を改良するなど日本市場向けに特化した開発を実施。更に現状はショットブラスト性に優れるボンベなどの需要が多くを占めることから、更なる低温硬化タイプやツヤ消しタイプなど次世代品の開発を進めることで用途拡大を狙う。 アクリル樹脂は、現在のところ生産メーカーが世界でほぼ2社のみと同社にとってはワールドワイドでの需要拡大が期待される樹脂系と位置付ける。既にアジア地区ではアルミホイール以外にも高外観タイプ、低温硬化タイプの引き合いが高まり、欧州でも自動車用トップコート樹脂の需要が増大しており、オーストリアでの生産を始めた。また国内においてもアルミホイールの非クロム化に伴い、耐食性の向上に努めるなど各国の要求ニーズに応じた対応を積極化させている。

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