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Web特集

2007年11月26日

新規ビジネス特集2007 コア技術を生かし、事業領域拡大 塗料化技術の潜在能力に期待

塗料産業が成熟産業と言われ久しい中にあって、塗料化技術が最先端分野で採用されている現実がある。環境配慮型製品の開発やコア技術を生かした製品開発など、塗料メーカーは開発力を駆使することで新たな需要創出を目論む。また販売店においても従来の塗料販売業から脱皮するべく、サポート体制の強化や商材の拡大を積極化。新たな価値の提案力が成長の鍵を握っている。

直近5カ年の塗料生産量を見ると、平成14年178万トン、平成15年178万トン、平成16年183万トン、平成17年190万トン、平成18年195万トンと平成15年以降、順調に推移しているかに見える。
しかし、海外生産量に転じて見れば、平成14年70万トン、平成15年78万トン、平成16年93万トン、平成17年103万トン、平成18年117万トンとうなぎ昇りの成長をたどっていることが分かる。
その結果、全体の塗料生産量に占める海外生産率は平成14年が39%だったのに対し、平成18年は60%と海外生産が半数を超えた。その一方で、国内の塗料生産はシュリンクする傾向が続き、需要の成熟化から量的拡大は期待できない状況。国内市場が縮小傾向にあることを改めて浮き彫りにしている。
しかし塗料メーカー各社は、国内での基盤強化が安定成長を図る上で避けられないとの見方で一致しており、各社新たな需要開発に向けた動きを水面下で活発化させている。

需要開発に挑むメーカー
塗料メーカーの需要開発への取り組みを大まかに括るならば、(1)技術開発による需要拡大(2)既存製品(技術)をベースにしたユーザーの拡大(3)コア技術の応用による事業領域拡大の3つに大別される。
技術開発による需要開発においては、現在のところ環境配慮型製品の開発にほぼ集約される。VOC、CO2、排ガス、廃棄物、水質汚染、地球温暖化(ヒートアイランド)、酸性雨、環境ホルモン、シックハウスなど環境問題は山積。世界レベルで規制強化が図られる中にあって、塗料産業においてもこれらの課題をクリアすることが、社会存在意義を勝ち得る上で重要なテーマとなっている。


塗料に落とし込むと水系化、無溶剤化、粉体化といった塗料系が環境配慮型塗料として認知を得る一方で、遮熱機能や消臭など環境改善型と呼ばれる機能性が注目を浴びている。
しかし、現実には現行の規制をクリアすること以上の環境配慮形製品で圧倒的な市場優位性を得ている例はほとんど見られない。性能面でも既存の溶剤系塗料の性能やコストが普及拡大のハードルとして立ちはだかる。ただ発想を変えるならば、溶剤系以上もしくは匹敵するほどの性能を保持し、かつコストパフォーマンスに優れるなら、抜け出すチャンスがある。各社の環境配慮型製品の開発はまさしくその方向を目指している。


そこで、メーカーによっては原料メーカーからの製品では差別化は図れないと樹脂の重合や顔料の開発など素材開発から着手する動きも見せており、環境配慮を引き金に今後は投資力や技術開発力で性能に差がつく時代になることが予想される。
既存製品(技術)をベースにしたユーザーの拡大においては、流通、ユーザーとも既存の商流とは一線を画した形での展開を指向している向きが強い。特に工業用分野に代表されるように特定の顧客を対象にしたカスタマイズ製品の開発を積極化させている他、消費者向けに展開する動きも目立つ。いずれも固有の製品技術を新たなユーザーに訴求することで、需要拡大に結び付けたいとの狙いがある。


コア技術の応用による事業領域の拡大に見られるのは、ファインケミカル分野など新規事業への展開が中心。塗料化技術のベースであるコーティング技術、配合技術、分散技術、顔料技術は、これまで全く使われてこなかった分野への用途展開を可能にしている。
特にフラットパネルディスプレイやプリント基板など成長著しい電子材料部品分野では、塗料化技術が最先端技術として評価されている。しかし、日進月歩で革新が進む世界だけに開発にはスピードが要求され、また先行投資を要することも事実。このため、産官学共同や異業種企業とのコラボ開発が活発化している。

塗料販売店の需要開発策
メーカーが新規製品の開発を活発化させていることに対し、ある塗料ディーラー社長は「我々が提供できる顧客を持ち合わせていなければ、取り残されていくだけ」と危機感を露にする。国内の塗料生産量からも明らかなように、旧来の塗料販売の形態だけでは縮小することが明らか。それだけにメーカーの新規製品においても従来通り顧客との媒介役となれるかが、成長を図る上で重要な要素となってくる。
そのキーワードとなるのが、"提案力"。工業用や自補修ディーラーの中には塗装設備を設置し、塗膜形成プロセスや塗装研修など、サポート体制を強化する企業や、固有ユーザーニーズに対応するべく、化成品、接着剤、設備機器など取り扱い商材の拡大を積極化させるといった動きが出ている。


また建築分野においては、店頭売り、工事受注が需要開発策として存在するが、現状のところ決定的な打開策にまでは至っておらず、模索状況が続く。また最近では、インターネットショッピングを始める販売店も増えており、新たな販売チャンネルとして拡大するか、今後の動向が注目される。

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