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Web特集

2007年12月05日

新規ビジネス特集2007 塗料メーカーら20社の取り組み事例を紹介

アスベスト対策、コンプライアンス軸に 大塚刷毛製造

アスベスト問題が社会的にクローズアップする以前から、同社はアスベスト処理に関わる機器・ツールの開発を進めてきた。当初は国内より先行した海外からの輸入もあったが、国内メーカーとタイアップした開発を進めた。 例えば「エアシャワー」は現場向けタイプの設計から、同社が主導的に開発に携わってきた。アスベスト対策に関わる機材から検査装置までトータルな品揃えで先行した。 レベルIには塗装会社も多く参加しており、同社の流通チャンネルを活用することができる。塗装業者の他に防水業者の参入も目立った。

平成17年3月に入り、法規制前の駆け込み需要が発生するなど、アスベスト処理・対策工事は一気にヒートアップ。翌年に入ると防じんマスクの供給が追いつかないほどになる。 防じんマスクは作業レベルによって性能が異なり、使い分ける必要がある。このため対策レベルに対応した防じんマスクをラインアップ。更に規制の改正などによる基準変更にもスピーディーに対応。 処理業者にとって必需品であるマスクが入手できないことは即工事がストップすることに直結する。同社の窓口の電話は終日鳴りっぱなしという状態となった。

同社のスタンスはコンプライアンスを前提としている。アスベスト対策の広がりを受け、近隣住民からのアスベストに対する目も厳しくなる一方。コンプライアンスあっての事業との認識を強める。 アスベスト工事は一気に盛り上がったと思う間もなく、平成18年春には工事が激減する。「20年前のパターンを見ているようだ」と担当者。しかし今年度に入り盛り返しの傾向も見えている。 アスベスト含有基準が0.1%超含有するものと定められたことによって、アスベスト対策が求められる対象が広がり、あらゆる建材が対象となる。しかも断熱材などとして工作物に使われた石綿類の処理対策は始まったばかり。

大手量販店の一部では、エアコンの据付工事に関わるアスベスト対策に着手しているが、据付工事費がアップする分をコストに転嫁できずジレンマに陥っているケースもある。据付に伴って穴を開ける場合にも、試料を採取しアスベスト含有量をチェックする必要があるのだ。 同社は「石綿処理機材総合カタログ」をこれまでに改訂版として3回発行。またこのほど事業者のためのアスベスト除去・処理対策工事情報サイト「アスベスト・プロ」を開設、関連省庁のガイドラインから安全作業のためのヒントまでの内容を盛り込んだ。「コンプライアンスに向けた正しい情報をリアルタイムで発信していきたい」(担当者)とコメントする。

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鋼製橋、旧塗膜を安全、効率除去 土木研究所/山一化学工業

全国の橋梁(道路橋含む)が更新時期を迎え、その維持管理がクローズアップしている。従来のスペックの一般塗装系から重防食塗装系への転換を図り、耐久性の長期化を実現する方向が打ち出されているが、鋼製橋梁などの鋼構造物には防食プライマーとしてクロム・鉛を含有しているため、その安全な除去・回収の在り方が問題となっている。 ケレン作業による旧塗膜の除去には粉塵が発生するため、これの回収装置を装備しなくてはならず、橋梁の立地によっては回収装置のスペースのないケースもかなりある。しかも作業時間やコストの面からも課題が多い。

そうした中で注目されているのが「インバイロワン工法」。一般塗装系塗膜を除去するために、土木研究所と山一化学工業がタイアップして開発した。既に国道501号新大浜橋工事(熊本県)など数件の実績があり、「1回の剥離剤の塗布で多重塗膜の除去・回収ができるので、作業性が著しく向上」との評価が高まっている。 インバイロワン工法は、旧塗膜に塗布後、一昼夜放置し旧塗膜を軟化させ、ヘラなどで除去・回収する。従来のサンドブラストなどの機械式除去に比べ、作業効率性ばかりでなく、塗膜回収率など環境安全性が高い特長がある。 両社のデータによると、100m2規模での試算の結果、従来型の剥離工法に比べコストで約2分の1に圧縮が可能になる。サンドブラスト工法に比べると約5分の1まで圧縮と推計。工法的にはディスクサンダー工法が最も安価だが、2種ケレン以上の塗膜剥離には事実上適用ができない。 しかも機械的除去では100%回収が難しく、飛散の恐れ、回収してからの処理の問題と課題も残されている。

インバイロワン工法は剥離剤そのものがアルコールが主成分のため、作業者の人体への安全性が高く、旧塗膜を湿潤シート状に軟化させ除去・回収するので、ほぼ100%の回収が可能。 こうした画期性が評価され、平成18年度「第8回国土技術開発賞」を受賞した。この賞は平成10年度に(財)国土技術研究センターが創設、建設産業における技術を選定し表彰している。 山一化学工業はインバイロワン工法を展開するに当たって、材工一体のシステムを組み、工事の万全を期している。現在全国規模で塗装会社を中心に施工組織を構築しており、10数社が研修を受け参画している。 担当者は「社会的なインフラにかかわることなので、ビジネス優先ではなく物件ごとの責任施工で実績を積み上げていきたい。全国規模での施工体制を想定しているが、研修や技術レベルの確保など着実に基盤作りをしていく時期」と話す。 全国には一般塗装系塗膜を有している鋼製道路橋が約5万カ所ある。

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塗料技術をファイン分野に生かす 日本ペイント

日本ペイントは塗料で培ったコア技術を生かし、事業領域の拡充に取り組んでいる。特に現在、ターゲットに見据えるのは、情報通信産業に関わる電子材料分野。日進月歩で技術革新が行われる分野にあって、同社の技術が最先端技術として採用されている。 同社のファインケミカル事業の売上高は2007年3月期で約119億円。売上構成比5.3%のニッチ事業だが、成長性が期待できる分野とも言える。現在ファインケミカル事業は、表面処理、電子材料、ライフサイエンスと領域とする業種は幅広い。同社では表面処理分野をサーフ事業として独立させ、その他の分野をファインプロダクツ事業部が担当している。

塗料のコア技術とは、コーティング技術、配合技術、分散技術、電着技術など。「塗料で用いられている技術が、ファイン分野では革新的な材料として展開できる」(開発担当者)と意欲は高い。ファインプロダクツ事業部が見据えるのが情報通信産業分野。中でもフラットパネルディスプレイ、プリント基板、電子回路用途において、さまざまな開発製品を生み出している。 プリント基板向けでは、レジスト電着法を開発。感光性樹脂と付き回り性の高い電着塗装を応用することで、プリント基板の回路形成用エッチングレジストを生み出した。この電着レジストは、均一薄膜形成技術を利用し、回路の微細化が可能。高密度プリント基板の製造に採用され、コスト低減や産廃削減に貢献している。 また、この感光性材料の設計技術と電着技術、更に顔料分散技術を組み合わせたのが高透過率カラーフィルター。膜厚のコントロールができ、色パターンが自在に変えられることから少量多品種に適し、携帯電話やパソコンのディスプレイに採用されている。現在はディスプレイの大型化に伴い、技術を大手家電メーカーに売却し、材料供給という形で継続している。

電子写真関連材料分野では、樹脂合成技術をベースにナノからサブミクロンの粒子径をもつ樹脂粒子を開発。ブロッキング防止剤、流動化剤、帯電補助剤などにも使用されている。 これらの材料設計技術はディスプレイ用の表面処理にも生かされており、「配合技術により防眩膜用材料にも適用されている」と説明。ディスプレイやタッチパネル向けには現在は耐指紋性クリヤーを開発するなど、用途開発を進めている。 また今年、大手印刷メーカーと共同で従来より明るいリップマンホログラムを開発した。現在、エンボスタイプのホログラムが紙幣の偽造防止等に利用されているが、リップマンタイプは立体表現に優れているのが特長。紙幣や部品など偽造・偽装防止に寄与するとあって、採用が拡大している。 その他、金属ナノ技術をインクジェット分野に応用し、通常の印刷機で銀の配線が施せる技術や、白金をナノ粒子化し触媒利用することで発電効率を高め、燃料電池や携帯など電池の長寿命化に寄与する技術も擁している。

得意分野にビジネスチャンス 大日本塗料

大日本塗料は重防食分野向けに無公害タイプの防錆顔料を自社開発し、環境に配慮した技術による差別化で市場優位性を確保する狙いを持つ。 昭和4年の創業以来「ズボイド」で知られる鉛系錆止め塗料を主力に重防食分野の第一線を走ってきた同社だが、環境対応への動きから鉛フリー、重金属フリー型塗料のニーズが高まっている。JIS規格からも鉛系塗料の廃止が予定されている中で、従来の性能を維持しつつ、環境配慮に優れた開発が今後の需要獲得の分かれ目となっている。 そこで同社は8年前から顔料開発に着手。無機顔料の開発を経て、鉛・クロム系顔料に匹敵する防食性能を有した防錆顔料の開発に成功した。 リン酸カルシウムを基体とした新顔料は、鉛・クロムフリーで、亜鉛のような重金属も含有しない環境配慮型。またリン酸カルシウム自体、人体の骨に近い成分を持っていることから、人体に影響を及ぼさないなどの特長を有する。クロムフリーの代替としてリン酸アルミニウム亜鉛などがあるが「海外では水質汚染物質に指定されている物質でもある。性能面、環境面においてそれらとは全く違う」と強調する。

防食のメカニズムとしては、表面に薄い皮膜をいち早く形成することで、腐食性を保持。塩化物イオンに強い抵抗性を持ち、侵入してきた水分を別の物質に変化させる機構を持つ。 塗料適性もフタル酸樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系と幅広い適用性を有しており、「自社開発品であることで、塗料に応じたカスタマイズも容易になる」と、競合他社との差別化が図れるとあって、今後の動向に期待感を見せる。現在、特許出願中。世界で類を見ない顔料だけに、今後は海外生産やライセンス供与などの可能性も示唆する。 今回の顔料開発を実現させたのは、長年の間に培った市場ノウハウとともに、塗膜の腐食診断技術が背景にある。

同社は電気化学的に腐食劣化を測定する塗膜診断装置を独自で開発しており、このことが重防食分野でリードカンパニーと評される裏付けともなっている。またこの腐食劣化診断技術は、防食分野のみならず、飲料缶、アルミ船、自動車用電着、パイプライン、船舶の外販、マグネシウム合金などにも装置の有効性が確認され、さまざまな事業領域で生かされている。 先日発表した現場型塗膜下金属腐食診断装置による塗膜診断と塗替え仕様選定システムもその最たる例。これまで試作品で使っていた診断装置をわずか2.7kgと軽量化することで顧客自らが簡便に劣化塗膜を診断することが可能になった。実験室型は既に20社ほどの企業が採用している。一部自動車メーカーの導入も。ストック需要の増加に伴い普及拡大を見込んでいる。担当者は「重防食分野において、美観、防食性での技術競争は頂点に達した。これからは環境配慮や遮熱、落書き防止などに代表される機能性での差別化が顕著になる」と説明。 原料開発から塗膜診断まで、得意分野の技術を深化させることで、新たな需要を呼び起こそうとしている。

内装市場を掘り起こす エスケー化研

エスケー化研が新たに開発した内装用汚染防止エマルション塗料(EP-Si)「セラミフレッシュIN」が好評だ。上市以来同品の最大セールスポイントである汚れ防止並びに汚れ除去性が高く評価されているためだ。 室内の壁用塗料にとって汚れは大敵。特にコーヒー、醤油、トマトケチャップなど食品類に起因する汚れは落としにくい実態があり、除去できてもシミが残るという課題があった。 同品は特殊シリコンエマルションの重合技術に加え、同社独自の塗膜表面の形状をコントロールすることにより汚染性液体の塗膜内部への染み込みを防止することに成功。更に表面に付着した汚れに対しても汎用のエマルションペイントと比較して容易に除去できる。このため長期にわたり美しい壁を維持することができる。

同社がテストした結果では、汚水、靴底、アイシャドー、タバコ灰、チョーク、色鉛筆、新聞紙、手垢などの汚れに対しても汚染除去性能があることが証明されている。 また対洗浄性は汎用エマルションペイントではブラシ荷重450gで洗浄すると、200回ほどで塗膜の汚れ、剥がれ、下地・素地が露出。これに対しセラミフレッシュINは3,000回レベルでも異常がなかった。 VOC含有率は1%未満、低臭のため塗装中も気にならず、塗装直後から平常生活が可能。抗菌・防カビ性を付与。防火認定取得。 「内装市場を拡大するための突破口として展開したい」と担当者はコメント。

現場施工対応のUVシステム 玄々化学工業

玄々化学工業は新築、改修のマンションや戸建住宅のフローリング材、ショールームのピータイルの床面にUV照射で仕上げる現場施工型のUVコーティングシステムを展開している。 同社は新築、改修にとどまらず現場施工でUVコーティングを行うことで防水・耐摩耗性・防滑などの機能を付与することができることから、付加価値の高いコーティングシステムとして事業展開を進めている。

このほど新たに出力装置とハンドランプ(照射ランプ)の軽量化を図るなど作業性を高めた。また「これまでよりピーク強度を高めることで照射時間の短縮化を図るとともに、それに合わせて塗料の仕様も変えた」と説明する。 同システムでは基材との密着性を考慮しプライマー3種類を揃えるとともに、水性タイプのUV塗料とTXフリーの溶剤タイプのUV塗料をラインアップしている。 またここに来て取り組む業者が増えつつあることから、より現場のノウハウを蓄積するため同社が窓口となって受注を行っていく方向にある。「現状、関東、東海、九州に施工業者がおり、そこをメインに行っているが、今後東海地区を中心に責任施工体制で認知度を高めていく」方向にある。

今年に入り、自動車展示のショールーム400m2を同システムで施工した。「従来のピータイルの上に施工することで滑り防止機能を付与した」という。硬度7H、光沢劣化もなくユーザーからは好評。「潜在需要を顕在化させ、床用需要の拡大を進める」意向だ。

レンガ調タイル「カルセラ」展開 玉川窯業

玉川窯業は外壁塗装の上に直接施工できる超軽量外壁タイル「カルセラ」を用いたカルセラリフォームを展開している。 自社開発の軽量タイルは重さが一枚125‐130g、比重が0.85と水に浮く重さだ。更に1,250℃で焼成させたセラミックスレンガ調なので非常に耐久性能に優れるといった特長を持つ。 接着剤は変成シリコーン系1液弾性接着剤をメーカーと共同開発、厚さ2mmを塗布することで強固な接着層を形成。剥落などの心配はない。 更に「スレート鋸で簡単にカットできるので現場における加工の手軽さも従来のタイルとは異なる」とこれまでのタイルのイメージを凌駕する新素材だ。同社では提案型のテクスチャー素材としてPRを行っている。

ここ数年の間に建材商社を通して工務店などで2万棟の実績を有し、戸建住宅の玄関、窓枠、コーナー部などのデザイン的なワンポイントして採用されている。また戸建住宅では全面に採用されるケースもあり、ニーズは高い。 同社は塗装との組み合わせで付加価値提案ができることから塗料流通を生かした展開を図っている。「塗装業者向けに新工法を開発し、簡単な研修を受けて頂くだけで施工ができるので、外装塗替えとの相乗効果が図られる」とコメントする。既に販売店を経由したスタイルで塗装業者にアピールするなど組織作りを進めている。 また同社はタイル施工の大規模修繕用に対応した少量改修タイル「セラシスト」の受注生産もスタートさせた。

遮熱デモ機、特許戦略へ 日本特殊塗料

機能性を追求し、スペシャリティコンセプトに特化する戦略を進める日本特殊塗料は、その基幹となる技術の特許戦略を打ち出した。 パラサーモのブランドで遮熱分野トップの一角に位置する同社だが、製品開発とともに他社に先行して遮熱性を体感できるコンパクトなデモンストレーションツールを開発したことでも知られている。このツールの開発のインパクトは大きく、百聞は一見にしかずの通りの効果を上げる。今ではセールスする上で不可欠のツールとなっている。見せ、触れ、実証する機能を同時に発揮したといえる。

そのツールが今年1月5日付で「遮熱塗膜の評価装置」として国内特許が成立。これを受け同社は、類似したデモ機を使用する場合、特許に抵触する可能性があるため、特許の実施権を行使していく。 現在数社の塗料メーカー、販売会社に対し注意喚起を行っている段階にあり、担当者は「回答を待って判断していきたい」としている。同社としては特許を守る立場から、実施権の許諾まで協議していきたい意向。

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帯電防止・高潤滑塗料の販売強化 大東ペイント

大東ペイントは金属包装容器用塗料や木質フロアー用塗料、工業用塗料などを展開している中で帯電防止塗料や高潤滑塗料といった高機能塗料の販売の強化を進めている。 帯電防止塗料「クリーンテクノシリーズ」はクリーンルームすべての部位に対応した製品を揃えている。壁や天井用の「クリーンテクノ水性」、鋼製床パネル用の「クリーンテクノ♯1100」、製造機器類用の「クリーンテクノ♯2200」など。また、現行品では鉄部階段・手摺り用では溶剤タイプだが、近々水性タイプを上市予定としており、壁・天井・鉄部の現場施工用ではオール水性化を図る。 「工場の床用として開発したのが最初でそれから品揃えを充実してきた。今ではすべての部位に対応できることが強みになっている。最近では液晶工場や半導体工場での採用が増えている。導電性を求められる部品は多く、幅広く販売を進めていく」(担当者)。

また、工業用として高潤滑塗料「ルブリダイトシリーズ」を展開している。同品はPTFEなどの固体潤滑剤やフッ素樹脂、シリコン樹脂を配合し低摩擦性を実現した。摩擦係数値は0.03‐0.08と低く軽荷重下で優れた自己潤滑性を発揮する。100時間錆の発生がないなど優れた耐食性の他、耐熱・耐寒性、化学安定性、非汚染性、非粘着性などを有する。棚板やシャッター、スライドレールなどに適している。「当社は小回りの効く営業、開発を行っておりユーザーさんごとに対応できることが強み」として拡販を図る。

自補修技術を工業用分野に展開 イサム塗料

「いずれは自補修(車両)6割、建築2割、工業用2割の売上構成比になるだろう」とイサム塗料の塩崎征二社長は話す。2007年3月期の売上構成比は自補修69%、建築11%、工業用15%。全体的な底上げを図る中で、車両補修市場は構造的要因から成長への材料は乏しく、建築、工業分野の拡大が成長の鍵を握っている。 中でも期待しているのが、工業用分野の拡充。自補修で培った意匠技術や調色技術が工業用塗料分野での採用実績を高めている。現在は、自動車関係、フォークリフト、建材、医療機器、農機具などの分野に展開。また自販機やエレベーターなどにも採用されている。「ホテルのエレベーターは各階で色分けし、パール塗装などの要求もある」と色数や機能を要する用途に同社の固有技術が生かされている。

また同社にとって追い風となっているのが、環境対応や塗装の付加価値化を図りたいとするユーザーの変化。焼付アクリル・メラミンからウレタン塗装への移行やPRTR対応及び水性化など、ユーザーが新たな塗料系の導入に向けて積極化していることで、開発案件が多く寄せられている。 しかし、課題は流通網の整備。塩社長は「工業分野は販売店の協力なしでは需要は作れない」と、既存の特約店との協業を図る意向を示している。特約店は自補修分野を主力としているだけに不得手な分野となるが、汎用製品の開発や研修会の開催などサポートを図ることで、販売店の活性化に期待している。

プラスチックリサイクルに寄与 トウペ

トウペは環境安全配慮を差別化とした製品開発を積極化させており、新たな需要創出へと結び付けている。 工業用塗料分野では、水系リサイクル型プラスチック塗料「リペレシステム」を開発。リペレ塗料を塗布した使用済みプラスチックを素材に戻す際、色別に仕分けしたり、リサイクルプラスチックを生産する工程に色あわせをする必要がない。これまで塗膜とプラスチックが容易に溶け合わないためリサイクルの際、塗膜の分離及び剥離が必要だったが、リペレ塗料はプラスチック塗料に容易に溶け合うためプラスチックリサイクルの促進に貢献するとして需要拡大が期待されている。同品は、鈴鹿富士ゼロックス、宏和塗料の3社で開発した。更に同社はこのほど、タイでの現地生産に踏み切り、海外での需要増に対応する意向を明らかにしている。

道路用塗料分野では、視覚障害者向けの歩行支援システム「トアエスコート」を上市している。 同品は一般交通にも支障を与えずにバリアフリー化できる標示塗料を製品化。「トアエスコートガイド」は、梯子状にリブを取り付けたネット型シートを使用するため施工が簡便で、安価にできることが特長。リブ表面に細かい突起を取り付けることで耐スリップ性の向上を付与し、固着材に2液反応形を使用するため耐久性が高いなどの性能を有している。横断歩道においてもバリアフリー化を実現する他、横断用には白・灰色を採用した「トアエスコートゾーン」を揃えている。

組立式治具とマスキングパーツの販売 岩田製作所

岩田製作所は組立式の塗装治具とマスキングパーツの販売を行っている。今年の春から本格展開に入り、カタログ販売で実績を上げている。これまで塗装治具などを標準化したビジネスはなかった。ニッチなマーケットで売上も着実に伸び、ビジネスモデルとして確立しつつある。 組立式の塗装治具(ハングオンパーツ&フレームパーツ)は標準化されたフレームとパーツで簡単手軽に組み立てられ、1つで幾通りにも使用できる汎用性の高い塗装治具。 従来、塗装治具は被塗物形状に合わせ社内製作か専門業者に依頼するのが常識となっていた。同社はフレームやパーツを標準化することでフレキシブルな組み合わせパターンと形状・種類で対応を可能にした。「塗装治具は製作も大変だがメンテナンスはそれ以上に大変。現場の声から生まれた組立式の塗装治具」とコメントする。

同品は被塗物に合わせカタログ注文ができることから必要なものを、必要なときに、必要な分だけ注文できる。現場で自由に組換えも可能で、かつバラして保管もできる。また外注に発注する手間が不要というもの。「試作ハンガーが不要になり、サンプル請求もOK。更に小ロットにも対応している」という。今後ニーズに対応し特注の製作も行っていく意向。 またマスキングパーツは豊富なサイズとバリエーションを取り揃えさまざまな用途に対応できる。現場の声を生かして製作されたパーツは代用品では得られなかった利便性を提供する。

グリーンポリマー塗料を開発 関西ペイント

関西ペイントはシャープと共同で、世界初となるグリーンポリマー塗料を開発。家電用プラスチック部品向け(液晶テレビのテレビスタンド)に実用化させている。 グリーンポリマー塗料は、とうもろこしから得られる澱粉を素原料としたエステル化澱粉樹脂が基体樹脂となっている。塗料化には、エステル化澱粉樹脂組成の分子量、樹脂Tgの適性化、硬化剤の適性化、硬化触媒の選択、植物由来の改質材の適用、シンナーの最適化がポイントとなった。 分子量の調整については、酵素により主鎖を切断することで調整。また硬化剤は、エステル化澱粉樹脂に水酸基が存在するため、水酸基に反応できる硬化剤と組み合わせることで、硬化形塗料を開発した。その他、さまざまな条件をすべてクリアすることで、家電用プラスチック部品に求められる意匠性、光沢、硬度、耐洗浄性、耐水性、耐アルカリ性、耐黄変性を確保。従来の植物由来では実現し得なかった塗膜性能と実ラインにおける作業性を実現した。

グリーンポリマー塗料は、植物が成長過程で吸収した二酸化炭素を塗膜焼却時に放出するだけで、大気中の二酸化炭素の総量は変化しない。既にグリーンポリマー自体は容器包装、文具日用品、園芸品など採用事例が拡大しており、グリーンポリマー塗料は石油資源の大幅な節約と循環社会の構築に寄与する。今後のテーマは用途拡大。シャープでは、白物家電への適用をはじめ、用途拡大を計画している。

得意分野で基盤強化、水系に注力 神東塗料

売上高対前年比約10%増と堅調な動きを見せている神東塗料のIU(工業用)分野。型鋼、窯業系建材、工作機械、鋳鉄管、配電盤などの分野を得意とする同社は、"水系製品の開発"を今後の成長の鍵と見据えている 水系化への取り組みは業界でも早く、同社全製品の7割が水系を含む非溶剤系で占める。しかし、IU分野では4割と溶剤系が半数を超える現状。「水系化を図ることでビジネスチャンスは拡大する」(担当者)と、特に常乾用途での移行を視野に入れ、水系製品の開発を急いでいる。既にRoHS規制などに先立ち、工業用塗料でもほぼ全品目で鉛フリー、重金属フリーを実現。また高いシェアを有する型鋼分野においては、ローラー作戦を実施し、一気に全国的に水系塗料の普及を広めるなどの実績を有している。「これからは上塗り塗料の調色の問題が大きくなる」と水系化への課題を指摘するが、固有の樹脂技術を強化することで差別化を狙う。

その一方で、同社は特定ユーザーと密な関係をベースに新規塗料の開発に取り組んできた経緯がある。ユーザーの生産品目の拡大に応じてオリジナル性のあるユニークな製品開発を実現。鏡用の裏面用塗料やゴルフボール、電磁波シールド塗料などは代表的製品で、中でも電磁波シールド塗料はハイテク化が進むパチンコスロット機に採用され、売上に大きく寄与している。また家電メーカーとは、エッジカバーリング性を向上させた粉体塗料を共同開発している。

エアーブラシ事業の拡大 アネスト岩田

エアーブラシはホビー、クラフト、カスタムペイント、ネイルアートやイラストなどさまざまな用途で使用されている。アネスト岩田では2002年にエアーブラシ事業チームを発足。本格的な市場開拓に乗り出した。もともと同社のエアーブラシの歴史は1930年代までさかのぼるが、スプレーガンの範疇にひとくくりにされていた。 その反省に立ちハード製品のみの販売体制から脱却し、エアーブラシ、専用エアーコンプレッサ、各種アクセサリ、専用色材、情報提供などのハードとソフトの充実に努める。「国内における製品ラインアップは発足前のエアーブラシ10種類から27種類に増え、専用エアーコンプレッサ4種、How toビデオなどのアクセサリも多数取り揃えるまでになった。またエアーブラシのトリガータイプを開発するなど使いやすさも追究した」とコメントする。

国内実績はチーム発足時と比較して売上的には約6倍になったものの、マーケットボリュームが10数億円と小さなマーケット。従って国内のみに特化するのではなく世界をテリトリーに事業の拡大を進めていく考えだ。 既に米国では事業パートナー・イワタメディアが事業展開を図っており、『iwata』 のブランドは一般ユーザーに浸透しつつある。「実際、欧米ではカスタムペインティングブームが戻ってきており、カスタムカー、バイクなどの展示会や専用塗料のセミナーが数多く開催されている」。国内でも昨年から一般ユーザー向けに講習会を開催し楽しさをアピールしている。

白アリ対策、軌道に乗る 吉田製油所

白アリ対策に特化することで同社の主力である木材保護塗材の出荷が活発になる好循環を生み出している。ニッチの分野にスペシャリティーシステムで対応していく方向を強める。 「白アリスーパー21」は非エステルピレスロイド系の化合物で、シラフルオフェンを配合した環境適合型シロアリ防除薬剤。合成ピレスロイド剤に匹敵する殺虫効果を生ずるが、毒劇物法に該当しない安全性がある。 白アリなどの木材害虫に対し高い殺虫効果があり、人体や土壌に対しては低い毒性で揮発性も極めて低く、居住者、作業者、周辺環境への影響がほとんどない。有効成分であるシラフルオフェンは水稲・果樹・野菜の農薬として広く利用されている。

同品の低臭バージョンを開発し、「白アリスーパー21・低臭性」として上市した。従来までの防蟻製剤と比べ薬剤臭、溶剤臭がほとんどなく、周辺への臭いを気にする心配がなくなった。 白アリ対策問題は全国的に深刻度を増している反面、訪問販売業などによる脅かしめいたセールストークによる白アリ駆除が社会問題化し、生活者からは敬遠されている実態がある。 このため同社は5年前から、ホームセンタールートを介したダイレクト販売に活路を求めた。「自分でやる白アリ対策」キャンペーンが大きな反響を呼び、売上増大に大きく貢献した。「被害を受けてからの対策よりは防止対策をアピールしていきたい。生の声が聞けるので、販促もダイナミックになってきた」(吉田善彦社長)。

銀鏡塗装システムが伸長 石田塗料

石田塗料が販売している銀鏡塗装システム「nano Ag SYSTEM」の販売が伸長している。5月から本格展開をスタートさせ、HP作成や展示会への出展、研修会の開催などでPRを行っており、既に約40ユニットの実績を残している。「実績としては車・バイクのボディーショップさんだが、工業用関係からの問い合わせも多い」として、今後工業向けへの改良も検討する。 「nano Ag SYSTEM」は高品質なメッキ調銀鏡被膜を簡単なスプレー作業で得られるシステム。用途としては、ガソリンタンクやフェンダー、エンブレムなど車やバイクのパーツで使用されている。ただ、基材や大きさを問わないため、プラスチックや木材などメッキでは不可能な用途も可能になり、需要のマーケットは広い。

このほど近くに研修センターを開設した。「実際に見たいという問い合わせや要望が多く、デモ塗装できる場所が欲しかった」として、定期的に研修会を行っていく。 また、教則DVDを作成しユーザーへの技術フォローを行う。「銀鏡塗装はメッキ調の外観が得られることから関心は高い。しかし、実際に使用していく上では正しい使用方法が大切。こちらとしても売りっぱなしではなく、その後もユーザーとコミュニケーションを取ってさまざまなフォローを行う必要がある」との方針だ。 今後は同システムでの施工事例や営業戦略などを掲載した情報誌の作成も視野に入れ、ユーザー及び一般消費者へのPRを強化していく。

水性2液特化、ライン採用へ 大宝化学工業

水性2液に徹底的にこだわった展開が実を結び始めている。「水性化の流れの中で1液タイプは使いやすさからいえば2液を上回るが、当社としてはあえて性能にこだわり、溶剤系に匹敵するクオリティーを追求してきた」と小笠原敏明社長は強調する。 その第1弾として開発にこぎつけた「プーチロン」は木部用の水性アクリル樹脂系。上市して5年目に入り、売上が毎年倍増のペースで拡大している。「(売上)ベースが小さいものの、拡大の勢いはついてきた」という。建材や体育館のウッディーフロアのメンテナンス用など、用途も拡大。ラインスペックも増えてきた。

水性2液の第2弾となるのが「ブッシュロン」。3年前の上市だが、ライン対応のケースが多く、ユーザーのサンプル評価に時間がかかり、ようやく数ラインで採用。これから拡大期に入る見通し。同品は水性ハルスハイブリッド樹脂系。ハルスハイブリッドの導入は同社が先行した独自技術。金属素材に対し耐候性、高光沢など、高い性能が評価されつつある。ターゲットは建機だが「もっと領域を広げた販促をしていきたい」との方針。 また「ブッシュロン」を提案する中で、ユーザー側から焼付タイプのニーズが出て、現在「ブッシュロン焼付型」の開発に入っている。早急に製品化していきたいとしている。 小笠原社長は「焼付型が完成すればブッシュロンのプライマーを含めた商品体系ができるので、幅広いアピールをしていきたい」とコメントする。

吸音天井ボード専用、再生工法 プロペクト

プロペクト(本社・千葉市)が開発し、展開する岩綿吸音天井ボード専用の塗替えシステム「ぱうだあコート」が着実に実績を伸ばしている。最近になって競合品が上市されたが、実績とともに「臭いの低臭レベルや性能で当社の方が上回っている」(担当者)と自信を見せる。 防音用の天井ボードとして多用されている岩綿タイプは、アスベスト対象物となっており、解体の場合は法律に則った対策が義務付けられている。このため塗替えなどにより長期間にわたり使用したいとのニーズが高まっている。しかしこのボードには吸音用の穴があり、通常のエマルションペイントで塗り替えると性能低下につながる。

ここに着目し、同社が開発したぱうだあコートは自然のシリカを主成分として、ミクロンオーダーのパウダーが穴を損なうことなく、ボードを美しく再生することができる。また微臭のため、塗装中・塗装後の臭い残りの心配がなく、VOCやアルデヒド類などのシックハウス関連物質をほとんど含まない。重金属フリーの環境安全性を確保。 しかも通常のエマルションペイントによる塗替え作業に比べ、作業性が高くスピーディーな施工ができる。仕様は洗浄後、エアレスガンで均一に1回吹く。塗布量はリットル/8m2。仕上げに化粧吹0.13kg/m2。乾燥時間はいずれも1時間(20℃)。ほぼ1日の工程で塗替えが可能。 「需要が東京周辺に偏っているので、全国に普及させたい」意向だ。

ニューデザイン、ツヤ消し BASFコーティングスジャパン

BASFコーティングスジャパンは「サティントップ(半ツヤ消しクリヤー)」並びに「シリカトップ(ツヤ消しクリヤー)」を上市した。自補用トップコートの半ツヤ消しバージョンはニュートレンド。 ダイムラークライスラー社が人気のデザイナー、ジョルジオ・アルマーニ氏と協力しデザインした「ベンツCLKカブリオレ」に対応した同社のツヤ消しクリヤーが採用され世界的に注目を集めたことが同品開発の背景にある。100台限定のデザインでありながら、市場は新規のツヤ消しクリヤーへの関心を高めている。ボディーの一部や内装部品に使ってデザイン性を高めたいとのニーズがあるからだ。 「サティントップ」は添加剤なしで半ツヤ消しが可能なR‐Mブランド初のクリヤーコート。プラスチックパーツ(硬質/半硬質)の補修に最適。十分な弾力をアプリケーションに対し付与するため、プラスチック部品の上でもFLEXを加える必要がない。均一な半ツヤ消し塗膜を形成し、高いレベルの耐擦傷性がある。 「シリカトップ」は同じくプラスチックパーツに適する。 いずれも「ダイヤモント」と「オニキス」両方に使用が可能。

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