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Web特集

2007年12月17日

ショールームが相次いでオープン 生活者ダイレクトの機運高まる

塗料・塗装の魅力を伝えて、需要開発につなげたい―。このような思いから地域の生活者をターゲットとしたショールームやショップを立ち上げる業界企業がここ数年増加している。このことは生活者ダイレクトの方向へ向かうひとつの象徴として捉えることができると同時に、生活者への普及啓発による産業のステイタスアップという命題に対し、突破口となる可能性を秘めている。ショールームやショップでいかに生活者の感度に訴えかけ需要開発につなげるのか、全国の事例を通じて検証する。

近年特に目立つのは塗装会社、しかも大手ではなく、いわゆる町場のペンキ屋さんクラスがショールームを開設するケースだ。狙いは戸建てなど地域の住宅塗替え需要。工務店や塗装会社の下請けから脱却し、自立的に成長する方向として直需を強く指向する。小規模な塗装店がショールームを開くことなど、ひと昔前までは考えられなかったケースだが、市場の構図が変わる中でひとつのビジネスモデルとして定着しつつある。
こうした塗装店は自社を中心にせいぜい半径数キロを商圏とした地域密着型の業態が多い。従ってショールームに求める役割は、地元住民に対する信頼・安心感の裏づけともなる"顔"としての性格が強い。地域に根ざしている姿勢を打ち出すとともに、いつでも相談に来てもらえる安心感を与えることに主眼がおかれる。


集客は現場周辺営業やチラシ、ホームページなど引き合いのあった見込み客の誘導が中心。ショールームでじっくりとコンサルテーションし、客の納得感を高めることで成約へと導く。一見の客が来て受注することは始めから期待していないので、集客のための派手なディスプレイでコストをかけることはしない。自分達のできる範囲内で器をつくり、まずお客に来てもらえるスペースの確保を優先する。
展示内容は塗り見本、カタログや資料類を揃えるといったベーシックなことに加え、モルタルやサイディング、屋根材などに塗布した実物サンプルを展示。住宅に使用されている実際の部位に"塗るとこんな感じになる"ことをビジュアルに確認してもらうために有効との考え。また場合によってはカラーシミュレーションを導入し、塗替え後のイメージを提示するかたちで色のコンサルティングを行うケースもある。手間のかかる作業だが、施主にとっては完成後のイメージが広がる楽しみの部分であり、コミュニケーションを高めることにもつながる。


更に施工実績をビフォアー・アフターで写真展示するケースも多い。○○丁目の△△邸などのクレジットを入れれば親近感が湧き、加えて施主のコメントまで入れることができれば、信頼性を高める上でも大きな武器になる。
こうしたことはそれほどのコストをかけず、手づくりの範囲でも十分対応できる。数十万円~数百万円までコストのかけかたはまちまちだが、共通しているのは一般の消費者にとって分かりづらい"塗装"325>について少しでも理解を深めてもらおうという姿勢。そこから信頼感を醸成し仕事につなげる。


ショールームがなくても十分やっていけるとの意見もあり、事実それを実践している塗装店は多い。ただ消費者の立場になって考えてみると、近くに拠点、しかも気軽に立ち寄れるスペースがあるかないかは業者への不安感を払拭する意味で見方が大きく変わる。いまや住宅塗替えのコンペチターはOB客の囲い込みに戦力を注ぐハウスメーカーや地元工務店。そうしたブランド力に互していくためには、地域に顔の見えるショールームの必要性がますます高まりそうだ。


塗装店を始め塗料販売店やメーカーも生活者をターゲットとしたショールームを開設。これまで産業資材、建設資材として埋もれていた塗料・塗装の露出が高まってきた。こうした生活者ダイレクトの方向性が業界に何をもたらすのか、注目していきたい。

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