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Last Updated: 2008年10月21日 08:57  RSS 2.0
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Web特集

2008年01月11日

シリーズ: ペンキ屋から塗装ビジネスへ

ペンキ屋から塗装ビジネスへ ‐年商3億円への歩み‐(12)

アルカス 真仲一成

第11章 年商伸びても収入が減る理由(年商5,000万円のケース)

思ったより、2班体制の年収が悪いことに気がつき年収を増やそうと考えました。そのためには、更に班を増やすべきと思い、とにかく片っ端から職人を募集しました。職安に行ったり、日曜日の新聞折込りみに求人募集に出したりしました。
月に9棟の物件をこなすためには、6人の職人がいれば対応可能です。とにかく人数の事しか考えなかったので、変な職人も一緒に集めてしまいました。
私は、現場を離れ工事をする職人から工事を管理する方へ変化してきました。毎日、現場を回り材料を届けたり、打ち合わせしたり、クレームの時には手直ししたりしていました。いつも軽トラには調色セットと2連ハシゴを積み、いつどんな工事でも対応できるような状態で現場管理していました。
現場に行ってマスカーが足りないと言えば渡し、ローラーがないと言えば渡しと、便利屋的存在です。
その時には、大手ホームセンターから仕事が来るようになったので、仕事は安定していました。しかし、変なブローカーからも仕事が入るようになり、入金がないなどトラブルも多発するようになりました。
また、工事台帳を付けていなかったことできちんと請求ができていなかったり、現場に出ていなかったために追加工事が発生したことにも気がつかなかったり、小さなミスを重ねていました。積み重ねると数百万円にもなるかと思います。


この時には、年商3,000万円の時と比べて工事の品質が落ちていきました。その原因が素行の悪い職人が入社したからです。
今まで従っていた親方のやり方もしくは、自分のやり方が1番すばらしいと思っているので、わたしの言った事が伝わらないもしくは、聞く耳を持ちませんでした。手抜きこそあまりなかったですが、昼の休憩も長くなりがちになり、クレームの発生もだいぶ多くなってきました。月に9棟の現場をこなすと言うことは常時3現場は確実にあるということです。穴を開けないように工程を組み、材料を手配することは苦労だと思いませんでしたが、一番の苦労は職人のモチベーションの低下でした。休みの調整そして派閥。いろいろありました。
また作業場の問題もありました。この時に使っていた作業場は塗装ブローカーをしていた時に約300万円で仕入れた畑です。広さは350坪ありました。現在では荒れ果てて入るのも躊躇するようになっています。気にはなっているのですが、なかなか草刈や整理にいけなくて悩んでいます。問題点は、なんせ畑ですので、雨の日はドロドロになり車が一発で汚れてしまうこと。風の日にはとてもじゃないけど表にいられないこと。そして極め付けは、水道がなかったので1.5キロ先にある観音様まで行かなければ行けなかったことです。農地のため当たり前ですが、事務所や倉庫は禁止です。毎年市役所に叱られに行きました。


その作業場はいかにもペンキ屋という感じです。ペンキのついた缶がそこら中にあり、倉庫の中には所狭しとペンキの缶が詰まれていました。当時は、燃えるものは穴を掘って燃やしていました。養生などもぼんぼん燃やしていました。今でこそダイオキシンがどうこうと言われていますが当時は騒がれていなかったのです。ペンキを入れる容器も燃やして再利用していました。今は、カートリッジがあるので乾かして、はがして再利用できるので便利ですね。


当時の売上の内訳は、1棟約45万円 で月9棟施工して、月商405万円。年商にして4,860万円になります。経費の内訳は、1件施工するごとに材料費10万円、人工代21万6,000円、諸経費5万円かかると計算して、1件の収入は8万4,000円、月収で75万6,000円、年収では907万2,000円となります。(大体で計算していますので、正確な数値ではありません。あくまでも目安として捉えてください)
しかし年商3,000万円で1,000万円くらいの年収になっているのに、年商5,000万円で900万円?。苦労も多く大変になっているのに関らず、年収がダウンします。なぜだろうと考えてみると、自分自身が現場に入らなくなったからです。これだけの差です。苦労や心配事が多くなったのに年収は下がることになります。
年商3,000万円規模の塗装店が自分自身が親方として塗装工事を行う形として、一番適正な規模だということです。それ以上になりますと、管理の部分が必要になり、人工代や経費がかかってしまうことになります。親方自身が現場に入りたくない。もしくは年齢の関係で現場を離れるとしたら、年商5,000万円くらいの規模にしなければいけないということです。
年商3,000万円から年商5,000万円が塗装工事店の親方から塗装会社の社長になるかの分岐点になります。


現状の塗装工事店を分析してみると、年商1,000万円規模が一番多く存在しています。その次に年商3,000万円。その次に年商5,000万円になります。それ以上は、ほとんど皆無と言うのが現状です。
実はこの時の私は、2級建築士の免許や危険物の資格を取りました。現場管理だけの仕事でしたので、時間に余裕ができました。そこで下請けを行うに際し、何か仕事以外でも光るものが必要だと考えたからです。
2級建築士は、学科と実技があるのですが、学科は完全独学で合格しました。実技は専門学校に通って合格しました。塗装工事に関係のない建築士ですが、とにかく自信がつきました。今振り返っても良い経験でした。もし、時間にある程度ゆとりがあれば、ぜひチャレンジしてください。直接仕事に関係ないと思いますが、きっと自信がつくと思います。


年商5,000万円時代の特徴としては、自分で直接現場に出ることがないので、時間にゆとりがあるということです。ただし、苦労や心配事は多くなります。精神的にまいってしまう可能性も高いかと思います。そのため、「やっぱり俺は現場だ」という方は、年商3,000万円くらいに抑えて経営していく方がよろしいかと思います。
変な職人や元請けが増えるため、管理に集中しなければいけません。私は、何にも気にせず管理していましたので散々でした。
職人はともかく元請けには大変苦労させられました。お金がもらえない。逃げられる。居留守を使われる。値引き交渉してくるなど、とにかく苦労しました。おかげさまで、取立てに関する知識も得ることができました。

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