Web特集
2008年04月07日
UV・EBコーティング特集2008 メーカーら16社の取り組み事例を紹介
大阪有機化学工業は独自のエステル化技術をベースにコーティング、インキ、塗料分野などに単官能及び多官能アクリルモノマーを供給している。 モノマーは低価格化が進み、いかに付加価値の高いものを開発するかがポイント。「ここ数年、ユーザーと共同開発するケースが増えている」と状況をコメントする。
同社の多官能モノマー「ビスコートV‐1000」は14官能以上の多官能タイプ。硬度、粘度の異なるタイプを揃え、サンプルワークを行ってきた。体積収縮率が低いのが特徴で、今年中に化審法の申請を行う予定だ。 「電子材料の分野は高機能化の方向にあり、高硬度・低粘度のモノマーが求められている。従来のウレタンアクリレートとは異なる系で開発した」と説明する。
また硬化システムでは従来のラジカル反応とカチオン反応を組み合わせた「OXEシリーズ」を電子材料分野へ展開している。「従来の酸‐エポキシ系と比べるとポットライフを長くすることが可能」という。同品も今年中に化審法の申請を行う。 更に単官能タイプでは「DOLシリーズ」を有す。同品は皮膚刺激性が低いのが特徴で、P.I.I値は1.0以下を達成。ユーザーの評価も高いことから昨年に化審法の手続きを終了した。既に電子材料分野で希釈剤として採用されている。
UV・EB硬化樹脂原料「ニューフロンティア」、ポリウレタン水分散体「スーパーフレックス」など多彩な製品ラインアップを有する第一工業製薬。UV・EB分野においては、環境対応、生産効率化、低エネルギー化を開発方針に据える。 市場展開については、数量シェアを占める建材向けが建築着工戸数の減少などの影響で横ばい傾向をたどる中で、電子部品向け、光学品、印刷など薄膜コーティング分野の需要が増加。高付加価値化へのシフトを強めている。
その中で同社は今年1月、水性UV樹脂を開発した。水性UV樹脂については、既に10数年前にも開発しているが、今回はウレタンとアクリレートのハイブリッド樹脂。耐水性、耐薬品性、耐汚染性を有し、ウレタンの特性を引き出すことで懸念とされていた密着性、屈曲性を確保。更に3Hと高硬度塗膜を実現した。 用途は「特に定めていない」としているが、サンプルワークの中でユーザー対応を図っていく考え。アクリル、ポリカ、ABSなどのプラスチック素材にも良好な適性を持つことから、ハードコートクリヤーとして電子部品関係などの展開も視野に入れている。ただ水性UV樹脂の普及については、「明確な規制が必要」と行政主導が不可欠との見方も示す。 高機能化を強める同社の強みはコア事業である界面活性剤、難燃剤、ウレタン樹脂などの総合力。「これらの技術を融合させることで、技術優位性を高めていく」と意欲を見せる。
ビックケミー・ジャパンはナノ技術をベースとしたUV塗料向け湿潤分散剤、表面調整剤などを主力にコーティング向け及び印刷インキ関係を中心に着実に採用実績を増やしつつある。 「NANOBYK‐3602」は耐スクラッチ性を向上させるために開発された表面調整剤。ナノシリカ30%を含有するが「ナノシリカを添加したからといって硬さが上がるわけではない」と硬さを上げずに耐スクラッチ性を上げることができるのが最大の特長。また透明性、光沢、色といった塗料物性や塗料安定性、沈降などに対しても影響を及ぼしにくく、塗料設計性にも優れている。昨年は印刷分野で実採用に至り、今後は自動車向けハードコートとしての採用も視野に入れている。また同品と同様に耐スクラッチ性を向上させるアルミナナノ粒子ディスパージョンタイプの表面調整剤においても「膜として長期間利用する工業用パネルやフィルムに採用されている」と実績を上げている。
その一方で、今年新製品として投入するのがハイソリッド及び無溶剤型UV塗料用の湿潤分散剤「DISPERBYK‐2009」。同品はアクリル共重合物の溶液で、疎水性ブロックと親水性ブロックの両方を構造に持つシリカ系ツヤ消し剤向けの分散剤。少ない添加量においても粘度低下能力を持つ他、顔料に対する脱凝集効果、ツヤ消し剤の沈降防止機能を保持。配向性、消泡やレベリング性の向上にも寄与することから良好な塗膜外観が得られる。
東亞合成の光硬化事業は拡大基調にある。国内マーケットはディスプレーやエレクトロニクスなど電子材料分野を中心に順調な伸びを示している。また海外も中国、台湾の両工場ともに順調な稼働にある。 同社は多官能タイプアクリレートをメインに高機能、高品質のユーザーニーズに対応して需要を伸ばしてきた。特に電子材料分野では素材の変遷もめまぐるしく、その素材に合った材料供給に努めている。「配合品のニーズが高まっている。当社はアクリレートの合成からやっているので差別化製品の開発においては有利性がある」という。
レジスト向けに開発してきた現像性を付与した変成多官能アクリレートはコマーシャルベースで流れているという。またマレイミド基を担持したポリマー開発に注力しており、「プラスチックのハードコート用に反応性バインダーポリマーとして製品化を図るなど独自性のある材料なので今後の用途拡大に期待している」とコメントする。 環境対応が求められる中で、電子材料、プラスチックのハードコートはVOC対策が進んでいない。「材料開発の対場からすると水系は表面張力を下げるのは難しく、塗膜のレベリング性を向上させるのが困難である。マーケットにおいては高機能、高意匠性の方向にあり、ニーズはあっても現実としてはリスクが大きいと思う。特に携帯電話などのハードコートはレベリング性を高める方向にあることから、国内においては水性の採用は先のことではないか」と分析する。
BASFジャパンは、従来にないUV塗料の実現を図ろうと高機能性に特化した展開を行っている。主力のアクリレートにおいては、ナノシリカ分散タイプ、デュアルキュア用、ウレタンアクリレートなど多彩な高機能アクリレートをラインアップする。 ナノシリカ分散アクリレート「Laromer PO9026V」はナノシリカ50%を含有し、耐スクラッチ性を最大の特長とする。低粘度でハンドリング性が高く、滑らかな塗膜を形成。また体積収縮も少なく、特に硬度については「これまでにない高硬度」を実現。既に木工、プラスチックなどの実ラインに採用されている他、今後は自動車分野への展開も視野に入れている。
デュアルキュア用アクリレートは官能基2つを有するオリゴマー。UV硬化が難しい顔料を熱硬化させることで、1コートでのエナメル仕上げを可能にした。現状の液体塗装ラインからの導入を容易にし、カラークリヤーとしての用途も期待できるため、木工の他携帯電話など応用展開にも期待している。また同社は現在、自動車での採用を見据え、ウレタンアクリレートの開発を進行中。耐候性、高硬度、スクラッチ性を付与し、これまでにない高機能アクリレートとして市場拡大を狙っている。 その他にも、ウレタンアクリレートディスパージョンや複雑形状物塗装に適した二酸化炭素雰囲気下での塗装システムが採用されるなど、高機能化を鮮明にしている。
ダイセル・サイテックの昨年の光硬化事業はモノマー関連の数量が若干落ちたものの特殊オリゴマーがカバーし金額的には前年比2ケタアップとなった。「輸出向けの建材が落ちているものの携帯電話、ゲーム機、化粧品のボトル、ヘッドランプなどの自動車部品が好調に推移した」と説明する。電子材料は総じて順調ということだ。
環境問題が大きなテーマになる中で、ハードコートの水性化に向けた展開を進めているものの「国内は機能重視にあり、すぐに水性とはなりにくい」という。欧州、東南アジアでは木質関連のハードコートが水性タイプに置き換わっており、プラスチック分野での採用はこれからのようだ。「欧州ではサイテックが開発した塩ビ向けの水性UVが採用されている。この技術を応用してプラスチック向けに開発を進めている」と説明する。
またUV硬化によるソフトタッチ用のウレタンアクリレートの展開も合わせて進めていく考えだ。欧州や韓国では水性UVが使用されているが、「国内はソフトタッチに耐擦り傷性などの性能が求められるためなかなか一様にはいかない」。ダイセル・サイテックでは世界のニーズを取り込み、戦略製品として拡販に結び付けていく方向にあり、「近々に水性タイプと溶剤タイプを揃え、紹介していく」意向を示す。 更に屋外用途に向けた耐候性に優れるUV硬化樹脂の検討も(本国で)行っている様子。「自動車のトップコートをターゲットにしており、樹脂骨格から検討をしている」と説明する。
国内で初めて世界3大携帯電話メーカー(ノキア、モトローラ、ソニーエリクソン)に供給した同社が次のターゲットにしているのが自動車内装分野。2年前に開発した水性塗料「プラクア」(商品名)が採用段階に入っている。 技術担当者は「TXフリーとの方向もあるが、自動車メーカーの中には一気に水性シフトの動きが活発化しているところもあり、水性の流れは拡大していく」との認識。プラクアは溶剤系に匹敵する物性を備え、耐水性などの性能を向上。意匠性もソフトフィールからテクスチャーまで対応可能。「内装部品の意匠性向上ニーズが強い」という。
同社の主力とする家電分野の需要も拡大を続けている。コンプライアンス強化を背景として、家電大手などは環境対応から水性スペックの切り替えを具体化しつつある。また欧州のリーチ規制が環境対応を促進。同社の開発した水性UVは携帯電話で採用に向けた活動が活発化している。他分野の動きについて担当者は「水性スペックでトライするところが多くなってきており、水性シフトが本格化する」との見方。 携帯電話では高意匠性とともに指紋の付かないコーティングニーズが強いが、同社は「1400AFC」を開発し採用。AFCはアンチ・フィンガープリント・コーティングの略。「レベリング性を改良し、指紋が付着しても拭き取りやすくした。AFC技術を更に高度化したい」と意欲を示す。またナイロン材向けに開発したプライマー「パグコート」を使ったUV仕様の工程の採用も活発化している。
武蔵塗料は「顧客満足度120%」をモットーにユーザー対応を高いレベルで進めていく。「もっとこうしたいといった要望に応じて、最適な塗装スペックを提案する」(担当者)スタイル。 最近の携帯電話デザインは「何でもあり」(担当者)といった状況。短い周期で品揃えを増やし、色数も増えており1つの機種に対して4・5色使うケースも増えている。デザインの多様化に伴い素材も変化している。マグネシウムなど金属系や繊維強化したプラスチックなどの素材に対しては、プライマープラス従来の工程といったスペックで対応している。
現在の塗装スペックは溶剤ベースコートにUVクリヤー。「2コートより1コート、2液タイプより1液タイプといった要望はあるが、耐久性や硬度など性能的に落差がある」のが実態。 水性化に関しても慎重に進める。目標基準は既存溶剤レベルのパフォーマンスとしており、「市場を見ても水性化はもう少し先になるのではないか」との見方を示す。塗料設計は行っているが現在は開発中で、「工業用では要求事項が多いため原材料開発を含めて検討を進めている」段階だ。 自動車分野ではオーディオやナビ、エアコンなど車載品向けに展開。自動車関連ではTXフリー化が進んでいるが、同社では従来品でも規制値をクリア。TXフリーも完了しているが、コスト面でも従来品の引き合いが強い。 同社は今後も携帯電話、パソコン・テレビ、車載品向けを柱にしてグローバルレベルで拡販を図っていく。
大橋化学工業のプラスチック用塗料事業が拡大基調にある。中国を中心とした海外事業に加え、国内においても新規ニーズをつかみ伸長している。 3年前からはゲーム機で全面採用されたプラスチック用塗料が月間数百トンの高い水準の出荷を続けており「今期中はこの水準を維持できそうだ」(担当者)と見る。 この他同社は家電製品向けや精密機器向けのプラスチック用塗料に特化。家電向けには新製品「ユービックPシリーズ」を投入。これはウレタンアクリレート系の塗料で2コート仕様を充実させたのに加え、カラーUVのレベルを高め更に高光沢化を可能にした。「着色顔料の配向性を改善させたのがポイント」と説明する。
開発中の製品として、低VOCUV塗料、水性UV塗料、金属用UV塗料など、環境適性を高めたUV塗料のラインアップ強化を図る方向。 その一方で意匠性・機能性への特化もテーマ。最新製品としてアクリル1液ラッカー、2液焼付アクリルを完成。サンプルワークを開始する。いずれも高光沢・高輝度ニーズに対応したもの。用途は家電や自動車内装部品。 商品化では「ネオハイセーム」がある。同品は特殊2液ウレタン型で、作業性の大幅改善を図った。家電から精密機器、自動車内装部品まで幅広くカバーできるタイプ。 更にアクリル‐ウレタン2液型、アクリル‐シリコン2液型が近くラインアップされる予定。この中には漆黒(ピアノブラック)調意匠も含む。
昨年、携帯電話向けプラスチック用塗料の世界最大手のスウェーデン・ベッカー社と国内販売契約を結んだNCC。世界120カ国以上に供給する実績をベースに国内市場での拡大を狙っている。UV塗料においては、コイルコーティング用UV塗料、電車外装用UV塗料など特殊機能性UV塗料を得意とする。 主力は2コートUVシステム。ベースコートは1液アクリル、2液ウレタン、水性アクリル系と3種類を揃え、トップコートにUVウレタンクリヤーを塗装。ベースコートはレーザーカットが可能で、ひっかき傷に強く、またUV塗料も体積収縮が少なく、4‐6Hと高硬度の塗膜を形成する。耐候性、耐薬品性に優れ、高ツヤから低ツヤまでとツヤ調整も対応する。
またPC、ABS、PMMAなどに直接塗装が可能な1コートUVシステムを上市。ソリッド色であれば色づけが可能で、欧州では携帯電話向けのカラークリヤーとしての採用実績を持ち、コストダウンを実現する。 この他、ナイロンやグラスファイバー、金属などさまざまな素材に対応可能な3コートシステムや落書き防止UV、耐汚染性UV、真空蒸着用UV、シルクタッチUVと独自のUV塗料技術を武器に幅広い用途展開を可能にしている。 開発拠点は広州に持ち、ユーザーの要求に応じたデザイン及び性能に対応できる体制を整えている。その一方で、NCCも調色体制、UV照射機を導入する予定で、ユーザーレスポンスを速めるべく準備を進めている。
大日精化工業のUV・EBコート事業が順調な伸長を続けている。今期も前年比2ケタ増とここ数年2ケタ伸長にあり、生産の増強を図るなど旺盛な需要に対応している。 「電材関連のUVコートは旺盛、今後も同様の伸びを期待する。ただ住宅関連用途にもUV・EBコートを展開しているが、改正建築基準法の影響が、この4月以降どのように出てくるかが懸念材料」とコメントする。電子材料関連ではパソコン、薄型テレビなどが今後も世界市場に向け好調に推移し、また半導体関連も同様な動きをすると見る。 性能においては帯電防止や低反射率のニーズは高く、また「高硬度(4H)で柔軟な塗膜と相反するニーズが求められている」と開発競争も厳しい様子。同時にコストダウンの要請も年々厳しさが増しており、これまで量の拡大でカバーしてきたが、原料の継続的な高騰など懸念材料も多い。
「環境対応では建材用途で無溶剤化を図っている他、フィルムコートでもハイソリッドで対応するなど動きがある。電子材料関連は高機能、高外観に向かっており、水性タイプで溶剤並みの性能を発現するのは難しい」とコメントする。 昨年春に中国・上海に立ち上げた大日精化(上海)化工の特殊コート材部門も順調であり、プラスチック用のハードコート材をメインに日系メーカーに供給している。「現地の企業と競争する用途ではコスト的に合わない。独自性を生かした展開を進める」考えだ。
オリジン電気はプラスチック用塗料の3大分野である自動車・家電・通信機器をほぼ等分にカバーするといった、他社にはない独自のスタンスを持つ。このためプラスチック向けコーティングの動向が全方面で吸収でき、技術を含めた対応力で優位性がある。 技術担当者は「技術テーマをクローズドすることなく、オープンな形で共有化するようにしており、他分野のテーマがヒントにつながることもある」と相乗効果を指摘する。当然そこには技術者同士の刺激し合う関係も生まれ、開発のスピードアップにもつなげていきたい意向。
また同社の強みである樹脂からの一貫開発の姿勢がある。技術研究所には樹脂合成のラボが導入され、樹脂を設計から合成まで自前でできる体制にある。ラボといってもセミ量産もできるレベル。「すべての製品開発で利用しているわけではないですが、樹脂合成できるという前提で開発に臨んでいるので、技術者に前向きの姿勢が出る」と話す。 製品開発面では自動車向けのプラスチック用塗料でTXフリーを完成させた他、レーザーカット用塗料、金属調塗料でもTXフリー化製品を投入している。 UVコートではベースコート、UVクリヤーのシステムを昨年秋に発表。省エネルギー・短時間硬化のメリットがユーザーから注目され、携帯電話向けに市場開発を積極化。「レベリング、高光沢性での評価が得られている」とコメントする。
藤倉化成は自動車向けプラスチック用塗料では日本ビー・ケミカルとトップを競う位置付けにある。70%近くを自動車向けが占める。 同社は昨年、愛知県内に水性塗料専用プラントを完成させ、トヨタ自動車をメインに供給を開始した。「ユーザーによって温度差があり、TXフリーの方向を進めるユーザーもある」と担当者。このためTXフリーと水性塗料2本立てのスタンスをとる。 今回の水性採用は内装プラスチック部品に限定されている。「外装関連のバンパーには水性では物性的に難しい面がある」からだ。しかし内装部品では環境対応とともに高意匠化がテーマ。「作業性も改善されてきており、発色性では特に問題はない」とコメントする。
クリヤーについてはTXフリータイプを開発し、ユーザーから「リコート性が高く、肉持ち感・光沢が良い」と高い評価を得て、需要拡大に期待する。水性のソフトフィールタイプは現在開発中で、水性のバリエーション拡大もテーマとしている。 携帯電話をはじめ家電分野のシェアアップがテーマ。「商品のライフサイクルが短いので、スピーディーに対応していきたい」と展開力を高める。また他の競合メーカーと差別化した技術を確立していく方針。 蒸着塗料に関してはランプ回りや化粧品で実績があり、カラー化でメッキとの差別化を図る。カラーUV塗料に関しても製品化を進める。「UVキュアの技術力アップ」が課題という。
同社が開発した窒素パージ小型UV照射装置(コンベア式)「CSN2‐40」(商品名)の出荷が拡大基調に入ってきた。「ラボレベルで導入されるケースがほとんど、特徴的なのは幅広い業種にわたっていることです」と営業担当者はいう。 この背景にはUV技術による高度化ニーズが高まっていることが指摘されている。特に素材の多様化から、光量・温度などのきめ細かい管理が要求される傾向は強くなってきた。 同システムのメリットは、コンパクトでありながら実験条件の設定が広範囲でできるところ。ランプは水銀またはメタルハライドランプで、ランプ出力は1kw‐4kw(無段階ボリューム調整)。窒素の消費が少ない中で、低酸素濃度化でのUV照射実験ができる。
UVランプ、UV照射装置大手の同社は国内外の需要が増大。このためCEマーキング、RoHS指令対応など環境・安全基準に対応するとともに、ニーズを先駆した形の展開を強化している。 その一環として顧客ニーズにきめ細かく対応したカスタム指向がある。さまざまな業種の顧客が求める波長域に対応した各種UV装置の開発などを進める。 「需要ボリュームとしては塗装・印刷分野が大きいが、フィルムコーティング分野も広がりを見せており、カスタム指向を強めることでニーズを先取りしていきたい。それにはユーザーとの連携が重要」と話す。
TS塗装技術研究所は開発指向型のベンチャー企業として「大手が狙わないニッチな分野に特化した先行技術を開発する」(社長・佐藤丈志氏)がポリシー。こうしたニッチ指向の下に続々と開発したコーティング材が商品化されている。 昨年には携帯電話のスリム化に対応したUVワンコートシステムが競合他社より先行し、国内大手の携帯電話メーカーでの採用が相次いだ。他社より先行した要因は同社の保有する表面改質技術。内容はノウハウとして明らかにしていないが「3つの改質方法があり、これを組み合わせるなどしてどんな下地素材にも対応できる」と自信を示す。 携帯電話はスリム化によって素材がアルマイトや複合素材に変化。特にアルマイトは化成処理されるため表面改質が必須条件といえる。独自の表面改質によりUVワンコート(カラーベース+UVクリヤー)のシステムが完成した。しかも鏡面仕上げを達成。高輝度ニーズにも対応している。
この他にも他社ではできないニッチ製品が立ち上げを見せており、今年度は同社飛躍の年となりそうだ。「今サンプルワークしている製品は自動車関連ユーザーから注目されているので、大型商品になる可能性がある」と期待を込める。 同社の強みは現場的発想と軽快なフットワーク。小規模企業ながら中国、今年2月にはタイ北部(アユタヤ)に進出し、海外展開の面でもスピード感ある展開を見せている。
マテリアルサイエンスは2005年11月にパルス照射実験室を長野県茅野市に開設。また2006年4月にはUV硬化パウダーコーティングテクノロジー研究所を岡谷市に相次いで開設した。この2つの一般開放実験室によって光硬化のトータル的な提案を行おうというもの。 現在、UVパウダーコーティングは家具、文具及び楽器関連メーカーの試験塗装を行っている。「条件によって塗膜物性が変わってくるので、工夫を凝らしてやっている。これまでのMDFやパーティクルボードにメラミン化粧板を貼るよりはるかに低コストで仕上がる」とコメントする。更にUVパウダーコーティングを施した上に機能塗膜を付加することで高付加価値化に結び付けていく考えだ。
またパルス式紫外線照射システムはハードディスクの貼り合わせやハードコートの分野で採用されてきた。「パルス式の紫外線照射装置を使用すると硬化収縮がなく、ホットイニシエーターが従来の半分の含有で済むことからコストダウンに結びつく。通常の水銀ランプは熱を発生させるためディスクの形状変化が起きやすい」という。同社のパルス式は光エネルギーを照射するので極めて効率が良く、大幅な直行率に結びつき、注入ガスは無公害の不活性ガス、キセノンで一切の公害トラブルを起こさないといった特長を有す。 最近ではメムス(MEMS)の実装用として着目され、用途が広がりつつある。同社としては新しい産業に向けた展開に期待を寄せる。