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Last Updated: 2008年5月27日 17:30  RSS 2.0
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Web特集

2008年05月01日

BP、ディテイリング導入で活性化 カスタム&ボディーコーティング(自動車補修用塗料特集2008)

整備需要の鬼っ子といえるカーディテイリング市場がクローズアップしてきた。この分野は消費者トレンドを反映するため、商材やサービスの消長が激しく「水もの」市場のイメージがある。そのため参入企業にバラツキがあり、市場の交通整理ができていない。ひと皮むけるためにはサービス品質の信頼性確立が不可欠になる。ここ数年、トヨタ、日産、マツダなどが新車販売のオプションとしてボディーコーティングを導入するなど、認知度が一気に高まってきた。こうした背景には消費者の車に対するカスタムニーズがあり、アフターマーケットを活性化させることにつながりそうだ。 ※カーディテイリングとは、ボディーコーティング、カークリーニング、デントリペア、カーフィルム、ウィンドウリペアなどの総称。

カスタム市場は巨大 GRACE TRIM

グレーストリム(GRACE TRIM)がブランドを立ち上げたのは6年前。車室内のカスタマイズをコンセプトにしてトータルサービスができる体制を確立するとともに、コンサルティングのためのショールームを開設した。顧客のカスタムニーズを具体化するためには、見せる要素が不可欠と考えたからだ。


ショールームにはパーツの塗装パネルからオリジナルパーツまでを展示。担当者は「高級なイメージ演出」を心がけているという。このためか宝飾店と似た雰囲気がある。集客はホームページの他、車の雑誌が同社を積極的に取り上げているため、問い合わせは全国から入る。関東圏からの集客が中心だが、北海道から車が持ち込まれるケースもあるという。客層は絞りきれていない。若い女性から高齢層までと多様。それだけ世代を超えた普遍的ニーズがあるということかもしれない。車雑誌関係者は「車室内のカスタムを特集すると、販売部数が伸びる」との鉄則を口にする。


同社の強みはペイントによるカラーリングからシートの縫製までを自社で技術化しているところにある。このためパーツとシートのカラーコーディネートがピッタリ合う。車に金をかけない若者が増えているというが、自分のこだわりには惜しげもなく金をかける傾向がある。カスタマイズされる時代から、コンパクトを含めた車室内にこだわる層が顧客と想定されている。


車室内のカスタマイズに対するコストは同社によると50~60万円が平均というが、担当者は「100万円が上限であろう」と見る。この価格帯からすればオールペイントの20~30万円の水準もカスタムニーズとして吸収できる。「インテリアを気にする人はオールペイントに必ず関心を持っている」と担当者はコメントする。

親水性被膜に撥水性付与で差別化 ソフト99コーポレーション

ワックスやシャンプーなど一般消費者向けのカーケア商品ブランドとして圧倒的認知度を誇るソフト99コーポレーション。7年前から本格的にプロ向けにボディコーティング市場への展開を始めている。現在、ボディコーティング市場のトップブランドと目される。


プロ向けへの展開を開始した背景には消費者の自動車に対する意識の変化がある。ステータスのシンボルの象徴だったラグジュアリー的な要素から日常の足としての存在に。自ずとメンテナンスに対する志向の変化に加え、顧客の囲い込みを狙うカーディーラーの施策によって、カーメンテナンス商品はプロユーザーにシフトしつつある。


ただ7年前にはポリマー系を主流としたボディコーティング剤が市場に流通しており、同社は後発的存在。ガラス系コーティング剤も出始めていた頃だが、高価で市場に定着していない状況。そんな中、同社は自社の機能性薄膜技術を駆使し、光沢、撥水、防汚性のベース機能に加え、プロ向けとして作業性を重視したガラスコーティング剤の開発に着手した。


そこでテストマーケティングを経て3年前に市場に投入したのが「Real Glass Coat(リアルガラスコート)」。「親水性を持つガラス系被膜にいかに撥水性を持たせるかがポイントとなった」(担当者)と撥水性の付与を実現(特許出願中)し、競合製品との差別化を図った。また作業性においてもガンスプレー塗布ではなく、スポンジによる塗布という作業スタイルを実現、ワックス感覚での施工を実現した。またカーディテイリングの新製品・技術開発拠点として、2年前に「G'ZOXテクノセンター」を設立。コーティング専用ピットを備え、実車施工を通じた技術サポート拠点を構える。現在、「G'ZOXパートナープログラム」として600社を超えるユーザーが加盟し、磨き技術研修会や販促活動に関する情報提供を行っている。


差別化製品の開発とそれらの技術サポートの取り組みにより、実質3年で販売量は順調に推移。「昨年は一段と需要が伸びた」との好調ぶり。しかし同社にとって、ボディコーティング剤はビジネスユニットの1つ。「車の美装を主体に周辺ビジネスを拡大させていく」とのスタンスを掲げており、ウィンドー撥水剤と専用のワイパーを組み合わせた新製品を投入することで、プロユーザーとの基盤強化に取り組んでいる。

カーケア戦略を展開 デュポン

デュポンは三共理化学と共同でボディーコーティングシステムを展開、成果を上げている。コーティング剤とメンテナンス用品をパッケージ化した点が市場から評価され、ヒット商品につながった。


「デュポンハイパーコートプロ」の商品名で上市し、キズの状態を3ランクに分け処理方法を提示した点がポイント。これにガラス系フッ素のハイブリッドコーティングをセットした。このコーティング剤はガラス系シリコン樹脂と反応性シリコーンオイルを結合させると同時に、テフロン系原料から導き出した反応性フッ素化合物を結合させ、①抜群の撥水性維持②卓越した光沢を長期に保持③ボディーの汚れを簡単除去する機能を発揮する。


同社の独自のテフロン技術をアプリケーションしたボディーコーティング剤の決定版といえる。高品質なボディーコーティングが実現でき、しかも施工には特別な工具を必要としないところがミソ。
6月には第2弾としてウィンドガラスコーティング剤の上市を予定。高品質のフッ素系で、2年以上の撥水効果を維持する性能を付与した。施工は塗布し拭き取りした後、自然乾燥させるだけの簡便さ。特許出願。デュポンとしてはアフターマーケットの閉塞状況を打ち破るにはボディーショップがカーケア業態に移行することが重要と考えている。「カーケアで消費者と接点を作ることが突破口になる。洗車やボディーコーティングのように導入しやすいディテイリングから始め、カーケアの相談窓口という業態にまで持っていければ成長性を自ら創ることが可能になる」との方向を進めていく。


カーディテイリング市場は未成熟なので、消費者から正当な認知を受ける業態確立が市場成長の鍵となる。「当社のみがやっていても市場を大きく動かすことはできない。もっと塗料業界全体がこの分野に参入することによって本物のカーディテイリングを創造していくべきではないか」(担当者)とコメントする。

研修会を実施、技術品質を提供 トキ商事

カー・ディテイリング専門店のトキ商事(東京都北区、社長・金子和弘氏)は、カーディーラーやガソリンスタンド、カーショップなどにアフターマーケットにおける製品販売及び施工業務を展開している。


同社ではボディーコーティングとして、ポリシラザン親水性コーティング剤「Crysta-PSX」の拡販に注力している。同品はパーハイドロポリシラザンを原料とし炭素を含まない無機化合物となっており、空気中の水分と化学反応し、常温で高純度SiO2ガラスの被膜に変化する。高硬度(9H)な被膜により洗車傷が入りにくく、紫外線劣化や酸にも強いため高耐久性能を有するのが大きな特長となっている。「ガラスコーティングのため最高クオリティーとして提案している」(金子社長)。また、ガラス系コーティング剤としては「Silica Coat-W」、テフロンコーティング剤として「ペイントシーラント」を展開、求められるグレードに対応した製品ラインアップを揃える。


金子社長は「カーディーラーの工場内製化に伴い、数年前からボディーコーティングは新車からアフターマーケットに普及が広がっている」との見方を示し、サービス強化を図っている。その際ポイントとなるのが磨き工程と金子社長は指摘する。「アフターメンテナンスでは、ボディーを新車同様の状態にしなければならないので、専用のポリッシングが必要になる。通常の板金塗装で使用されるコンパウンドではなくもっと粒子の細かい専用のものが必要。作業自体は特別難しいわけではないが、このポリッシング作業が重要になってくる」。


同社では自社工場で定期的に研修会を開催している。カーディーラーやガソリンスタンドなどを対象に洗浄、研磨、コーティング技術を指導し、技術品質の提供を行っている。

マニキュアコート、導入活発 トータルサービス

トータルサービスはカーディテイリングにおけるトータルリペアの一環としてポリマー加工システム「マニキュアコート」を展開している。同品はフッ素加工と同様、PTFEを主成分とし、熱処理することなく磁石や電気のプラス極とマイナス極が互いに引き合い強固に接着する原理を応用。長期にわたる塗装表面の保護、ツヤの維持、強度の保持、酸化防止を実現する。


システムは2つの液体から成るダブルアクション機構を採用。第1液でコーティング前の洗浄を行うが、このときワックスや汚れ成分を除去するとともに、塗装面をプラス極に帯電させる成分が入っている。10分ほど帯電させて水で洗い流した後PTFEを主成分としたマイナス極の第2液を専用のポリッシャーなどで塗布。これも10分ほど帯電させて拭きあげれば作業は完了。この間わずか1~2時間ほどのスピード施工。


プラスとマイナスの電極を応用し、PTFEの膜が強固に付着したマニキュアコートは①手洗い不要、布洗車機使用OK②1年間ノンワックス保証(紫外線、酸性雨、塩水などによる色褪せ、劣化を防ぎ、光沢を1年間保証)③施工後すぐの雨濡れOK-などの特長が付与される。


「特別な設備や機材を必要とせず、水場さえあれば施工できる」(担当者)手軽さがウリ。このため出張サービスが可能で、中古車ディーラーなどからの引き合いが活発だ。また作業の簡易性から価格もリーズナブルに設定されており、「当社が提供しているインテリアリペア、ホイールリペアなどのカーディテイリングサービスとセットで導入される企業が多い。昨年は60社が導入、ここ3カ月でも30社ほどを数え動きが活発。アフターマーケットにおける需要創造の意欲を感じる」(同)とコメント。

完全ガラス質コーティング展開 バンザイ

バンザイは常温施工で完全ガラス質の膜が得られるボディーコーティング「クリスタークォーツ」を展開している。同品の成分はケイ素(Si)窒素(N)水素(H)のみから構成されるポリシラザン系で、空気中の水分と反応してSiO2に転化、ガラスのベールで愛車を包む。


もともと電子基盤などに用いられていた無機コーティング材をクルマ用にモディファイし、5年前から展開を始めた。有機質を含有した"ガラス系"コーティングとは一線を画していることを強調する。クリスタークォーツは無機質、ガラス質の特性を引き出し①紫外線劣化がなく、酸性雨にも強いので色やツヤを長期にわたり保持②硬度9Hの塗膜、1,300℃の耐熱性が鉄粉など物理的な劣化要因を阻止③水接触角10°の超親水性により雨水で汚れを除去、また静電気を防止するため汚れを呼び込みにくい④分子量が低いため凹部を埋める平滑性が高級感を付与―などのメリットが得られる。こうした特性から、ボディーコーティングはもちろんのこと、鉄粉の影響を受けやすいホイールのコーティング、エンジン、フレームを含めたオートバイ全体のコーティングなど用途が広がっている。


付加価値の高いシステムとの方針からハイエンドなカーオーナーをターゲットとし、外車や高級国産車など新車ディーラーを主軸にマーケット展開。「現状、月間で1,500~2,000台の需要規模で、右肩上がりで伸張している。新車の販売が減少傾向にある中で、クルマ販売の現場では1台当たりの販売額、利益率アップをいかに図るかが命題。そういった意味で、ボディーコーティング需要は伸張する」との見方を示す。

nano Ag SYSTEMブレーク 石田塗料

スプレー塗装で銀鏡皮膜が得られる「nano Ag SYSTEM」(製造元・カネバン)がBP業界を中心に大きな反響を呼んでいる。同システムが本格販売されたのは昨年6月、簡単なスプレー作業で高品質なメッキ調銀鏡皮膜が得られるとあって、発売当初から問い合わせが多く寄せられた。その後、「首都圏だけでなく全国規模でデモ塗装を行ってきた。その結果、仕上がり外観や作業性、コストパフォーマンスが評価されて大きな実績を重ねている」と、石田明社長(石田塗料)は手応えを語る。


昨年10月には、研修センター「nano Ag WORKS」(東京都八王子市)を開設。そこではシステム導入ユーザーの技術講習を行う他、月に1、2回は見学会を実施している。見学会には塗料販売店、BPだけでなく、看板会社やインテリア関係、美術学校など自動車分野以外からの参加が増えているという。


同システムはアンダーコート、薬剤、トップコートまですべてオリジナル製品となっており、銀鏡を析出させる薬剤には自己触媒機能を持たせているのも大きな特長。そのため、仕上がりが薄かった場合、乾く前であれば何度でも塗り重ねが可能になる。今後はアンダー・トップコートの乾燥時間の短縮や腐食防止効果の向上など改良を進めていく方針だ。


今年3月に開催された国際オートアフターマーケットに出展。ブースでデモ塗装を行ったこともあり、多くの来場者の関心を集めた。同社としては、今後も施工店ネットワークを生かした展開を図っていく。「当社で塗装を受注し施工店に委託したり、営業ツールを増やしたい」

◇特別インタビュー

BPのカーケア業態確立に向けて
デュポン高機能塗料事業部・自動車補修用塗料本部・新規事業開発担当部長・板倉健一


ボディーコーティング分野を強化していますが、その狙いは。

磨きやボディーコートなど、カーディテイリング分野の市場性が高まっていることが背景にあります。この分野はこれまで"オマケ"的な市場とみなされ、中途半端な対応で浮き沈みが激しいニッチ市場に位置付けられてきましたが、車に対する消費者意識が大きく変わる中でクローズアップしてきています。


消費者意識はどう変化していますか。

よく指摘されているように消費者は車にお金を使わなくなっています。かつては社会人になってまず車を購買することがイニシエーションでしたが、今は違います。インターネットを中心とした情報・通信にお金を取られ、車に回らないという事情もあると思います。これがマクロ状況ですが、もっとマーケットを注意深く見ていきますと、車に対する潜在的な需要が減っているかというと一概にそうとも言えません。車の保有期間が約8年になっていることが示しているのは、気に入った車を長く乗りたいという意識が強まっているということです。当然カーディテイリングニーズがそこから発生してくるわけです。


戦略的方向性は。

当社のスタンスは板金・塗装を核として周辺分野の取り込みを目指すというもの。先頃ボディーショップに対しカーディテイリングの市場について講習したところ、手応えは十分でした。しかしその一方で従来の殻から脱しないで、ピンとこない人があったことも事実です。


ボディーショップの営業力については。

フロントを拡充したり、ショールーム化するなどは次の段階のテーマ。まずカーケアについて相談できる点を消費者に認知してもらうため、洗車サービスが第一歩になります。例えば洗車を無料とした集客があってもいい。その接点からカーディテイルの世界を広げ、板金・塗装にまでリンクさせていく。洗車サービスは日常性がありますから、事故で入庫する対応に比べ、ボディーショップのプロの手腕を見せることになります。


アフターマーケットが大きく変わることになりますね。

カーケアというコンセプトで対応できる業態が伸びていくと思います。塗料メーカー各社ももっとカーディテイリングの取り込みに本腰を入れることで、車体補修マーケットを底上げして待ちの商売からの脱却を提案し、コンサルティングする商売に再構築していくべきではないでしょうか。

カスタムニーズの受け皿を作る必要
グレーストリム(J.P.N)  常務取締役・増田信之


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内装のカスタマイズニーズはどのくらいあるのですか。

潜在的には車を保有する人すべてにニーズはあると考えています。住宅のインテリアで個性を求めるのと同じように車室内でも自分の車らしさを実現したいといったシーズやニーズは十分あるといえます。潜在化していると申しましたが、当社が事業としている範囲では決して水面下にあるニーズとは思っていません。


既に顕在的にニーズに?

もちろんです。このショールームを立ち上げたのは6年前ですが、来店される客層は関東一円に広がり、ワンストップであらゆるカスタムニーズが満たされるため、トータルに車室内をカスタム化する顧客が中心です。


客層はマニアですか。

決して一部のマニアがカスタムニーズを持っているということではありません。具体的な事例で説明しましょう。20歳代の若い独身女性がミニバンの車室内をピンクやレッドでコーディネートするカスタマイズをしています。彼女たちにとってこれは特別なことでもなんでもない感覚なのです。マニキュアを塗るのと同じ。でもピンクの内装の車なんて売っていませんよね。ダッシュボードから座席シートの張り替えまで、これに何十万円も払うのですから、消費者のカスタム指向を見くびってはいけません。


商材の特色は。

当社の商材は量産化できないものがほとんど。ペイントにしても独自のものですし、シートの張り替えに関しては縫製までの技術を保有しています。ダッシュボードの色相とシートの色相を合わせるには一品料理にしていく形になります。このためカスタマイズ完成までに数カ月かかることもあります。ペイントは標準色を設定し、あくまでもシートの色相を合わせる点を重視しており、例えばレザーの収縮率などを加味した設計となっています。また数年前からDIYでカスタマイズしたいとの声が強まり、ペイントのスプレー化をし、カー用品ルートで販売しています。


オールペイントニーズはいかがですか。

内装をカスタマイズした顧客はオールペイントのニーズも強く持っています。当社で月間数台のオールペイントのニーズを受けています。ただ当社としては内装をトータルにカスタマイズすることをコンセプトにしていますので、外装に出るつもりはありません。


市場の方向性はどうですか。

私共のような業態がほとんどないため、ニーズを受け止める受け皿がないといった実態があります。このため仲間作りに注力しています。研修を受けてスキルを習得して頂き、ネットワークを全国に拡大していきたい。

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