Web特集
2008年06月23日
建築塗料・塗装特集2008 メーカー動向
差別化で営業優位性発揮 アステックペイントジャパン
アステックペイントの販売が極めて好調だ。可塑剤を一切含まないピュアアクリル樹脂により、伸縮性600%以上を発揮する防水性を有し、かつトップレスで15年以上の長期耐久性を誇る。しかも次回塗替え時は上塗りのみで対応でき、メンテナンスサイクルの長期化とともにコストの大幅な削減をもたらす。
更に遮熱グレードの品揃えも充実。屋根用の「EC‐100DG」に加え昨年には外壁用の「同2000DG」をラインアップ。屋根、壁の建物全体を遮熱機能で省エネ化し、加えてアステック本来の超防水性で建物をしっかりとガードする。遮熱+防水の独自性と性能への評価は高く、国内の超大手企業の工場屋根で相次いで採用されるなど実績が急伸。
国内品にない独自の商品特性が差別化を生み出す。塗装会社やリフォーム会社など現在210社を数える加盟店が評価しているポイントだ。競争が激しさを増す市場にあって、他との差別化は何よりの営業優位性をもたらす。
アステックペイントジャパンは、これら加盟店の支援活動に力を注ぐ。例えば戸建ての塗替えなど直需指向の加盟店に対して見込み客の発掘方法、クロージングノウハウ、近隣営業の手法など具体的かつ実践的なカリキュラムを組みセミナーを開催。参加した企業はいずれも受注を伸ばしている。
単なる材料販売ではなく加盟店の活性化支援に力点を置くのが同社の基本スタンス。好調な出荷を受け、国内生産への切り替えも視野に入ってきた。
高機能、高品質で差別化 イサム塗料
建築外装ではアクリルシリコン樹脂塗料の販売に特化するイサム塗料。昨年本格販売を開始したタイル壁面の改修工法と合わせ、改修マーケットでの需要拡大を図っている。
需要動向については、「公共工事、住宅着工戸数の落ち込み、原油高により、塗装工事の新築需要の伸びは期待できない」とコメント。各社が改修市場に目を向ける中、「競争は一層激しくなる」と警戒感を強める。
その中で同社はアクリルシリコン樹脂塗料「ネオシリカシリーズ」とタイル改修工法「タイルガード」を上市。いずれも高機能、高品質を特長に価格競争とは一線を画した販売拡大を展開している。
特に「タイルガード」は磁器タイル壁の改修工法として今後の需要拡大が期待される新製品。同品は3層システムからなり、汚れ、ひび割れ、漏水などの劣化に対し、弾性及び防水性を有したクリヤー層を塗布することで、タイル本来の意匠を損なわずに機能付与ができるというもの。建物の美観維持並びに資産価値向上に寄与する工法として、販売強化に努めている。また同社の責任施工グループであるイサムエラストマー会も「タイルガード」の発売により加盟社数が増加。施工店との協力関係を強固にし、施主への提案力強化を進めている。
今後の開発方針については、「現状製品の塗膜性能の維持、向上に努めていく」とする一方で、「工期短縮に寄与できるような製品開発に取り組んでいく」とトータルコストの低減を目指す。
環境対応が追い風に、機能で評価 インターナショナルペイント
インターナショナルペイントは昨年、水性アクリルウレタン樹脂塗料「IPキレイコート」を廃番にし、同シリーズのシリコン樹脂塗料「IPキレイコートSi」に一本化した。シリコン系に集約することで需要拡大の推進力を強めるとともに生産効率面での対応を図った。
「IPキレイコートSi」は塗替え専用塗料として開発された水性シリコン樹脂塗料で、耐汚染性が最大の特長。中でも汚れの原因となる初期耐汚染性を高めるため、樹脂と帯電防止剤との組み合わせを図ることで、塗膜表面のベタツキと静電気の発生を抑制。これにより、大気中のホコリや汚染物質の付着を軽減することに成功した。また完全硬化後の塗膜は親水化塗膜を形成し、セルフクリーニング機能を有する。
住宅を中心とした塗替え需要ではシリコン系が主流となっている中にあって、「耐汚染性機能が付与された水性塗料でも汚染性が見られる」とのことから、同品の受注が増加。水系専門メーカーとしての強みを生かした製品として、販売拡大に期待を見せている。
また1液自己架橋型アクリルエマルション塗料「水性メタルコート」は発売して4年以上が経過した現在も堅調に販売量を伸ばしている。差別化となっているのは、水性でありながら鉄部やカラートタン、アルミ、電気亜鉛メッキ面などの金属面にプライマーなしで塗装できる点。高い密着性と防錆硬化を有し、合成樹脂調合ペイントやフタル酸エナメルなど油性塗料の環境対応型仕様としての採用が高まっている。
ボンフロン マイカストーンを上市 AGCコーテック
フッ素樹脂塗料の専門メーカーであるAGCコーテックは石材調多彩模様フッ素樹脂塗料【ボンフロン マイカストーン】を上市する。
窯業建材の多彩調のイメージをフッ素樹脂塗料で演出。水性フッ素樹脂塗料のクリヤーにマイカを含有してベース色の上に吹き付けることで石材調の多彩模様に仕上げるというもの。ベース色とマイカ複数色の組み合わせで16柄の石材調多彩模様を作り出す。
吹き付けるガンは口径5mm(コンプレッサー圧力は5気圧)のマルチガンを使用し吹き方によって模様も異なり、マイカの大きさによっても石材調の模様が異なってくる。「施工に関しては現地で施工指導を行うなど研修も含めて行っていく」方向にある。
同社は学校などの教育施設、戸建、マンションなどに展開を進めていく考えだ。「戸建の単色を多彩模様に塗替える提案を行うことで需要の掘り起こしを図る」とコメントする。
同製品の仕様は各種下地ごとにプライマーを選定し、中塗りにベース色(水性フッ素樹脂塗料)を塗り、上塗としてマイカを含有した低汚染防藻タイプの水性フッ素樹脂塗料のクリヤー塗料を吹き付ける3工程。設計価格は104,000円/13kg。
昨年、同社は太陽熱高反射塗料【ボンフロン サンバリヤ】を大手ゼネコンの大林組と共同開発した。「フッ素樹脂塗料の耐候性がいいのは当たり前。プラスαとして機能性、意匠性を追求することで差別化を図る」考えを強調する。
ダントツのブランド力 エスケー化研
エスケー化研は建築外装市場におけるシェアを40%近くまで伸長させている。幅広い商品品揃えによる差別化に加え、施工業者のブランド認知度が高いためだ。
こうしたブランド力の背景となっているのが超低汚染コンセプトで他社より先行した技術力にある。耐汚染性を性能・品質までのカテゴリーに包含した画期性があり、その後各社が追随するコンセプトとなった。
超低汚染といえばセラタイトシリーズが市場に定着。同シリーズは水性から弱溶剤タイプをラインアップし、樹脂系ではウレタン系、シリコン系、フッ素と幅広いレンジを持つ。体系の充実度でもトップレベルを保持。
セラタイトシリーズは競合メーカーがベンチマークして切り崩しを図っているが、商品評価の基盤が固く苦戦している状況にある。
同社はセラタイトシリーズの成功に甘んじることなく、超低汚染・低汚染シリーズとして「水性セラミシリコン」「クリーンマイルド」を上市。更に低VOC塗料として「エコフレッシュシリーズ」「水性エコファイン」を投入するなど、商品ラインの幅と深さで抜群の強さを誇る。
建築外装マーケットの変化に対応し、遮熱塗料の機能性を追求、高意匠性の面でも商品力を発揮。そうした同社が外装周辺分野を取り込む。その第1弾となるのが機械式駐車場の塗り替え工法「SKロングガード工法」。ニッチ分野をカバーしていく商品、工法の投入を予定している。
技術力ベースに差別化 関西ペイント
関西ペイントは水性反応硬化形アクリルシリコン系微弾性複層仕上工法「アレスシリコンクラフト工法」を開発、外装仕上げの定番の位置付けを狙う。普及している微弾性工法との差別化を鮮明にしており、ポスト・微弾性の流れを創出していく意欲を見せる。「微弾性工法では差別化が難しく、価格競争だけの世界になっている。それを上回る工法としてシステム化した」と担当者。
同システムは微弾性フィラーに代わり1液水性反応硬化形のアクリルシリコン系微弾性下地剤「アレスシリコンクラフト」を使用することで、W(ダブル)シリコン効果を発揮する。
W効果としては緻密で強靭な塗膜が形成されることで、汚れが付着しにくい。既存の超低汚染タイプを上回る耐汚染性を実証している。マイクロ技術が導入され、きめ細かい滑らかな肌を実現し上塗りの光沢をアップする。
上塗りの「アレスアクアセラミシリコン」はJIS A6909(可とう形改修塗材E)。特殊セラミック成分のマイクロカプセル化技術を導入し、水と反応するセラミック成分の複合化に成功。これによって塗膜を親水化するレベルを向上させ、超低汚染を実現した。
セラミック成分のマイクロカプセル化技術は同社が独自のノウハウを保有し、技術による差別化を打ち出したものといえる。
「厳しい市場環境の中にあって、技術をベースに性能で差がはっきり出るものとのコンセプトで開発した。上市2年目の今年が勝負」とコメント。
『つや消しの街』テーマにシリーズ化 菊水化学工業
菊水化学工業はコンシューマ向けに色彩の提案を図っていく方向だ。従来のプロ向けとは異なる設計士やインテリアデザイナーなどに色材としての提案を進めることで街並みの景観も合わせて考えていこうとの発想。
昨年から展開を進めているのが『つや消しの街』のテーマでフルマット調を提案している。「景観に対する意識が高まってきている。地方都市でも景観条例を施行するケースも多く、統一観を持った色彩計画を行う方向だ」。
また「建物の形状がここ数年の間に変わってきている。コスト面からガラス壁材が増えるとともに、色彩ではホワイト系やシルバー系が求められてきている。比較的落ち着いた色調を求める傾向にある」と説明する。
このような流れの中で、同社は低汚染タイプのつや消し塗料(フルマット調)を提案している。つや消し塗料はナノペイント、ビュークリーン、ビュートップファインの3製品。つや消しシリーズとして『ツヤ消しの街』のキャンペーンを張り、PRを進めている。特にホワイトのつや消しは共感を得て評判が良いようだ。
いずれの製品も低汚染タイプということで汚れが目立たないことからメンテナンス周期が延長でき、かつ改修しやすいといったメリットがある。
特にナノペイントは超低汚染であると同時につや消しタイプでありながら、耐候性においてはフッ素樹脂塗料同等の性能を有することから戦略的に販売を行っていく考えだ。
光触媒複合工法で実績 ケーアイ
ケーアイの「ハイパーリキッドチタン」が好評だ。バインダーを含まない光触媒酸化チタン水溶液で、多用途にアプリケーションが可能なためだ。例えばスプレータイプからローラーによる現場施工まで対応した展開をしている。
同品は水性タイプの無臭・無害の透明な水溶液。バインダーを含まないため、酸化チタンの分子の基材の固定度が高く、優れた光触媒機能を発揮する。その一方で使いやすい分、必要膜厚の確保が条件になる。
このため同社は詳細な施工マニュアルを用意し、施工面のサポート体制を固めている。用途で最も多いガラスコーティングには均一塗膜を形成するのがポイント。「使い慣れれば問題はないが、通常の水性塗料の塗装の感覚でやるとクレームになる。ポイントを外さない施工を呼びかけている」という。
その一方で「ハイパーリキッドチタン」の複合システムを提案する。石綿天井用のコーティング材「ぱうだあコート」との組み合わせで、室内環境を改善するのがセールスポイント。石綿天井材は気泡があり、エマルションペイントではこれを埋めてしまうため防音性能が低下する懸念があった。
「ぱうだあコート」は薄膜コーティング材で施工性が高い他、「ハイパーリキッドチタン」の消臭性、抗菌性などの機能を付与することができ、実績を上げている。
「光触媒のパフォーマンスを向上させる複合工法としての認知度を高めたい」とコメントする。
ファイヤーディレーF4を展開 玄々化学工業
玄々化学工業は建築関連向けに表面塗布型防火塗料「ファイヤーディレーF4」を展開している。上市以来、木質住宅にこだわりを持つユーザー層から引き合いが増えている。
同品は木材や合板の防炎処理を目的にした水性塗料で、屋内外に使用が可能。実績としては内装が80%を占める。屋外使用に際しては上塗りに同社の水性アクリルウレタンエマルジョン塗料「ユートンAQUA」の使用を推奨する。
防炎のメカニズムは、塗膜が燃焼する際に炭化が起こり被膜(断熱層)を形成し、空気中の酸素と触れるのを防ぐことで基材を燃えにくくする。更に塗膜が燃焼するタイミングで成分の脱水反応が起き、水蒸気の発生とともに吸熱する仕組みだ。「5.5mmのベニヤ板に原液で100g/m2塗布した試料は日本防炎協会の防炎合板の規格に合格。国土交通大臣認定を取得しており、F☆☆☆☆適合品」と説明する。
同社は不燃材料として認知を高めるとともに、機能製品としてアピールをしていく方向だ。
また同社は屋内木部用着色塗料に水性ステイン「エルフカラー」を上市する。TVOCが0.1%未満でエコマーク認定品。
同品は1液水性ウレタンタイプで、極めて塗りやすいのが特長。「刷毛ムラや塗りつぎムラが目立たず、塗料の乾燥が速い。塗り重ねができ、指触乾燥は1時間。2回塗ってから24時間で硬化。作業性に優れた水性の汎用ステインとして試供品も揃え拡販に結び付けていく」意向だ。
「ダイヤ水系ハイセラフッソ」新発売 恒和化学工業
得意の無機変成技術をフッ素樹脂塗料に応用した新製品「ダイヤ水系ハイセラフッソ」を新発売した。水系フッ素樹脂塗料の結合材として無機成分をリッチに配合することに成功、フッ素塗料の弱点とされていた汚染性の問題を克服、超耐候と耐汚染の両立を実現した。
近年、住宅塗替え需要で塗料のハイグレード化が進んでいる。LCC、住宅の長寿命化ニーズの高まりを受け従来のアクリル、ウレタン、シリコン系などから最近ではフッ素樹脂系のニーズも高まっている。
今回発売した「ダイヤ水系ハイセラフッソ」は、従来の水系フッ素樹脂塗料が融着による塗膜形成が主体のため汚染性の問題を抱えていたのに対し、フッ素樹脂に無機のオルガノポリシロキサン系樹脂をハイブリッド化したことで高架橋塗膜を形成、耐汚染性を飛躍的に高めた。
他社品に比べ無機成分がリッチなのが特徴で、1年暴露後の⊿L値は‐6.5と、耐汚染性で評価の高い低汚染水性アクリルシリコン系と同等以上の性能を確保。無機とフッ素の相乗効果により従来の水性フッ素を上回る超耐候性(スーパーUV1,000時間=30年相当で80%近い光沢保持率)を実現した。
更に無機の特性である難燃性に加え、防藻性、水系化による環境適性、リコート性を兼ね備えた他、材工設計価格2,500円/m2と価格面での優位性も持たせた。「住宅塗替え需要で競争力が発揮できる」(担当者)とし、展開を加速させる。
建築分野の隠れたヒット商品 ジャパンカーボライン
ジャパンカーボラインの厚膜型無機系ポリシロキサン塗料「シロキサンエース」。同社が得意とする重防食分野のトップコートとして開発、無機由来の"ふっ素を上回る超耐候性"が評価され実績を伸ばしているが、実は建築分野においても隠れたヒット商品となっている。
国内大手のディベロッパーが管理物件改修時の塗料として同品を指定。年間数千件に及ぶ外壁改修の大多数で採用されている。競合他社品もスペックされている中で、年を追うごとにそのシェアは高まっており、「建物の維持管理を適切に行い、かつメンテナンスサイクルを長期化したいクライアントにとって、性能、LCCなど総合的なパフォーマンスへの評価が高い」とコメントする。
スーパーUV促進耐候1,000時間(実曝30年以上に相当)で、光沢保持率80%以上というフッ素樹脂塗料を凌ぐ超耐候性を発揮。また無機成分が極めてリッチという独自性があり、耐汚染性、耐薬品性に優れる他、不燃材料にも認定される堅牢な塗膜を形成する。水系化による安全性、現場適性も評価のポイントだ。
更に有機のハイブリッド化により、耐屈曲性を兼備。フッ素系に比べて3倍の耐クラック追随性を発揮するなど、外壁塗装で求められる性能をオールラウンドに、かつ高い次元でカバーする。
同社の軸足は重防食分野。しかしシロキサンエースの評価の高まりは、建築分野への裾野の広がりを予感させる。
有機無機ハイブリッドに注力 神東塗料
神東塗料は昨年、水系高級グレードとして、超耐候性超低汚染水系有機無機ハイブリッド塗料「水性ハイテンセラ」を上市した。高まる高耐久ニーズに適した機能を積極的にアピールし拡販を図っている。
同品は樹脂として特殊無機成分を配合したオルガノポリシロキサン系樹脂エマルションとエポキシ変性シリコンオリゴマーから構成される2液常温反応形塗料。無機系塗膜の特長である耐久性や難燃性が優れており、新設及び改修時の上塗りとして適している。
水系塗料が主流となっている外壁において、低汚染性、高耐久性、光沢性のニーズが高まっている。特に求められるのが低汚染性。担当者は「建物の形状が変わってきており、軒がない建物が増えている。そうすると、塗膜の状態が良くても雨だれ汚れが目立ってしまう」と述べる。
同品は反応硬化形のため、従来の水性塗料より耐候性・耐汚染性に優れている。更に付着力にも優れるため、光触媒コーティング材用のバリヤーコートにも適用が可能となっている。
また、下地の選択性の広さも同品の特長となっている。「従来は主材が固いものだけだったが、微弾性塗材にも適合している」として、同社の下地調整塗材「シントーダンエポ」「リフレエース」にも適合し、条件に合わせた塗装設計が可能になる。
同社では改修市場をメインに指名活動を実施。「ユーザーからは低汚染性、高耐候性を評価してもらっている。実績も増えており更に拡販していく」。
サイディング向け戦略製品、近日発売 大日本塗料
膨大なストックを抱える塗替え需要に向け、製品戦略を強化する。そのひとつがふっ素樹脂塗料「Vフロンシリーズ」。「橋梁における国のスペック化に伴い市民権を得てきたこと、また建物の長寿命化の流れの中でLCCのコンセンサスが普及・定着してきた」と市場マインドの変化を挙げ、特に長期耐久性能が施主(住民)に対して説得力を持つ集合住宅での展開強化を図る。
また、この市場ではヒートアイランド対策に有効な遮熱塗料「エコクールシリーズ」にも期待を寄せる。「環境改善やアメニティー向上ニーズの高まりを受け、遮熱塗料への感度がこれまでになく上がっている」ことがその理由。ふっ素、遮熱ともに「案件それぞれが持つ条件に適合させやすいよう幅広いグレードを揃えている」のが強みだ。
一方、裾野の広い戸建住宅の塗替え需要に向けては近日中に戦略製品「SBライズコート」を投入する。訳すと「サイディングボード復元工法」の意味。戸建住宅の外壁は今や7割ほどをサイディングボードが占めるとともに、自然石やタイル調など色やテクスチャーも高度化。しかしせっかくのデザインも塗替えることで単色化し、意匠性を劣化させるという問題を抱えていた。
「SBライズコート」はサイディングのデザインを損なわないクリヤー仕上げの塗替えシステム。水系でウレタン、シリコン、ふっ素のグレードを揃えるとともに、サイディング塗装への知見に富む同社のノウハウが詰め込まれている。トライアルでの好結果を受け、近日中に発売する。
豊富なラインアップで展開 トウペ
トウペは建物塗替えとして、トアアクセス21システムを展開している。
同システムは水性及び弱溶剤タイプをグレード別にラインアップしている。水性タイプはウレタン樹脂系、シリコン樹脂系、ハルスハイブリッド樹脂系、ふっ素樹脂系の4種類の上塗りがあり、弱溶剤タイプはポリウレタン樹脂系、シリコン樹脂系、ふっ素樹脂系の3種類の上塗りを揃える。
各種旧塗膜に付着性の優れた下塗り材の水系微弾性フィラー「トアアクセス21フィラー」と超耐候性、低汚染性などさまざまな特長を持った7種類の上塗り塗料を組み合わせることで、集合住宅や戸建てにおける多様な要求に対応できる品揃えとなっている。
「定期的なメンテナンスが実施されている集合住宅などの物件では12~13年の耐候性を考えたり、戸建て向けにはメンテナンス周期をできるだけ伸ばせるふっ素樹脂塗料仕上げを提案したりして、求められるニーズを見極めることが大切」(担当者)。
また、4月から鉄部向けに水性2液反応硬化形ポリウレタン樹脂塗料「トア杜(Mori)」の販売を開始した。
同品は2液溶剤塗料と同等の仕上がり外観が大きな特長となっている。最大のポイントは粘性調整。「溶剤タイプと同等の粘性に調整することで高外観、フラットな仕上がりを実現した」と担当者は自信を持つ。ユーザーからは作業性、平滑性、低臭さなどで評価を得ている。鉄部の他にも木部やコンクリート部、無機建材などにも適しており、積極的に市場展開を図っている。
光触媒の性能を極限まで追求 TOTOオキツモコーティングス
昨年、「光触媒による各種性能の発現を極限まで追求した」(担当者)自信作「ハイドロテクトカラーコートECO-EX」を発売した。ポイントは着色+バリア層の形成を同時に行える中塗り材と、酸化チタンの改良により性能を高めたクリヤー(上塗り)の新規開発。
クリヤー表層部には酸化チタンが緻密に配向する。このため水接触角5°以下という超親水性を発現し、セルフクリーニング効果による汚染除去性が格段に向上した。活性酸素の生成による有機物の分解効果では1,000m2の塗装でポプラ95本分もの空気浄化力を持ち、カビや藻の分解能力も強まった。更に中塗り層に赤外線反射材料を採用したことで、遮熱性能を付与するなど新たな機能も盛り込んだ。
こうしたグレードアップを可能にしたのがインテグレート構造と呼ばれる有効成分の分布コントロール技術。クリヤー表層部に酸化チタン、中塗りとの層間にそれぞれが持つ無機成分、下地との層間には有機成分を集中的に分布させる技術で、性能発現とともに層間の密着性も高まり、信頼性が増した。更に着色とバリア層形成を中塗りで一本化したことで、施工面での優位性も確保した。
「光触媒の認知・普及とともにお客様の要求性能が高まっており、それに応えて開発した」(同)とコメント。新製品の貢献もあり前年比140%と好調さを維持しており、ハイドロテクトの認定施工店も4,100社を数えるまでに拡大した。トップメーカーとしての施策を積極的に打ち出していく。
UVシリーズがヒット 日本ペイント
日本ペイントは超高耐候低汚染水性2液形無機塗料「シェラスター」を開発、上市した。シェラスターはエスペラント語で拍手喝采を意味するAPLAUDOとフランス語の天空を意味するCIELに英語のLUSTER(光り輝く)を組み合わせた造語。この1点からだけでも同社の同品にかける意気込みが伝わってくる。
最先端技術をベースに開発されたもので、環境・革新に加え歴史的価値の創造というコンセプトを付与。時代をリードしていくオンリーワン製品に育成していく方針。
また同社のUVシリーズがヒットしている。UVカットという化粧品と同じコンセプトを取り入れた分かりやすさが市場にアピールした。その第1弾として上市した「UVプロテクトクリヤー」はデザイン性の高いサイディングボードの美しさをそのままに長持ちさせる。セラミック系樹脂を使い緻密な塗膜を形成するとともに紫外線吸収剤の機能によって紫外線による塗膜劣化を防止する。あわせて低汚染性を付与する。
UVシリーズは「1液ファインシリコンセラUV」(ターペン可溶1液反応硬化形セラミック変性シリコン樹脂系)、「水性シリコンセラUV」(1液水性反応硬化形セラミック変性シリコン系)をラインアップ。UVシリーズで攻めていく商品戦略を進める。
一方ソフト戦略の目玉が「HANAコレクション」。フラワーのイメージとペイントカラーのコラボが大きな反響を呼んでいる。
機能複合で差別化へ 日本特殊塗料
日本特殊塗料は遮熱塗料「パラサーモ」をトップブランドに育成し、業界初の遮熱機能の外壁用バージョン「パラサーモ外壁用」(ウレタン樹脂系非水ディスパージョン型)をラインアップに加えるなど、遮熱塗料の体系化では他社を寄せつけない。
更に機能を追求する中から「NTダンネツコート」(アクリルエマルション樹脂系外断熱システム)を開発し、遮熱と断熱の複合効果の発揮を狙うシステムを完成。
同社は「水性パラサーモ」と「NTダンネツコート」の複合機能による差別化をアピール。オール水性のW(ダブル)システムは業界初。「環境意識の高まりから反響は大きい。リフォーム業者にとってもセールスポイントにしやすいので、そのルートでも伸びている」とコメントする。
もうひとつ同社の強みは塗膜防水の実績をベースとした展開。定評のある「プルーフロンGRトップ」の水性バージョン「プルーフロン水性GRトップ」をこのほど上市した。水性アクリルウレタン樹脂系で、環境・安全面の性能を高めた。防水層のトップコートとして保護する機能とツヤありの美しい仕上がりが特色。
同社の方向性として「遮熱シリーズの一応の体系化が完了したので、機能の複合化を進める一方でトータルシステムとして機能性能を発揮できる工法などを検討していきたい。複合化もWにするといった単純なものではなく、適材適所を発揮できるフレキシブルを追求する」とコメント。
ファン獲得目指し、協力関係強化 水谷ペイント
水谷ペイントの「ナノコンポジットW」が発売して丸4年が経過した。「分母はまだまだ小さい」(執行役員・荒川真吾氏)としながらも販売量は順調に上昇を続け、今年1~3月も市況が厳しいながら2ケタ増と好調さを維持している。販売増加の弾みとなったのは、塗料技術で初となる井上春成賞の受賞。国内の科学技術を代表する賞を受けたことで、市場評価を高めている。
ただ競合激しい建築外装分野において、後発メーカーとしてここまで実績を上げてきたのには、地道な取り組みが背景にある。まずは首都圏での市場開発を先行し、各種の展示会への出展を精力的に行い、設計関連やゼネコンなどに対してアピールを強化。またモニター施工の実施、勉強会の開催、販売店との同行営業、現場診断フォローなど川上、川下含め現場に近い形での営業活動に注力してきた。更に水谷社長自らが末端の塗装会社とのコミュニケーションを図ったことは、ユーザーの支持に加えて、社内の結束力を一気に高めた。
同社が目指すのはファンの獲得。同品のファンである施工店組織"パートナー施工店"は現在850店が加盟。また最近では講義受講者に対し"ナノテク担当者"の認定を付与するなど、情報提供や技術フォロー体制を通し、施工品質を確保するための協力関係も充実させている。
昨年は寒川に倉庫を設置し、神奈川方面のデリバリー体制を強化するなど、更なる販売拡大に向け、エリアごとの施策を強化していく意向を示す。
シート壁装材好調、相乗効果 山本窯業化工
有色陶磁器質骨材「カラーセラミックス」を配合した石材調塗材の開発に特化する山本窯業化工。高級感のあるデザインや質感が得られるとあって、エントランスや外壁などマンションを中心とした改修分野で採用を伸ばしている。
全般的にコスト優先の仕上げの世界においては、同社のようなデザイン性を特長とする石材調塗材に対する採用の気運はバブル以降減少を続けてきた。しかし現在では、新築着工が減少する中で設計関連では改修設計への進出を加速させており、「自分の家にこだわりを持つエンドユーザーに対し、デザインで差別化を図ろうとする動きが活発化している」(担当者)と同社にとっては追い風の様相を呈している。
その中で同社が現在、販売量を伸ばしているのが石材調シート壁装材「U・NEX(ユーネックス)」。既に15年前に開発された製品だが、「昨年は対前年比40%の伸び」との好調ぶりを見せる背景には改修需要の増加がある。シート壁装材の特長である音がしない、臭いがない、工期が速いといった施工特性が改修ニーズにマッチした格好となっている。
更に意匠も御影石調、砂岩調など多彩。ホンモノさながらの質感に「提案するとまず驚かれる」と設計や施主に高い関心を集めている。
担当者は「ライバルはサイディング。当社のシートを塗装屋さんに貼ってもらいたい」。シートと塗材を組み合せることで、外装デザインの多様化にトータルで対応していきたいとしている。
マスカッターをリニューアル 大塚刷毛製造
大塚刷毛製造は「マスカッターECO150」(写真)を上市している。従来の「マスカッターS150」は紙マスカーには使いにくいといの課題があったが、これを解消。更に150mm用マスカッターに比べ、装着方法を改良し使用しやすくなった。また素材にはとうもろこしを原料とする生分解性樹脂を採用したエコタイプとした。
特長は装着方式を「はめ込み型」から「取り付け型」に改良。また製品高15cmであれば紙・フィルムどちらのマスカーも装着できる。
施工用具の基本である刷毛・ローラーでは、水性反応硬化型塗料がスムーズに塗れる「水星シリーズ」が評価を高めている他、化繊刷毛のレベルを革新した超速乾水性塗料用の「みずきシリーズ」も好評だ。
ローラーに関しては「ウーローラーB」(リシン、タイル用)、「砂骨ローラー」(弾性塗料)、「デラックスウーローラー」(スタッコ、ブロック用)をラインアップ。
この他サイディング、コンクリート、スキン(石材調)があり、破風や軒天に対し塗料飛散の少ない「WAKABA」が注目されている。
足場では「マルテー塗装用一本足場」がその安全性とシンプル設計による使いやすさで伸長している。
屋根材の隙間、ベストな値を実証 セイム
セイムが開発、販売している平板屋根塗装時の縁切りツール「タスペーサー」。住宅塗替えの際になくてはならないアイテムとしてすっかり定着した。塗装会社、リフォーム会社はもとより、リフォーム需要開発を本格化させているハウスメーカーが次々と同品を標準採用。塗替え工事品質の確保とともに、その品質が施主からも"見える化"することで信頼性が増すと評価が高まる。
住宅の屋根材としてボリュームを占める平板スレート屋根材。素材劣化があることから塗替えによるメンテナンスが必須だが、ここで重要になるのが「縁切り」作業。屋根材の重なり部に適度な隙間を確保しないと、内部に侵入した雨水や室内から屋根に向かう生活湿気が排出されず、雨漏りの原因になるばかりか野地板や構造材の腐朽につながるおそれがある。
これを解決したのがタスペーサーだ。ポリカ製40mm角大の同品をシーラー塗布後に屋根材の隙間に差し込むだけで確実な縁切りが行われ、通気に必要な隙間を確保できる。隙間が狭いと水の毛細管現象により雨水が屋根材の裏に逆流する。同社では学識経験者を交えて実物の屋根モデルで実験、2.5‐3.0mmの隙間が最適との結果を導き出すとともに、科学的な実証を踏まえたことでタスペーサーの有用性が更に高まった。
壁に比べ目に付きにくいことからあまり注目されてこなかった屋根メンテナンス。ここでの製品、工法開発を積極化し、「塗装会社の仕事領域拡大に寄与していきたい」とコメント。
高級感を演出したカルセラ 玉川窯業
玉川窯業は外壁塗装の上に直接施工できる超軽量外壁タイル「カルセラ」を用いたカルセラリフォームを展開している。
自社開発の軽量タイルは重さが1枚125‐130g、比重が0.85と水に浮く重さだ。更に1,250℃で焼成させたセラミックスレンガ調なので非常に耐久性能に優れるといった特長を持つ。
更に「スレート鋸で簡単にカットできるので現場における加工の手軽さも従来のタイルとは異なる」とこれまでのタイルのイメージを凌駕する素材。
接着剤は変性シリコーン系1液弾性接着剤をメーカーと共同開発、厚さ2mmを塗布することで強固な接着層を形成。剥落などの心配はない。
ここ数年の間に建材商社を通して工務店などで2万棟の実績を有し、戸建住宅の玄関、窓枠、コーナー部などのデザインにワンポイントして採用されてきた。また同社は塗装との組み合わせで付加価値提案ができることから塗料流通を生かした展開を図っている。
「塗装業者向けに新工法を開発し、簡単な研修を受けて頂くだけで施工ができるので、外装塗替えとの相乗効果が図られる」とコメント。既に販売店を経由したスタイルで塗装業者にアピールするなど組織作りを進めている。
また同社はタイル施工の大規模修繕用に対応した少量改修タイル「セラシスト」の受注生産もスタートさせた。
タイル仕上げの建物が多い中で、改修工事の際にタイル割れや浮きからタイルの交換が求められている。これらのニーズに対応した新規ビジネス。
携帯とPCで簡易に報告書作成 TDCソフト
TDCソフトウェアエンジニアリングは携帯電話とパソコンでリアルタイムの報告書が作成できるアプリケーションツール「ハンディトラスト」を展開。住宅メーカーやビルメンテナンス会社の他、塗装業者でも導入されるなど幅広い業種での採用が進んでいる。
ハンディトラストを使用すれば、携帯電話で撮った写真を送信するだけで、写真付き報告書を容易に作成することができる。現場から写真を送るためリアルタイムでの現場状況を把握することができる上、その情報をインターネットで共有化でき管理側での迅速な対応も可能になる。
また、携帯電話の入力形式やパソコンでの表示方法、印刷方法などはカスタマイズが可能で自社に合わせた形で使用することができる。
「圏外でも写真の撮りだめができ、20枚を一括送信することも可能。画素数が上がり写真が鮮明になったこともあり、引き合いは強くなっている。管理の徹底をアピールできる差別化ツールとして提案したい」(担当者)として拡販を図っている。同社は現在、1カ月間の無料サービスを実施している。専用HPから利用が可能。
使い勝手に配慮、機能面充実 日本ワグナー・スプレーテック
日本ワグナー・スプレーテックは新型ブラシレスモーターなど同社独自の技術を駆使した電動式ピストンエアレス「PSシリーズ」を展開している。
PSシリーズではデジタル電子制御式の多機能コントロール(D・E・S・C)により(1)スプレー中の設定圧力・吹付圧力の表示(2)圧力設定の個別設定ができワンタッチで変更可能(3)塗料の消費量及び使用の時間の表示(4)専用プログラムによる使用状況のデータ読み込みができるなど豊富な機能を特長としている。
またポンプ自体の性能面においてもマイクロプロセッサー制御の新型ブラシレスモーターの採用により、自動的に塗料圧を測定しモータースピードを調整することで、一定した塗料圧を保証する。その他、大型フィルターでチップの目詰まりを低減させた高圧ラインフィルターや大断面積のポンプユニットにより高粘度塗料に対応するなど使い勝手に配慮した機能が満載。
品揃えは、小規模塗装向けでコンパクト性を追求したPS‐22を筆頭に、PS‐26(中規模塗装向け)、PS-34(大規模塗装向け)をラインアップ。標準価格は、ホース30m、エアレスガン、トレードチップがセットされ、それぞれ28万円、37万9,000円、54万1,000円となっている。
またエアレスアクセサリーも充実。低~中粘度用、高粘度用、超高粘度用のエアレスガンをラインアップ。また目詰まりを抑え、均一な仕上げを演出するノズルチップも各種揃える。