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Last Updated: 2008年7月 3日 19:16  RSS 2.0
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Web特集

2008年07月03日

作業性、コストアップの改善がテーマ 建設機械でハイソリッドの採用進む(工業用水性塗料・塗装特集2008)

水性塗料の開発が急ピッチで進められている。既に焼付タイプでは製品として給されるレベルまで高まってきており、塗料メーカー、機器メーカーも経験を積むことで自信を深めつつある。また常乾、強制乾燥型はハイソリッドタイプが建設機械関連で採用が進んでいる。しかし、これは一部のユーザーの動きに過ぎない。裾野への普及には作業性、コストといったテーマが大きな課題となっている。

改正大気汚染防止法が施行され2010年(平成22年)までにVOC排出量を2000年(平成12年)比で30%削減する目標に対し、大手ユーザーの取り組みが本格化してきている。
ここ数年粉体塗料、水性塗料の引き合いが多く、特に金属塗装においては粉体塗装への転換が目立つ。「景気回復を受け、設備投資・増設する際にVOC対策を含め環境対応型塗料への置換を進めている」(業界関係者)。また大手ユーザーは企業イメージとともにグローバル化を進める中で、環境のグローバル化も合わせて行っている。


一般工業用市場において最も端的な例がスチール家具メーカーの動きだ。室内汚染の問題もあり、ホルムアルデヒドフリーから粉体塗料を採用するとともに、ここに来て新設工場は粉体塗装と水性塗装の併設を考えている。それはメイン色を粉体塗装で行い、ロットが小さく、かつ色数の多いオーダー色に対しては水性塗装を行うという考えだ。特にパーテーションは色数が多く、デザイン性も高い商品であることから、調色しやすくかつメタリックの配向性などから水性塗装を指向する動きが強まっている。「粉体塗料と水性塗料が環境対応型塗料として並び称されてきたが、スチール家具メーカーの動きはそれぞれの棲み分けを示唆している」と大手塗料メーカー。


今年立ち上がったケーブルラックの水性塗装は下塗りに電着、上塗りに水性塗料と、防食性を配慮したオール水性塗料の仕様。その他、水性塗料の採用では自動車部品(ショックオブソーバー、内装部品)や産業機械(足回り)など各産業のトップランナーが採用に動いているものの、「水性化の動きは一部のユーザーに限られ、裾野への拡大が遅々として進まない。我々の思いと実績において大きな隔たりがある」(大手塗料メーカー)と肩を落とす。
現状の動きとして、水性塗料を乾燥温度で大別すると自動車部品、スチール家具、配電盤などに使われる120‐150℃の焼付タイプと、自動車内装品、産業機械、プラスチック製品などに使用される常乾もしくは強制乾燥タイプに分かれる。


焼付タイプの塗料はアルキド系塗料、アクリル系塗料、ポリエステル系塗料、エポキシ系塗料などがメイン。その他酸化重合、メラミン・イソシアネートによる反応タイプなど。また常乾及び強制乾燥タイプはハイソリッド塗料や水性2液ウレタン塗料がメインとなっている。
「一般工業用はユーザーの被塗物形状、ライン環境がさまざま。ベースとなる塗料設計はできあがっていてもラインごとにチューニングしていく必要があり、手作り感覚」と大手塗料メーカーはコメントする。


水性塗料は溶剤系塗料のように季節変動に対し、溶剤の種類を変えて蒸発をコントロールすることができないので、湿度の変化によってワキやタレの発生が問題となる。それに対して被塗物の加温、高沸点溶剤や添加剤(レオロジーコントロール剤)の選択、更にはラインに合った塗装機器の選定が求められる。「ユーザー、塗料メーカー、機器メーカーが三位一体となって取り組まないと立ち上がりから本格稼働までのライントライアルが長くなる」という。


現状の水性塗料は塗膜性能的には溶剤並みのレベルにあるものの、作業性、コストアップが採用のネックとなっているようだ。「管理幅の狭さと価格的に塗料原料が高いことから従来品と比べ1.5‐2倍になってしまう。(現状のVOC規制下では)現実的に環境対応という名目だけではユーザーにメリットを提案できない」ところに課題がある。
常乾及び強制乾燥タイプは上塗りに水性2液ウレタン塗料を指向するものの現実的にはポットライフが短く、肉持ち感やツヤなどの仕上がり外観に課題を抱え、かつコストアップの要因から現状の2液ウレタン塗料から水性タイプへと一気に移行はしにくいようだ。建設機械などは当面VOC対策としてハイソリッドで対応を図る方向。


産業機械、建設機械は各部位によって板厚が異なり、鋳物品もあるなど一様に塗装仕様は組めない。また部位によって塗膜性能も異なることから「ハイソリッドでいくユーザーもあれば粉体塗料でいけるところまでいき、厚板や鋳物などの熱容量の大きな部位は常乾もしくは強制乾燥タイプを使うユーザーもある」とメーカーによって多少動きが分かれる。
VOCに引き続きCO2の問題が重視される中で、水性2液ウレタン塗料は将来性において大きなポジショニングにある。100℃以下の強制乾燥で塗膜形成できるメリットはユーザーにとって環境問題への対応だけでなく、コスト的にも享受できる。


機器メーカーも2液混合装置でハンドリング性に優れた製品開発を進めており、将来的には一般工業用分野においても採用が進む可能性を持っている。「地球温暖化の問題が深刻化している。塗装においても常乾が理想であるが、低温焼付(強制乾燥)によって燃費が削減できればトータル的に大きなメリットに結びつくのではないか」(業界関係者)とコメントする。

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