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Last Updated: 2008年10月21日 08:57  RSS 2.0
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Web特集

2008年10月03日

縮む事故需要、伸びるディテイリング カーディーラー 品質向上で市場を主導(自動車補修用塗料特集2008)

事故車需要におんぶに抱っこの鈑金・塗装は明日がないことが明確になっている。整備業界のオマケのようにぶら下がっている状態も危ういものがある。新車販売の低迷から、カーディーラーはまなじりを決してカーディテイリングの取り込みによるユーザー囲い込みを鮮明にしている。カーディテイリングを切り口としたカーアフターマーケットの今後を展望した。

カーアフターマーケットは10兆円を超える巨大マーケットを形成し、自動車部品流通から用品の量販、中古車販売、そして整備までが含まれる。整備の年間売上は平成18年で約6兆円とアフターマーケットの60%以上を占める最大分野。その売上高は過去4年間でわずかではあるが増加傾向を見せる。しかし平成7年のピーク時に比べれば9ポイント以上少ない低水準であることが分かる。
車の鈑金・塗装需要は整備売上のその他整備に含まれ、車検や定期点検売上が減る傾向に比べ、その他整備はプラス傾向を示している。その他整備の売上は2兆2,700億円規模で、総整備需要の約37%を占める。鈑金・塗装売上は正確なデータはないが、6,000-7,000億円ほどと推計される。


塗料メーカーの自動車補修用塗料の出荷はピーク時の約30%減の370億円(平成19年)にまで減少。今年に入っても前年割れが続き、「非常に厳しい市況で、ガソリン代の高騰で車離れが加速し、需要が半減することも現実的になってきた」(メーカー担当者)とコメントする。
整備業者の事業所数は約9万で、専業・兼業が増え、ディーラーと自家が減っている。車体整備の専業は約4万と言われるが、整備業と流動的な関係にあり、BP専業者の事業所はドラスティックに減っていない。しかし生き体と死に体の2極化は鮮明で、高齢化問題を抱え整備に吸収されるなど淘汰は進んでいる。これもアバウトな見方だが、鈑金・塗装売上の約50%はカーディーラー内製化で占めるとの観測もある。


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新車販売の不振からカーディーラーのアフターマーケットの囲い込みが強まることはあれ弱まることはない。カーディテイリングの主分野であるボディーコーティングが注目されたのは、カーディーラーが新車販売のオプションサービスとして導入したほぼ5年前からだ。トヨタやホンダ系ディーラーから始まり、外車ディーラーのヤナセなどがボディーコーティングを展開している。
カーディーラーの参入の理由は、値引きの原資にするところからスタート。しかしユーザーの反応が良いところから、正規メニュー化するケースが続出した。ユーザーの「同じ車を新車のような状態で長く乗りたい」とのウォンツに合致したという。


しかもボディーコーティングはビジネスとしてうまみがある。ボディーコーティングは乗用車で5万円が標準、高級車クラスになると10-15万円と決して安いサービスではない。カーナビなどが純正品化されることでアクセサリー用品で付加価値の高い商材が少なくなっている状況から、カーディテイリングをビジネスチャンスとして本腰を入れ始めているのだ。
その一方でカーディテイリング専業者、いわゆるポリシング業者でも動きが活発化。独自のボディーコーティングシステムと研修をセットし、全国組織化を図るケースが目立っている。カーディーラーに対抗するとともに、ユーザーに対し信頼される業態を目指すのが狙い。


これに対しBP専業者はカーディテイリングに静観の構え。自分たちの領域ではないとの感度にあるが、入庫が減る中で新サービスメニューの開発は焦眉のテーマであり、じわじわと関心が高まりつつある。「研修テーマのトップクラスにボディーコーティングが入るようになっている」(オートサプライヤー)と参入意欲は強まっている。
塗料メーカーで本格参入しているのは、今のところデュポンのみ。同社は昨年、ボディーコーティングシステム「ハイパープロ」を上市しマーケティングを進めたところ手応えを得て、8月から第2弾のガラスコーティングを上市し、近くホイールコーティングの上市を予定するなど、カーディテイリング市場の開拓に乗り出している。この背景には、補修需要の減少傾向が続くと見て新たなカーケア業態の立ち上げが必要になると判断しているためだ。


他の塗料メーカーは参入の動きを見せていない。しかし関心がないのかというとそうでもないらしい。台所事情がそこにはあるようだ。既存の商材の販売やサービスで忙殺され、余裕がないとの実態がある。またボディーコーティングそのものが品質やコストの面で練られていないため「やばいビジネス」との見方も根強い。しかしカーディーラーのディテイリング参入意欲を見れば「いずれ参入する必要があるが、そのときは世界トップ品質のシステムを開発し参入したい」(メーカー)との思惑を秘めている。
かつてアフターマーケットの鬼っ子であったディテイリングビジネスがクローズアップしてきたのは市場の構造変化と無縁ではない。車検など制度的需要が、規制緩和というパンドラの箱が開かれることによって一気に流動化。最終ユーザーである生活者主導の市場に様変わり。


アフターマーケットで生き残る条件は明解だ。生活者から選ばれ、信頼されるサービスを提供できるか―これに向けカーディーラーは舵をきっているが、そのコンセプトはもてなしの心だ。これに対し整備業やBP業は対応に遅れがある。
車離れの本当の意味は多様化するライフスタイルの中にあって、価値の消費を模索する中にカーディテイリングとの接点があるということだ。新車のような状態で長く乗りたいとのニーズの裏には、車と生活の関係を大きく見直したいとの意識が隠されている。その意味でディテイリングビジネスは消費者ダイレクトの方向でアフターマーケットの台風の目となる。

オートサプライヤーの視点(1)
ユーザー囲い込みのチャンス スピーディ常務・川上哲氏

カーアフターマーケットは今後更に流動的になってくると考える。整備業界そのものが構造変化を起こしてくる中で、鈑金・塗装分野は大波に飲み込まれていくことだろう。
整備に加えカーケアを取り込んでいくのがポイントになる。とりわけカーディテイリングは消費者に直結するサービスだけに、アフターマーケットの台風の目となり、競争が激化することは明らかだ。


ボディーコーティングへの関心が高まっており、当社で行う研修メニューでも積極的に導入している。BPのスキルがあればボディーコーティングのスキルをマスターすることは容易だ。むしろスキルよりもサービス事業として展開できる経営力が問われると感じている。
このため当社としてはBP業態からカーケア業態への転換に向けた支援を行っているところだ。そこで重要なことは経営と事業とを明確に分け、従来のいわゆる"どんぶり勘定"経営から脱却する必要がある。しっかりした計算管理をベースに収益の出るマネジメントがこれからの基盤となる。


アフターマーケットは流動化していくだろうが、BPの技術やスキルはなくなることはない。むしろボディーカラーの動向を見ても、技術レベルの向上なくして成り立たない分野。新車のベースコートが水性化されるにつれ、補修でも水性を使う傾向が出始めており、BPにとって水性技術のマスターは技術力の格差となろう。 
カーディテイリングにしても水性技術にしても、他社との差別化、自社の独自性を持つことにつながる。他社でマネのできない要素こそが次世代のBPの必要条件となる。当社はこの点をアピールの一環として四輪アライアメントなど修正機での差別化を含めいろいろな提案をしている。(談)

オートサプライヤーの視点(2)
提案力、付加価値力を高める 泉塗料(大阪)営業本部長・西村勲太郎氏

"ワンモア"展開を強化している。カーディテイリング製品、カーケア製品を提案することで、顧客の集客力向上、サービス向上に寄与していきたいと考えている。
当社は元々クォーツを全国に広めた実績を有しており、今でもクォーツをやっていて良かったという声を頂く。顧客との関係強化につながっている。取扱商品に関しては、"商品力""品質""生産性"を重視しており、最近ではガラスコーティングの「GPコート」や空気触媒「カーフィール」といった室内クリーニング製品の販売を積極化している。車検時などのオプション商品として需要が伸びている。


現在、同社の売上は横ばい基調。鈑金塗装市場は2極化が鮮明になっている。売上構成としては、塗料5、副資材4、設備1を理想形としているが、設備需要が鈍化していることからディテイリング製品でカバーしたいと考えている。
市況が厳しいとはいえ、まだまだ獲得するべき需要はある。当社は常に攻め続けるしかない。現在従業員は55人。提案力、付加価値力を強化することで、更に成長を図りたい。(談)

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