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Web特集

2008年12月15日

1116(いいいろ)の日特集2008 ケーススタディ(2)カラーワークス・カドワキコーティング

ライフスタイル変える色彩パワー カラーワークス「F&B」「Hip」
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カテゴリーキラーとしての存在感が高まっている。塗料業界の枠組やカテゴリーを超えたビジネス展開で、新しいペイントビジネスの形を構築してきているからだ。 カラーワークスの商品ラインとして今最も市場から注目されているのが英国発のプレミアムペイント「FALLOW&BALL」、そして同社のオリジナルペイント「Hip」シリーズ。いずれも業界常識を破ったコンセプトで市場認知が加速している。

FALLOW&BALLはペイントとウォールペーパーとがセットされ、色彩や意匠の面での相乗効果を発揮する。そもそもその製造方法からして画期的で、フラットなペイントウォールのイメージを180度転換させる商品パワーがある。 ペイント製造のこだわりには、地球環境問題がある。有機顔料ではなく自然にある素材を顔料として採用。似たようなものとして日本画で使われる顔料に近い。色味や質感へのこだわりはヒストリカルカラーに表れている。英国の伝統的な色から抽出した色味は歴史をストーリーとして含み持つ。

この色彩に伝統を踏まえたストーリーを持たせたのもF&Bが世界初。重厚と同時に時を経てきた温もりのある色調は、歴史的な建造物から一般住宅までファン層は幅広い。いまやF&Bは世界中に熱烈な支持者を有している。 ウォールペーパーもF&B独自の発想の下で製造。柄や形押しはビクトリア調やアールヌーボー調と各種あるが、大胆なデザインを引き締めているのが素材。F&Bペイントを形押して製作され、印刷方法に比べ生産性は大きく劣るが、凹凸感や立体感は抜群。しかもF&Bペイントとの相性が良く、照明を当てるとデザイン性がより際立つ。

カラーワークスがF&B社の国内代理店として展開し始めて7-8年。インテリア業界に新風を巻き起こしている。ここ数年、国内トップレベルのインテリア雑誌がこぞってF&B特集を組む。その採り上げ方も異例。主婦の友社が発刊する「プラスワンリビング」は40万部を誇る質的な面でも評価のある雑誌だが、年に数回もF&B特集を組む。英国のF&B本社を取材したケースもあり、カラー頁で12-13頁と特別扱い。「インテリアの世界にペイントの魅力を発見させた功績ばかりでなく、ライフスタイルを変えるくらいのインパクトがある」とまで言わしめているのだ。 「Hip」シリーズはコンセプトから配合まで、カラーワークスの独自性が反映されたペイント。米国でOEM生産されているが、日本生まれの日本育ち。

カラーワークスが発足した原点は生活者側に立った快適なライフスタイルとは何か、そこで果たすペイントの役割を追求するところにあった。この原点は10数年後の今日も揺らぐことはない。むしろ輝きを増している。 日本の建築塗料は塗装業者の作業性など建設業界のニーズを反映させた製品づくりがなされ、生活者の感性やトレンドとは無縁の製品コンセプトがはびこる。生活者向けの家庭塗料ですら、ホームセンターなど量販店にコンセプトが向けられている始末。塗料業界のカテゴリーの中では生活者にペイントの色彩パワーや楽しさ・感動は伝わらない。 であればカラーワークスの目指すオリジナルペイントが不可欠になる。こうして開発されたのが水性ペイント「Hip」。Hipはハイクラス・インテリア・ペイントの略で、発音のしやすさやペイントイメージを打破する商品戦略が込められている。

Hipシリーズの新しさは、生活者側に立ったカラーバリエーション、環境性能、DIY感覚でも使える使いやすさ。とりわけカラーバリエーションは1,400色、対面販売で調色するスタイルを確立し、色選びの楽しさを提供するスタイルを具体化した。大手塗料メーカーにさえできなかった快挙をなしとげた。 カラーバリエーションの特色はとことんトーン配色にこだわった点にある。これはカラーワークスが生活者やデザイナーなどに接する中でつかみとったノウハウ。色相の嗜好を明確に持つ人は多いが、トーンで迷うケースが多い。そこでトーンの差が分かりやすくなるよう配列したカラーデッキ(色見本帳)を作成。またカラーディスプレイ(カラーチップディスプレイ)も独自に創った。

塗料業界から見れば単なるエマルションペイントにしか映らなかった。なぜか?それは言うまでもなく、建設業のロジック(考え方)に立った見方しかできないからだ。その画期性が認められたのは異業種から。具体的にはペイントで初めてのグッドデザイン賞を受賞したことでも証明される。評価の理由はパッケージデザインではなく、その製品コンセプトの企画力にあった。 Hipが塗料業界でなく、インテリア業界で認知度を高めるにつれて、フラットから質感のある意匠性ニーズが出て、このほど上市したのがHipシリーズ第2弾「Hip漆喰」。ここでも塗料業界と正反対のコンセプトが込められた。既存の漆喰塗料はエマルション系のものがほとんど。Hip漆喰はメイン原料の石灰の鉱山会社とのタイアップに始まり、とことん本物指向に徹している。このため主原料は消石灰と水ないし寒水石。配合の思想を全く異にしている。

「日本の漆喰にとことんこだわりました。漆喰調ではなく、漆喰と言えるのは当社だけではないか。奥行きのある深い色合いにも独自性がある」(秋山社長)と自信を見せる。2008年のグッドデザイン賞を受賞したが、色合いのストーリー性などの商品コンセプトが評価された。 シリーズの次の製品は木目デザインを上市する。これが完了すればカラーワークスの生活者側に立った住生活を変えるハードラインが揃うことになる。

粉体塗装で"カドワキ"ブランド構築 カドワキコーティング

「いつかはカドワキでペイントしてもらいたい」―自転車カスタムにこだわるオーナーから絶大な支持を受ける"カドワキ"ブランド。カドワキカラーワークス(本社・神奈川県横浜市、代表取締役・門脇正樹氏)のカスタム部門が独立する形で設立されたカドワキコーティングの粉体塗装が、自転車、オートバイ、車椅子、4輪パーツの世界で一般ユーザーにおける認知度を高めている。「こだわりを持った人にこだわりの技術を提供する」(専務取締役・廣瀬康二郎氏)姿勢がブランド構築の根本にある。

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先月28日、デザイン家電メーカーの±0(プラスマイナスゼロ)はYAMAHAとのコラボレーション商品を発表した。その電動自転車の塗装にカドワキコーティングが採用されている。±0の専用HPには「塗装について」としてカドワキコーティングの説明が掲載されている。『この自転車は"カドワキ"で塗装しています』=『この自転車は付加価値の高い製品です』を訴求するため。 こうした企画は同社にとっては珍しくない。横浜高島屋とのコラボレーション自転車や映画で使われる自転車の企画デザイン、北京オリンピック車椅子バスケットボール日本チームの車椅子デザインなどコラボ企画はこれまで多数の実績がある。更に、自転車メーカー・ルイガノや車椅子メーカーなどでの標準採用など、"カドワキ"のロゴはますますその存在感を高めている。

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(C)PLUS MINUS ZERO CO.,LTD.2008

もともとカスタムコーティングは門脇社長の知人の自転車を粉体塗装したことからスタート。そこから「金属という無機質なものが色を付けることで感動を与えられるものに変化する。塗装の素晴らしさを一般の人たちにも伝えたい」(門脇社長)との思いを志向、自転車からオートバイ、車椅子、自動車パーツなどの分野に拡大していった。 まずは自転車オーナー(消費者)に知ってもらうため、自転車専門雑誌への広告出稿や関連イベントへの出展を積極的に推進、オリジナルデザインの訴求や粉体塗膜による耐久性向上といった物性をアピールした。更に全日本のトップライダーをサポート。愛好者にとって、同社の塗装が憧れの対象になるとともに、トップライダーにとっても既成色ではなく自分だけのオリジナルデザインを作ることは魅力的に映った。

こうした取り組み、つまりB to BではなくB to Cの展開が奏功し、認知度は徐々に高まっていった。認知度が高まれば消費者の興味は強まる。そこで、消費者との接点を構築していく。 同社はカスタムオーダー用の色見本帳を作成。自転車・オートバイ・自動車パーツショップに見本帳を購入してもらい、そこから各オーナーにカラーデザインを選んでもらうスタイルを10年前から展開。ショップにとっても認知度の高い"カドワキ"を扱うことが武器となる。 色見本帳には、粉体塗装でありながら、基本色300色以上をラインアップ。実際にパウダーコートしたプレートを並べることで、カラーバリエーションに加え、質感・肌感を感じてもらえる。更に塗装仕様の説明が掲載されていることも、こだわるオーナーに対して訴求が高い。

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基本色は300色以上

塗装工程は2コート、3コートは当たり前、デザインによっては4コートすることもある。当然その分価格も高くなるが、カラーデザインへの思いやこだわりが強いオーナーはコストに対しても寛容。ときにはメーカーの純正塗装が気に入らず、新車をパウダーコートで同色に塗り替えるオーナーもいるほど。 「オーナーはそれぞれ夢や思いがあるので、それらを1つ1つ塗装で表現していくのが我々の役目。妥協しない完璧な塗装で商品価値を高めたい。古いものを新しくするレストアではなく、オリジナリティ・クオリティを追求するカスタムに注力していきたい」(廣瀬専務)との姿勢だ。

ここ数年は自転車関連だけでなく、「JAPAN SHOP」「機械要素展」「カラーセッション」など工業的な展示会にも積極的に出展し、認知度を高めている。デザイナーや設計関係などとのつながりが増え、家具や雑貨などのデザインプロダクト、店舗などへの広がりを見せている。これまで培ってきたカスタムコーティングの技術がビジネスの枠を広げている。 「アルミ、鉄、マグネシウム、チタンなどさまざまな材質を扱ってきており、それぞれの最適な対応方法のノウハウがある。色出しも行うし、レスポンスの速さも強み」(廣瀬専務)

今後は店舗など商空間への展開を強めて行く意向。デザインプロダクトや量産向けの色見本帳「GLOBE COLORS」を作成するなど体制を整えている。 実際、ヨーロッパ系からの物件では粉体での指定が来るなど同社のカラーデザインが評価されている。同社が志向するのは、溶剤塗装では表現できない感性を粉体塗装で具現化する方向性だ。

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