コーティングメディア・オンライン独自のコンテンツをお届けします。新聞・雑誌の定期購読、単行本ご購入承り中!

Last Updated: 2012年1月 4日 15:58  RSS 2.0
キーワードを入力してサイト内のニュースを検索できます。

Web特集

2008年12月01日

需要創造に向け事業領域の拡大模索 コア技術を強みに新規分野へ参入(新規ビジネス特集2008)

保有するコア技術を応用し自動車分野やエレクトロニクス分野といった先端分野へ活路を見出そうとする動きが活発化している。塗料産業が成熟化している中にあって、異業種企業との協働、ネットワーク化、マーケット創出を狙ったコンセプトなどを通じ、新たな需要開拓に挑んでいる。また流通を担うディーラーにおいては経営の抜本的改革に踏み込んだ資本強化に向けた動きが進んでいる一方で、試験設備などハード面の拡充を図り、サポート機能の強化を進めている。

メーカー、用途展開を積極化

量的拡大から質的転換へ―。既に使い古された言葉だが、国内需要の低迷、原材料高騰に晒され続けている塗料メーカーは、改めて生産品目の選択と集中を進めている現状にある。


10月に本スタートを切った新JISを見ても明らか。かつてはJIS品として販売していた品目についても販売数量や需要動向を鑑みて返上を決める品目が続出。1品目に数十万円という認定コストがのしかかるとはいえ、自社生産品とOEM製品との2極化を図ろうとする姿勢が浮き彫りとなっている。またメーカー相互の生産品目の補完関係も水面下で着実に進みつつある。
もちろん建築汎用のように利益率は低くとも量的優位で市場を寡占化したいとの戦略があるのも然り。錆止め塗料や合成樹脂エマルションペイント、建築仕上塗材といった品目はまさに汎用製品の最たるもので、製品を上市する企業同士で利益を分配できるほど市場環境は甘くない。これまでは工場の稼働率の面から薄利ながらも製造を続けてきたメーカーにとっては、この原材料高騰により事情が変わりつつある。


選択と集中を図る上でメーカー各社が見据えるのはコア技術を生かした用途展開。分散技術、レオロジー技術、顔料配合技術といった樹脂、顔料、溶剤を配合するといった塗料製造における基本的技術を深化させることで、成長分野へ参入する動きが活発化している。光学フィルムや電子材料、包装分野などはコーティング技術が生産性向上や機能付与に寄与する新規材料として採用されている現状があるからだ。そのためには、新たな顧客開拓や流通の整備などが生じるが、メーカーはあくまでもメーカーとしてものづくりに特化していこうとの姿勢がうかがえる。


その一方で、既存領域における需要拡大策は乏しい。特に汎用分野においては環境対応も機能性付与といった付加価値もユーザーの生産コストに直結しない限り、需要にはなりにくい。また直結したとしても、これまでの取引関係や商習慣など構造的要因が大きく立ちはだかる。需要拡大を図るには、製品力や営業力に依らない観点でのマーケット創出の視点が求められる。


今回取り上げた関西ペイントの「ZOLA SHOP(ゾラショップ)」、日本ペイント販売の「HANA*COLLECTION(ハナコレクション)」はソフト支援の観点から需要創出を図ろうという新機軸ビジネス。「ZOLA SHOP」は多彩模様塗料「水性ゾラコートⅡ」の顧客カラーサービスシステムとして立ち上げたもので、クライアントの参加形式によって意匠デザインのカスタムニーズに対応する。また「HANA*COLLECTION」は、住宅外装の色決めや配色といったカラーデザインを支援するコンセプトブランドとして、施工店への訴求を開始している。塗料が壁紙からの置換を進める契機となるか、施工店がカラーデザインを付加価値とした提案営業に転化するか、両者それぞれの課題を抱えるがいずれも最終消費者を意識した上でのユーザーサポートであり、塗料・塗装の価値向上を訴求する点で共通している。


 
ディーラーの存在感高まる

塗料メーカーがものづくりへの特化、ユーザー直結ビジネスを指向する中で、流通機能を担うディーラーの存在はますます重要になっている。メーカー施策に沿うならば、新たな事業領域への展開を進めていくことが重要。また設備、副資材などのアプリケーションの他、接着剤や化成品など周辺製品の取り扱いも不可欠となっている。特に工業用ディーラーではユーザーが製品化する上で、塗膜形成やフィルム形成プロセスをサポートするため研修施設や試験設備を配備するなどエンジニアリング面の拡充を図る動きが活発化しており、営業、技術両面での機能強化が進んでいる。


一方、既存領域においては、原料価格の高騰に値上げが追いつかず収益悪化をたどっている。特に汎用分野においては構造不況から具体的な打開策を打ち出せない状況。企業単独では投下できる経営資源も限られていることからサバイバルの様相を呈しており、経営の抜本的改革が求められる。
その中で販売店同士の合併、共同購買などに踏み込むことで、資本力による優位性を高めたいとの動きも顕在化している。


既に昨年末には、須藤塗料とフジタが合併し、「秀アソシエイツ」を設立。東京・練馬区を拠点とする同一商圏を持つ2社が統合することで経営効率を高めるとともに、主力の建築汎用から工業分野まで広げたいとの構想を持つ。また大阪の小島塗料と大阪ロックセルフも来年1月の予定で経営統合する方向で進んでいる。


その他、メーカー、ディーラー、ユーザーに限らず、インターネットビジネスもBtoB、BtoCともに存在感を増している。販売だけではなく、ネット受注で得たノウハウを全国ビジネスとして展開するという新たなビジネスモデルも浮上してきた。また双方向性を有するインターネットの特性を生かしたコミニューケーションツールとしての活用も目立っている。(近藤)

« 前のWeb特集Web特集アーカイブ次のWeb特集 »

Web特集|ニュース|コラム|インタビュー|データルーム|イベント情報|セミナー情報|リンクネットワーク