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Web特集

2008年12月09日

ペイントの楽しさ、カッコよさを訴求 感性ビジネスが広がっている(1116<いいいろ>の日特集2008)

11月16日、1116(いい色)の日に因んで「生活者へのアプローチ」という視点でいくつかの事例を取材した。塗料・塗装への認識を深めてもらい、引いては産業のステイタスアップを図るためにはどのようにすれば良いのか。生活者への普及は業界の長年の課題だが、イメージ通りにはなかなか進まない。今回、生活者を意識してビジネス化に取り組んでいるいくつかの事例を取材し、普及のヒントを探った。

突然だが、「塗る」という行動はコーティングとペイントという2つの用語が用いられる。コーティングは機能や品質といった少し堅いニュアンス、一方のペイントは色やテクスチャー、質感といったソフトなニュアンスを想起しないだろうか。
これまで行われてきた普及の切り口は「家が長持ちする」「汚れがつかない」「遮熱性でエネルギーコストが低減する」など、どちらかと言えば機能や塗膜品質といったコーティングの部分に主眼が置かれていた。こうした側面は定量化しやすいことからアピール度が高いと思いがちだが、反面、「特殊な産業材」とのイメージを払拭できず、生活者との距離を縮めるには至らない。


生活者にとって身近な存在となるためには塗料・塗装の持つ「楽しさ」の要素を露出していく必要がある。それにはペイントの側面、つまり色や質感、テクスチャーといった感性の部分をいかに生活者の価値観に訴えかけていくかが重要だ。こうした側面は定量化しにくいため普及の切り口としてなかなか踏み出せずにいた。


しかし成熟化社会の中でモノやコトが充足している現代、定量化・モジュール化したビジネスには限界があり、サイクルも速い。一方、感性、言い換えれば感動の共有化ビジネスには無限の可能性が広がっている。
例えば今回取材したカドワキコーティングのケースでは、自転車のカスタムペイントが愛好者の絶対的な支持を得てブランドを醸成、ビジネスとして成立している。しかも粉体塗装という生活者とは最も遠い塗装方法が色や質感を媒介にし、価値の認識を深めることに成功した。
また業界のオピニオンリーダー・カラーワークスはペイントで暮らしを楽しむ手法を一貫して主張し続け、着実にファン層を広げている。変わったところではプラモデルメーカーのタミヤがペイントワークショップを常設し、ビギナー層に対して「自分で仕上げることの楽しさ」を提供、需要開拓に役立てている。


いずれのケースも楽しさやカッコ良さといった感性の部分に訴えるということで共通しているビジネスモデルだ。
業界内では当たり前のことであっても、生活者から見れば「すごい」「カッコいい」と映る技(わざ)やアイテムはまだまだ残されているはず。しかもそれが塗料・塗装ならではの特質からくるものであれば、他産業に対する高い障壁にもなり得る。
「生活者相手の商売は面倒くさいし、そもそも商売にならない」的な発想から脱却し、生活者に真剣に向き合う時期が既に来ている。

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