Web特集
2009年03月26日
超耐候・重防食塗料特集2009(企業動向)
コスト削減効果を実証 土木研究所 山一化学 インバイロワン工法
環境に適合した塗膜剥離工法として「インバイロワン」がクローズアップしている。従来のブラスト工法や剥離工法にない環境へのやさしさが実証されているためだ。
「インバイロワン」は土木研究所と山一化学工業が共同開発(特許)、平成18年度には「第8回国土技術開発賞」を受賞した。
熊本県内の橋梁での採用実績では、変性エポキシ樹脂塗料/塩化ゴム系塗料の旧塗膜約300μmの剥離のケースで、塗布後18時間でスクレーパーにより容易に除去できた。また、滋賀県の琵琶湖にかかる橋梁の旧塗膜(エッチングプライマー/鉛系さび止めペイント/フタル酸系樹脂塗料)約200μmではほぼ除去できたが、残存塗膜が残ったため、もう一度「インバイロワン」を塗布しすべて除去。
こうした実証から、山一と土研では膜厚が500μm以上の場合、2回塗布することで、インバイロワンが旧塗膜の最下層まで浸透し、剥離作業が容易になるとの知見が得られたという。また作業者は特別な技術を必要とせず、取扱いも容易で臭気もほとんどないと好評。とりわけ塗膜ダストの飛散がないことが大きな評価につながった。
また、剥離後の鋼材に残存したインバイロワンが新たな塗膜に影響があるのか否かのテストでは、各仕様で2年間暴露試験を実施。無処理またはウェス拭き取り、ウェス拭きの後に不織布による研磨などの条件を設定したが、新規の重防食塗膜への影響は認められなかった。インバイロワンが残存してもウェスで拭き取ることで、塗替え塗膜への悪影響を及ぼすことはないと確認できる結果を得た。
インバイロワンの効果は、含有する有効成分の溶解パラメーターが最適化され、性能を阻害しない増粘剤をバランスよく配合し、剥離剤成分を旧塗膜深くに浸透させることに起因する。旧塗膜は湿潤シート状になり、除去・回収が容易になる。
また、安全性の高さにも注目が集まっている。OECDの化学品テストガイドラインによる生分解性ではハイレベルの易分解性を示した。生分解性とは、環境中の微生物が栄養源として有機物(化学物質)を摂取しエネルギーとしたり、同化に利用することをいう。
更に作業者に対する安全性でも、インバイロワンは主成分がアルコールであるため人体に対し優しい。当然、労働安全衛生法に該当しない。
鋼材の旧塗膜除去で世界的に問題視されている粉塵発生は、旧塗膜に含まれるPCB、鉛及びクロムの大気中への飛散を伴うため、ブラスト工法では現場をクローズドとし、作業者の安全性確保が優先される。これに対しインバイロワン工法で発生する粉塵量はブラスト工法に比べ400分の1、動力工具(素地調整程度3種C)に比べ30分の1とほとんど発生しないことが確認されている。
一方、インバイロワン工法のコストパフォーマンスも実証されてきた。1種ケレンで除去した場合に比べ、施工コストと廃棄物処理コストの合計で数10分の1にまで圧縮できるとの見方も出ている。
産廃コスト4分の1に 三彩化工 ネオリバー泥パック工法
三彩化工が開発した鋼道路橋塗膜除去技術「ネオリバー泥パック工法」の実橋での採用が相次いでいる。国交省のNETIS(新技術情報提供システム)に登録され、認知度も一気に高まってきた。
同工法は、60年にわたる塗膜剥離剤メーカーとしての技術を結集して開発され、鋼道路橋の維持修繕で行われている素地調整2種程度のサンドブラスト工法に代替できる剥離技術。トータルコスト低減、作業環境の改善、周辺環境改善の面でクローズアップ。
適合する一般塗装系はA塗装系(鉛系さび止ペイント/長油性フタル酸樹脂塗料)、B塗装系(鉛系さび止めペイント/フェノールMIO塗料/塩化ゴム系塗料)。
細田橋(B塗装系、5,295㎡)の塗替え工事の採用例では、まず高圧水洗によって塩分や汚れを除去し、飛散防護ネットやポリエチレンシート・ポリプロピレンシートで養生をする。
その後、ネオリバー泥パックをリシンガンを使って均一に塗布し、24時間ほど放置する。塗布のポイントは規定量を守る点にある。「塗布量と浸透度が比例するため」と担当者。
放置時間は標準16時間以上だが、24時間ほどで旧塗膜は膨潤し、刃付スクレーパーで除去できるようになった。ボルト部など接合部はワイヤーブラシ、ディスクサンダーなどで除去。
次いでディスクサンダーなど電道工具を使って下地処理。エッチングプライマー層を除くため、ディスサンダーで除去しシンナーで拭き取る。
また、ジンクリッチプライマー層の場合、全面をディスクサンダーで目荒してシンナーで拭き取る。
細田橋の旧塗膜は平均200μmで、これに対し1回1㎏/m2のネオリバー泥パックを塗布したが、サンドブラスト工法に比べ40%近くコスト低減効果があったと試算されている。
環境や安全性においてもブラスト工法に比べ、ネオリバー泥パック工法は安全性を実証した。生分解性があり、臭気は弱溶剤臭レベル、毒物及び劇物取締法フリー、労働安全法フリー、消防法非危険物。「サンドブラスト工法でははね返りが強く、作業者の負荷が重大。しかも発生する粉塵量も多い。それに比べ泥パック工法は廃棄物も少なく、メリットは大きい」(担当者)とコメント。
同社ではA・B塗装系では剥離工法がメインになってくると見ており、ネオリバー泥パック工法をサンドブラスト工法に替わる次世代システムと位置付ける。「環境・安全面をアピールするとともに作業性を含めたプロセス面の優位性を実績の中から示していきたい」と全国展開に拍車をかける。
環境・コストのダブルメリット 日本ペイント
日本ペイントは環境とコストのダブルメリットを提供できる弱溶剤形下上兼用塗料「ハイポンダブルガード」の市場展開に注力している。同社が展開している工場彩生プラン「POWER FACTORY」の製品カテゴリーにも入っている戦略製品だ。
「官公庁物件では『便覧』により塗装規格が決まっているが、規格に縛られていない工場設備改修など民間物件には積極的に提案しており、採用も増えている」(担当者)状況で、前年比倍増の成長を示している。
商品体系は弱溶剤形エポキシ・シリコン変性樹脂系の「ハイポンダブルガードSi」と弱溶剤形エポキシ・ウレタン変性樹脂系の「ハイポンダブルガードU」からなっている。
防食性・付着性と耐候性機能を併せ持つ下上兼用塗料で、60μmまで可能な厚膜性を有するため工程短縮が可能。改修工事期間の短縮にもつながり、トータルコストでメリットが出せる点でも施主からの評価を得ている。
また、重防食分野では『便覧』により橋梁の新設・塗替えなどでフッ素樹脂塗料の需要が増加。同社では塗替え向けとして弱溶剤タイプのフッ素樹脂塗料「デュフロン100ファイン」をメインに販売している。
その他では、鋼材長期防食システムとして、常温金属溶射のパズル工法を展開。犠牲金属としてのアルミと亜鉛を溶射し、その上に防食塗装することで消耗劣化を防ぎ、防食性能を飛躍的に向上させる。上塗りに水性塗料の組み合わせを開発中。
オール水性仕様の実績重ねる 関西ペイント
関西ペイントは省工程・コスト低減・VOC削減に寄与する厚膜タイプの展開に注力している。
「ユニテクト30セーフティ」はシリコン変性エポキシ系下塗上塗兼用塗料で55μmの厚膜を確保。塗膜形成時に意匠性と耐候性に優れるシリコン樹脂が表層に、防錆性に優れるエポキシ樹脂が下層(素地面)に配行する傾斜構造機能を有する。更に弱溶剤タイプで鉛やクロムを含まない環境に配慮した設計となっている。
同品に低溶剤弱溶剤厚膜形変性エポキシ塗料「エスコNBマイルドH」(膜厚120μm)を組み合わせた工法を積極的に提案する。この工法は東京都の橋梁、つばさ橋のタワー(首都高速道路)、鉄道橋梁などで採用されるなど実績を伸ばしている。
また、水性塗料の開発も積極的に進めており、試験施工での実績に手応えをつかんでいる。東京都新宿区発注の橋梁で、下塗りに水性変性エポキシ樹脂塗料「アクアエポテクト下塗」、中塗りに水性ふっ素樹脂塗料用中塗「アクアエポテクト中塗」、上塗りに水性ふっ素樹脂塗料「アクアフロンテクト上塗」のオール水性仕様が採用された。
東京都新宿区では昨年から今年にかけて4橋(歩道橋1橋含む)でオール水性仕様での塗替えを行っているが、すべての物件で同社の水性システムが採用。重防食でも水性化を志向する。
また、同社では四国総合研究所と共同開発した送電鉄塔向け「タワーバリヤーシステム」を展開。社会資本を保全する手段として提案していく。
需要分野拡大、汎用性高まる ローバル
塗布型亜鉛メッキ塗料を展開するローバル。亜鉛含有率95%以上と常温タイプの塗料でありながら、溶融亜鉛メッキと同等の防錆力の付与ができる点が最大の特長となっている。鉄塔や照明塔、変電所などの各種鉄構造物のメンテナンスでコアユーザーを抱える一方で、最近ではマンションの階段、立体駐車場など、汎用性と性能の高さから需要分野に広がりを見せている。
同品の防食性能のメカニズムとしては、一般塗料のように塗膜による保護によって水分や紫外線の侵入をシャットアウトするタイプではなく、電気化学的作用によって錆止め効果を付与するというもの。暴露初期は塗膜に含有している亜鉛粒子の隙間を通って鉄面まで到達するものの、亜鉛の電気化学的作用により錆から保護。また亜鉛が酸化することによってできた白錆(腐食生成物)が被膜となって空気や水を通しにくくするため、膜厚の薄い部分に錆が発生したとしても錆が広がらない性質を持っている。
塗替えの際も錆の発生具合によってケレンの種類を変えるのみで、同品を直接塗り重ねることができるため、下塗り、中塗り、上塗りの塗装工程が不要となり、また1液タイプで塗装間隔時間は1-3時間と速乾タイプのため、大幅な省工程化に寄与する。
品揃えとしては、亜鉛含有率96%の「ローバル」、「ローバル厚膜型」(低VOCタイプ)、「エポローバル」(上塗り対応)の他、シルバー塗色対応として「ローバルアルファ」「ローバルシルバー」をラインアップする。
環境対応型システムを推進 神東塗料
神東塗料は今春、2液エポキシ樹脂タイプの水性さび止め塗料を発売する。まだ業界では取得実績のない新JIS取得の準備も進めている。
水性タイプの普及はまだまだ課題が多い。施工時における露による水分の付着など施工品質面での安定性に欠けるからだ。ただ既に鉄道会社の鉄橋で採用済み。水性化やクロムフリーなど環境対応型製品の開発を推進する同社にとっては、環境気運の高まりに対する社会的要請に応えられるとして、水性製品をいち早く上市することで差別化を図りたいとの狙いがある。
同社の開発スタンスとしては、あくまでもJIS規格に則った品質確保を前提とする製品開発を進めていく方針。その上で「物件やその使われ方によって性能ニーズは違う」と仕様の組み合わせや付加機能で差別化を図る。
現在、塗替え向けの環境対応型重防食システムとしては、変性エポキシ・ポリウレタン仕上げ、変性エポキシ・ふっ素仕上げ、厚膜変性エポキシ・厚膜アクリルシリコン仕上げをラインアップ。上塗り塗料の最高スペックとして、高耐候性厚膜形アクリルシリコン樹脂塗料「セラボーンHB」を据える。同品はコールタール系エポキシ塗料と塩化ゴム系塗料の代替製品としても位置付けられ、シロキサン結合と凝集力の高いウレタン架橋を組み合わせることで、耐候性、付着性、耐溶剤性に優れた機能を発揮する。
鉛・クロムフリータイプで、1回の塗装で50μmの厚膜仕上げを可能にするなど短工程化にも寄与する。
ふっ素樹脂系で厚膜タイプを開発 大日本塗料
大日本塗料はふっ素樹脂塗料の展開に注力しており、新たに「低汚染」「厚膜」「環境配慮」を特長とした新製品を開発、メンテナンスにおける戦略製品として橋梁やプラント、タンクなどで採用拡大を目指す。
新製品は弱溶剤・厚膜形ふっ素樹脂塗料「VフロンHBクリーンスマイル」。省工程を実現する厚膜タイプは重防食塗装マーケットにおいて、年々ニーズが高まっており、同社では厚膜形ふっ素樹脂系を開発した。耐候性、光沢保持性、耐汚染性に優れ、乾燥膜厚が50μm以上とふっ素樹脂塗料での厚膜塗装ができるため、中・上塗り兼用として塗装工程短縮にも寄与でき、ライフサイクルで見たコストの削減が可能になる。環境面においても被塗物の塗替え周期を伸ばすことでトータルでのVOC排出量削減という環境負荷低減効果もアピールしていく。
下塗として、弱溶剤厚膜形変性エポキシ樹脂塗料「エポオールHBスマイル」を使用することで下塗1回+上塗1回の究極の省工程である2回塗り仕上げも可能となる。
また、冬季対応仕様として-5℃でも硬化する1液湿気硬化形ポリウレタン樹脂塗料「Vグラン」などもラインアップしており、「VフロンHBクリーンスマイル」との組み合わせで季節に応じた厚膜防食仕様を提案していく意向。
「これからの防食塗料は、より環境に配慮しながら塗膜の品質も上げたものが求められるが、これを提供するのが当社の使命」と意気込む。
水系防食システムに注力 トウペ
トウペの重防食事業は出荷量・売上ともに前年に比べ伸びを示す。「工事獲得数が多くなっているため」(担当者)。
重防食塗装マーケットにおいても環境配慮のニーズは高まっており、塗替えでは弱溶剤塗料が主力になりつつある。そうした中、同社では次世代の主力との位置付けで、水系防食塗装システム「トアガイアシステム」の提案に注力している。
同品は従来の溶剤システムの耐久性を維持し、有機溶剤量の削減を目指したシステム。その削減効果は92%を示す。塗料構成は、水系2液形エポキシ樹脂塗料下塗「トアガイアプライマー」、水系2液形エポキシ樹脂塗料中塗「トアガイア中塗」、水系1液形ハルスハイブリッド樹脂塗料上塗「トアガイア上塗」となっている。
「同上塗」は紫外線による樹脂劣化を防ぐHALS(光安定剤)を樹脂骨格に組み込んだハルスハイブリッド樹脂のため、シリコン変性アクリル樹脂塗料を上回り、ふっ素樹脂塗料に迫る高耐候性を有する。
また、橋梁などのメンテナンス工事で主力となっているのが、弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「ニューフッソ21DC上塗システム」。「LCC低減の観点からも従来システムと比べてメリットがあり公共物件、民間物件ともに需要は増えている」と担当者。下塗に弱溶剤形変性エポキシ樹脂系の「ニューエポ21プライマー」だけでなく、同品の厚膜タイプ「ニューエポ21HBプライマー」もラインアップし、用途に合わせたシステムを提案している。
下地処理革命、ラストボンド ジャパンカーボライン
国内に比較類似品のない悪素地面用浸透性エポキシシーラー「ラストボンド」。防食塗装における下地処理の概念を覆すパワーを秘めている。
防食塗装(メンテナンス)における最重要ポイントは素地調整(ケレン)の精度だが、実際には限界があり、塗料で除錆不足を補う必要がある。ここで威力を発揮するのがラストボンドだ。
同品の最大の特長はさび層への驚異の浸透力。さび面に対する接触角が約13度と極めて小さく、毛細管現象によりポーラスなさび層に強力に浸透。しかも組成中の吸水性特殊樹脂によりさび層内の水分を吸収、さびの成長を抑える。
このため3-4種の軽微なケレンで済む上、旧塗膜の目に見えない割れ目や隙間、周囲から浸み込み基材をしっかりとシール、強固な下地を形成する。同品を下塗りに用いた3回塗り仕様で、変成エポキシ4回塗り以上の防錆力を実証。しかも固形分97%のハイソリッド塗料で塗膜の内部応力を低減、付着強度が極めて高い。TVOC3%未満、F☆☆☆☆、鉛系顔料を含まずグリーン購入法に対応。
アングル材の背合わせ面、リベットやボルトなどの隙間、動力工具が入らない部位などの局所、サンダーの火花を嫌う火気厳禁エリア、ケレンすると穴があく部位など素地調整が困難な箇所には極めて有効だ。同品特有の浸透力により、これまで対応に苦慮していた斜張橋のワイヤー内部の防錆に使用されるなど、実力本位で採用例が広がっている。
的を絞って強みを生かす 中国塗料
中国塗料はこれまで大型の新設鋼構造物への展開を進めてきており、今後は新設時にスペックインした物件のメンテナンス工事のアプローチを強化していく。更に護岸コンクリート部や鋼矢板など特殊用途での実績も重ねており、重防食分野では的を絞った戦略を進めていく意向。
製品体系としては、この分野で主流となりつつある弱溶剤フッ素樹脂塗料「フローレックス上塗MS」や省工程に寄与する厚膜タイプの「エコロガードシリーズ」をはじめさまざまな用途に合わせた製品をラインアップ。
「フローレックス上塗MS」はフッ素樹脂を主剤として非黄変性イソシアネートを硬化剤とする塗料で、耐候性、耐薬品性、耐水性に優れる。
「エコロガード100」は特殊変性エポキシ樹脂系で、ゴミ処理施設での実績が多い。鉛・クロムフリーの防錆顔料を使用した環境対応型塗料で、125μmの厚膜塗装が可能になる。更に耐候性が必要とされる屋外向けでは、上塗りに特殊ポリウレタン樹脂塗料「エコロガードU」を塗ることで長期防食性及び長期耐久性を付与できる。
その他では、厚膜形ポリウレタン樹脂塗料「ユニマリンHS」を販売している。同品はハイソリッド形のアクリルウレタン樹脂塗料で厚膜塗装が可能であり、かつ従来のウレタン樹脂塗料と同様な高光沢で優れた耐久性と耐薬品性を持ち合わせた上塗り塗料。下塗・上塗の2コートシステムを標準仕様としているため工程短縮に大きく貢献するメリットがある。
機能性製品の投入を積極化 インターナショナルペイント
インターナショナルペイントは、日系企業による海外プロジェクト物件での採用、また輸入品による施工対応を図るなど、世界トップメーカーとしてのブランド力及びネットワーク力を強みとしている。
特に同社ではISO規格に準じた性能を確保する一方で、環境対応型製品の開発に特化。低VOC対応として、EPA(アメリカ環境保全局)が定める1L中のVOC量370gを大幅に下回る218gを実現。また鉛・クロムフリーに対しては、乾燥塗膜の0.01%重量比以下を実現するなど、全製品鉛・クロムフリータイプで揃えている。
ラインアップとしては、アルキド、エポキシ系、ポリウレタン、ジンクリッチと各種揃える中で、上塗りとしては厚膜タイプのポリシロキサン系塗料が主力。下塗りには無機ジンクリッチを配した2工程200μmの厚膜仕上げを可能にした省工程システムも構築している。更に今年は特殊機能を備えた新製品の投入を積極化する。
上塗りとしてアクリルシリコン系を上市する他、フタル酸樹脂塗料の3回塗り仕上げに対抗する製品として「ポリアスパティック」を上市する予定。同品は1回塗り仕上げで、乾燥時間1時間と速乾タイプのため短工程化に寄与。「調色にも対応していく」として汎用としての展開も見据えている。
また-20℃-400℃の環境下に耐える無機ポリマータイプも上市する。同品はアルミを配合しており、ステンレススチールの圧力容器プラントなどへの需要を視野に入れている。
スプレーと刷毛塗りの同時施工を実現 好川産業
好川産業は昨年、東京電力と鉄塔塗装を主力とする塗装会社3社による共同開発でエアレスガンと一体化できるエアレス専用刷毛を開発した。需要が見込まれる鉄塔など鉄構造物のストック市場に対し、省工程、省エネに寄与する新工法として販売拡大に期待感を募らせている。
開発したエアレス専用刷毛「ALB-101」(特許申請済)は、エアレスガンの先端に刷毛を装着するもので、スプレーを吐出後、そのまま刷毛塗りとして施工できるというもの。刷毛の内部にリングネットを取り付け、刷毛内部の空洞を確保することで塗料の詰まりやボタ落ちを防止。また一般的に使用されているフリーパターンチップを刷毛に内蔵することで、ノズル口径を手元で変えられるようにした。これにより塗料系の違いによる対応や瞬時に塗料詰まりを解消することができる。
同品を使うことによる効果としては、スプレー塗装と刷毛塗りを同時に行える点が最大の特長。またスプレー塗装の際も刷毛がカーテンとなり飛散を抑え、塗着効率向上に寄与するなど、工期短縮、使用材料の削減が可能。
既に鉄塔の塗替えなど実需としての採用も出ているが、販売展開に対して同社の好川久雄社長は「すぐさま量的拡大を追うのではなく、ユーザーの理解を得ながら普及させていきたい」との方針。昨年から行っている営業活動を通じて新たな開発テーマにも着手しており、開発面、営業施策面ともに普及期につなげるための底固めをしていくとしている。
リベット間剥離に威力「鋼板用ミニ」 大塚刷毛製造
大塚刷毛製造は弾性厚膜や鋼板塗膜剥離用の「マルテー弾だんホイールシリーズ」を上市している。
グラインダー本体との取り付け部に特許ショックアブソーバーが付いており、振動を吸収し揺れを大幅に減少させる。このため長時間にわたる旧塗膜除去作業でも手がしびれることもなく、初心者でも粗スジなくきれいに仕上げることができる。
鋼板用としては「弾だんホイール鋼板用」「弾だんホイール鋼板用ミニ」がある。
「弾だんホイール鋼板用」は深削り防止溝が付き、刃が深削りすることを防止する。対応する塗膜はフッ素樹脂・エポキシ・ウレタン・フタル酸樹脂・一般さび止め。
また、「弾だんホイール鋼板用ミニ」は、今まで作業が困難であった狭い場所での塗膜剥離に効果を発揮する。直径31φのミニサイズのため、細かく入り組んだ部位にも届く。橋梁や鉄塔などのリベット間、ボルト間に対応したグラインダー作業が可能。
アタッチメントとして、簡易式集じんカバー「ダストールP2」「ガイドカバー」が用意され、手軽に吸じん式に変えることができる。
また、同社は無段変速グラインダーに対応した「リベットシェーバー」を上市している。同品は橋梁のリベット部の塗膜剥離に威力を発揮する。低回転のグラインダーに取り付け、除去が難しいリベット部の塗膜を除去できる。定型リベット用と不定型リベット用の2種類。サイズは5.3φ×L5.5。
仕様の深堀り、現場対応力を強化 イサム塗料
超耐候性塗料分野ではアクリルシリコン樹脂塗料に特化するイサム塗料。タイル壁面低汚染改修システム「タイルガード」、滑り止め工法「スキッドガード」を投入するなど、性能、機能面での差別化を積極化している。
市況においては「昨年秋頃までは堅調に来ていたが、年明けにかけて仕事量の減少が目立つ」とコメント。今年はテコ入れを図る意味でも作業性、省工程化を含め、現場環境に適した塗装仕様の深掘りに力を入れていくとしている。
上塗りとしては、最高級グレードと位置付ける強溶剤系2液タイプ「ネオシリカ21C」を擁する一方で、「ネオシリカ21Cライト」(弱溶剤2液タイプ)、「ライトシリカ」(弱溶剤1液タイプ)、「エコシリカ21C」(水性2液タイプ)、「アクアシリカ」(水性1液タイプ)と弱溶剤、水性の1液、2液を揃える。アクリルシリコン樹脂塗料を基本とした品揃えを充実させることで、高耐久・低汚染の訴求を図る。
今年で3年目となる「タイルガード」においては、イサムエラストマー会による責任施工展開がベース。「まだまだ塗装で防水ができるという認知度は低い」としながらも、滑落、剥離の面から磁器タイル物件のメンテナンスに対する関心度は高まるとして、同社では需要拡大に期待感を示している。
昨年発売した「スキッドガード」は玄関アプローチや通路面に施された磁器タイル床面の滑り止め工法として開発。速乾、常乾タイプを揃え、ニッチ分野ながらも引き合いを高めている。
ナノシリーズで超耐候ニーズに対応 水谷ペイント
水谷ペイントは超耐候グレードとして水系ナノシリーズを展開している。
外壁用としては「ナノコンポジットW」の販売に注力している。産学官で開発されたナノコンポジットエマルション樹脂は超微粒子シリカを内包することにより石油系資源を大幅に節約するとともにナノレベルの樹脂粒子がこれまでにない機能(超低汚染・難燃)を実現した。
同社が構築するパートナー施工店は900社に拡大。「環境に寄与した超耐候性塗料ということで、ユーザーからの評価も高く、リピーターが多い」(担当者)と拡販に自信を持つ。近々遮熱タイプも発売を予定しており、更なる製品体系の充実を図る。
また、屋根用では「水系ナノシリコン」を超耐候性塗料として展開している。同品はナノシリコンテクノロジーによりアクリル成分とシリコン成分をナノスケールで均一に融合させ、シリコン樹脂のポテンシャルを最大限まで引き出すことを実現した。
色調は一般色29色の他、遮熱色にも対応しており、ブラック、ナチュラルグレー、バイエルブラウンなど8色を揃えている。
「市場投入の際には機能を前面に出して提案をしていく。そうすることでユーザーにも評価してもらえる」
その他、屋根用弱溶剤2液型シリコン変性樹脂塗料「パワーシリコンマイルドⅡ」や遮熱性を有する弱溶剤2液型シリコン変性樹脂塗料「快適サーモSi」及び弱溶剤2液型ポリウレタン樹脂塗料「同U」の販売に注力する。
防食分野への対応力強化 エスケー化研
エスケー化研は防食分野の品揃えを強化している。
1液特殊変性エポキシ樹脂系さび止め塗料「エポサビマイルド」、同「マイルドサビガード」、2液弱溶剤形エポキシ樹脂さび止め塗料「SKマイルドボーセイ」、万能型特殊変性エポキシ樹脂さび止め塗料「ミラクボーセイM」、特殊変性アクリルエマルション樹脂水性さび止め塗料「SK水性サビガード下塗材」。
この他、2液ポリアミド硬化形エポキシプライマー「SK#1000プライマー」、特殊変性樹脂プライマー「SK#2000プライマー」、有機ジンクリッチプライマー「SK#8000プライマー」、特殊変性エポキシ樹脂さび止め塗料「ミラクガードRP」、エポキシ樹脂MIOプライマー「SK-MIOプライマー」などをラインアップ。
この中で「マイルドサビガード」が注目されている。1液で2液に匹敵する性能があり、塗替えから新設まで幅広い対応力があるためだ。3時間(20℃)で上塗り(弱溶剤タイプ)ができる速乾性がある。
また、1液形の使いやすさに加え、クロムや鉛を含有しない安全設計、塗料シンナーで希釈が可能などハンドリング性が抜群。現場の施工サイドの評価を高めている。
「ミラクガードRP」は機械式駐車場での採用が増えるなど、同社にとって防食分野は建築分野に付帯する市場から防食全般をにらんだ展開に入ってきた。幅広い防食市場の取り込みがテーマとなっている。
多色サイディング需要に優位性発揮 恒和化学工業
恒和化学工業は得意の超耐候テクノロジーを戸建住宅の改修分野に本格展開する。この分野では近年、外壁材の主流を占める窯業系サイディングのデザイン性が高度化。多色サイディングの塗替え需要の増加とともに、従来の塗替えのように単色塗りつぶしではなく元の意匠を確保した塗替えを望む声が急増している。こうしたニーズを受け、得意の無機・有機ハイブリッド技術を生かしたクリヤー塗料を新たに開発。ロングライフかつ省工程の多色サイディング塗替えシステムとして近日中に市場展開に入る。
同塗替えシステムを構成するのは水系変成無機塗料「ダイヤスーパーセランアクア」のクリヤータイプ及び弱溶剤形シリコン変成シーラーといった新開発製品。シーラーは基材への浸透性、脆弱層の固着力に優れ、それ自体で耐候型1種の耐候性を持つ。その上にふっ素樹脂塗料を凌ぐ水系無機のクリヤーを塗布。下塗り1回、上塗り1回の2工程で期待耐用年数20年のロングライフを実現、多色サイディングのデザイン性を確保しつつ長期にわたり建物を保護する。
新開発のクリヤーは、その実力からNETISにも登録されている変成無機塗料「ダイヤスーパーセラン」の反応技術を継承。超耐候性と超低汚染性などの性能は折り紙つきで、「新開発の耐候型シーラーとの組み合わせで省工程を実現。コスト面に加え工期短縮による施主様への負担軽減など優位性を明確にできる」(担当者)とし、春からの需要期に向け発売を急ぐ。
施工システムを構築しブランド化 エアスペース
エアスペースは長期耐久性を有する、水性無機質塗料「クレッシェンド」のブランド化を指向する。塗料を販売するだけでなく、品質を保証するため施工までをシステム化することで差別化を図り、施主に付加価値を提供する。
クレッシェンドは超微粒子の無機高分子から構成されているため、抜群の耐久性を持つ他、撥水性向上・持続性、防汚性を有する。同品は大日技研工業が販売する「ランデックスコート」を住宅用に改良したもの。ランデックスコートはビルや公共施設などで25年、3億5,000万m2の実績を持つという。
「これまでの水性塗料では実現できなかった耐久性。その品質は壁15年以上、屋根5年以上。溶剤系のふっ素塗料にも負けない」(櫻井圭一社長)。
同社では高品質を保証するため、クレッシェンド施工システムとして展開していく。契約した施工会社はライセンス研修を受けて、独自のルールに沿って施工を行う。製造管理から材料発注、施工管理までをシステム化することで、壁では15年の塗膜保証と性能保証、屋根では5年の塗膜保証を提供できる仕組みを構築。
また、同社では契約、施工、アフターフォローデータを一括管理し、必要なときに施工会社に提供する。加えて、アドバイザー育成など技術、能力の向上を促すための支援を行っていく。
櫻井社長は「業界変革のきっかけとなるシステムと自負している。オリジナルブランド化を目指しており、ブランド戦略の考えを持っている方と取り組んでいきたい」と意気込む。
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