Web特集
2009年03月23日
重防食塗装系への切り替え進む 高まる下地処理の重要性(超耐候・重防食塗料特集2009)
国土交通省は橋梁など道路構造物の維持管理において合理化を図っており、今後老朽化する橋梁の増加に対応するため、架け替えよりも予防的な修繕によって長寿命化を進めていく方針を打ち出している。限られた維持修繕事業の予算確保に懸命だ。
こうした事業方針がそのまま塗替え工事の増加につながると見るのは短絡的だが、市場の見方としては「横ばい」「若干の増加」といった声が多い。
一方、電機メーカーの新工場計画の無期延期が相次ぐなど、民間物件での新設は減少している。新設向けの建築鉄骨出荷も激減し、それに伴いサビ止め塗料の需要も減少。更にここ数年増え始めていた塗替えメンテナンスにおいても需要減が見え始めてきた。
「今のところ落ち込みは顕著ではないが、この先ボディーブローのように効いてくるのではないか」(メーカー)、「この2-3カ月で汎用防食の民需は減ってきている」(メーカー)との声が強まっている。
国や自治体の発注工事では規格で塗装仕様が決まっている場合がほとんどのため、塗料メーカーとしては新たな提案をしにくいという側面がある。そこで、各メーカーは自社の戦略製品をプラントやタンク、鉄塔など民間に積極的に提案し、新規需要の掘り起こしを図っている。
コスト減に寄与、厚膜タイプに注力
主力メーカーが注力しているのが、弱溶剤の厚膜タイプ塗料だ。中・上兼用で50μm以上の塗膜をかせぐこの塗料は、工程数を削減できるためコスト減につながる。更に弱溶剤のためVOC減に寄与するのも施主にとっては関心が高く、実際に各メーカーでは採用が増えている。「母数は少ないものの、昨年比で倍の伸び。施主はコストでも長期的な視点で考えてくれるようになってきた」(メーカー)。
現場ブラスト処理が出始める
橋梁などでは弱溶剤フッ素樹脂塗料が主流となっているが、いくらフッ素樹脂塗料の耐久性が優れているといっても適切な下地処理がされていなければ、その性能を十分に発揮させることはできない。
従来の塗装系よりも、耐久性に優れた重防食塗装系には旧塗膜を完全に除去した上で塗装することが望ましく、改訂された「鋼道路橋塗装・防食便覧」においてもブラスト工法による素地調整を推奨している。
従来は電動工具処理が主流であったが、最近では「便覧」の影響により、まだその数は少ないものの、塗替え工事においてブラスト工法が出始めてきている。今後も増えていくことが予想される。しかし、ブラスト工法を現場で行うと、研削材や旧塗膜の粉塵飛散の危険性が発生したり、除去された旧塗膜と研削材が大量に発生し産業廃棄物の処理コストも増えるなど、いくつか問題も出てくる。そうした制約がある現場では活膜を生かした3種ケレンで下地処理する場合が多い。
また、剥離剤によって旧塗膜を剥がす工法の実績も増えている。この工法では国交省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録されているインバイロワン工法(土木研究所・山一化学工業)とネオリバー泥パック工法(三彩化工)の需要が伸びている。これらは重防食塗装における2種ケレンに対応した工法となっている。
ただ、これらの工法では旧塗膜は除去できるものの、ジンクリッチプライマーやエッチングプライマーは剥離できないため、1種ケレンに対応する場合は電動工具で除去する必要がある。
発注側としては限られた予算で最適な品質を確保できる下地処理を求めており、供給側はそうしたニーズに対応した製品開発や改良が重要となる。
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