Web特集
2009年04月20日
遮熱(屋根用)塗料特集2009 企業動向(顔料・塗料・ツール)
粒径、表面処理で独自性 テイカ
酸化チタンの最有力メーカー・テイカの赤外線遮蔽酸化チタンの需要が旺盛だ。「ヒートアイランド、CO2削減など社会的な環境保全ニーズの高まりを受けて販売が伸張。07年度は前の年に比べて倍増」(担当者)を記録した。遮熱技術への関心の高まりから塗料はもちろんのこと、熱ダメージからの基材保護といった観点で樹脂着色に採用されるなど用途が広がっている。
こうした好調さを支えているのが酸化チタンの粒径コントロールと界面制御といった酸化チタンメーカーとしての独自技術だ。
酸化チタンは粒子径によって反射する光の波長を変える特質がある。例えば紫外線領域を反射する超微粒子は化粧品などのUVカット製品に、また200-300nmの粒子径は可視光領域を効率よく反射するためピグメントとして塗料に活用されている。
一方、暑さのもととなる近赤外線を反射させるには粒子径を大きくする必要がある。同社では特殊な焼結法により1000nmにまで粒子径を成長させることに成功、近赤外線を最も効率よく遮蔽する機能性酸化チタンの開発に成功した。
更に、遮熱効果は粒径のみならず添加量との相関性にも起因する。長年にわたる酸化チタンの表面処理技術の蓄積により最適な分散を実現したのも採用増に向けた大きな強み。「6nm-1000nmまでの粒径コントロール、界面制御技術によりさまざまな製品への遮熱効果付与が可能になる」とし、展開に拍車をかける。
クロムフリーのサンプル出荷開始 シェファードカラージャパン
ハイパフォーマンス無機複合顔料で世界ナンバー1のシェアを誇るシェファードカラージャパンは遮熱顔料「ARCTICシリーズ」及び分散性に優れる「DINAMIXシリーズ」を展開している。
国内市場に乗り出して丸6年が経過、「ヒートアイランド現象などから屋根、道路、屋上防水と幅広く遮熱顔料が採用されつつあり、我々のビジネスも用途が広がりつつある」とコメントする。
特に日本のマーケットにおいては環境対応からクロムフリーのニーズが高い。「欧米では三価クロムが利用されているが、国内ではクロムフリーにしてほしいといったニーズが高い。この要望に応え、昨年ブラックの新たなクロムフリー顔料のサンプル出荷を開始した」と説明する。
同社のブラックの遮熱塗料用顔料は従来の汎用タイプの909シリーズにDINAMIXシリーズの鉄・三価クロムタイプの30C-940と、クロムフリーの鉄・マンガンタイプの30C-933。更に今回のサンプル出荷タイプがある。「現状の環境対応、更には漆黒性・分散性などの性能なども考慮すると30C-940がお薦め」ということだ。
今後、同社は用途が広がりつつあるプラスチック及びエンプラ(エンジニアリングプラスチック)などの化学品分野への対応を図り、熱劣化防止などの機能面を打ち出していく。一方、既存の塗料マーケットはクロムフリーなどの環境対応をより強化していく考え。
ノンクロム黒色反射顔料に関心高まる 戸田工業
重金属フリーかつクロムフリータイプの黒色反射顔料を開発した戸田工業。同社が得意とする酸化鉄とレアメタルの湿式合成技術により、グレー色(N6)で日射反射率(赤外線領域780-2100nm)50%以上の性能付与を実現している。
需要家となる塗料メーカーサイドも全製品領域でのクロムフリー化、重金属フリー化への取り組みを進めており、需要環境としては追い風。昨年からサンプルワークを開始しており、暴露試験など実証データを重ねつつある。
ただ普及にはコストが障壁として立ちはだかる。価格帯は鉄クロム系と同等キロ当たり数千円台。クロムフリーニーズは特に建築分野で高まっているものの、価格競争の激しい建築塗料市場で需要拡大を図るには、量的拡大の他、遮熱塗料市場において性能及び環境対応が付加価値となるか否かがポイントとなっている。その一方で工業用向けの需要が拡大すると見て、PCM分野、自動車、太陽電池パネルなどでの採用も見据えている。
同社が開発した環境対応型黒色高反射顔料は温度上昇抑制効果を持つ日射反射機能と800℃の耐熱性を有する点が特長。塗料、セラミックス、フィルムに適応し、水系塗料、粉体塗料、樹脂混錬への適応が可能。
今後は同品の販売拡大の他、需要分野に応じて開発した色・淡色の色調が得られる高反射無機顔料や酸化鉄にカーボン、マグネタイト、ヘマタイトをコーティングした黒色酸化鉄粒子も展開していくとしている。
屋根・外壁を遮熱シールド エスケー化研
エスケー化研は遮熱ビジネスを強化している。「環境を追い風として省エネやCO2削減の方向に沿った展開をトータルにしていく」とのスタンス。
同社は屋根と外壁をカバーする遮熱塗料を上市し工法を確立。屋根用遮熱塗料は「クールタイトシリーズ」をラインアップ、水性タイプから溶剤タイプ(ポリウレタン系、アクリルシリコン系、ふっ素系)までを揃える。
これに加え「クールタイトHI工法」を展開する。この工法はJIS A6021建築用塗膜防水材・屋根用ウレタンゴム系1類表示認定品で、遮熱機能に屋上防水機能を付与した。同社独自の超低汚染技術(セラミック複合化)を導入し、汚れの定着を防止、これにより反射率を保持する。
また外壁用遮熱塗替え対応として「クールテクト工法」がある。同工法は水性タイプ(アクリルシリコン系、ふっ素系)で、下塗りに微弾性アクリルシリコン樹脂サーフェーサー「水性クールテクトF」と上塗り用の水性クールテクトの組み合わせにより、外壁に遮熱性能を付与。室内温度上昇とともに熱劣化を抑制する。
CO2削減に向けた動きが本格化しており「省エネによるCO2削減対策として遮熱施工のニーズが高まっている。不況感は強まっているが、環境対策に待ったはないので、ターゲットを絞り込んで実績作りをしたい」(担当者)との方針。同社は差別化のポイントとして、屋根と外壁をカバーしトータルシステムとして建物を熱劣化から守るシールド性をアピールする。
ヒルムブランド体系化へ 関西ペイント
関西ペイントは遮熱塗料を体系化し「ヒルムシリーズ」としてブランド認知に注力していく。
同社にはアレス屋根遮熱システム、CPエコ(特殊反応型無機質塗材)、ドリームコート(湿式外断熱躯体保護防水仕上材)、ヒルムA(水性路面用遮熱塗材)が製品ラインとしてあるが、これらをヒルムシリーズとして体系化、ヒルムのブランドで統合する。
この背景として、ヒルムAが昨年マスコミなどで報道され、遮熱ブランドとしての認知が高まっていることがある。また個別製品戦略からブランドビルディング(ブランド構築)戦略への方向転換により、幅広い需要喚起を狙う。
ヒルムAに関しては昨年、遊園地などを対象としてテスト施工の実績作りをしてきた。同時に路面にヒルムAを施工した場合の効果について実証データの蓄積に努めてきた。
同社としては、あれもこれも狙うのではなく、こうしたターゲットを絞り込んだ展開から、着実な市場拡大を図りたい意向。昨年の実績では鹿児島市内の桜島が正面に見える観光スポットのコンクリートテラスでの採用例などがある。「このテラスは観光客や市民が腰を降してくつろぐスペースとなっており、コンクリート路面の温度上昇抑制効果が体感できる」(担当者)とランドマークとなる実績を強調。
また、新たに遮熱性の省エネ効果を簡便にパソコンで見られるシステムを開発、この春から販促に本格導入する。このソフトは節電料金、CO2削減などをシミュレーションできる。
ニッチ分野を開拓 アトミクス
アトミクスは「アトム遮熱バリアルーフ」に続き、「アトムカラーベスト・スーパー遮熱マイルドワン」を投入し、商品力強化を図っている。
遮熱バリアルーフの遮熱システムの特徴は下塗り1回、上塗り1回の省工程型。屋根用塗料の技術を結集し、1回塗りでも隠ぺい性が高くダレにくい、吹付施工が可能な設計としている。
スーパー遮熱マイルドワンは1液シリコンウレタンハルス塗料。シリコンとウレタンのハイブリッドで耐久性と密着性を引き出し、アクティブHALSにより紫外線をブロックする。他社の遮熱塗料と差別化した技術がセールスポイント。
また弱溶剤タイプのため旧塗膜を侵さず、2液アクリルウレタンの旧塗膜に対してプライマーなしで密着する。「ツヤあり」と「半ツヤ」の2種類あり、遮熱色5色(ブラック、チョコブラウン、チョコレート、ミッドナイトグレー、アイビーブラウン)を備える。
この他、防水材「アトレーヌ」と組み合わせ、防水プラス遮熱仕様の展開にも力を入れる。
市場展開としては同社のブランド力がある工場床用などと連動した動きを活発化。「工場関係は厳しくなっているが、内需中心の工場など対象を絞り込む」(担当者)とコメント。
その一方で各種企業とタイアップした需要拡大に着手、畜産関連施設などで実績を出している。「我々でできる分野を地道に開拓していく。その積み重ねで認知を広げていく」というのがスタンスだ。
新体制、ここが正念場 ミラクール販売
ミラクール販売は兼松、NIPPOコーポレーションの資本参加による新体制になったことを受け、海外市場の本格的開拓、国内市場の底上げを図っていく。「販売ルートを開発できる可能性が広がったので、チャンスを実のあるものとしたい」(深江典之常務)とコメント。
海外市場に関してはシンガポールでの実証データが近く入るため、これを武器にミラクールの採用実績を拡大していく。
開発市場は建築分野、道路舗装分野、陸上競技場施設の3分野の底上げがテーマ。
建築分野に関しては工場関連の需要が厳しさを増していることから、集合住宅や戸建住宅での需要拡大に注力していく。「大手リフォーム会社などと提携し、裾野を広げていきたい。また代理店ネットワークを強化し販売力を高めていく」方針だ。
道路舗装分野はNIPPOコーポレーションの資本参加で提携関係が強化されたため、同グループ傘下の企業とのコラボレーションで需要拡大を見込んでいる。
また他社に比べ先行している陸上競技場施設分野は同社の実績比率10%程度で、ほとんど未開拓分野。この分野は競技者の日射病を防止する効果が期待される他、実績をベースに横展開して学校グラウンド、福祉施設、保育園などへと拡大していきたい考え。
「遮熱機能はヒートアイランド対策以外にも活用の場が広がってきている。市況は厳しいが、ここが正念場」。
塗布型断熱技術、住宅内装を開拓 日進産業
昨年秋以降、例年に増して販売量が増えているという塗布型断熱材「ガイナ」。今年1月には「前年同期比170%を記録。不況時ほど他と差別化できる製品、説得力のある製品が求められており、ガイナの実力が証明されている」(担当者)と自信を示す。
同品は宇宙航空研究開発機構(JAXA)からロケット用の塗布式断熱材技術のライセンスを受けて開発。断熱性能を発現する特殊セラミックビーズの種類、粒径、分散性など核心部分でJAXAの技術を応用している。
無機中空ビーズ含有の他の遮熱・断熱塗材が工場や倉庫の屋根で主展開しているのに対し、「ガイナ」は住宅での需要が多いのが特徴。特に注目されるのは内装での採用が多いことだ。
室内の壁、天井に塗布することで熱伝導による熱の流出を抑え、冬暖かく快適な室内を実現。わずか0.5mmの膜厚で一般的なグラスウール断熱材よりも優れた断熱性能を示す。このことによる暖房コストの削減、更に防菌、消臭、防露、防音、マイナスイオン放出など「塗膜成分の80%が無機」といった特質に由来する数々の効果を発現。施主への説得力が高いことから、これまで一般的であったビニールクロスに替わってガイナを採用するリフォーム会社が急増中とのことだ。
同品は昨年、宇宙開発の成果を民間に還元するために設けられたJAXA宇宙ブランド「JAXA COSMODE PROJECT」の第1号に認定されるなど、勢いはますます加速している。
屋根用遮熱需要に本格参入 恒和化学工業
戸建てなど低層住宅の改修需要に向けた製品開発を強化している恒和化学工業。その一環として、屋根用の高反射率塗料の新製品を来月にもラインアップする。
ひとつは「ダイヤシャネツコートマイルドシリコン」で、従来の弱溶剤ウレタン系から市場ニーズの高い弱溶剤シリコン系へとアップグレードを図った新製品。新生瓦を対象とした一般塗料との比較(グレー色)では、瓦裏面温度で約20℃の温度差を実証。また、スーパーUV促進耐候でも300時間で80%の光沢保持率と高い性能を示した。カラーベストやコロニアルなどの新生瓦、金属屋根など裾野の広い需要に向け拡販体制を整える。
更に、5月頃の発売を目指して開発の最終段階に入っているのが「ダイヤスーパーセランマイルド」の遮熱グレードだ。無機-有機複合による超耐候、超低汚染、高硬度かつフレキシブルといった特性を持つ「ダイヤスーパーセラン」は土木分野で権威のあるNETISにも登録されるなど注目度の高い塗料技術。この技術を継承した独自性を武器に屋根用遮熱市場に本格参入する。「遮熱性能がある意味汎用グレード化しつつある中で、改修需要の本来的な目的である建物の長期保護といった訴求点を鮮明にしたい」(担当者)のが開発の狙い。
同社では住宅の外壁、特に需要が高まっている多色サイディングの塗替えでも無機-有機複合の塗装システムを開発しており、屋根・壁一体で整合性のある超耐候システムを展開する。
舗装用遮熱塗装材で実績 エービーシー商会
エービーシー商会はアスファルトやコンクリートなどの舗装分野からヒートアイランド現象の緩和にアプローチ。平成18年、他社に先がけて水性無機透湿型遮熱床仕上材「ストリートカラーNS遮熱タイプ」を開発、発売した。
同品はシリカ系の水性樹脂をベースとし、高反射型セラミック顔料と特殊セラミック骨材の配合により、赤外線を効率よく反射し、床面の温度上昇を抑制する。夏場の屋外試験による熱反射実験では、ブランクのアスファルトの表面最高温度が55℃であったのに対し、同品施工箇所は45℃弱と10℃以上の表面温度の低下を実証した。
更に床面の無機系水性仕上材の定番製品として市場で20年以上の実績を重ねてきた「ストリートカラー」シリーズの特長を継承。下地の水分の影響を受けないゴアテックス機能(透湿性)、防滑性、速硬化性、簡単なローラー塗布による作業性などに優れる。仕様は下地処理後に同品のプライマー+上塗り(2回)+トップコートで標準色は7色。材工設計価格も3,400円/m2(300m2以上)と実用的な価格に抑えた。
「屋上駐車場やレジャー施設、プールサイド、店舗関係のエクステリアなど一昨年ごろから採用が増え始めた。自社開催の建材関連製品の展示会でも最も注目を集めている。環境対応など自治体、企業の関心が高まっており、市場へのPRに努めるとともに、更なる高機能品の開発に着手している」(担当者)と、ヒートアイランド抑制ニーズに期待を寄せる。
屋根の塗替えに特化 エーエスペイント
エーエスペイントは屋根用塗料として、セメント瓦・洋風コンクリートの塗替え専用塗料「Sun瓦シリーズ」を自社ブランドで販売している。
ラインアップとしては、アクリル樹脂系「Sun瓦Aトップ」、2液形ポリウレタン樹脂系「Sun瓦Uトップ」、1液形水性シリコン樹脂系「Sun瓦Sトップ」を揃えている。更に一昨年には艶の仕上がり外観と作業性を改善させた2液形弱溶剤シリコン変性樹脂系の「Sun瓦Xトップ」を上市した。弱溶剤のため膨れのリスクも低減させた。
また、昨年5月から上塗り塗料はメタリックやエナメルなどすべての塗色を無鉛化とし環境に配慮した。
耐候性を維持する上で重要となってくるのがシーラーの選定。セメント瓦向けでは、下地処理後の劣化状態に合わせて溶剤形特殊エポキシ樹脂系、カチオン形水性アクリルシリコン樹脂系、カチオン形厚膜水性エポキシ樹脂系の中から最適なシーラーを提案。
洋風コンクリート瓦用途では、下塗りとして溶剤形浸透特殊エポキシ樹脂系「Sun瓦洋瓦シーラー」を塗り、その後、カチオン形厚膜水性エポキシ樹脂系「Sun瓦エクセルガード」を塗り(中塗り)、トップコートで仕上げる仕様となっている。瓦の素材や劣化状態に対応した塗装仕様を確立している。
地域特徴としてセメント瓦は九州・四国に多く、同社でもその地域で実績を重ねている。ただ、洋風コンクリート瓦などは全国規模となっており、同社では日本ペイントグループとして協力な販売網で拡販を図っている。
金属ボックス向けに特化 NTTアドバンステクノロジ
NTTアドバンステクノロジは高反射率(遮熱)塗料「サーフクールS」を新たに上市し、金属ボックス向けに特化した展開を進めている。
従来、同社では「サーフクール」を販売してきた。同品は太陽光の近赤外線を効率良く反射させる特殊顔料を使った高反射率塗料で、アスファルトやコンクリート、金属ボックス、屋根向けに展開を行ってきた。ここ数年、金属ボックス向けの需要が増加していたため、金属ボックスにターゲットを絞って改良し「サーフクールS」を開発、昨年から販売を開始している。
同品は外観性を向上させるため艶ありタイプとし、樹脂系もアクリルシリコン系にして耐候性を向上させた。色相は白やグレーの他、ブルーやグリーンなど8色を揃えた。
金属ボックスでは内部の発熱体を保護する機能が求められるため、外からの熱をシャットアウトするとともに内部発熱を放出する機能も求められる。同品ではトップコートだけでなく、プライマーでも熱反射機能を持たせる2層構造となっているため優れた遮熱効果を有している。更に薄膜タイプのため放熱性でも優れた効果を発揮する。
NTTグループの金属ボックスをメインに屋根用としても提案していく。
また、従来品の「サーフクール」は珪砂を滑り止めとして含有するなど、歩道や駐車場、屋上面に適した設計となっており、この分野での提案を進めていく。新製品の開発により、製品戦略の棲み分けが明確になった。関心が高まるこの分野での拡販を図る。
高い反射率と性能持続をアピール AGCコーテック
AGCコーテックは大手ゼネコンの大林組と共同開発した太陽熱高反射率フッ素樹脂塗料「ボンフロン サンバリア」を展開している。
同品はフッ素樹脂ベースの高耐候性を有するとともに従来の屋根用高反射率塗料の課題であったクロムフリーを実現。更に低汚染性のクリヤー塗装を行うことで太陽熱の反射性能を低下させる汚れ防止機能を付与した。「フッ素樹脂塗料の耐久性能と高性能顔料との相乗効果で長期にわたって高反射率を維持できる」とコメントする。
上市して1年を経過するが、鳥取県の独立行政法人・産業技術センターの屋根約6,000m2をはじめ、産業用施設・学校などに採用された他、一般住宅の屋根にも実績を持つ。しかし、新規参入・競合他社の製品のアイテム数が増える中で、「フッ素樹脂塗料を使用した遮熱塗料の良さが伝わっていない。"フッ素で遮熱"をもっとアピールしていく必要がある」とコメントする。
更に夏場の消費電力の低減及びCO2の削減といった観点からマンションなどのコンクリート屋根に遮熱塗料を施工するケースが増えつつある。「複数の施設でデータ取りを行っているが、フッ素樹脂塗料の耐久性とそれによる遮熱効果の持続性の評価は日に日に高まっている」という。
同社ではこれまで強溶剤タイプを使用してきたが、今後弱溶剤タイプを上市するとともに、建築外装(壁)部においても高反射性が求められていることから外装(壁)向けの水性タイプの上市に向け開発を進めている。
真球状微粒子で熱を遮断 日本中央研究所
日本中央研究所(所在地・愛知県名古屋市、代表取締役・間中恭弘氏)は熱線遮蔽塗料「Adgreencoat(アドグリーンコート)」の製造・販売を行っている。4年目に入り、工場の屋根、バスの屋根、船の甲板などで実績を重ね、更なる拡販を目指している。
通常の遮熱塗料では破砕シリカや中空ビーズといったセラミック素材が使用されているが、同品ではファインセラミックと呼ばれる真球状微粒子を使用している。この物質は化粧品にも使用されるほどの微粒子(0.5μm)で、シャープな粒度分布のため光、熱、紫外線をほとんど遮断する。更に、熱の異動を促す性能があり、わずかに透過した熱も放熱するため熱を蓄積させない機能を持つ。
太陽光の影響を約90%以上反射させ、構造物などの表面被膜の改善により表面温度の高温化を抑制し、室内への熱の侵入を防ぐ効果を有する。
塗装仕様は下地に応じて専用シーラー(またはプライマー)に同品トップコートを2回塗り仕上げの3工程。
これまでは船やバス、工場の屋根などで実績を重ねてきた。更に海外展示会へも積極的に参加してきたが、今後は国内への汎用的な展開を目指して代理店制度の見直しや価格帯の再考などにも取り組んでいく意向。
間中社長は「屋根だけでなく外壁などにも遮熱塗料を普及させ標準化するべき。建物に熱をこもらせないという機能を広くアピールして、塗料業界の新しいマーケットの創造につなげたい」と意気込む。
工場設備で需要増加 日本テレニクス・都市ネット
日本テレニクス(本社・神奈川県相模原市、社長・長友英治氏)と都市ネット(本社・東京都目黒区、社長・澤口准也氏)は、高反射率塗料「セラミックコートSE40」を展開しており、物件ごとにデータを示すことで施主からの評価を高めている。
同品は水性特殊シリコン樹脂をバインダーとして、約40μmの微小中空セラミックバルーンと熱反射機能顔料を併用することで、優れた断熱効果・遮熱効果を発揮する。試験データでは熱反射率99.61%、通過熱0.39%の優れた結果を示した。標準膜厚は0.35-0.4mm(2回塗り仕上げ)。
用途としては屋根用がメインだが、ここ数年引き合いが強くなっているのがダクトや乾燥炉、パイプなどの工場設備関連。そうした設備では断熱効果、遮熱効果、防音、保温、結露防止などの機能が求められるという。
同社の方針としては、「それぞれの設備ごとに自社でデータ取りを行い、最適な仕様や予想される問題点などを示し理解してもらってから施工している。そうした実験データの積み重ねが他社との差別化につながっている」(長友社長)として技術フォローに取り組む。
販売網として、現在は全国に数社代理店を置いているが、更なる拡販を目指して今後数を増やしていく意向。
また、同社では性能データの可視化に重点を置いており、ショールームも兼ねた実験施設を近く開設予定。そこにユーザーを迎えて、性能の実験データや省エネ効果、周辺設備への変化などを説明するのに役立てていく。
好調に推移、用途拡大に拍車 大日本塗料
大日本塗料が鹿島建設と共同開発した遮熱塗料「ケーデーエコクール」を上市して10年が経過した。「5年くらい前から急速に関心が高まってきている。一般住宅への採用や助成事業の創設、CO2削減の取り組みなどが追い風になっている」(担当者)とこの数年は倍増の勢いで販売量を伸ばす好調ぶりを見せている。
製品ラインアップは「エコクールシリーズ」としてウレタン、シリコン、ふっ素の各樹脂系にそれぞれ水系並びに弱溶剤系を揃える。更にMMAタイプやアスファルト系を揃えるなど、舗装用途にも対応。現在、厚膜タイプで中塗り塗料の水系化の発売を予定しており、水性2液プライマーの投入と合わせて、環境対応仕様を強化する構えを見せている。
また同社は差別化として、さまざまな付加価値化に着手している。1つは遮熱塗料の多くが常備色対応である中で、オーダー色に対応している点。また昨年はアルゼンチンの風力発電事業のCO2排出クレジットを購入し、カーボンオフセット活動を開始。「エコクール」の製造で消費される電力、燃料から排出されるCO2のオフセット(相殺)を実現した。
同社が今後需要拡大に見据えるのは用途展開の多角化。既に舗装向けでは道路の他、高速道路のサービスエリアや遊園地、歩道で採用。また開閉式スタジアムの開閉装置部に熱収縮を抑える機能として同品が採用されるなど遮熱塗料の応用利用として需要領域に広がりを見せている。
屋根、壁、舗装、鉄部と品揃え強化 神東塗料
遮熱塗料市場においては後発となる神東塗料。しかしながら屋根、壁、舗装用と用途に応じた品揃えと水性化、鉛・クロムフリー化など環境対応を図ることで引き合いを高めている。
需要環境は「引き合いは多いが大きな伸びは見られない」(担当者)と説明。「施主に対して、はっきりとした経済効果が打ち出せないと普及は難しいのでは」と厳しい見方を示す。
とはいえ同社は屋根用、壁用、舗装用と用途に応じた品揃えを拡充しており、用途拡大を積極化。現在、屋根向けに水性1液シリコン「水性サンカットルーフ」、弱溶剤1液シリコン「マイルドサンカットルーフ」、壁用に水系1液シリコン「水性サンカットウォール」「水性サンカットトップセラ」を上市。また鉄部などのプラント向けに、耐久性、防食性を兼ね備えた溶剤系2液ウレタン「サンカットウレタン」を揃える。また厚膜仕様として水系特殊ポリマー断熱材も揃える。
メーカーとして、実物件での省エネ効果の実証が難しい一方で、高反射率塗料を使うことで別のメリットも浮かび上がっているという。「太陽光を反射するため、以前と比べて塗膜のフクレやワレが少なくなった」と説明。塗膜品質の向上に寄与することが明らかになれば、素材への熱劣化抑止効果と合わせ、新たな付加機能としての広がりも予想される。
舗装向けでは、水性遮熱カラー舗装材「SPリフレクターW」を投入。遊歩道、自転車道、公園通路などアスファルト面への採用を目指す。
陸屋根、舗装向けに製品投入 インターナショナルペイント
インターナショナルペイントはヒートアイランド対策製品として「IPライトプルーフ」「IP遮熱アスファルトコート」の2製品を投入した。陸屋根、舗装面とターゲットを絞った販売展開を見せている。
「IPライトプルーフ遮熱」は防水、遮熱、断熱効果を兼ね備えた水系1液遮熱型簡易防水材。特殊顔料を配合することで、太陽光中に含まれる赤外線を効率よく反射させる一方、厚膜工法によって得られる断熱効果との両立により、夏場における建物屋上面の温度上昇を抑制する機能を持つ。
実証レベルでは、夏季の日中における建物屋上面は70-80℃近くまで達するのに対し、同品の塗布後は最大15℃の抑制効果が得られたとして、販売展開に勢いを見せている。
「IP遮熱アスファルトコート」はアスファルト舗装面をターゲットにした水性1液有機・無機ハイブリッド型エマルション塗料。「IPライトプルーフ遮熱」同様、特殊遮熱顔料を配合することで、アスファルト舗装面の温度上昇を抑制する。
特に独自技術である速乾架橋反応技術とシロキサン結合との相乗効果により、強靭な塗膜を形成し、優れた耐摩耗性を発揮。アスファルトの劣化要因となる熱・紫外線、酸化に対しても強い保護性能を有する。更に通気型塗膜となるため、降雨時においても塗膜表面に水の層ができず、乾燥時同様のノンスリップ効果が得られる。
用途はレジャー施設、スポーツ場、公園、工場、歩道、駐車場など。
プール、舗装向けに新製品投入 大同塗料
屋根用塗料を主力とする大同塗料。下地診断、施工管理力を武器に企業物件及び官庁施設関連を得意としている。
遮熱塗料製品では長期防食太陽熱遮断塗材「屋根クールネオ」が主力。下塗りに特殊顔料による厚膜化と防食性を付与し、自己洗浄性を有したトップコートを塗布することで美観を維持する。室内の温度低減に寄与する太陽熱遮断機能と高い防食性を兼ね備えている点が最大の特長で、東京都が行ったクールルーフ推進事業においてはトップの採用実績を得ている。
屋根用塗料市場については「一般屋根向けはいずれオール遮熱仕様になるだろう」との見方を示しており、同社はラインアップの拡充を積極化。昨年、弱溶剤1液型シリコン変性樹脂塗料「屋根クールシリコン」を上市した他、定番品の「水系パーマシリコン」「水系パーマフッソ」に遮熱色を加えるなど品揃えの強化も進めている。
今後、需要拡大分野として見据えるのは舗装向けとプールサイド向けへの展開。舗装向けでは昨年、水系タイプの路面用太陽熱反射塗料「カラーファルトクール」を開発。表面温度を低減し、アスファルト面から立ち上がる熱気の上昇を抑える特長を持つ。このほど1年間のテスト期間を経て、今年から本格販売を開始する予定で、自転車歩道、遊歩道、公園、駐車場、工場などへの採用を目指す。
プールサイド向けでは「プールコート サイドカラー遮熱型」を販売。指定材料にスペックインされるなど、夏場に向けて需要拡大が期待される。
投資効果訴求、高品質に自信 大高商会
セラミック遮熱・断熱塗料「クールサーム」を展開する大高商会。市場参入して16年が経過し、累計施工面積400万m2を超えるなど他を凌ぐ実績を抱える。技術資料では実名企業入りの採用事例や実証データを盛り込み、実績と直結した豊富なデータを強みに、コスト試算に厳しい企業物件において需要を伸ばす要因となっている。
「クールサーム」はNASAが開発した特性の違う4種類のセラミック微粒子を塗膜中に配向させることで、赤外線領域を含む広い領域で熱線を放射・放散する機能を持つ。同社が行った試験によると施工後の表面温度低下は最大で30℃に達し、電気代換算(1万m2)で年間840万円削減を実現。投資効果に見合う省エネ技術として訴求を図っている。
機能の持続性については、セラミック微粒子が塗膜中に整然と並ぶため、表面の汚れによる機能低下はほとんどない。また12年経過した実物件のサンプルを第三者機関で試験したところによると、日射反射率は79.2%(全波長領域)と高い数値が得られたという。現在、同社はこれらの特性を生かした形で用途拡大を積極化しており、工場や倉庫、プラント、冷凍倉庫、石油備蓄タンクと需要の幅を広げている。
更に同社は昨年、アメリカ製の水性スーパーセラミック断熱塗料「ヘッジコート」を発売。グラスウール断熱材に匹敵する熱伝導率を有する断熱塗料として、印刷工場の乾燥炉や自動車工場の熱処理炉に採用されるなど、新たな展開も見せている。
外壁、舗装向けに遮熱製品投入 水谷ペイント
水谷ペイントは今年、外壁向け、舗装向けに高反射率塗料を上市するなど用途拡大を積極化させる。
遮熱塗料市場について担当者は「屋根用ではいずれオール遮熱仕様になると見ているが、現時点では関心度の割に大きな需要には至っていない」とコメント。一般住宅をメインとしている同社だけに、汎用分野への広がりはこれからとの見方を示す。
その中で同社が販売展開に力を入れるのが遮熱色8色を備えた水性シリコン樹脂塗料「水系ナノシリコン」。屋根用塗料では弱溶剤系が主流にある中、独自のシリコン樹脂開発技術とナノ分散技術を駆使することで、変退色性、耐候性、光沢性のレベルアップを実現。「販売量は堅調に伸びている」と環境対応型仕様としてイニシアチブをとりたい構え。
また昨年は新製品として、メタリックを配合した遮熱塗料「ハイパー遮熱シリーズ」を発売した。同社はメタリックが赤外線を効率良く反射することに着目。遮熱顔料とメタリックの反射効果により、従来の高反射率塗料以上の温度抑制効果で差別化を図る。シリーズには弱溶剤2液型シリコン変性樹脂、ナノシリコン樹脂エマルションを揃え、工場屋根などのメンテナンス需要の採用を見込む。
一方、用途展開に関しては、近日中にも主力の「ナノコンポジットW」に遮熱タイプを発売し外壁向けへの展開を図る他、舗装向けには「ボウジンテックスシリーズ」として路面用の高反射率塗料の発売を予定している。
用途拡大見据え、新製品投入 スズカファイン
遮熱塗料では30年以上の実績を有するスズカファイン。現在、リフォーム会社向けを中心とするOEM需要が好調に推移し、年率20~30%増の伸びを見せている。
同社では更に需要拡大を図るべく、これまで主力としてきた屋根向けから、今年からは一般住宅向けの壁用塗料、舗装分野、防水分野への展開を視野に入れ、夏頃を中心に新製品を投入していく計画を打ち出している。
壁用では高反射率タイプの水性1液シリコン樹脂塗料をトップコートとして上市する予定。また高グレード仕様として、防音・制振、断熱機能を有する「シャオンクール」の素材技術をベースとした中塗り層を加えた厚膜仕上げもラインアップする。
防水分野は2液タイプの水性ウレタン樹脂塗料を上市。下地となるウレタン防水のメーカーを選ばず、プライマーなしで施工できるのが特長。トップコートとして同品を塗布するだけで、日射反射効果が得られるとしてウレタン防水の簡易補修としての需要拡大に期待している。
また同社ではTXフリータイプのシーラー、ウレタン防水無溶剤型と組み合わせた防水仕様も自社で構築している他、水系シーラーを上市することで環境対応仕様の充実を図る。
舗装分野では水性アクリル樹脂系塗料「クールトップホドウ」を今夏までに発売する。「フィールドテスト(ライトグレー色)では12℃の温度抑制効果が得られている」として販売拡大に期待している。
実証データを明示、適正利用を訴求 ロックペイント
環境対応型高反射率塗料「シャネツロック」を上市するロックペイント。施主の要望に応じて各色の日射反射率やシミュレーションによるエネルギー低減効果を提示するなどデータによる性能訴求で差別化している。
屋根向けでは弱溶剤2液形NADシリコンウレタン樹脂塗料「115ライン3000番級 シャネツロック弱溶剤型」が主力。特殊顔料の配合により太陽光中の近赤外線領域を効率的に反射させることで屋内の温度上昇、冷房費のエネルギー消費を抑える。またN6レベルで日射反射率50%以上となる塗料設計を施すことで濃色タイプでも遮熱効果を確保した。また汚れによって日射反射率が低下するため、低汚染性を付与した。鉛・クロムフリータイプで防藻・防カビ性を付与するなど環境配慮型塗料としての展開を図っている。
一方、壁用ではアクリルシリコン樹脂系の熱遮蔽水性仕上塗材を上市。熱遮蔽性に優れた中塗り材と上塗り材の組み合わせにより、夏場は太陽光などの外部の熱を遮蔽し、冬場は室内の暖房熱を逃がしにくくする。同社では省エネ効果を発揮する厚膜型の外断熱システムとして展開している。
遮熱塗料の断熱性について学識者の中から否定的な意見が上がる中にあって同社は「一般塗料と比較すると効果があるが、断熱材に匹敵する効果は得られない」と明示しており、適正な利用を促している。ただシミュレーションからは結露防止効果も期待できる。
今後の開発の方向性としては、シーラーを含め鉄部向けに水性化に着手。
ツヤ消しを実現、熱交換塗料開発 アルバー工業
アルバー工業が開発した熱交換塗料「タフコート」が墨田区のヒートアイランド対策補助事業の対象製品に認定されている他、テレビに取り上げられるなど市場の注目度を集めている。
最大の特長は濃色のツヤ消しタイプでありながら高い遮熱性能を発揮している点。顔料タイプの高反射率塗料は汚れや明度が低くなるほど日射反射率が低下する傾向があるが、同社では熱交換塗料という独自の遮熱性技術を駆使したことで、濃色での高遮熱性を実現した。現在、防水、外壁、プールサイドやアスファルト舗装面、タンク、ゴムチップ製グランドなどさまざまな用途で需要を伸ばしている。
「熱交換塗料」として販売するのは国内で同社のみ。セラミックバルーンを含有した厚膜タイプや遮熱顔料によるものとは違い、「原料には有機・無機を複合化させた特殊原料を配合している」と説明する。どのようにして遮熱効果が生み出されているかはメーカー側も解明しきれておらず、「赤外線が塗膜に当たると熱エネルギーに変換し、分散移動する」と説明している。
性能としては、夏場で表面温度15℃、室内温度5℃の低減効果を発揮する一方で、低温下においても断熱及び凍結防止機能を有する。
販売体制は防水会社や塗装会社、設備会社が集まる熱交換塗料工法研究会を全国組織し、会員企業が販売、施工を請け負う形をとっている。発足4年が経過し、会員企業の絞り込みを行うなど、更なる需要拡大に向けて体制づくりを強化している。
複合化で先行メリット 日本特殊塗料
日本特殊塗料は遮熱塗料「パラサーモ」のブランド力で他社をリード。このパワーを製品開発に注入し開発されたのが「パラサーモシールド」。遮熱機能に加え、断熱と防音機能を複合化した省エネ屋根用塗料。
現在、断熱機能を複合化しているのは同社含め3社だけ。これに同社のオリジナル技術である防音効果を付与し差別化の徹底を図っている。
パラサーモシールドは中空バルーン層と遮熱性のトップコートの組み合わせで、断熱・防音性を付与。しかも、金属用下塗材は弱溶剤系、中上塗材は水系という環境適合システムとしている。またカラフルな標準色をラインアップ。
「遮熱性能などシミュレーションと実感の差があるので、このギャップを少なくすることが販促につながってくる。当社はパラサーモの実績が積み上っているので、実例で省エネ効果の実証、つまり電気代などのエネルギーコストの節減につながることをアピールしていきたい」と担当者。カーボンオフセットなどをからめていきたい意向を示す。
市場に対しては工場関連の動きが止まっており、より汎用性のある展開に軸足を置く。一般住宅のリフォームの一環としての需要を堀り起こしていく。
また、同社独自の防水機能と遮熱性の複合化システムをスタート。遮熱についてはオールラウンド(全方位)に展開する。舗装分野も昨年あたりから立ち上がり始め、厳しい市況の中で攻めの姿勢を貫いていく意向。パラサーモブランドのブラシュアップがテーマ。
環境コンセプトに包含 日本ペイント
日本ペイントの遮熱屋根用塗料シリーズ「ベストクール」は、ファイン4Fベストクール、スーパーシリコンベスト、ファインシリコンベストクール、水性シリコンベストⅡクールで構成され、ここ数年大幅な伸長を示してきた。景気減速に伴って、やや伸長率が鈍化しつつあるが「差別化戦略を強化して2ケタ成長を維持したい」(担当者)とアクセルを踏む。
ベストクールシリーズは特殊顔料を採用し、熱線と呼ばれる赤外線波長域(太陽光の50%を占める)を反射し、高い遮熱効果を示す。水性から弱溶剤系まで幅広い商品ラインを有し、住宅用化粧スレート・波形スレート屋根、鋼板屋根に対応する。
水性タイプの「ニッペ水性シリコンベストⅡクール」は性能と価格のバランスからコストパフォーマンス性が高く、エコノミータイプとして伸長。しかし水性では不安が残るというユーザーも多い。そのため1液ターペン可溶シリコン樹脂系「ニッペファインシリコンベストクール」が主力製品となっている。
ベストクールシリーズの販促を強化する方向として、環境コンセプトに包含していく予定。省エネからCO2削減、素材保護などの機能の軸に遮熱性能を据えたコンセプト戦略を打ち出し、技術・サービス力で他社の差別化を鮮明にする。「遮熱塗料の認知が広がってきているので、汎用性と同時に機能性塗料としての当社の独自性を明確なメッセージとして市場にアピールしていきたい」(担当者)とコメント。
高耐候性ニーズ高まる トウペ
トウペの屋根用塗料は「トアスカイコートシリーズ」を展開。さまざまなグレードの製品をラインアップし、用途に応じた提案を行っている。
同シリーズで主流となっているのが弱溶剤2液形ウレタン樹脂系「トアスカイコートU」で、速乾形であらゆる屋根に塗られている高級屋根塗料の定番となっている。
更に、最近の需要動向としては高耐候性にトレンドが進んでおり、弱溶剤2液形変性シリコン樹脂系「同Si」や弱溶剤1液形変性シリコン樹脂塗料「同Si-t1」など優れた耐久性タイプに引き合いが増えている。最高級グレードとして、弱溶剤2液形ふっ素樹脂系「同F」を上市しており、「LCCの観点からもメリットはあるので、優れたものを使用することで塗替え周期を伸ばすことを提案していく」(担当者)。
また、遮熱系塗料としては、弱溶剤ウレタン樹脂系「トアスカイコートシャネツU」、水系アクリル樹脂系1液形厚膜塗料「同MO」、水性ハルスハイブリッド樹脂系「同W-HALS」をラインアップ。特殊顔料により、従来品に比べて優れた遮熱効果を発揮する。
ただ、マーケットで関心が高まっている遮熱塗料に関しては慎重な姿勢だ。「普及しつつあるが、建物の条件はそれぞれ違う。データ上では優れた効果が実証されているが、オーナーは室内の低温化を求めており、実際に体感してもらえるかが重要。そういう意味でも売り方は難しい」として、今のところオプションとしての提案にとどめている。
縁切りが一般常識化、注目高まる セイム「タスペーサー」
低層住宅で最も普及しているカラーベストなどの平板屋根材。塗替え工事によって屋根材の上下重なりの隙間を覆った塗膜をカットする「縁切り」は、屋根材の裏に侵入した雨水の排出、通気を確保するうえで非常に重要な作業。一般的にカッターや皮スキを用いて行われるが、人件費、縁切りの確実性、危険性など課題も多く、施工業者にとっては困難な作業となっていた。
この課題を一挙に解決したのが縁切り専用部材「タスペーサー」だ。塗装後ではなく塗装前に縁切りを行うという逆転の発想で生まれたアイデア商品で、ポリカーボネート製・4cm角大の同品を予め屋根材の隙間に挿入するだけの簡単、スピーディー施工。後の縁切りを気にすることなく小口部も大胆にローラーが動かせ作業もはかどる。
タスペーサーの厚みは、雨水侵入の最大要因である毛細管現象を阻む最適な隙間長さであることを科学的に実証。排水性と通気性で野地板や構造材を腐朽させる心配がない。従来の縁切りに比べて工事品質を確実に「見える化」し、施主の信頼性を高める。
最近同社には一般の施主からの問い合わせが急増している。インターネットなどで情報を入手しやすくなっており、「縁切り」という極めてニッチな作業がもはや塗替えリフォームにおける一般常識となりつつある。
それだけにタスペーサーを用いた確実な縁切りは施主への説得力を高め、見積りに記載することで成約率の向上にもつながっている。