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Web特集

2009年05月13日

UV・EBコーティング特集2009 企業動向

複合化技術で差別化 第一工業製薬

第一工業製薬はウレタン樹脂技術、界面活性剤技術、難燃化技術など同社固有の技術を複合化することで差別化を図る。
UV市場においては電子部品、光学品、印刷分野など薄膜コーティング分野での需要拡大を見据える同社にとって、高機能化製品の開発は不可避のテーマ。UV・EB硬化樹脂原料として「ニューフロンティアシリーズ」を上市し、モノマー、オリゴマーともに多様なラインアップを揃えるが、高機能化ニーズに対応するべく「オリゴマー製品の開発を強化している」とコメントする。


現在オリゴマー製品としては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートをベースに耐薬品性、耐汚染性、低硬化収縮性などの応用オリゴマーを開発。更に帯電防止性とハードコート性を併せ持つオリゴマーなども研究開発品として準備を進めるなど機能性製品の品揃えを増やしている。またタッチパネル向けの耐指紋性の付加にも注力している。
中でも水分散体ポリウレタンとアクリレートのハイブリッド樹脂として昨年投入した水性UV樹脂は環境、高機能化に対応する新基軸製品としてサンプルワークを継続している段階にある。


ハイブリッド材料の開発においては、各種性能面などクリアするべきハードルがあるものの、耐水性、耐薬品性、耐汚染性、耐磨耗性、密着性、高硬度、柔軟性、帯電防止性など同社の保有する技術を生かした多様な機能付加を目指し、提案活動を強化していく構えを見せる。

新製品で需要開拓を進める ダイセル・サイテック

「今年に入って出荷数量の落ち幅が一段と大きくなっている。電子材料分野が特に厳しい。4月以降在庫調整も落ち着き徐々に回復基調に向かうだろう」とコメントする。
具体的に携帯電話、ゲーム機のプラスチックのガードコート関連は昨年秋口から需要が落ちているという。また液晶関連の機能フィルム関連は2月以降輸出が回復しつつあるものの、先行き不透明感は拭えないようだ。


「今年は半年間厳しい状況が続くと判断している。出荷は年率7-8%のダウンになるだろう」との予測だ。グローバル展開を進めてきた同社は生産のロケーション及び低コストでの生産システムの確立など本格的なリストラクチャリングに取り組む考えだ。「米国、本国のベルギーから輸入していた製品を中国で生産して輸入するなどサイテック全体で合理化を進めている」と説明する。この合理化が年央には効果が出てくることを期待する。


同社は紫外線硬化材料を今後の発展セグメントと位置づけており、特に電子材料の採用が進む自動車分野に力を注いでいく考えだ。
とりわけ戦略的にマーケット対応を進めているのがナノコンポジットタイプのUV樹脂だ。シリカをナノオーダーで分散させることで収縮が少なく安定に優れるというもの。
また昨年から展開を進めているソフトタッチのウレタンアクリレートも欧州で携帯電話などに採用されており、国内向けに水性タイプと溶剤タイプを揃える。

ナノ粒子ディスパージョン強化 ビックケミー・ジャパン

ビックケミー・ジャパンはUVマーケットに向け高付加価値及び高機能性を付与する添加剤の供給を進めている。
既にUV保護や表面保護・擦り傷防止用のナノ粒子ディスパージョンの供給をスタート。酸化亜鉛、アルミナ及びシリカなどナノ粒子のラインアップの強化を図るとともに、試作品としながらもカーボンナノチューブのディスパージョンタイプを開発するなど積極的な対応を進めている。
また同社の持つコントロール重合技術によるアクリル共重合物を組成とする湿潤分散剤は高い粘度低下能力や有機、無機顔料の優れた脱凝集効果及びシリカ系艶消し剤の沈降防止に効果を発揮する。特にコントロール重合法によって分子鎖の長さ及び分子構造を任意に調整できることから、ABブロックコポリマーなどにも使用されているという。


昨年上市したシリカ用湿潤分散剤「DISPERBYK-2009」はシリカ粒子の良好な配向性及び脱凝集性が行えるため高度な外観品質が得られるといった特徴を持つ。更に今年上市した「同-2008」は無溶剤UV硬化型及び高固形分塗料用シリカベースの艶消し剤に適した湿潤分散剤だ。
表面調整剤としては水系UV塗料において優れたレベリング性を示す「BYK-UV3500」。非水系において下地への濡れ性及びテープ剥離性の向上が期待できる「同UV3510」。更に無溶剤タイプのスリップ性、レベリング性の向上を目的とした「同UV3570」がラインアップされている。

シート状接着フィルム開発 東亞合成

東亞合成の光硬化型樹脂事業は、昨年秋口からの世界同時不況の影響を受け電子材料向けを中心に大幅な出荷減となっている。
「インキ、塗料関連向けはまだ落ち幅が小さいものの、電子材料向けの落ち幅が大きい。在庫調整がいつまでかかるか不透明」とコメントする。
そのような中で、同社は新規分野の需要開発に力を注いでいる。従来、粘着剤、接着剤は液状の熱硬化型材料が使用されるケースが多かった。そこで同社はシート状粘接着剤を開発することで塗布設備を不要にするとともにホットメルト型、熱硬化型、光硬化型などニーズの幅を広げた。


「これまでホットメルト型シートはICカードの貼り合わせで、熱硬化型シートはフレキシブル基板の銅箔とポリイミドフィルムとの接着などに採用されている。今回は更に光硬化型シートを開発し、生産性の向上を図ることで、新たなニーズを発掘したい」とコメントする。
ディスプレイやタッチパネル分野を中心にニーズがあると同社は見ている。
今後の販売状況については、この3月、4月は回復基調にあるものの、その後がどうなるか現状では見極めが難しい様子。


「半導体関連は年内厳しい感じがする。一方、ディスプレイ関連は中国の需要が上向くことで回復は早いかもしれない」との観測だ。

高機能アクリレートで差別化 BASFジャパン

高機能アクリレートの開発に特化するBASF。欧米においては自動車及び木工を主軸とする一方、国内においては自動車、木工、携帯端末、家電向けをターゲットに据える。
需要環境としては「この1年でサンプルワークが格段に増えた。また性能評価も早くなっている」とコメント。市況低迷に伴い需要家サイドの時間的余地が生まれたことが「新規需要の可能性を広げている」と前向きに捉える。


現在、同社が主力とするのは、ナノシリカ変性アクリレート「Laromar PO9026」、イソシアネートアクリレート「Laromar LR9000」と多官能ウレタンアクリレート「Laromar UA9048」「Laromar UA9050」。
「同 PO9026」はナノシリカ50%含有したポリエーテルアクリレートでナノ粒子が凝集することなく均一に配向する。低粘度を特長としており、硬化時の体積収縮を高めることなく、塗膜の耐傷付き性を付与した。
多官能モノマーとの比較試験でも優れた耐擦り傷性と寸法安定性が確認されておりフィルム向け及び光学製品向けへの需要を見込んでいる。


「同 LR9000」はオリゴマータイプのイソシアネートアクリレート。低粘度で、密着性向上、顔料系の硬化を実現した。「強靭かつ柔軟な塗膜が形成できる」ことから同品を用いた多官能ウレタンアクリレートの製品開発も積極化。木工及びプラスチック向けとして展開を進めている段階にある。

きめ細やかにマーケット対応 大日精化工業  

大日精化工業のUV・EBコート材事業も、世界経済の減速の中、昨年秋以降から影響を受けている。光学フィルム関連は昨年の夏場過ぎから調整に入っていた。しかしここにきて需要が戻りつつあるようだ。
「中国政府の国内マーケット需要を喚起するための奨励制度が徐々に奏功してきている。回復基調ではあるが見極めが必要」と説明する。


しかし半導体関連は自動車不況の影響を大きく受け、まだ先が見えない状況という。内装建具や床材などの内需向け用途とアミューズメント向けの光ディスク用途は、比較的堅調であるようだ。
需要回復が不透明の中、同社はフォーミュレートメーカーとしてユーザーからの要望テーマに対し、将来性を考慮し適切に対応しておくことが重要という。例えばテレビが2011年7月から地上波デジタルに変わる。「世界的なFPDテレビ需要は大きい。国内にとどまらず、中国、東南アジア、南北アメリカなどの輸出において、FPD需要は今後も確実に増えていく」と予想する。


また今後、同社は電子部品での需要が伸長するとの認識を持つ。この分野において、オーバーコートなど、封止関連にUV・EB硬化技術が採用されていく可能性が高いという。
「国内需要は、今後も引き続き高機能性のニーズは変わらない。我々としては、きめ細やかなマーケット対応を図ることで更なる需要に応えていく」とコメントする。

固形分80%ハイソリッド展開 ベッカー

国内に市場参入して3年目を迎えるスウェーデン・ベッカー。塗料ディーラーのNCCが国内代理店として販売展開を行っており、現在携帯電話メーカー、家電メーカーを中心に本格採用に向けた動きが活発化している。
同社は30カ国以上に及ぶ生産・研究開発拠点と120カ国以上で使用されているグローバルネットワークが強み。コイルコーティング分野では欧州トップ、携帯電話用塗料に至っては世界トップのシェアを有するなど、ワールドワイドでのカラートレンドやデザイントレンドなどの情報を有していることも差別化の1つとなっている。「海外生産を見据えた国内メーカーからの引き合いも増えている」と着実にステージを高めつつある。


欧州市場において環境対応が不可避となっている中で、UV樹脂塗料においては、ハイソリッドUV塗料「UC9CD」を主力に展開している。
 同品は固形分80%以上と不揮発分が高いのが特長で、一般のUV塗料と比べてシンナー希釈率40%以下、VOC発生量4分の1以下に抑えた。固形分50%のUV塗料との比較では、塗装面積で1.6倍塗装することが可能となり、シンナー使用量の削減、在庫量・廃棄量の削減に寄与する。


ラインアップとしては、1コート及び2コート仕様を揃える他、ゴミやブツが付着した際の再塗装用UV樹脂塗料も上市。また固形分100%のUVトップコート、植物原料のバイオペイントなどの開発品も市場展開に向けた準備を進めつつある。

タッチパネル向け高耐指紋性 日本ペイント

UV硬化型ハードコート材料の開発に注力する日本ペイント。カラーフィルター、エッヂングレジスト、電着など塗料メーカーとして蓄積した薄膜技術とUV樹脂技術を武器に、液晶などフラットパネルディスプレイ(FPD)分野を主力に高機能化を進めている。
同社ではFPDの用途拡大に伴う高機能化ニーズを需要拡大のチャンスと捉える。中でも需要拡大が見込まれるタッチパネル向けの開発に注力しており、現在UV硬化型ハードコート材料として「ルシフラールシリーズ」を展開している。


指紋付着防止性、指紋拭取り性を兼ね備えた「ルシフラールG」は同種品が撥水・撥油性の付与による処方が多い中で、「逆転の発想をした」と語るように被膜表面の指紋の濡れ性を制御することによって機能付与を実現。指紋の目立ちを抑え、指紋を拭き取りやすくすることによって、高い透過性(全光線透過率91%)を確保している。
アンチグレア(防眩)性を有した「ルシフラールNAG」は、無機粒子や有機粒子を配合することなく、独自の樹脂設計による凹凸形成を実現。施工性、物理特性含め粒子による阻害要因がなく、高い光透過性を特長としている。


「ルシフラールNAB」はブロッキング防止ハードコート材料。巻き取り時におけるフィルム同士の付着を防止するフィルム用クリアハードコート材として開発した。全光線透過率91%と硬度3Hを保持。上記2製品との複合利用によりフィルム製品の安定性を確保する。

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