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Web特集

2009年07月30日

工業用水性塗料・塗装特集2009(3) メーカー動向(機器・設備)

各地域に対応した水性塗装機器のラインアップを推進 アネスト岩田

アネスト岩田はグローバル化を進める中で、環境問題を重視し、各地域・各国の環境政策を遵守した展開を進めている。特に水性化については欧州が先行する形で進んでいる。
日本国内においては、一部自動車メーカーの水性化が進んでいるが、一般工業市場では塗料コスト、塗料性能の問題などで水性化が進んでいないのが実情であるという。


しかしながら、グローバルの視点から水性化は塗装機器メーカーとして避けて通ることのできないテーマだと考え、トータル提案できる体制を整えている状況だ。
同社では自動車補修分野のスプレーガンは既に水性対応となっている。また塗料供給装置も接液部のステンレス仕様など、新製品の上市に伴い水性対応を進めている。
また同社は外部帯電式の水性静電エアハンドガンを展開している。従来の直接帯電方式に比べるとはるかに静電容量が小さいにも関わらず静電効果が高く、かつ絶縁の特殊なホースや装置を必要としないというもの。


更に昨年末に新たに2液電子制御混合装置「i4Mixer」を開発、上市した。同品は前モデル(TEC-21)の信頼性をそのまま取り込むとともにコンパクト化、グローバル化、セパレート設計によるレイアウトフリー化、更に欧州のカーメーカーの内装品向けに主流になりつつある水系2Kへの対応も可能にした。
湿式ブースの水性塗料への対応は非常に苦慮している。「水性塗料は発泡性が強い。水との凝集から多様な処理剤を駆使しているが泡立ちが治まらない。スクラバー部を設計段階から見直さないと解決できない」と説明する。例えば湿式から乾式のフィルターリサイクル方式への移行を検討するなど、現場の作業性と捕集効率の向上に対応した開発を鋭意行っている。

第3世代のAqua BlockIIIを上市 ランズバーグ・インダストリー

ランズバーグ・インダストリーが鋭意開発を進めてきた水系塗料のボルテージブロックシステムは第3世代に入った。今年から導入開始した直接帯電方式の「Aqua BlockIII」は、システムの新機構(特許申請中)採用で塗料供給能力と洗浄性を飛躍的に向上させた。これによってユーザーニーズであった(塗料の)供給量の増大と洗浄時間の大幅な短縮を可能にした。


同社のボルテージブロックシステムはスチール家具を中心にケーブルラックや配電盤関連に採用されてきた。今期は昨年秋口からの景気の急変によってユーザーの設備投資の見直しが相次ぐなど厳しい環境下にあるものの、新製品もしくは水系静電用オートガン・ラジェンドWなどの改良品、更には塗料供給の絶縁を必要としない間接帯電方式のエア霧化タイプのアクアガン及び回転霧化タイプのアクアベルなどラインアップの強化を進めている。
「2000年に"水系静電塗装のランズバーグ"を打ち上げて以来、多くの水系塗装システムを導入させていただいたが、これらのシステムアップを通して我々自身も水系塗装のノウハウを数多く蓄積できた。ユーザーに使用して頂くことで機器は進化していく。そういう意味では塗料の進歩もあいまって、従来の水系塗装とは異なり管理幅が広がった。ユーザー、塗料メーカー及び機器メーカーが三位一体となって取り組まないといいものはできない。まさに市場が製品を作るいい例だ」とコメントする。


また同社は2液混合装置「マジックフロー(MAGIC-FLOW)」を新たに上市する。同品はドイツで開発した2K対応システム。0.5:1-50:1の幅広い混合比が可能で、高い混合精度を誇る。吐出量は50-2,000ml/minに対応。主剤28色分、シンナーと硬化剤は2経路の計32バルブまでの制御が可能。レシピは50条件まで設定登録できる。混合方法は硬化剤のバルブをON/OFFさせて間欠的に主剤に流し込むタイプ。
「水系静電塗装に続き2液混合装置においても業界のリーダーを目指す」と説明する。

フレックス・コントロールプラスを展開 日本ワグナー・スプレーテック

日本ワグナー・スプレーテックは2液ミキシングシステム「フレックス・コントロールプラス」を展開している。
同品はスピーディーでかつ電気制御により精度±1%の正確なミキシングを可能にした混合装置。また最大色数も主剤が25色、硬化剤が10色のカラーレシピが設定でき、混合プロセス監視装置付き。
「操作はタッチパネルに集約してあるので極めて容易」とコメントする。対象塗料はウレタン、エポキシ、ポリエステル系などの溶剤、水系の2液タイプの塗料に最適だ。


その他、オプションとしてモジュール追加でレシピ機能の拡大やロボットコミュニケーション、更には防爆仕様など拡張の幅が広いのが特長だ。
更に水性静電塗装機「アクアコート・エアスプレーユニット」を持つ。
同品は安全性と利便性を追求したもので、塗料の収納、塗料・ポンプ圧のコントロール、更に電流調整などの制御のすべてをユニットで集中管理できる。また電動自動降下機能や二重安全システムの採用、加えてユニットボックスをアクリル板で囲うなど塗料の帯電に対しても安全性を確保している。


また同社は金属部品、産業機械、スチール家具、配電盤、家電、船舶、車両などの水系、溶剤系塗料の塗装に対応したピストンポンプエアレスを有する。
展開を進めているニューマチックピストンポンプエアレス「エバ・モーション」はコンパクトで使いやすい設計が特長。
新型エアモーターの採用により騒音を減少させた。また信頼性の高い新型切替えバルブを採用。更に素早い排気システムを搭載している。その他メンテナンスフリーのピストンロッド構造、スペシャルコーティングを施したシリンダーセットを採用。

生産性と高品質に効果 ヘレウス

ヘレウスは中波赤外線ラジエターを中心に各種ヒーターを展開している。ここ数年景気を反映し粉体塗装や水系塗装で実績を高めてきた。水系塗料では自動車関連に採用されてきたが、「一般工業用では粉体塗装に採用されてきたが、既存の乾燥炉の改良で済むことから、熱効率の向上を目的に導入するケースが増えている」とコメントする。 
またここ数年、環境問題から熱容量の大きな部品関連の粉体塗装化が進み、炉内温度の立ち上がりの速さからヒーターを使用するケースが増えている。


導入に当たっては各工場の被塗物や乾燥炉の状況を考慮し、フレキシブルに対応できるようにしているという。「ライン全体の生産効率に焦点を当てた提案も行ってきた。昨今では省エネニーズからヒーターを導入するケースも増えている」と状況を説明する。
「水系塗料では立ち上がり数分で目的の温度まで昇温させることができるのでプレヒートに採用されている。粉体塗装では熱風乾燥炉との併用でフローさせる使われ方が多い。いずれにしても昇温時間のカットとCO2の低減に結びつくと我々は考えている」とコメントする。
更にラインの流れが格段にスムーズになるだけでなく、水系・粉体の塗料の溶融・硬化に適したエネルギーコントロールによって高品質な仕上がり観が得られる。品質とコストの両面でメリットが発揮される。


また同ヒーターはチューブタイプであることからコンパクトな設計が行え、既設ラインに合わせた形状で投入できるといった特長を持つ。
昨今は生産効率、省エネから中波と近赤外線の中間特性を生かしたカーボンヒーターが注目され引き合いが増えているという。「フィルムコーティングの分野で採用が進んでいる」ということだ。

2液混合装置・Optimixを展開 ノードソン

ノードソンの工業塗装領域が広がりを見せている。これまでの金属をメインとした塗装から食品、電子材料といったコーティングの領域に踏み込んだ展開を進めており、同社の持つ霧化や吐出制御技術が生かされている格好だ。
このような中で、焼付分野は粉体塗装をメインに据え、小ロット・多色の市場で溶剤から水性に変わっていくとの判断に立つ。更に熱容量の大きな被塗物はハイソリッド、水性2液ウレタン塗料が台頭してくるとの見方だ。


建機、産機などの重量物の塗装ではハイソリッド塗料の試験を進めているという。「粘度が高く、微粒化が難しい。現実的には性能、作業性の面でユーザーの満足するレベルには達していない。塗料メーカー、機器メーカー及びユーザーが一緒になって取り組むことが需要」と率直に述べる。
現在展開している2液型塗布システム「Optimix」システムはノードソン独自の電気制御式定量混合による最も安全性を兼ね備えた2液混合装置だ。自動、手動、エアスプレー、エアレスなどに容易に接続、設置できる。また2液をそれぞれ電気的に流量計測、攪拌してスプレーガンに供給するスターティックミキサー式を採用している。


塗料の混合比率は1:2-20:1(オプションで100:1)まで可能で混合率精度は±1%以下。また吐出流量は5ccl‐2,000cc/min(オプション16,000)の領域まで安定供給する。「最大20の塗布条件を保存でき、容易に設定変更が可能」という。
その他、2液材料混合後の吐出流量や使用量をExcel形式のファイルに取り込むことはもちろん、混合制度、アラーム履歴などの塗布情報の管理も容易に行えるといった特長を持つ。
同社にはOptimixの他に比較的高粘度な樹脂の封止剤などに利用するDinmixがある。「粘度調整がネックと指摘される中で、高粘度塗料の均一混合に対し、2つのタイプの併用も検討している」とコメントする。

省エネ・環境対策ニーズに最適 桂精機製作所

桂精機製作所はガス燃焼技術を駆使した遠赤外線乾燥炉及び脱臭炉・VOC処理装置の販売に注力している。
最近では各企業が生産拠点の見直しを実施し、工場の統廃合などにより現状ライン増設といった物件が増えている。そのときにニーズが高いのが"省エネ・環境対策"。
「省エネと環境対策技術は当社の得意とする分野。CO2低減やVOC・臭気低減を積極的に提案している」(担当者)とコメントする。


遠赤外線乾燥炉はワークの昇温が早いため、熱風加熱式に比べて高効率・省エネルギー効果を発揮する。昇温時間が短縮できることから、大幅な乾燥工程の省スペース化が可能。被塗物が大物形状であったり、重量が大きかったりした場合にその効果は更に上がる。昇温時間は熱風加熱式と比べて約半分-3分の1で済む。更に遠赤外線バーナーはガス式のためCO2やNOxの排出が少なく環境にやさしい。
また、既存の設備に導入できるため、大幅なライン変更の必要はなく、熱風乾燥炉との併用も可能。同社では現場の最適な乾燥設備を提案している。


一方、脱臭炉・VOC処理装置では、直接燃焼式と触媒燃焼式を揃え、最適な方式を提案している。「アルコール系が配合されている水性塗料といってもVOCはゼロではないので、VOC処理装置は必要になってくる。また、悪臭対策にも優れた効果を発揮する」(担当者)。
高温燃焼によりVOCを酸化分解するため、臭気成分の種類を問わずにほとんどの排ガスに対応している。
同社では神奈川工場(神奈川県綾瀬市)で実験を行い、数値をデータ化しユーザーごとに最適な設備を提案している。エネルギー対策と同時にVOC・悪臭低減を可能にするトータルシステムとして提案、拡販を図る。

ACW4000シリーズに
高い評価
旭サナック

 昨年秋口からの急速な景気後退はユーザーの設備投資の見直し及び中止を招き、設備・機器メーカーにとっては深刻な事態となっている。「いくつかの水系塗装の導入プロジェクトが延期になっている」とコメントする。開発のコンセプトも生産性の向上といった増強色からユーザーの原価低減、品質向上に向けた提案に大きく変わったという。
 水系塗料への対応として同社は自動車のタッチアップ用にエア静電ハンドガン「HB3000シリーズ」を展開してきた。既に大手自動車メーカーを中心に国内外で約8,000ガンの納入実績を持つ。
 「一世を風靡した感のあるHB3000シリーズであるが、第2弾として塗着効率を高める方向で開発を進めてきた。既にプロットタイプは出来上がっており、フィールドテストを待つ段階」とコメントする。
 更にCNC多液塗装機として昨年8月に「ACW4000シリーズ」を新たに上市した。同機器シリーズとして優れた洗浄性と優れた分散性能の向上を実現した。とりわけ水性2液ウレタン塗料対応としてACW4000Wはパワーミキサーの採用で実用化に大きく前進。 
 「従来の2液ウレタン塗料向けにシンプルなミキシングホースを採用することで液溜まりもなく容易に洗浄が可能で、かつブツの発生も大幅に削減できた。また自己凝集性を持つ水性2液ウレタン塗料でもシールレスパワーミキサーによって高速攪拌で確実に分散できる」と説明する。
 既に建機・重機分野においてハイソリッドタイプで試験を行うなどフィールドテストが進んでいるようだ。

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