Web特集
2009年07月07日
自動車アフターマーケット特集2009 オートサプライヤーの意見
研修事業を積極化 スピーディ 常務 川上哲氏
水性研修への関心が高まってきた。導入というより、まずは水性システムを知っておきたいという段階。しかしいずれ水性になるとの感覚は日増しに強まってきている感じ。
当社から水性システムを導入したケースでは、周辺に対する臭気対策が一義的テーマであった。騒音や臭気への配慮は欠かせなくなっている。特に都市部では深刻だ。
我々としてはBP工場の実態にあったトータルソリューションを提案している。10年後のBP工場の立ち位置を考え、そのビジョンに向け人材・設備を考えていく。
BP業界は事故車の減少などシビアな状況にあり、2極化は更に鮮明化してくる。生き残りには生産性を向上させる組織づくり、コスト競争、そして環境対応が必要条件となる。
いずれのテーマもバラバラにやっていては効果が高まらない。事故車が減ってもなくなることはないが、むしろBPの仕事は難しくなる一方。高度化する技術への対応も欠かせない。新しいクラフトマンシップ(職人気質)に向けた支援をしていきたい。
研修メニューについても、要望に応じてフレキシブルに作り込みたい。それにしても研修に参加される人たちの真剣さは並みでなく、それだけ危機感が強いのだと思う。
レアルで攻める シマザキ(岐阜) 島崎和夫氏
ここ数年、10%近くの売上の伸長を続けている。新規顧客開発の成果といえる。
「レアル」(日本ペイント)を武器に顧客の課題を解消する作戦。高隠ぺい性で塗料使用量が30-50%も減らせる。これはコストメリットばかりでなく、VOCやCO2削減にもつながる。
このW(ダブル)効果を訴えることで、切り替えを即決してくれるBP工場もある。そのケースでは他社の新システムを導入したばかりであったので、当社の方が驚かされた。
しかしよく考えてみると、生産性とコストの改善、環境問題が重くBP工場にのしかかっていることを実感している。
我々ディーラーの役割は多様になってきている。工場診断までも我々の領域となっており、モノの商売からの脱却を図る必要がある。提案し、BP工場と一体となって改善していく仕事が増えてくる。
このため人材面の強化がテーマ。メーカーと一緒になって技術サービスできる人材を育成していきたい。
BP業界は世代交替に入っており、勝ち組BP顧客との関係強化がオートサプライヤーとしての生き残りにつながる。攻める姿勢で臨みたい。
商圏の深堀と情報提案力で差別化 泉塗料(大阪) 取締役営業本部長 西村勲太郎氏
当社の歩むべき方向性としては、オートサプライヤーとして顧客に選ばれる存在になり続けるしかない。そのためにも販売量を拡大し、スケールメリットによる価格競争力を強化する一方で、顧客支援の観点に立った技術情報や商品情報など情報提案力の強化に磨きをかけていく。
顧客であるボディショップも2極化が進んでいる。自動車ディーラーは集約を進め、内製化率を高めている現状がある。ただその中でフロントマンを据え、営業力を強化しているボディショップにおいてはシェアを拡大しており、当社としてもいかに顧客の集客力向上に寄与できるか、経営支援に関われるかが重要な部分となっている。
販売拡大策においては営業エリアの拡大は全く構想にない。あくまでも大阪、和歌山、兵庫といった現状の営業拠点をベースに地域密着を深めていくことに専念していく。まだまだ当社が見出すべき需要、掘り起こせる需要はたくさんあると考えている。
そのためにはやはり人材の活力を引き出すことが重要となってくる。当社では一昨年、人事考課制度を新しく導入し、年功報酬制から7段階による成果報酬に切り替えた。
当社の平均年齢は32歳と若く、新しい考課制度によって若い人材のモチベーションは高くなっている。また新人のときにはメーカーが持つ研修プログラムに積極的に参加させるとともに、各営業所単位で新しい製品について定期的に勉強会を行っている。それらの取り組みが評価されたのか顧客が顧客を紹介してくれるケースが増えており、毎月3-4件程度の新規取引が継続的に生まれている。
ときには大胆な人材の入れ替えも必要となるが、当社としてはこれからも営業スタッフの質と情報提案力の向上を図っていくことでこの難局を乗り切っていきたいと考えている。
研修センターを活用、実践情報を提供 フジペックス(群馬) 専務取締役 田口良宣氏
群馬地域でもここ数年入庫車状況は良くない状況が続いている。加えて、世界景気の悪化による影響はないと思っていたが、ここ数カ月はその影響が出てきていると感じる。特に消耗材料や設備投資が減少している。
そんな中で我々に求められることは、いかに付加価値を提供できるかだ。インターネットで副資材や塗料を購入できる時代なだけに、配達だけでは将来的に立ち行かなくなることは明白。当たり前のことだが、営業をする中でユーザーのニーズを把握して的確な情報を提供することが重要だと考える。
当社では塗装ブース、調色・乾燥設備を完備し、鈑金も行える研修センターを併設しており、月に1-2回程度の割合で実践的な研修会を開催している。水性塗料など最新塗装についての研修も行っているが、最近では自動車構造の変化に伴い鈑金塗装だけでなく、超高張力鋼板や周辺設備、例えば故障診断機などの電機取り扱い技術を身につけることも取り入れている。BP業界では鈑金塗装だけでなく、整備や車検業務も求められているので、それに対応したプログラムを思案している。
また、当社には技術担当が専門にいるのでオーダーメイドでの研修も可能で、お客さんの新人研修なども実施している。何でもメーカーに頼るのではなく、オートサプライヤーとして今後はますます我々にも技術能力が求められてくる。そのため、パテ講習など社内向けにも技術講習を行って、よりユーザーに有益な情報を提供することを目指している。特別なことはやっていない。オートサプライヤーとして当たり前のことをやる。
集客支援セミナーをスタート 協立塗料(宮城) 代表取締役 尾形和昭氏
BP活性化のためには"事故待ち症候群"から、自ら需要を創り出す方向、直需の創出へ向かわねばならないと考えており、そのための支援に力を注いでいる。
直需における最大の難関は集客問題。これまで一般カーオーナーと接点のなかったBPにとって最も難しい問題だが、ここを切り拓かないことには始まらない。当社としてはさまざま角度から集客支援のためのトライアルを行っていく。
そのひとつとしてこの3月からBP顧客へ向けた「集客支援セミナー」をスタートさせた。まずは従来から行ってきた工場診断の延長線で、単に生産性の向上といった視点だけでなく、一般のカーオーナーから見た魅力ある工場の姿など、直需に向けた現場の取り組みについて改善点を提案している。現場サイドの"気づき"や直需へ向けた意識付けなど顧客の反応が出てきている。
こうした新しい切り口を提案していくには自分達が変わるのが出発点。当社では現在12名が「工場診断インストラクター」の資格を取得しているが、資格取得の過程の中で各社員の視野に広がりが出てきた。これまでの単なる資材納入といった関係から、顧客活性化のための提案ベースの仕事へと変容してきており、仕事へのモチベーションが高まっている。顧客とともに直需ビジネス、活力あるビジネスを創出していくとの姿勢が社員レベルでかなり浸透してきており、顧客との新たな関係が生まれつつある。
生活者の価値観の多様化の中で"クルマ離れ"が叫ばれているが、だからといってクルマに代わるものがあるわけではない。今一度クルマの楽しみ方を提案していくのも我々関連業種の責務だし、生活者起点のビジネスの中では非常に大切な要素だ。そうした視点で顧客とともに将来ビジョンの描けるビジネス展開を構築していきたい。
« 前のWeb特集 | Web特集アーカイブ | 次のWeb特集 »