Web特集
2009年10月16日
建築塗料特集2009 現場で役立つアイテム紹介 各種ツール、副資材
ものづくり原点の誇り 大塚刷毛製造
大塚刷毛にとって"刷毛""ローラーブラシ"はものづくりの原点。それだけに品質へのこだわりは強い。「道具は職人さんの魂。それだけに手を抜いたものづくりはできない」(執行役員生産本部長・川崎眞一郎氏)をポリシーとして貫いてきた。
刷毛とローラーは互換性がある。塗装職人が2つの道具を使い分けることによって、千差万別の現場に対応しているからだ。当然、どの道具を使うかによって作業効率が大きく左右される。それだけに職人の技術と道具の良し悪しの相関関係は強い。
同社はローラーブラシのパイオニア。約30年前、日本でローラーを発売したところ、職人からは「女子供や素人の使う道具は使えない」と一蹴されてしまった。ところが高度成長期に入り建築ラッシュが起こり、工期短縮によるスピードアップが求められると、ローラー施工の効率性から一気に普及、定着した。
今日ではローラーなしの塗装は考えられない。刷毛・ローラーの歴史は塗料の進化と歩みを同じくする。「塗料のトレンドによって刷毛・ローラーも進化してきた」(川崎氏)という。
刷毛については、標準的な平刷毛や筋違刷毛の30-50mmサイズが主流(10-20号)。毛質も獣毛から化繊へと変化。特に水性塗料に対応した「塗来(とらい)」は初のウェーブ繊維(特許申請中)を使って、速乾タイプの水性塗料の特徴を踏まえ毛の隙間に塗料を十分含み、かつ滑らかな塗り感を実現した。
ローラーに使用される繊維としてはアクリル、ポリエステル、ナイロンなどがあるが、同社は"ウーブン"繊維にこだわる。ウーブンはタテ系とヨコ系を直面に交差させた織り裏地に、糸状のパイル(繊維の集合体)を織り込んだ繊維。パイルの密度が高まり、気泡が塗料に巻き込まれにくく、塗料の飛散を抑制する。
ローラーに関しては環境型塗料の対応として「WAKABA」シリーズがある。毛丈は20mm、13mm、8mm。4・6インチのスモールサイズが売れ筋。現場からは作業性の良さとともに天井・軒天でも飛散が少ないと好評だ。
塗料とともに変化する刷毛・ローラーだが、塗料の新製品が多く投入され、品種が増大するにつれ、塗料と道具との相性が分かりにくくなってきた。そこで同社はマルテー推奨品展開をスタート。各メーカーの製品に相性の良い「オススメ刷毛・ローラー」をカタログ化。最近では遮熱塗料版も作成。反響を呼んでいる。
注目される動向として、プロの使う道具に対する生活者の関心が高まる傾向。川崎氏は「良い塗料を良い道具でというニーズ。プロスペックだと安心というマインドもあるようだ。こうしたニーズをきちんと受けとめて、ものづくりをしていきたい」とコメントする。
ヤギ毛の風合い化繊刷毛で実現 好川産業
ここ数年、東日本地区を中心に商圏拡大を積極化している好川産業。これらの需要開拓が下支えとなり堅調な売上を示す一方、昨年発売したエアレスガン用刷毛「ALB-101」など自社開発品による差別化を鮮明にしている。
同社は7月にヤギ毛の風合いをそのまま生かした化繊刷毛「毘沙門」を発売した。塗料の環境対応への移行により化繊刷毛が主流になりつつある中で「これまでの化繊刷毛の常識をくつがえした。"毘沙門"ブランドとして育てていきたい」(好川久雄社長)と販売拡大に意気込みを見せる。
同品は建築塗料の現場で普及が進む水性反応硬化形塗料やターペン可溶塗料など、乾燥が速く塗膜強度の強い塗料向けに適した製品。ヤギ毛の持つ塗料含み、塗り心地、塗装性を化繊刷毛で実現した。
毛材はポリエステルで独自のウェーブ技術を駆使し天然に近い風合いに仕上げることで、これまで化繊刷毛の課題であったひっぱり感や含みのなさを克服した。スムーズな吐き出しと仕上がり向上に寄与する。塗料は水性・油性・速乾性環境対応型塗料に適する。
「毘沙門」は四天王の中の最強の神として知られ、七福神の1人にも数えられる守り神。「塗装をサポートする"守り神"でありたいとの思いを込めた」ことから名付けられた。
現場の声を反映させる むさし
むさしはローラー専門メーカーの徹底したこだわりがポリシー。品質の安定性はOEM供給量の高さでも証明されている。その同社が大きく方向転換しようとしている。「ブランド力を高め、生活者を含めた幅広い認知を得てローラーの用途拡大を図る」(代表取締役・藤田義成氏)と新たな成長戦略に踏み出す。
ローラーの塗料を含ませる部分をナップ(生地)とかスポンジと称するが、これに使われる素材は子羊の皮から合成繊維、合成ゴムと多彩。糸の植え込み毛丈の設計によって、目的に合わせてローラーブラシが作られる。
現在売れ筋のスモールローラーシリーズは毛丈が4,11,25mm、サイズは4・6インチ。色はピンクとブルー。「細めのローラーブラシで、ローラーカバーの片側を生地で巻き込んでおり、この巻き込みが当社のノウハウ。これによってコーナー部や狭いところでもこのローラーでOK」(藤田氏)と自信を見せる。現場からも「スモールローラーで平面からコーナー部まで、どこも作業がはかどる」との声が挙がる。
ローラーブラシのこだわりは、「現場に密着することで、使う職人の声を聞き、改良・改善に役立てたい。更にローラーづくりの技術革新の面でリードできるよう努力していく」(同氏)と意欲を見せる。
(写真はスモールローラーピンク・中毛・万能用)
高粘性向け電動ピストンポンプ拡充 日本ワグナー・スプレーテック
日本ワグナー・スプレーテックは販売店や代理店を通じた説明会の開催を積極化しており、ユーザーへのダイレクトマーケティングを展開している。
"ペインターズナイト"と称する同説明会は各営業マンが月1回のペースで開催。あえてユーザー10人以下の小人数に絞り込むことで、訴求性を高めている。「座学、実習を通じて、製品に対する理解を深めてもらうのが目的」(担当者)とコメント。更にはユーザーからユーザーへと口コミ効果にも期待を寄せる。
これらのダイレクトマーケティングを指向する背景には電動ピストンポンプの普及拡大を図ることで差別化を図りたいとの狙いがある。
現在、エアレス塗装はダイヤフラムポンプが主流。その中で「塗料メーカーが開発を積極化させている環境対応型塗料はハイソリッド化を含めて、高粘度化の方向にある。固形分が多く、粘性が高い塗料は電動ピストンポンプが適性に優れている」と説明。同社では既に小規模塗装から大規模塗装まで塗装面積に応じた各種電動ピストンポンプをラインアップしており、塗料系の変遷を契機に販売拡大を図る。
新型ブラシレスモーターを採用した「NEW PSシリーズ」は、デジタル電子制御式スプレーコントロール機能を有しており、一定した塗料圧を確保。またスプレー中の設定圧力、吹付圧力を表示する他、塗料の消費量と使用時間も把握することができる。
タイルの少量対応 「セラシスト」 玉川窯業
玉川窯業はマンションなどの大規模改修の際に廃盤で入手困難なタイルの補修用小ロット生産システム「セラシスト」を本格的に立ち上げた。
マンションや集合住宅の大規模改修において外装仕上げタイルの割れ、剥離などによりタイルの張り替えを必要とする場合がある。既に廃盤になるなど手に入らないこともしばしば。そこで同社は長年培ってきたタイル生産の技術を生かし、補修するタイルの一部を送ってもらい近似色のタイルを生産、提供する補修用タイルの小ロット生産システム(セラシスト)をスタートさせた。
「セラシストのシステムは過去数十年にさかのぼってマンションや住宅に多用されたタイルの形状・面状を調査し、その上位18の形状と面状を厳選し常備金型として用意した」と説明する。この過去のデータベースにより現在求められている時期に該当するほとんどの補修タイルの少量生産にスピーディーに対応する。また地域のメーカーとの連携により特殊なタイルの復元も可能にした。
受注から製造・納品までの流れは1)補修するタイルの現品と数量、現場名を同社まで送る2)施釉・無釉カラーデータベースから近似色を選択3)色合わせを行い焼成したサンプルを提出4)提出サンプルで確認の上、発注する。納期は正式受注後、約30日。基本受注量は50m2。
同社は施工業者及び塗料販売店にシステム提案を進めている。
防音型、コンパクト高圧洗浄機 フルテック
フルテックは高圧洗浄機で幅広いバリエーションを有し、ウェットサンドブラストからパイプクリーニングまで幅広い分野に供給している。スペシャリティニーズが増え、一品生産品も増大しているが、改修現場でニーズが高まっている防音型洗浄機を開発、このほど上市した。
「GE160」は防音マフラを採用したのに加え、低騒音設計を導入。市街地で使用しても、周囲からの騒音クレームにならない静音性を確保した。また本体重量は45と軽量化・省スペース化。その一方で性能は吐出圧力16MPa、吐出水量は12リットル/min、3連プランジャーポンプとハイレベル。
「160GB」は150Kクラスで最軽量かつコンパクト化することに成功。本体重量は49kg。吐出圧力は16MPa、最大吐出量は12リットル/min。
同社の強みはユーザーの要望によってオプション仕様に柔軟な対応が可能なところにある。ポンプ、アンローダーの変更から本体の改造、特殊装置の取付など、きめ細かく対応する。
今後、高圧洗浄機ばかりでなく、出発点でもある塗装機器に注力していく。「ユーザーニーズが多様化しているので、一品オーダーから汎用までカバーしていきたい」との意向。エアレス塗装器から高粘度吹付機、低公害ガンなどをラインアップ。周辺製品のラインアップも充実している。
「小回りの利く形でユーザー対応できるところが当社の強み。量産よりはニーズを具現化した製品で生き残りを図る」とコメント。(写真はGE160)
独自仕様の自動車養生カバー 中島商会
中島商会は中国・上海に貿易会社を設立し、副資材を調達し国内販売していく方向を打ち出した。高い品質スペックの副資材をリーズナブルに供給する事業を本格化させる。
その第1弾となるのが自動車養生カバー「NSカバー」(商品名)。ニッチ商品だが、市場性は高いと判断した。
その理由は改修現場にあった。ペラペラしたポリエチレン製の自動車養生カバーが安価に出回っているが、風に吹き飛ばされたり、翻ってペイントの汚れがクルマに付着したり、かなり深刻な問題となっている。しかも使い捨てされるケースがほとんどで、残材の処理を増加させる。
そこで同社は、まず素材にこだわった。ポリエチレンフィルムの表面をコーティングし強度を上げ、更に裏面には不織布と高品質素材を採用。次にこだわったのは脱着の使い勝手。クルマボディをすっぽり包み込めるよう絞りゴムを装着し、結束ヒモで風に飛ばされない万全な仕様とした。
こだわりはきめ細かい。カバーの前後を間違えない表示、結束ヒモを扱いやすくするため端にウェイトを入れるなどの配慮もした。
高品質を追求したため、コストは従来品より高くなるが、耐久性が向上し3-4回は使用できるためトータルコストでは安価になる。
同社は今後、刷毛・ローラーを除いた塗装副資材を独自のスペック・品質で調達し、国内販売して事業の活性化につなげたい意向。