Web特集
2009年10月30日
粉体塗料・塗装特集2009 各社動向(機器メーカー)
各県に1店の特約店制度を導入 ノードソン
「市況は弱含みで踊り場にさしかかっていると思う。年末から来年にかけて2番底に陥る可能性もある」と危機感を募らせる。このような環境下で同社は戦略的にマーケットを絞った展開を進めていく意向を示す。
通常の粉体塗装マーケットと同時に同社の持つ霧化、制御技術が生かせる粉流体マーケットに向けて事業展開を広げていく。「エコ関連の加工技術には粉流体の搬送技術及び固着させる特殊な技術が求められる分野がある。塗装にこだわらず機能コーティングといった範疇でパウダーコーティング事業を推し進めていきたい」と同社の方向性を述べる。
ここ数年、塗装においては原価低減のニーズが高い。いかにコストダウンを図るか。その提案が設備の受注を左右する。同社では時間当たりの生産性を高める方向で高速色替えシステムを提案してきた。「スペック的にはユーザーのカスタマイズできるカラーマックスとスタンダードなカラーマックスQ3で対応している」という。
更にカラーチェンジの速さを求めるユーザーにはカラー・オン・ディマンドシステムであるプロディジーガンとHDLVシステムに専用のカラーセレクターを組み合わせることで高速自動カラーチェンジも可能。「できるだけシステムとしてユーザーに理解しやすいコンポーネントに置き換えてプレゼンを行うようにしている」とコメントする。
また昨年に上市したアンコールガンが好評だ。同品の最大の特長はオン―ガンコントロールである。これはグリップに取り付けた補助トリガーを上下することで吐出量、あるいはプリセットされた塗装条件を自在にコントロールできる点にある。「高い塗着効率を生み出す100kvの印加電圧に加え、475gの軽量ボディー。更に高い基本スペックを持ち、片手で操作できる作業者本位のハンドガン」と説明する。
ハンドガンにはアンコールガンの上級機種としてプロディジーハンドガン、普及タイプのバンテージハンドガンを有し、ユーザーの選択の幅を広げている。
また同社は昨年から特約店制度を導入し各県に1店の特約店を設け、地域情報の収集及びハンドガンの拡販に向けた展開を推し進めていく考えを示す。「契約制でお互いにメリットを享受できるような仕組みにした」とネットワーク作りに取り組む。
レトロキャラバンで情報交換高める ランズバーグ・ゲマ事業部
昨秋の金融危機による急激な需要後退は自動車を中心とする輸出関連産業の設備投資を抑え、各産業界に大きな影響を及ぼした。
ようやくここに来て前年比70%のレベルに戻りつつある状況だ。「今期(11月決算)は非常に厳しく売上的には前年比30%減の見通しだ。予定していた大きなシステム(投資)は延期となっている」とコメントする。
このような状況下でランズバーグ・インダストリーのゲマ事業部はキャラバンを組んでユーザー回りを行っている。既存のユーザーを中心に無償の点検サービスを行うというもの。「レトロキャラバンと称して機器の点検やメンテナンス、新製品のプロモーションなどなかなか回れない地域に伺うことでコミュニケーションを高めるとともに情報交換を行う」という。
情報交換を活発化することで、営業に結びつくケースもあるようだ。「全国の景況を肌で感じることができる。内需関連は輸出産業と比較して落ち込みが少ない。特に衣・食・住に関連する業際を攻めることで需要に結び付けている」と状況を説明する。
またこの11月はOptiキットのキャンペーンを実施する予定だ。旧来のハンドガンシステムを最新式のOptiSelect(ハンドガン)とOptiStar(コントローラー)に変えることで最新のハンドガンシステム「OptiFlex」に変わる。「かつて大ヒットしたEasyガンをターゲットに大キャンペーンを張る」とハンドガンの販売に力を注ぐ。
今年から新製品として紹介を進めているのが「マジックセンター」。同品は供給サイドの塗料の色替えを完全自動で行うというもの。従来粉体塗装における色替えはブース内部と供給装置の清掃で2人を要するが、マジックセンターは自動化によって1人での清掃を可能にした。「作業ミスの発生も解消し、省人化、短時間化、高品質を提供する画期的な塗料供給装置」とコメント。
特に粉体塗料タンク内の洗浄は塗料タンクに接続されている新粉と回収粉の供給ホースの洗浄口を差し替える作業と最終の回収粉ホースの内面洗浄を手作業で行うのみで途中のすべての作業は自動で行える。
同社は9月末、本社ラボ施設にマジックセンターを設置し試験塗装への対応を図った。
SUNAC7000シリーズを上市 旭サナック
旭サナックは自動液体塗装システムSUNACシリーズで培った塗装ノウハウを生かし、粉体塗装専用の自動塗装システム「SUNAC7000シリーズ」を上市、展開を進めている。
同7000シリーズはレシプロケーターの制御機能が標準で付与されており、最上機種の7000Hは最大8台、7000Mでは2台のレシプロケーター制御が可能。更に同シリーズは、制御システムとしてはソフト、ハードともに標準化されていることから塗装機器の設備増設や交換が容易に行えるといったメリットがある。
同シリーズの7000Hは多機能、高性能はむろん操作性にも配慮し、塗装の稼働状況が監視モニター画面を通し一目で分かるような設計になっている。「最大の特長はシステムの拡張性にあり、最大4ブース分の塗装制御(吐出、静電、レシプロストローク、ガン距離など)が可能になっている」という。
一方の7000Mは接続可能なレシプロケーター最大2台・ガン数16丁。「コストパフォーマンスに優れた制御システム。拡張性においては中規模の標準的な粉体塗装設備(1ブース、2レシプロ相当)に対し、好適な仕様となっている」と説明する。
また昨年秋口に上市した新型コロナ帯電ハンドガンユニット「XR-4シリーズ」は今回、従来の性能を維持しつつ操作性の向上を図る目的でマイナーチェンジを行った。
「今回、静電コントローラーの改良としてダイレクト操作モードと検量モードの追加及びモニター画面表示の変更により操作性の向上を図るとともに吐出量、ガン印加電圧の表示を拡大することで視認性の向上を図った」とコメントする。その他、塗装レシピの容量が拡大(最大14種類)された。
SUNAC7000シリーズは6月からスタートしており、納入実績はこれからとしながらも「液状のSUNAC4000シリーズの流れをくむもので溶剤系塗装から粉体塗装への置き換えニーズに対応していく」方向にある。同社はユーザーの原価低減に対し塗着効率の向上を掲げ、ガンの性能向上、定量供給装置の改良、新たなノズルの開発、更にブースを含めトータル的に対応し生産性の向上に寄与していく意向を示す。
なお同社はこの春にSUNAC7000シリーズを本社・塗装技術センターに常設し、塗装テストが行える体制を整えた。
手吹き市場特化、小口ニーズに強み 日本ワグナー・スプレーテック
手吹き粉体装置の販売に特化する日本ワグナー・スプレーテック。環境対応を追い風に粉体塗装市場を成長市場と捉えており、小口ユーザー向けを中心に販売を伸ばしている。
しかし、昨年末からの不況により顧客の設備投資は冷え込んでおり、販売においては苦戦を強いられている。買い手優位の現状の中で、競合他社との価格競争は一段と激しさをみせ、「デフレ傾向に陥っている」(担当者)と危機感を露にする。
とはいえ、VOC対策、CO2対策など環境対応化の流れは加速しており、工業塗装においても水系化か粉体化が環境対応策として迫られている。「メラミンなどの焼付金属塗装分野の粉体化は一段と進むと見ている。現状は乾燥炉の改良といった設備投資が障壁になっているが粉体に対する関心は強い。少量塗装や導入機としてハンドガンユニットの需要は高まっていく」と来るべき需要に備えた啓発活動を強化していくとしている。
現在、主力製品に据えるのが、手吹き粉体塗装装置「プリマ」。コロナガン、トリボガン共有のユニットとなっており、多色対応タイプのエアフルイドタイプと連続塗装タイプのホッパータイプを揃える。
ユニットには、コントロールユニット「EPG2008」、ステンレス流動タンク(60L)、インジェクター、ハンドガン、ホース、搬送カートがセット化され、導入したその日から実働できるのが特長。
同ユニットはワンタッチで吐出量の調整ができる操作性を持ち、被塗物や形状に応じて4つの塗装条件の設定が可能。またエアモーターの採用により、常に安定した吐出を確保するとともに、アース入り粉体ホースにより流動性と安定性を向上させている。電源は85‐250Vの範囲で使用が可能。ガンを変更するだけでコロナガン、トリボガンの両方に対応する利便性も兼ね備えている。
その他、フリーイオン除去装置、平吹き・丸吹きノズルセットなどアクセサリー類も充実しており、「ユーザーの投資効率に合わせて柔軟に対応できる」とコントロール、ガン、インジェクターを含めた単品販売を強みにした展開にも磨きをかけていきたいとしている。
中国でのビジネス展開に期待 ダイニッカ
ダイニッカは仏・SUNKISS社の触媒反応式赤外線パネルヒーター「サンキスサーモリアクター」の展開を進めている。同社が国内総代理店となって約10年が経過するが、自動車部品、建設機械及び産業機械関連で実績を上げている。「昨年秋口の世界同時不況以来設備投資が抑えられ厳しい環境にあるものの、大型物件の受注残に助けられた格好」とコメントする。
同社は大阪支店にラボを有し、被塗物形状に合わせた最適な塗装条件を提案するなど理想の塗装品質を追求することで省エネ、省スペースを実現。この10年で50社以上のユーザーに納入実績を持つ。
ここ数年は景気回復から旺盛な設備投資が行われ、建設機械や産業機械関連からの引き合いが多かった。「素材に熱量の大きな鋳物や厚板鋼板を使用していることから従来の乾燥炉では熱効率が悪く、乾燥に時間を要した。サンキスサーモリアクターであれば従来1時間の乾燥であったものが2分の1もしくは3分の1の時間で済む。更に省エネ、省資源、省工程といった生産コスト低減に直接結びつくことから赤外線パネルヒーターの引き合いは高い」と最近の傾向を説明する。
同社ではプレヒート的な使い方を推奨している。これまで使用してきた熱風乾燥炉とサンキスサーモリアクターの併用によるもの。プレヒート的にサンキスサーモリアクターを使って短時間に硬化温度まで昇温し、熱風乾燥炉でフローさせることでレベリング性のいい品質の高い塗膜が得られるという。粉体塗装では多くの実績を上げている。
一方、国内ユーザーのグローバル化に伴い、同社は中国に駐在員を派遣し塗装設備の対応を図っている。東シナ海に面した沿海部はインフラ(天然ガス)の整備が進みつつあり、サンキスサーモリアクターへの興味が高まっている。「少しずつではあるが引き合いが出始めた。恐らく国内以上に立ち上がりは速いと想像している。いいものに対する理解は深い」と手応え。
ハンドガンシステムを改良 日本パーカライジング
日本パーカライジング・アイオニクス部の売上は前年同期比で大幅なダウンとなっている。「ユーザーの生産量の落ち込みに伴って設備や部品の引き合いが減った。従来であれば購入・交換していた塗装機や部品も修理し延命策を取るケースが増えている」(担当者)。その分メンテナンス関連や消耗品の出荷は前年よりも増加してはいるが、設備の落ち込みをカバーすることはできていない。それでも延期されていた億単位の設備物件が徐々に戻りつつある傾向も見られるという。
グローバル展開の状況は世界不況と円高で厳しさが続く。近年、需要増が続いていた中東をはじめ、アメリカやオーストラリア、ニュージーランドなど多くの地域で落ち込んでいる。一方、中国では国内景気動向の関係で、塗装機販売も好調で出荷台数は前年比30%のアップになっている。
また、同社は一昨年に上市した最新ガン「GX8000シリーズ」のハンドガンシステムをマイナーチェンジし、機能向上とデザイン変更を行った。
同品は帯電量が従来品と比較して1.3倍のPulse Power IIを搭載することで、ガン距離を近づけても塗料の吹き飛ばしが少なくなるなどの特長を有する。更にデジタル制御コントローラーにより適切な塗装条件を確保することができるなどのメリットがあり、ユーザーからの評価が高まっている。
今回更に使いやすさを追求するため、筐体でいくつか改善を図った。まず、パネル表示画面では、電圧、電流、吐出量、空気量を同時に表示していたものを、使用頻度の高い吐出量と電圧のみを表示することで操作性を向上。更に筐体を角形から流線形にしてデザイン性を向上させるとともに、コントローラー傾斜角を70度から60度に変え使いやすくした。また、後部車輪位置を外側から内側にして移動時の取り回しを改善させている。
塗料との連携で環境+省エネを提案 桂精機製作所
桂精機製作所はガス燃焼技術を生かした「省エネ」と「環境対応」を提案して、乾燥炉及び脱臭炉・VOC処理装置の販売を進めている。
景気低迷により上期は需要減も見られたがそれでも工場の老朽化や統廃合によるラインの更新などの物件は増えている。そうした物件で求められるのが省エネ効果。「特に大型物件では省エネ率がいかに向上するかが受注につながる。そうした流れは当社にとっては追い風」と自信を持つ。環境に配慮したとしてもその分コストが上がっては意味がないとの考えだ。
VOC・悪臭対策をしながらもCO2増を抑える設計及び施工を提案する。脱臭炉・VOC処理装置を設置することで排出される排熱を熱交換器により再利用させる設計。ただそれ以上の効果を上げるには塗料との連携が重要だという。「例えば従来100であったエネルギーが脱臭炉を導入することで150になる場合、120までだったら設備で低減できるが100に戻すには塗料との兼ね合いが必要」として、塗料メーカーとの連携を強めていく意向。
また、乾燥炉では遠赤外線加熱タイプにより省エネ・省スペース化を勧めている。既存の乾燥炉に遠赤外線乾燥炉を追加導入することで、昇温スピードを上昇させることができ、ラインの短縮につながる。溶剤塗装から水性塗装または粉体塗装に切り替えるとき、既存スペースで対応しなくてはいけないケースが多いことから、熱風加熱プラス遠赤外線加熱の乾燥炉は効果的となる。
同社では神奈川工場に実験棟を有しており、そこでは自動式連続塗装乾燥炉を設置し、熱風、遠赤外線、熱風+遠赤外線、高速熱風の4方式の乾燥システムで最善の塗装乾燥の実証ができる。実際に製品仕上がりも確認できる上、昇温スピードなどのデータも取ることが可能となっている。実践的かつ最適な設備を提案する。
厳しい環境をバネに拡大策に出る ヘレウス
赤外線ヒーターの総合メーカーであるヘレウスはさまざまなニーズに対応したヒーターを供給している。「コーティングといった範疇で捉えると加熱のニーズは高く素材や用途によっても目的は異なりこれらひとつひとつに我々は対応している」とコメントする。
同社の赤外線ヒーターには短波長赤外線ヒーター(近赤外線ヒーター)、中波長赤外線ヒーター、中波長カーボンヒーター、長波長赤外線ヒーター(遠赤外線ヒーター)など種類も豊富で、目的に合わせて選択できるところが同社の強み。
塗装マーケットにおいてはここ数年旺盛な設備投資から中波長赤外線ヒーターの採用が増えた。「省エネ、省スペース、更には生産性の向上からヒーターを導入するケースが多い。ここ数年は粉体塗装に採用されてきた」という。
しかし、今年は昨秋の急激な需要減退から設備投資の凍結、延期など厳しい環境にあるものの、電子材料関連のフィルムコーティングで持ち直し傾向。
このような中で、同社は今年の4月に名古屋営業所を開設。中部地区のニーズの掘り起こしに着手した。「自動車関連及びその周辺を含め技術フォローしていくことで新たな需要に結び付けていく」と積極策に打って出る。
設備投資が抑えられ、この状態が続くと持ちこたえられない同業者も出てくる。「隙間産業にあって資金的に余裕がないとサポートにも手が回らなくなる。我々としてはこの機会をチャンスと捉えシェア拡大を目指す」方針。
レトロ、メンテ、部品販売に注力 ホソカワミクロンワグナー
今期(9月決算)の売上高は前期の半分以下と非常に厳しい環境にある。「金融危機から急激な需要の減退に入り丸1年。設備投資の凍結、延期が相次ぎ、来期もこの状況が続く」と見ており、一部のエコ関連商品に動きがあるのみで、景気は底を打ったという感じではないと危機感を強める。
このような中で、同社は上場企業ではなく中堅のオーナー経営の企業を中心に新規の営業展開を進めるとともに、グローバル企業の中国、東南アジアへの進出に対しフォローしていく方向で体制を整えている。「組織の大きな企業は決断に時間を要し、責任の所在が曖昧。それに対しオーナー経営の企業は決断が速い」という。
また「海外に進出する日系企業の塗装仕様は国内で決めている。営業的なスペックインと海外での立ち上げまで我々がフォローし、アフターサービスをワグナー社のネットワークに依存する」と従来以上に海外への対応を強化する考えを示す。
国内マーケットにおいては徹底したメンテナンス、レトロフィット及び部品交換をベースに行っている。特にレトロフィットの提案としてはインジェクター方式による低エアー流量タイプの定量供給器(EDポンプ)にHiCoat-C4ガンを組み合わせることでソフトなスプレーパターンが得られる。「20g/minからの吐出量制御が可能で脈動も起きず、少量吐出によって付き回り性、入り込み性に優れる」とコメントする。
同社では昨年からユーザーの原価低減策として営業を進めており、旧来のガンにHiCoat‐C4ガンのキットに変更することでEDポンプの使用が可能になる。「10‐30%の塗料使用量の削減が期待できる」という。
その他、不良率の低減を実現する超音波ふるい器や3次元(3D)形状確認システムなどこれまでにない工夫を凝らしたものを導入することでユーザーのメリットに貢献していく意向だ。
またハンドガンシステムはプリマタイプを扱うが、新たにプリマスプリットの上市を準備している。トリガーをダブルクリックすると塗装条件が切り換わり、メモリ機能も50以上に容量を高め作業性を重視したハンドガンシステム。
粉体塗装の引き合い強まる 城南コーテック
城南コーテックでは電着+粉体、溶剤+粉体など最適な塗装仕様を提案し粉体塗装への切り替えを進めている。
渡邊忠彦社長は「電気メーターや公衆電話など屋外で使用されるものでは防食性能が求められており、そういう用途で粉体塗装の引き合いが増えている」との見方を示す。更に親会社がグローバル展開を図る傾向が強まっており、そうした場合塗装仕様も粉体塗装に切り替わるケースが多いという。
溶剤塗装から粉体塗装への切り替えで注目されているのが低温硬化タイプの粉体塗料。同社でも使用しており、自社で屋外暴露試験を実施しデータ取りを進めている。
「当社では160℃硬化タイプの粉体塗料を使用しているが、専用ラインを持てば効果があって問題はない。しかし、一般的な180℃‐190℃硬化タイプが主流の中で、一部分だけ低温タイプを使用するとなるとかえって効率が悪くなってしまう」と塗料の使い分けや絞り込みの重要さを感じている。
また、より硬化温度が低いタイプの塗料についてはブロッキングの問題を指摘する。「塗装ブース内は40℃近くまで温度が上昇するのでブロッキングしてしまうことがあった。当社では塗料回収を行っているので弊害が出てしまう。貯蔵安定性を考えても160℃くらいが適当に感じている」とのこと。
粉体塗料の小ロット化についても「一部は別の色で塗らなければいけないことはあるので、指定色を15‐20㎏程度で注文できることは必要」。
顧客には粉体塗装での環境負荷低減を積極的にアピールしていく方針。
省エネ・省資源タイプの流動静電塗装 メサック
メサックは省エネ、省資源への取り組みとして液体静電ガン、低圧霧化ガンの開発を行うとともにカスタマイズしたシステム展開を図っている。また粉体塗装への対応としてはガンを使用しない電解流動粉体静電塗装装置を展開している。
ここ数年、ユーザーから環境問題への対応として省エネのニーズが高まっている。「我々としてはユーザーごとにシステム化を図るなど個別の展開を行っている。近年は中国企業からも依頼があり、中国でのネットワーク作りを行いながら国内と同様のビジネスを進めている」とコメントする。
環境対応として粉体塗装が注目される中で同社の電解流動粉体静電塗装装置は静電の電気力線を利用する静電植毛の技術を応用したもの。既に上市して10年を経過するが、納入実績は国内外合わせて100台近くに達する。「量産品が海外に移る中で、付加価値の高いメーカーの製品塗装にフォーカスして営業展開を進めている。うまくはまると大きな効果が発揮できる」と説明する。
電解流動粉体静電塗装とは垂直対面粉体電極(電極に多数のコロナピンが付いている)に(-)30KVの低電圧を印加させると並列に配列した電極間に繰り返し電解(電場)が生じ、数多くの電気力線が働く。この電解中にエアーで流動した粉体塗料を吹き上げて帯電させ、電解の作用とエアーでワークに吸着させる仕組みだ。
「従来、薄膜仕上げ(10‐15μm)を全面に打ち出して営業展開を図ってきたが、厚膜のニーズに応えるため電極の配置やクラウド濃度の調整で60‐70μmの膜厚まで対応可能となっており、量産品であれば極めて効率のいい塗装方法」という。
マーケットは多品種・小ロットの方向にある中で、「メーカー製品であれば1‐2色のメイン色製品に数色の色替え製品の構成ならば専用の電解流動タイプと従来の色替え塗装ブース式の併用で生産性は高まる」とコメントする。
被塗物形状も選択性があり、オールマイティーというわけにはいかないが、省スペースで、かつガンレスの粉体塗装設備だ。
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