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Web特集

2009年12月17日

"ものづくりを変える"機能性材料の動向 新機能ビジネス特集2009(19社の取り組み事例を紹介)

塗料・コーティングは形状を選ばず、どんな素材でも手軽に機能付与ができるという特性を持つ。産業構造が大きく変わろうとする中で、各社機能性製品の開発を活発化させることで、新たな需要領域の拡大を指向する。これからのものづくりにおいて、塗料や関連技術の持つ付加価値性は想像以上に高い。一方で、付加価値力を維持するための市場形成力も求められている。

レボコーティングで商標登録 塗膜メーカーとしてブランド戦略も 島新精工

塗装の外観品質において携帯製品、とりわけ携帯電話は極めてシビアな品質が求められる。常に手に触れる機会が多いだけに、その形状とともにカラー及びデザイン、更にその質感のクオリティーが重視される。
携帯電話の国内の年間生産数量は4,200万個‐4,500万個とここ数年減少傾向にあるものの、それでも単品の製品でかつ求められるクオリティーの高さからこれだけまとまって出る製品は他に例を見ない。この携帯電話の塗装を専門に行っている塗装専業者の島新精工(本社・長野県安曇野市、社長・望月皎氏)は昨年春に数億円を投じて生産キャパシティーの増強を行った。
しかし、昨秋の世界同時不況によって大幅な減産を余儀なくされた。「この秋口からようやく新モデルが動き始めた。昨年の夏場頃から出荷に陰りが見え始めていたので予感するものがあったが、こんなに厳しい状況が続くとは思わなかった」と同社管理部部長の井上修二氏。同社は昨年の6月と今年の2月に無担保社債の私募債を発行。2回で2億円の資金を調達した。この資金が不況下にあっても事業の維持、技術開発の継続に役立った。


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このような中で、ここ1‐2年同社は携帯電話のデザイン提案に力を注いできた。昨年春のモデルで同社が提案したグラデーションが採用され、多くの反響を得た。「携帯電話のデザインは行き詰まっている感じだ。従来色に追加色を加えてカラーバリエーションを増やす程度の対応にとどまっているのが実態。塗装で付加価値が高められるということで非常に興味を持って頂いた」と常務取締役の二村哲哉氏は説明する。国内メーカーにとどまらず海外メーカーも強い関心を示しており、技術提携の話も持ち上がっているようだ。
昨年後半に製品化したグラデーションは着色アルミを用いて煌びやかなメタリック調に仕上げたもの。また塗料メーカーとの提携で開発した蒸着の代替塗料を用いて塗装したRe-Voコーティング(レボ)は歩留率90%以上を達成し、商品化に向け準備を進めている。「従来、蒸着は歩留が悪く、コスト的にも高いという話をメーカーより打診され、開発を始動。これを塗装にすることで高い歩留とコストダウンを可能にする」(二村常務)という。


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このRe‐Voコーティングであるが、昨年6月に塗装のデザイン(塗膜)を塗装処理、加工で『Re-Voコーティング(レボ)』として商標登録を行った。この塗料・塗装業界にあって、塗装デザインを商標登録したケースは今回が初めてではないか。その他、クロム代替のクロム調仕上げや、自己修復塗膜仕上げなどデザインとともに機能も追求していく方向だ。
「塗装ロボットを駆使し、オリジナルなデザイン・意匠性、更には機能を演出することで塗膜メーカーとしての独自の存在価値を確立していく」意向にあり、今後はブランド戦略も視野に入れるとともに、海外にも目を向け第2、第3の携帯電話に並ぶ製品アイテム作りに携わっていく考えを示す。

パワーファクトリー、全員営業へ 日本ペイント

日本ペイントは遮熱塗料の採用による省エネ化や職場の環境改善などで資産価値向上を促す「パワーファクトリー 工場彩生プラン」戦略をバージョンアップした。汎用から工業用までまたがるコンセプトだけに従来のタテ割りの組織のままでは展開力に欠けるため、この8月に組織改革を実施。一元的なマネージメントとともに全員営業体制を敷いた。
またこれまで構築されてきたノウハウを集約し、独自の推進マニュアルを策定。マニュアルがあることで経験の浅い営業マンでも行動力を発揮でき、効果が出ているという。
パワーファクトリーは商品を売り込む戦略とは一線を画す。ターゲットユーザーにコンセプトを理解してもらいアクションにつなげなくてはならない。このため営業にはユーザーの立場に立ち、かつ総合的な視点を持った提案が試される。


当初は社内でもコンセプトの理解が進まず、ユーザーに対する切り口が見つからないで立ち往生する時期もあった。
工場を丸ごと再生するコンセプトに加え、工場と社会・地域との調和を図る狙いがある。環境対応はもちろんのこと、従業員のモラルアップにまでつながる幅広い効果を狙っている。
またターゲットユーザーの絞り込みも明確化したことで、関心から導入までの期間を短縮。第1次ターゲットとの組み合わせで、営業の動きを円滑化するものと期待する。パワーファクトリーの推進を加速する。

工業用マーケティング発想 関西ペイント

関西ペイントは工業用塗料のスタンスを変える。技術的優位性での差別化を中心とした展開から、幅広い層にアピールするソフト提案をからめ、マーケティング発想でアピールする。
ハーベストはHAAタイプのポリエステル粉体塗料として150℃×20分の低温焼付を実現。ブロック剤フリーのためヤニレスで、脱臭が不要。低温乾燥による省エネルギー効果も大きい。HAAタイプの欠点であった水回りテストもクリア。
オンリーワン製品として建機や農機具での採用が始まった。次のターゲットは溶剤ラインの置き換え。「ユーザーのCO2削減指向を追い風として、上昇気流に乗せていきたい」(担当者)。


アシムは変性ポリエステルアミノ樹脂塗料。従来のアミノアルキド系では未反応のメラミン樹脂からホルムアルデヒドが放出するばかりでなく、焼付後も脂肪酸の酸化重合反応によるホルムアルデヒドが発生。室内の各種設備ではホルムアルデヒドフリーは至上命題となっていた。
アシムは分子構造を緻密化し、塗膜内にホルム成分をトラップ、更に硬化システムの改良によって反応を高く設計。これによってホルムアルデヒド放散値を劇的に削減。F☆☆☆☆レベルを確保。塗膜からの臭気が少なく、乾燥内でホワイト系の塗色の黄変を抑制。PRTR、RoHS・ELV対応。またリン酸処理に代わる表面処理材・ジルコニウム処理との相性が良く、低スラッジ化に寄与することが実証され拡販にはずみがついてきた。

ジオラマ用途でブレイク ターナー色彩

色やテクスチャー(質感)の再現といった得意の技術を生かして新しい領域のビジネスにチャレンジするターナー色彩。絵具や塗料といった従来の枠組みを超えた新たな需要の発掘に積極的。その1つとして結実しつつあるのがジオラマ(情景模型)用途で販売が好調な「水性グレインペイント」だ。
建築や街並み、鉄道などのジオラマを製作する際、砂や芝、アスファルト、山の肌合いなどのテクスチャーを表現するため、従来は着色パウダーなどが使用されていたが、微妙な色の混合が難しくリアル感に欠ける他、退色や剥離などの問題もあり、愛好家からは「もっとリアル感の高い素材を」との声が高まっていた。


「水性グレインペイント」は、グレイン(粗い粒子の意)という名が示す通り、乾燥後の塗膜にザラツキ感のあるテクスチャーを付与するのが最大の特徴。均質化された複数の色目のセラミック中空粒子が樹脂と混ざり合うことなく独立して塗膜に存在するため、立体的な素材感が得られる。また通常の絵具や塗料と異なり、複数の色を混ぜても濁らず、各色の粒子が識別できるため微妙なムラのコントロールも可能。同社にとって新規分野の模型業界で火が付き活発な売れ行きで、水の色や波を表現する第二段も考案中。
この他、ネイルアート用のアイテムが著名なネイルサロン、スクールで採用され始めた他、デコラティブペイント市場育成の支援を行うなど、色と質感を起点としたビジネスの広がりを目指す。

マスキングテープが女性に大人気 カモ井加工紙

我々の業界では単に副資材の1つに過ぎないマスキングテープが今、かわいくて実用的な普段使いのアイテムとして女性の間で大ブレイクしている。
仕掛け人はマスキングテープメーカーのカモ井加工紙。元々一部の女性の間で「どこに貼ってもキレイに剥がせる」「色がきれい」「和紙特有の透け感や素材感」といったマスキングテープの特性を利用し、コラージュやインテリア、ラッピングなどで楽しまれていた。そうしたユーザーから「もっと多彩な色を」「おしゃれでかわいい柄や模様を」との開発要請が同社に寄せられ、カラフルマスキングテープ「mtシリーズ」として「試験的に商品化」(同社・谷口幸生氏)してみたところ予想以上に大ヒット。


出展した展示会はいずれも反響がすさまじく、メジャーな女性雑誌にも頻繁に特集が組まれるなど注目の的。東急ハンズやロフトを始め全国各地の文具店や雑貨店が即座に取り扱い、瞬く間に同社売上の1割まで急上昇した。現在も取り扱う業態が拡大、海外展開も含め近い将来同社の主力事業に成長しそうな勢いだ。
「mt」の使われ方は実に多種多彩。封筒やメッセージカードのコラージュ、カレンダーや手帳のスケジューリング、ラッピングの彩り、ポスターの額装、付箋、マーキングなどなど女性の視点を通せば使い方は無限に広がる。マスキングテープにチャーミングなデザインを施しただけで、「これまで想像し得なかった新たな需要」(同)を創出した。

乳化剤を自社開発、水性2液エポキシ開発 神東塗料

ニーズ対応による一部製品を除いて、全開発製品で鉛・クロムフリー化を図る神東塗料。環境対応技術を差別化戦略とする同社は現在、エポキシ樹脂系塗料、ウレタン樹脂塗料の水性塗料開発を積極化。常温タイプの水性2液塗料の開発に集中し、溶剤系、焼付塗料からの代替をにらむ。
同社が見据えるのは、水性化率が低い工業用、重防食分野での水性化。塗膜物性、施工性、ライン適性などの技術的課題が立ちはだかる。


そこで同社はこのほど水性2液エポキシ樹脂系塗料を開発。溶剤系同等の防錆力と乾燥性(80℃×数分)を確保するなど実用化が現実味を帯びてきた。
開発の決め手となったのが自社開発した反応性乳化剤。これまで乳化剤においては、エマルション粒子に固着しない、水に溶けないといった課題を有していたが、同社は水に溶ける性質を持たせることに成功した。「体質顔料に頼らずにいかに防錆性能を持たせるかに注力した。防錆力のみでなく、耐油性、耐候性を有し、在庫保有期間も長くなる」(担当者)とメリットを訴える。現在サンプルワークを進めている。


一方、水性2液ウレタンにおいては、市場成長性について高く評価。「樹脂の基本構造を変えずに水性化したい」との開発コンセプトを持つ。
しかしながら、現状ではポットライフが2~3時間と短く、ポットライフが経過しても粘性が上がらず見分けがつかないといった課題を抱えており、「普及にはユーザーの理解と協力が不可欠」と指摘する。

標準塗装治具とマスキングパーツ 岩田製作所

工業用塗装にとってなくてはならないものが塗装治具とマスキングパーツだ。塗装治具は被塗物が変わるたびに製作しなくてはならず、使用した後のメンテナンスも含め保存スペースを確保する必要がある。またマスキングパーツも被塗物によっては手元にあるものでは間に合わず、代用品探しや代替品製作となると細かなものだけになかなか煩わしい。
岩田製作所は組み立て式の塗装治具及びマスキングパーツのカタログ販売を行っている。組み立て式の塗装治具はいくつかのフレームパーツの組み合わせと簡単で手軽に交換できるパーツによってさまざまな対象被塗物に応用できるというもの。一方のマスキングパーツは素材にシリコンゴムを用い、差し込んで使うマスキングプラグ、被せて使うマスキングキャップ、更に貼って使うマスキングテーブルなど目的・用途に応じた豊富な品揃えとサイズを整える。


市場展開を始めて2年になるが、フレキシブルな組み合わせパターンとユニークな形状によって優れたコストパフォーマンスを発揮している。「標準化に納まりきらないものがたくさんあるが、特注品への対応も積極的に進めることでユーザーにメリットを感じて頂くとともに更なるマーケットの深掘りを図り製品開発に結び付けたい」。
この秋に同社はマスキングパーツに新たにナット用と皿ネジ用をラインアップ(ともに3サイズ)。更に注文頻度の高い治具6種類を選定し、部品とのセット販売を開始した。

照明器具の高反射効率でCO2削減 ファースト

テスコ・エコライティングはドイツ・ALANOD(アラノッド)社の広角反射板「TDDLシリーズ」の輸入販売を行ってきたが、この10月から国内総代理店としてファーストを通じて屋内外の既設照明設備の効率改善に向けた同TDDLシリーズの販売を行うことになった。
TDDLシリーズは導入することで大幅な照度アップと照明の消費電力が削減可能というもの。
高反射率95%の世界特許素材と独自の多面解体反射板によって小さな光源で大きな照度を実現した。「アルミニウムにPVD鏡面加工を施すとともに独自の多面解折技術で高反射率を可能にした。既に多くの工場で採用されている」と説明する。


既設ランプ数はそのままで、水銀灯400WをCDランプ100Wに入れ替えたケースでは、4分の1の消費電力を達成しつつ、既設照明以上の手元照度を実現した。天井高7.5m、照明器具間隔8.3mという付帯条件だ。
このケースでは年間消費電力27,156kwの削減とCO2排出量9.5トンの削減に寄与した。特にCO2の削減が大きな課題となる中で、コストダウンとCO2削減が同時に行えるのは貢献度が高い。また光源周辺に熱がこもらないことから、冷房効率の改善にも結びつく。
この10月から総代理店となったファーストはTDDLシリーズ以外に蛍光灯の反射板やLED、更には液晶テレビのバックライトなども営業品目に入ることから幅広い提案が可能になった。

無機コーティング事業を開始 石田塗料

オートサプライヤーの石田塗料はBPの越野ボディー及びスポットナカジマとともに新会社「Cosmo Coating」を設立し、環境対応塗料の施工及び販売事業を開始する。自動車補修という高度な技術を生かして建築汎用分野へのマーケット展開を進めていく。
Cosmo Coatingが扱う塗料は有機化合物を含まない、オルガノポリシロキサンを主剤とした無溶剤無機質塗料。無機高分子の結合剤に機能性充填剤が配合されており、経時過程で紫外線・熱・大気中の酸化ガス・酸素・湿気・塩水などの物質に起因する軟化や劣化が起こらないセラミック質造膜を有する。超耐候性塗料により塗替え頻度を低減することが可能になる。
同品は1液型と2液型の2タイプがあり、ステンレスやタイル、鉄などの素材向けには1液型を、旧塗膜の上には2液型で対応していく。


このコーティングシステムは既に昨年から各地で施工を重ねている。ホテルや温泉施設、一般住宅のガラスや浴槽、タイル面、フローリング、目地部などで実績を重ねており、このほど本格展開により新会社設立に至った。
石田塗料の石田明社長は「コーティングだけでなく、削りや磨きといった自動車塗装に携わる高度な技術者による施工を行うことで既存業者よりもクオリティーの高い塗装ができる」と自信を持つ。
これまでは口コミレベルでの受注としていたが、今後は本格的にPRしさまざまな施工提案を積極化させるとともに、ライセンス販売も図っていく。

撥水、親水化技術で需要創出 ソフト99

車ボディ向けガラス系コーティング剤「Beautiful G'ZOX」ブランドでトップシェアを誇るソフト99コーポレーション。同社は強みとするコーティング技術を応用した需要領域の拡大を積極化。自動販売機のメンテナンスに採用されるなど、実績を伸ばしている。
「既に設置されている自動販売機のメンテナンスにコーティングを施すアイデアは、シーズとニーズがうまくマッチングした例。しかし、潜在化しているニーズを掘り起こすのは難しく、当社の強みである自動車分野を軸に顕在化しているニーズの深掘を図っていく」(担当者)と話す。
今春、同社が発売した「ガラコミラートZERO」はまさにそれを具現化した製品。「蓮の葉のように、ナノレベルの突起した皮膜(フラクタル皮膜)を形成することで、これまでにない撥水機能を実現した」と説明。雨滴が球状の水玉になり、運転中の視界をクリアにする。


同技術による他部位での利用も期待されるが、用途拡大については研究中。例えばフロントガラスの場合、走行中の風や粉塵の衝突、ワイパー使用などがあるため、物理的難点を抱えるフラクタル皮膜では不向きだという。
しかしながら、ニーズ、用途、使用状況など複合的要因に対して、同社は強みである親水化技術、撥水技術で需要創出を図っていく意向。「自動車が誕生して以来、さまざま構造が変わる中で、ワイパーの機構はずっと変わっていない」と担当者。コーティング技術の可能性を追求している。 

断熱を柱に需要領域を拡大 ニッパン

シンマテリアルの断熱塗料「キルコート」の販売元として主翼を担うニッパン(日発販売)は業種に富んだ代理店網を構築するなど新たなビジネスモデルの創出に挑んでいる
同品は特殊エマルジョン樹脂をベースに中空ビーズの高含有化を実現した断熱塗料。樹脂特性から200%以上の塗膜伸縮を有し、タイル接着剤同等の付着力を有するなど多機能性を有している。
同社は現在、それらの機能訴求力を高めるべく用途拡大を積極化している。「あるマンションの外壁改修物件では、キルコートが下塗材として採用されている」「音の大きい店舗の屋根外板に塗装することで近隣への騒音問題を解決することができた」「冷凍倉庫の鉄扉での施工では結露を防ぐことができた」など断熱機能に付帯する新たな機能も見出している。同社はこれらの事例を集積、精査し建物の種別や用途に応じた提案活動を進めることで市場展開の確度を上げる狙いだ。


また一方で、現在同社が需要領域として期待しているのが内装分野。モデルハウスでの実証試験では、未塗装と比べて空調電気使用量において最大40%の差異が出た。キルコート塗装により室内の保温性が高まるため、夏場、冬場問わず、空調費に寄与する特長を持つ。販売拡大に向け、漆喰や意匠性塗材の下塗材としての利用を探る活動も強化している。将来的には得意とする自動車分野、家電など産業分野への応用展開も見据えている。

高硬度、帯電防止性能を両立 大成ファインケミカル

アクリル樹脂などのカスタマイズ開発に特化する大成ファインケミカルは、毎年純利益の30%を新規開発事業で得ることを目標に掲げる。景気低迷で汎用樹脂がダウンを強いられる中にあって、利益率はアップ。新規開発事業が収益構造の改革に寄与している。
現在、塗料・コーティング向けとして注力するのが帯電防止ポリマー並びにUV硬化型ポリマー。ディスプレイ、光学フィルムなどの需要を狙う。
帯電防止ポリマーは、ハードコート材料として塗膜の高硬度ニーズが高まっている。しかし、硬度と帯電防止性能は一方を追えば、一方の性能が落ちるという技術的課題を持つ。それに対し同社は、湿度依存が低く、空気中のイオンに対して強い抵抗力を持つカチオン性イオン導電機構を取り入れた4級アンモニウム塩タイプを開発。標準レベルである硬度3H、108Ω性能を確保し、更なる性能向上に努めている。


また混ざりにくい、粘性が強いといった難点に対しては、ケトン重合を可能にしたタイプも開発。アルコール溶媒タイプと合わせて、用途拡大に弾みをつけている。今後は性能アップと少量添加での性能確保を目指す。
一方、フィルム向けハードコーティング材料向けとして、側鎖にメタクロイル基を導入し、自社開発のマクロモノマーを共重合させたUV硬化型ポリマーを開発。塗膜の硬度向上と合わせて高可とう性を実現。硬化収縮による不良を防ぐ。またコスト削減から未処理PPでの利用も増えており、採用拡大に期待している。

塗装でメッキ調銀鏡仕上げを実現 明治機械製作所

「安全で環境負荷の低いメッキ調仕上げがしたい」「輝きのある深みのある光沢感を出したい」「多彩なカラーリングを施したい」―などの要望に応えるのが明治機械製作所など複数企業のコラボレーションによって構築したメッキ調コーティングシステム「ガンメッキⅡシステム」。金属メッキの安定化技術を持つ三菱製紙が銀鏡薬剤を技術供与し、大橋化学工業がアンダーコートを開発。明治機械製作所は多頭スプレーガンを開発するなどそれぞれの技術を結集して塗装システムを構築した。
既に銀鏡コーティング製品は市場に流通しているものの同システムの特徴について担当者は「品質確保を最優先としているため、システムそのものは手軽に扱えるものではない」とコメント。ユニット導入費も200万円程度と他社品よりも初期投資額は高め。高品質、品質安定性を差別化に据える。


既に需要家からの引き合いも増やしており、現在は自動車補修分野、自動車内装分野、玩具関係などで実績を保持。また自動車の車載機器でのテストも進行中。ライン対応力も兼ね備えている。
上市して5年が経過するが、黄変、白化、層間剥離、シケ(腐食性欠陥)など銀鏡塗装で起こりやすい欠点についても三菱製紙の銀鏡薬剤技術によって克服。これまで不得手だった外装用途にも対応できるとしている。
適応素材は木、鉄、プラスチックなどほぼすべてに対応。クロムメッキのような重金属を使用しない銀鏡メッキ工法として、用途拡大が期待される。

金ナノロッド、需要開拓へ 大日本塗料

機能性封止材料、光フィルター用コーティング材、透明導電性コーティング材などの機能性電子関連材料を手掛ける大日本塗料。同社は新たな領域として三菱マテリアルと共同で九州大学工学研究院(山田淳教授、新留康郎准教授、新留琢郎准教授)が開発した任意の特定波長を吸収する金ナノロッド分散液の事業構築を進めている。現在、先導的大学改革を掲げる九州大学学術研究都市構想の一環として、福岡市産学連携交流センターで製造技術、塗料化技術、コーティング技術の確立並びに商品化を目指している。
金ナノロッドは粒子径100nm以下の超微粒子で安定性が高く、高い導電性を有するなどの特徴を持つ。そのため導電性材料としての利用が可能で、溶媒中に分散した金ナノロッド分散液、ペースト、樹脂中に分散した塗料などを開発している。


その中で同社は、金ナノロッドは粒子の長軸、短軸の長さ(アスペクト比)を制御することが可能で、これにより530nm~1300nm(可視光~近赤外線領域)までの特定波長を調整することができる。
更に、量産化を視野に入れた製造プロセスを確立し、顧客対応を行っている。
同社では、このユニークな特性を武器に需要開拓を積極化。「吸光特性をコントロールすることで電子材料分野やバイオ関連分野での採用にも期待できる」(担当者)とコメント。"新市場への挑戦"と位置付ける同事業の地道な研究活動が続く。

耐摩耗、高強度、高耐久機能を付与 ビクトレックスジャパン

高機能熱可塑性樹脂ポリアアリルエーテルケトンを製造する英・ビクトレックス。耐摩耗性、高強度、高耐久性における卓越した性能を特長に「VICTREX(R) PEEKTM」ブランドとして、多様な業種領域において成形加工、設計、応用開発事業を展開している。国内においては、3年前からビクトレックスジャパンが市場開拓を進めている。
同品を分かりやすく言い換えるならば"最強のプラスチック"といったところ。航空宇宙部品、自動車部品、電気・電子材料、半導体製造材料、一般工業、医療関係など需要分野はさまざま。摩擦摩耗性能の向上や部品の長寿命化に強みを持つ。
コーティング分野においては、PEEK樹脂を塗料化した「VICOTE(R)(ヴァイコート)」ブランドとして、粉体コーティングタイプ、ディスパージョンタイプに用途に応じた各種ラインアップを揃えている。


同社が拡大すべきマーケットとして見据えるのはフッ素樹脂コーティング市場。滑り性こそフッ素樹脂に劣るものの、「表面硬度が高く、ひっかき性能はフッ素樹脂の4倍を有する」(担当者)など、260℃までの高耐熱性を含め、耐摩耗性、耐薬品性を武器にフッ素代替を狙う。既にグラスファイバー繊維に塗布した食品加工ベルトが大手ファーストフードチェーンに採用されている他、炊飯器、ベアリングなど実績は多数。高耐久化によるメンテナンスコストが下がるとして、台湾のシューズメーカーの金型でも採用された。

インテリア市場、開拓を本格化 エスケー化研

エスケー化研は壁紙からの塗料復権に注力している。クロス改装の選択肢として塗装が選ばれるには、環境・安全性に加えペイントカラーの優位性を訴えることが重要になる。しかし生活者サイドの「壁紙の上に塗装ができる」との認知は低い。このジレンマを突破するには塩ビクロスにはない色を自由に選べるメリットを地道に訴えていくしかない。
同社がインテリアペイントとしてラインアップしているのはフラットペイント、意匠性塗材、多彩模様塗料の3カテゴリー。いずれも水性塗料。商品体系としても他社の追随を許さない。
フラットペイントは「セラミフレッシュIN」(シリコン樹脂系水性)、「エコフレッシュクリーン」(多機能型水性)、「水性エコファイン」(反応硬化型水性)、「SKクロスフレッシュ」(塩ビクロス塗り替え用)がある。


意匠性塗材としては「ベルアートIN」(土壁調)、「SK調湿ウォール」(天然素材セラミック系)、「グラニテリアIN」(御影石・砂岩調)とバリエーションは豊富だ。
多彩模様塗料は「マルチファンシーDX」(水性多彩模様)を揃える。
建築仕上分野をカバーしている同社だが、内装分野は依然未開拓に近い。「クロスにはないペイントの魅力を訴えるには、生活者を基点として開拓していく必要があり、これまでの販促にはない要素を加えていく必要がある」と担当者。CO2削減などのメリットもからめ、色の持つ効果で市場に浸透させていきたい考えだ。

インバイロ、組織固めへ (独)土木研究所・山一化学工業

独立行政法人・土木研究所と山一化学工業がコラボで展開する橋梁旧塗膜の剥離システム「インバイロワン工法」の展開が3年目を迎えている。施工実績は約8万平米を超えたが、新規工法であるがゆえの壁も大きいのが事実。また工法自体の改良を同時に進めてきた経緯がある。
しかし同工法の評価は着実に高まっている。最大の評価ポイントは従来のケレンによる旧塗膜除去に比べて産廃の処理量が圧倒的に減る点。1~2kgの旧塗膜をブラスト処理すると20~40kgもの産廃が発生する。しかも旧塗膜には有害物質が含まれ、1kgの処理コストは1,000円にもなる。しかもこうした費用は通常積算に入っていない。環境対応に伴うこうしたコスト負荷が大きな問題となってきた。


ブラスト処理の環境負荷は徐々に認知されつつあり、インバイロワン工法のパフォーマンスの採用も拡大している。受け皿となる施工体制を充実させる必要性に迫られてきた。現在45社ある施工組織を200社にまで拡充する計画。特許工法の縛りをオープン化し、施工での実施権を幅広くしていく。
またこれまでの展開でのノウハウが蓄積されてきている。旧塗膜の状態は千差万別なので一様に剥離できるとは限らない。工法に現場ノウハウを注入することで、施工の効率を向上させることがテーマ。施工マニュアルの整備も始まった。マニュアルによって歩掛かりを一層明確化できるものと期待。来年4月に向け組織体制を固めていく方針だ。

高機能フィルム事業で成長図る パナソニック電工

機能性建材用フィルム材の開発を積極化しているパナソニック電工のコーティング事業部。コーティング単体の販売ビジネスから機能性フィルム材の開発にシフトを強めている。
その最大の理由は施工の簡便性。「コーティング材の現場施工は品質を一定に保つのが難しく、販売上のリスクが大きい」と担当者。かねてから進めてきた光触媒コーティングも汎用的な販売ではなく、「光セラ」(クボタ松下電工外装製)で知られる窯業サイディングボードに採用されるなど、品質確保を最優先に掲げる。また最近では光触媒コーティングを施したフィルム材「フレッセラPフィルム」を上市。新たな需要領域で成長を見据えている。
同社がフィルム材としてラインアップするのは同品の他、反射防止と光触媒機能を組み合わせた「ツインクリア」(発売前商品)、光触媒・熱線反射機能フィルム「ヒートバリア」、撥水・撥油機能フィルム「フレッセラDフィルム」など。


「ツインクリア」の反射防止機能はプラズマテレビで採用されている技術を応用した。窓ガラスに対する室内照明の映りこみを防ぐことで、外の風景の視界をクリアにする。「夜景が見えるレストランやショーケースなどの採用に期待している」と光触媒による親水化機能と合わせて、防汚性、視認性を訴求する。
「ヒートバリア」は光触媒層と熱線反射層を積層させたフィルム材。窓ガラスへの熱線を反射し、室内への熱の侵入を低減させることで冷暖房費の省エネ化に寄与する。 
「フレッセラDフィルム」は撥水・撥油機能を有し、優れた汚れはじき性と汚れ除去性能を発揮する。樹脂や接着剤、インクなどの除去を簡易にする。
同品のコーティングタイプである「フレッセラDコーティング」は印刷機械のメンテナンスに用いられるなど根強いファンを持つことが判明。「当社の想像を超えた利用法が存在する」として、機能を柱に用途展開を進める。

イメージ広がるアイデアペイント 

小紙既報の「ideapaint(アイデアペイント)」が、本格発売を待たずに早くも注目が高まっている。同品をペイントすると塗布面がホワイトボードに変身し、マジックで自由に描いたり消したりできるというスグレモノ。これまで国内になかったユニークな機能、使い方のイメージが広がる感性的な価値がユーザーを刺激するようだ。
発売前にも関わらず問い合わせが多く寄せられており、そのうちの1社・テクノカラーウエムラ(横浜市・上村正樹社長)は早速アイデアペイントを購入し、社内の壁面などに塗装した。「当社は仕事柄(工業塗装)、作業指示や状態表示などホワイトボード状の物に書いて消してという場面が多い。仕事の必要上、また他に面白い使い方ができるのではないかという期待感から購入した」と上村社長。


同社がまず塗ってみたのは鉄扉(4カ所)と会議室の壁面など約4m2。「下地にペーパーを当てただけで直接ローラー施工。水性でにおいもなく施工自体はとても簡単」とコメント。会議室の壁面に施工されたアイデアペイントは、会議のホワイトボードの機能としてだけでなく、黒の下地とのコントラストがモダンなインテリアとしても成立している。
アイデアペイントは使う人の感性やアイデアを刺激する。曲面やコーナーも利用できるのは市販のホワイトボードとの大きな差別化。加えて壁面だけでなく、テーブルトップやキャビネットなどの面材、家電製品、さまざまな小物にまでホワイトボードの役割を持たせて実用的かつ楽しい使い方ができる。家庭、オフィス、学校、知育などさまざまなシーンで広がりを見せそうだ。


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壁"がダイレクトにホワイトボードに

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