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Web特集

2010年03月08日

内装塗料特集2010 各社動向(メーカーなど20社の取り組み)

女性層への訴求 アサヒペン

アサヒペンはインテリア市場開拓への挑戦を続けてきた。1983年に(内装)壁用和室色(4色)、1994年には水性塗料で壁紙の上に直接塗れる専用塗料を上市。そして4年前「インテリアペイント」を決定版としてラインアップした。
インテリア壁に対しては生活者のモチベーション喚起が鍵。そのためインテリアペイントは、室内ごとに分かれていた従来のペイント体系を統合。基本的に室内壁はインテリアペイント1アイテムで対応できるようにした。このコンセプトは陳列スペースに限りのあるホームセンター側の意向も反映。それでも汚れに強いばかりでなく、和風からモダン、超モダンまでの指向に応えるカラーデザインでの訴求力を高めた。


商品コンセプトは主婦にターゲットを絞り込む。「女性に塗ってもらうにはDIY訴求ではダメ。感性に訴えるイメージ性の演出が鍵。"こんな雰囲気になる"というイマジネーションを広げるコンセプトにした」と営業開発担当者。
この狙いは通じたようだ。インテリアペイントの陳列ラックの存在感が増し、目をとめる女性客が増える。ポップも工夫し、ローラーなどのツールをパッケージにした表示。
「家庭塗料全体に占める内装塗料比率は6~7%とまだ低い。しかし外食から内食といったトレンドもあり、室内に目を向ける消費者は確実に増え、チャンスは広がっている」との見方を示している。

プライマー不要の多用途塗料を上市 インターナショナルペイント

職人目線に立った機能性水系塗料の開発に定評を持つインターナショナルペイント。内装分野においては、微弾性内装塗料やさまざまな基材に適応する多用途塗料を展開している。
超低VOC型微弾性アクリルエマルション塗料「ビニラー2100(弾性タイプ)」は、これまで艶消し塗料では不可能とされてきた塗膜の微弾性付与を実現。平均で約3倍の伸びを持つ弾性塗膜を形成し、内部ボード下地における目地部やモルタル下地面などの割れ、ヘアークラックを吸収する。また緻密な塗膜形成により耐汚染性に優れ、高い汚染除去性を保持しつつ、TVOC1%以下の超低VOC設計。


プライマー処理が不要で、SOPやFEといった油性ペイントの水系代替仕様として人気を高める「IP水性メタルコート」。同社は更に用途の拡大を図った水系1液自己架橋型アクリルエマルション塗料「IP水性マルチコート」の販売に注力している。
同品は幅広い種類の基材に対してプライマーレスでの塗装を可能にした。高い密着性を付与し、耐火石膏ボード、モルタル面、コンクリート面、鉄部面、電気亜鉛メッキ鋼板、ボンデ鋼板、アルミ、ガルバニウム鋼板、木部などの基材に適応。プライマー処理の必要がなく、同品1つで対応できることから、養生作業時間及び養生資材使用量の削減に寄与する。臭気対策には、一般水性塗料に比べて10分の1の低臭化を実現した超低VOC・超低臭型艶ありエマルションペイント「IP GLOSS E(ECO)」を上市。

ニューファッショナブル分野へ エスケー化研

エスケー化研はこの春からニューファッショナブル分野の市場開拓を本格化する。意匠性の高い塗料・塗材を投入するとともに、マーケティングには女性の感性を注入していく。スタッフも女性を中心とした展開を予定している。
「建設業界は男だけの世界というイメージが強すぎる。その一方でリフォームが拡大・多様化し、女性の意見をサービスに反映させていく必要がある。当社にも男性を上回るやる気のある女性が目立つ。彼女たちの感性で新たな訴求力を持った商品、カテゴリーを創ってもらいたいと考えている」と藤井實社長は構想を示唆。


現在同社の内装分野の品揃えはトップクラス。伸びている「セラミフレッシュIN」は特殊シリコン樹脂エマルションペイントで、汚れに強く手垢など落としにくい汚れにも対応する。内装用に求められる臭気も低レベルに抑えた。
この他「エコフレッシュシリーズ」「サニービルドEX/IN」「ベルアートIN」などをラインアップ。いずれも水性タイプ。
ニューファッショナブル市場は内装に限定していないが、ターゲットは女性層に絞っている。同社が力を入れている中国市場ではカラーシステム展開が中心であるため、こうした方向が国内に導入される可能性もある。「意匠性というコンセプトでくくっていけば、塗料・塗材ばかりでなく、壁紙などを複合した展開も視野に入ってくる」(藤井社長)と本腰を入れる考えだ。

新製品投入、濃色1回塗りを実現 大谷塗料

国産材向けに構築した新ブランド「森美来(しんみらい)シリーズ」を掲げ、建築用木部塗料市場への展開を強める大谷塗料。国産材の普及利用が進む中、弱さや柔らかさといった針葉樹の課題克服を訴求した製品開発を図ることで需要に結びつけている。自社技術を武器に着色剤からクリヤー、機能性上塗り塗料、UV塗料と品揃えの拡充を進めている。
それらブランドの中核を成すのが木部用浸透型着色剤「VATON(バトン)シリーズ」。建築用木部塗料市場で同社の認知度を一気に高めた。


同品は植物性油脂を配合した着色剤で、ムラがなく、変退色に強い他、塗りやすさ、仕上がり感においてはプロユースの評価も高い。現在、低臭タイプの「VATON」、水性タイプの「水性VATON」、外部用の利用を想定し防虫防腐効果を付与した「水性VATON+(プラス)」を揃えるなど、バトンの特長を生かした用途拡大を図ってきた。
同社はこのほど更にラインアップの強化を図る形で「VATON ウッドプロ」を上市した。同品は顔料コンテンツを高めた高濃度着色剤で、1回塗りで木目を生かした濃色仕上げができるのが最大の特長。軟質材、硬質材問わず塗布できる利便性を有する。
同品の開発の経緯を担当者は「風合いにこだわった。特に古民家風の濃色仕上げを要する用途では、美しい仕上がり感になる」とコメント。1回塗り仕様にしたことで、ユーザーの作業効率も高まるとして、需要拡大に期待感を募らせている。

ニオイを解決、動機付けに最適 荻野塗料

昨年から扱い始めた内装用の可視光触媒塗料「シュトークリマサンカラー」の実力はスバ抜けている。一般家庭の室内照明環境である400ルクスの蛍光灯のもとでホルムガスを噴出(3.4ppm)して放置した結果、24時間後には0.8ppm、なんと76.5%ものホルムガスを分解除去しているのだ(日本塗料検査協会で証明)。
この実力が生活の中で特に実感できるのは不快臭の除去。トイレ、玄関、キッチン、脱衣場、介護ルームなど多くの家庭で抱えているニオイの問題に対して、「空気清浄機や消臭アイテムなどを特に用意することもなく、灯りを点けるだけでニオイを除去。他にはない商材のため、ペイント採用の大きな動機付けになる」(同社・柴常務)と自信を見せる。既に住宅を始め、ホテルや病院、喫煙ルームなどの実物件で採用、「評価はすこぶる高い」(同)。


同品はクリヤーではなく水性カラーエマルション。施工は一般のAEPと同様に刷毛、ローラー、スプレーでの塗装が可能。セルフペイント(DIY)もOKだ。まだ"特別感"のある光触媒塗料を手軽に扱え、しかも室内の不快臭や空気質など"暮らしの場"を改善する効果は生活者への訴求力が高い。
開発は外断熱システムの世界的メーカー、ドイツ・シュトー社。外断熱による高気密化から室内環境の改善に役立つ塗料を開発するため、可視光で高反応する光触媒技術を確立したもの。新規性があり、内装ペイントが日常的な世界各国で採用が広がっている。国内輸入総代理はシュトージャパン。

カラーデザインと安全を提供する 菊水化学工業

菊水化学工業は住環境の快適さをコンセプトに生活者目線に立ったマーケティング戦略を進めていく。「外装仕上材メーカーである当社は住宅に精通しており、施主の立場でニーズを拾えるのが強み。オーナー目線で何が喜ばれるのかを常に考えている」(担当者)。
そんな同社が提案するのが、内装壁・天井用艶消し塗料「MILLTEX(ミルテックス)5」。同品は北欧スウェーデンのALCRO社製で、環境配慮に厳しいヨーロッパで最高ランク製品として実績を有している。


「冬の寒さが厳しい北欧の高気密・高断熱の住宅で塗られている。安全であることは当たり前で、色調や質感でもコンシューマに満足してもらえる」と自信を持つ。
色調は同社の基準色1200kabe colorに対応。1200色から選べる上、ウォールステッカーやステンシルを揃える。
住宅メーカーやビルダー、デザイン会社などへの指定活動に注力しており、それらの場合でアピールするのが、リフォーム時のクロスとの比較。廃棄物が少なく済み、何度でも塗り替えられるメリットを訴求する。リフォームにおける住環境の向上に加えて、環境配慮の面でも塗装メリットをアピールする。
また、同社は日本スタッコを子会社化し、漆喰調など自然素材の内装仕上材もラインアップに加えた。「ヨーロッパデザインのものだけでなく日本調の製品もあるので、さまざまな提案ができる」と独自の切り口での事業展開を進めていく意向。

有機・無機ハイブリッドで用途開発 玄々化学工業

玄々化学工業は汎用製品のラインアップの強化を進めている。
既に同社はホームケアー商品としてアウロ商品の拡販を図るとともに、現場施工用のUVコーティングシステムや室内の木部着色用のエルフカラー、サドリンクラシック、更には耐火塗料のファイアーディレーF4など多彩な商品開発を進めてきた。
ここにきて室内のフローリング材が従来の木質を生かした仕上げからシートに変わろうとしている。「(素材が)MDFの上にグラビア印刷した木目調のシートを貼り、EBクリアーで仕上げるもの。非常に硬く、傷がつきにくいことから生産性と相まってコスト的な優位性を発揮し市場を席巻しつつある」と説明する。


そこで同社は有機・無機ハイブリッド塗料を開発し、耐擦傷性に優れた「クリスタル ハードトップ」を上市した。EBシート同等の7Hの超高硬度を実現するとともに、「EBシートは傷がついたとき補修ができない欠点を持つ」ため、補修用にも使えるなど新たなマーケット対応を進める意向。
また同有機・無機ハイブリッド塗料を用いた耐汚染性塗料「クリスタル インテリア」を上市した。非常に高い浸透性を有し、木材の風合いを残す自然な仕上がり観が得られ、「塗膜を作らないのにウレタン塗料に勝る耐アルカリ性、耐酸性、耐シンナー性を発現する」自信作。安価なクロスの上にも塗布でき、汚れがついたら容易に拭き取れることから病院、老人ホームなどに向け営業展開を進めていく考え。

汎用グレードでもゼロVOC 神東塗料

神東塗料は内装向けでは「ページエコシリーズ」を主力製品として展開。「汎用グレードでも優れた環境対応を志向するのが当社のスタンス」(担当者)として、ゼロVOC製品を揃える同シリーズの拡販を図っている。
同シリーズはゼロVOC及びVOCフリーエマルション塗料で、JIS K 5667 2種標準品の「ページ50エコ」をはじめ、底艶を抑え艶ムラのない滑らかでシックな仕上がりが得られる製品をラインアップしている。
また、艶有り・5分艶・3分艶仕上げでは「ページGエコ」を上市している。同品は耐汚染性、耐洗浄性、艶のバリエーションを揃えた、従来品ページGシリーズのVOCフリータイプとして展開している。


「内装市場は鉄部も木部も含めて弱溶剤ではなく水系仕様で統一したい。業界としてその方向性で生活者に普及させる必要がある」と担当者。
同社ではビルや施設などの建築物のメンテナンス需要に対して営業展開を進めているが、住宅向けで広めるには新たな動きが必要となってくる。「塗料に親しみを持ってもらうことが必要なので新築住宅での塗装の普及が大切。それにはクロスに対抗できる、コストを含めたシステム構築が必要」(担当者)との考え。
更に塗装ならではの意匠提案も重要。ジョイントの目開きや、めくれ、はがれといった宿命を抱えるクロスに対し、塗装はシームレスで上質な質感が得られる。塗装の魅力を訴求できる方向性での製品戦略を見据える。

インテリアへのイメージが膨らむ ターナー色彩

国産のインテリアペイントでは最多の、200色のカラーバリエーションを誇るターナー色彩の「Jカラー」。"色"をコアコンピタンスとした同社が開発した塗料だけに洗練されたカラーが並ぶ。
 人気の「日本の伝統色」シリーズは、自然や暮らしの中に息づく日本の色を現代のトレンドに合わせて再現。日本人の心にしっくりと馴染み、かつモダンな雰囲気を醸しだす。この他、カジュアルな軽やかさを表現する「ブライト」、やわらかさと落ち着きを与える「ミューテッド」、インパクトカラーの「ビブラント」、白だけの多彩な表現にこだわった「ホワイト」など、望む空間、ライフスタイルに合わせた色のシリーズを展開、「素敵なインテリア」へのイメージが膨らむ。


「色で暮らしを楽しく」をコンセプトに発売したのが約10年前。住関連のショールームのメッカ、東京・西新宿「オゾン」にショールームを開設、生活者はもとより、設計、デザイナー、住宅供給者への啓発活動を地道に続けてきた。
「インテリアへのこだわり、色の効果への気づきといった意味では、10年前に比べ明らかに意識が変化しており、可能性は高まっている」との見方。このため、ロケーションの利を生かした「体験教室」の開催、オフィスDIYなどビジネスユーズの開発、機運が高まっていることを受けた既存流通への再認識の促進など、潜在ニーズを顕在化させ、販売につなげていきたい意向だ。

用途を創造する機能に魅力 ダイニッカ

ダイニッカはホワイトボード機能塗料「アイデアペイント」の販売を今年から本格化する。
同品は塗布した面がホワイトボード同様の機能になる米国発の機能性塗料。昨年から国内での販売に向け準備を開始。1月にはホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆(日塗工自主管理登録)を取得するなど、市場展開に向けて体制が整いつつある。
"塗るだけでホワイトボードに変わる"。この機能特性に確かな反響が寄せられている。「毎日必ず問い合わせがある」と岡部取締役。設計事務所、デザイン事務所、個人、塗料販売店、塗装店など、大々的なPR活動は行っていないながら、購入を求める問い合わせが相次いでいる。


同品の最大の魅力は、その機能性が用途や使い道に対する創造性をかき立たせてくれる点。想定される用途としては研究室、オフィス、子供部屋、教室など。「アイデアを出し合う空間」「落書きが自由にできる部屋」「家族の掲示版」など、そこに居住する人や目的に応じてクリエイティブな空間に変えることができる。また一方で、「黒ずんで汚れが目立つホワイトボードの再生もできる」と既に普及しているホワイトボードの修復利用などの用途も見込む。
同品は主剤0.49L(非危険物)、硬化剤0.28L(第4類第3石油類)の2液型水系塗料。乾燥時間(20℃)は指触約50分。塗布面積は約4m2。「工業用分野への展開も視野に入れたい」と事業領域の拡大も見据えている。

塗料と照明とのコラボを構想 大日本塗料

内装分野に関しては「商業施設関連需要での存在感をいかに高めていくかがカギ」(担当者)と見ている。「現在、住宅外装で人気の意匠性塗材も、元々は商空間デザインで使われ始め住宅へと波及していったもの。需要の裾野を広める上で商スペースでの採用は影響力が大きい」と見ているためだ。
これら商業施設関連では近年、意匠や演出効果から塗料・塗材による仕上げが伸長。その中で「いかに自社の存在感を高めていくかが課題」とし、ひとつの方策として「照明とのコラボレーション」を構想する。同社は店舗用を中心とした照明器材の製造関連子会社ニッポ電機とダイア蛍光及び販売会社DNライティングを擁しており、「商空間の演出で重要な照明ノウハウを抱えているのが当社ならではの強み」とし、現在交流を活発化させている。照明と仕上材とのコンビネーションを追求し差別化につなげたい意向だ。


一方、製品面で基点となるのが国内で初めてVOCゼロを達成した「ノボクリーン」シリーズだ。有機溶剤ゼロ、臭気レスなど安全性が絶対要件の室内用途において特に優位性を持つ。学校、医療関係、オフィスなど臭いを嫌う需要で好評。「この優位性を更に際立たせていく」とし訴求に努める。
また、今後の製品開発においても「ノボクリーンが基点」との考え。ゼロVOCの同品のワニスをベースに、意匠性など独自性の高い製品開発を指向する。安全性と意匠性、更に照明とのコラボといった新機軸で差別化を図り、内装需要開拓に注力する。

「トア杜」の物件採用に注力 トウペ

トウペでは内装用塗料マーケットとしてビルや学校施設などのメンテナンス需要向けへの展開を進めている。
「厳しい景気の影響からオフィスや商業ビルでの出入の動きがあり、メンテナンス需要はある」と担当者。仕上げ効率や塗り重ねられるメンテナンス性などのメリットをアピールして拡販を図っている。
同社が注力しているのが、水性2液反応硬化形ポリウレタン樹脂塗料「トア杜 Mori」だ。化粧パネルやプラスターボードの仕上げとして採用が増えている。同品は水性でありながら、優れた硬度、耐屈曲性、溶剤並みのレベリング性などを有する戦略製品。
「物件ごとの指定活動に注力している。単なる価格競争ではなく、良いものを評価してもらえるような案件に対して積極的営業を進めている」


また、汎用製品としてはJIS K 5663の1種・2種に対応している「トアVフリーシリーズ」を展開している。
「トアVフリーネクスト」はJIS K 5663 2種の艶消塗料。自己架橋形エマルション塗料で、耐可塑剤移行性を有しているため、塩ビクロスに直接塗装することが可能となっている。TVOCが配合上はゼロの超低VOC塗料として環境配慮にも対応している。
その他、ヤニやシミ止めに効果的なのが水性反応硬化形エマルション塗料「スイセイ ヒスイ」。水性塗料としてはトップレベルのヤニ・シミ止め性能を有しており、シーラーの「トアシミ止め」を併用することで頑固なヤニ・シミにも効果を発揮できる。

色調で販売を伸ばす トーヨーマテリア

シッケンズ木材保護塗料の屋内木部用「セトールBLデコール」(水性、F☆☆☆☆)が好調だ。一昨年、従来品からの改良版としてリニューアル発売。脱グリコールによる環境・安全性向上に加え、国内市場のカラートレンドを詳しく調査し、パステル系を基調とした厳選色をラインアップ。これが当たった。
半造膜タイプながら木目を鮮明に映す独特の風合いが特徴。木材の素材感を味わいつつ優しいパステルの色調が居住空間にやすらぎ感を与える。特に人気が高いのがアイボリー系で、ナチュラル、優しさ、清潔感、暖かみといったインテリアトレンドをうまく捉えているかたちだ。


住宅、商業施設、公共物件を問わず設計指定も増えている。先日行われた中学校の改築工事では同品が指定され、シナ合板で組まれた内壁に全面的に採用された。また、住宅においても自由設計の家などで採用が増えている。
使いやすさも大きな特長。ステイン→クリヤーといった工程を踏まず1度で着色と造膜ができるので工程が短縮。天井、壁、造作、建具、家具など幅広く適用。キッチンキャビネットメーカーが同品を指定しているなどコンスタントユーズも出始めている。
また床やテーブルトップなど塗膜強度を求められる部位に関しては、上塗りに「水性フロアー」仕様とするのがベストマッチング。摩耗や洗浄に高い耐性を持ちながらも素材感を損なわずパステルな暖かみも感じられる。ウッディーフロアなどには最適。

根強いニーズに性能で応える 日本オスモ

植物油原料の塗料を軸に機能性とエコロジー性の両立を訴求する日本オスモ。外装分野では木材保護塗料「オスモカラー ウッドステインプロテクター」とクリヤータイプの「同 ウッドステインクリアープラス」の販売を積極化する一方、内装分野ではフロア用塗料「同フロアクリアーラピッド」の販売を伸ばしている。
同品の最大の特長はこれまでの天然系塗料では成しえなかった速乾性を実現。指触乾燥時間約4~5時間と1日2回塗り施工を可能にした。


天然系塗料は設計関係や一般生活者など根強いファンを抱える中で、通常12時間~24時間を要する乾燥性の長さが難点の1つ。そのため速乾性の実現は、工事量の減少に伴い単価競争が一段と激しさを見せる中で、工期短縮に寄与するとして採用気運を高める契機となった。
性能面においてもドイツ・オスモ社の独自精製技術を駆使し、撥水性、耐汚れ性を付与。土足歩行が可能な耐摩耗性を持つ他、しょう油やワイン、コーヒーをこぼしてもシミにならないなど、高い塗膜性能も特長となっている。
仕上がり感においては、3分艶を揃えるが、1ランク上質のツヤ消しニーズには「同フロアクリアーラピッドマット」をラインアップ。メンテナンス用として「オスモオプティセット」も揃える。
販売展開においては、特約店会「ひまわり会」が設立1年が経過し、「販売協調関係が深まっている」(担当者)と手応えを感じている。

女性層への訴求で手応え ニッペホームプロダクツ

ホームセンターでの塗料販売を伸ばす鍵を握るのは女性層。「いかに女性の感性に訴求するか?」で知恵を絞っている。ニッペホームプロダクツが打ち出した戦略はアイ・キャッチに焦点をあわせた商品コンセプトの構築であった。
まず、大手ホームセンターとタイアップし、塗料売場の改革に着手。これまでのような用途別に陳列台を配するのではなく「売場に個性を持たせる」(担当者)点を工夫した。没個性的な売場からオリジナリティーのある主張を持った売場に変え、訴求力を込める。
その具体的アイテムが「ホワイティカラーズ」。単純に色数を増やすカラーバリエーション訴求から脱し、「くつろぎを感じる」奥深い色域で訴える配置に変えた。


この「ホワイティカラーズ」はまだ展開して日が浅いが、狙い通り女性層の関心をひきつけている。没個性的な陳列ではなく、ホワイトの魅力を前面に出したディスプレイでアイ・キャッチ。まずは商品に目をとめさせる。次にイメージに訴え「自分の部屋がこんなカラーリングに変化したら」との思いを消費者に抱かせる。
ひとつのカテゴリーでこれだけインパクトを持った商品はなかった。ホームセンター関係者も予想以上の反応に驚くとともに、ペイントカラーの可能性を実感したようだ。
「今後の販促のポイントとして潜在顧客である女性層への需要拡大が重要。感性レベルで鋭い主張を持ったアイテムで勝負したい」(担当者)。

他にない完成度の高さ 日本ルナファーザー

ビニルクロスへの塗装、ボードなどへの一般的な塗装に比べ、「上質感」で差をつけるのが「ルナファーザー+ペイント」スペックだ。「ルナファーザー」は塗装用下地壁紙の代表格。バージンパルプを素材とした「フリース」と再生紙に木材チップを漉き込んだ「チップス」の2種類の紙質があり、エンボスやチップの大きさにより20種類程のパターンが用意されている。
天然素材に由来するエコ感に加え、ポーラスなため透湿性があり、結露やカビの発生を抑えクリーンな空気感に包まれる。更に塗装面の下に隠れている紙繊維による微妙な陰影、手触り感が暖かみのある独特の風合いを醸し出し、「一度この空間を味わうと、他の部材は選択しない」と言うほど、インテリア仕上げとしての完成度が高い。


この「居心地の良さ」がルナファーザー+ペイントの最大の訴求点。ハイエンドな住宅シーンでは定番のスペックとなりつつある。
この「ルナファーザー」は本国ドイツではDIYでの需要も多い。ホームセンターで多く扱われ、住まい手自ら、張ってペイントして仕上げる。日本では既存ビニルクロスを剥がした後の裏紙や下地調整の課題もあるが、多少ハードなDIYerならやってやれないことはない。他の工法では得られない上質なインテリア空間を得られるといった意味では満足度が大きいはずだ。
インテリアペイント、それもセルフペイントの機運が盛り上がってきた昨今、「ルナファーザー+ペイント」まで突っ込んで提案するのもひとつの手だ。

室内用光触媒、実用化でリード ピアレックス・テクノロジーズ

フッ素樹脂+光触媒という新機軸の塗料で注目が高まっているピアレックス・テクノロジーズは、室内で効果を発揮する可視光応答型光触媒コーティング「ピュアコートV」を開発、販売を始めた。
九州工業大学の横野研究室が開発した硫黄ドープ酸化チタンは、これまでの可視光応答型光触媒に比べて極めて高い活性を示すものの塗料化がネック。デュポン社の特殊フッ素樹脂・ナフィオン(R)に光触媒酸化チタンを分散させる同社の独自技術がこの課題を解決、「ピュアコートV」として結実した。


蛍光灯、白熱灯、LEDなどいずれの室内照明でも高い活性を示す。例えば、わずか2000ルクスの可視光下で6時間以内にインフルエンザウィルス数が20分の1に減少(日本食品分析センター)が確認された他、抗菌、防臭、VOC分解、防カビなど室内空間の安全性、快適性を格段に高める。しかもバリア層不要のワンコート、1液タイプといった使いやすさに加え、有機樹脂をバインダーとしているため下地の動きといった内装特有の課題も解消。従来の無機系の制約を軽く突破した。病院、老健施設、学校、住宅など採用が広がっている。
更に材料代は約400円/m2とリーズナブル。市販の超短毛ローラーを使えばDIYも可能で、居住空間の困りごととして多い悪臭やカビを除去する効果が高いことから一般への訴求力、説得力が高い。居住空間を手軽に改善できるとの切り口で、提案の幅もグンと広がる。

色彩提案ツールの展開 山本通産

山本通産は世界の主要顔料メーカーの代理店としての機能を生かし、カスタマイズしたカラーシステム提案で独自性を発揮している。とりわけ塗料向けのカラーシステムとして注力しているのがCCMシステム。調色の効率化やスピード対応といった面のみでなく、色彩提案ツールとしての活用が広がると期待する。
日本以外のアジアを含め、世界各国の塗料販売のスタイルは、顧客が色彩を選んで店頭で調色してもらい購買する形が当たり前となっている。色彩の自由度こそペイントの最大の魅力だからこのスタイルが定着しているのだ。ところが日本だけが既調色品を売るスタイル。その原因としてよくライフスタイルの違いが指摘されてきた。インテリアの壁に塗る習慣がないというわけだ。


ところがこの先入観は崩れてきている。むしろインテリア空間でペイントカラーをうまく使いこなしたいとのニーズが30~40代の若い層に男女関係なく潜在していることが分かってきた。
問題は顕在化させる方法論。同社では店頭調色システムをカラー提案ツールとして活用する方向が強まってくると見ている。「モノの充足から心や精神面での充足を求めるトレンドが続いており、インテリアの空間を演出する壁や床・天井に消費者の目が向いていくことは必然。そこにペイントのカラーバリエーションの魅力を訴求するチャンスがある」(担当者)との見方。色彩産業への本格シフトの期待を込める。

塗料の性能高めるタネペン登場 横浜化成

水性コンクなど現場調色用高濃縮着色剤(通称タネペン)「ユニラント」を展開する横浜化成。昨年、水性塗料用隠ぺい力補助剤「とまり王」を上市し、着実に売れ行きを伸ばしている。
同品はこれまでのタネペンとは違い、塗料の性能向上に寄与するのが最大の特長。平滑性を向上させる特殊成分と均一に微細分散されたチタン白との相乗効果により、塗料の隠ぺい力を最大限に引き出す特長を有する。
中でも透けやすい淡彩色や黄系、赤系の濃彩色では効果が絶大。隠ぺい力を高めたことで、塗装工程の削減、塗料使用量の削減に直結。加えて、塗料の粘度を下げる効果を有しながら、ダレにくいといった特性がある。このため天井部位の施工など用途性を高めた。


内装塗料分野においては、VOCフリー塗料並びにゼロVOC塗料に代表される環境対応型水性塗料の利用が進む一方、塗装品質の観点から塗膜の緻密性やスパッタリング、質感など溶剤系と比べて指摘される課題も多い。それらに対しても「同品を添加することで超フラットな塗膜を形成することができる」と自信を見せる。
業界に残された事業領域として内装分野を視野に入れた需要喚起策が活発化する中で担当者は「多様な色ニーズに対して、メーカーの調色機能だけでは追いつかない。後添加で付加価値を高めるという新たなビジネスチャンスも生まれてくる」とコメントする。
適用は水性塗料全般。容量は260ml。添加量は石油缶1缶当たり半分~1本。コスト負担はm2換算で10円程度。

移動展示車投入、ダイレクトに訴求 和信化学工業

水系塗料に特化した製品ラインアップを進める和信化学工業。数年前から塗料販売店、塗装業者へのPR活動を積極化している他、最近では地域イベントの参加や若手設計士向けの講習会を開催するなど、営業活動の深掘りを進めている。
内装分野では環境対応型水系塗料「Aqurex(アクレックス)シリーズ」としてステイン、クリヤー、サンディング、フロア用、白木用、アク止めシーラーなど豊富なラインアップを揃える。主力の木部用ウレタンは、クリヤー、フラット半ツヤ、フラットの3タイプを上市。肉持ち感が高く、インテリア木部全般に対応する高性能ウレタン塗料として実績を高めている。


来るべき水系化時代に備えた差別化戦略を図る同社だが、マーケット全体における水系化の移行は鈍い。法的制約も少なく、長年使い慣れた油性系及び溶剤系へのニーズは根強い。しかし、同社は新たな営業施策に着手することで独自の価値訴求を図っている。
その一環として昨年、同社製品を塗布した板材などを並べた移動展示車「ガードラック号」の運行を開始した。地域のお祭りやイベントに参加し、塗装体験会などを実施。「実際見て触ってもらうことで、水系塗料の使い勝手や臭いのなさを知って頂ける」(担当者)と高評価。プロの業者や生活者と直接コミュニケーションを図ることでファン獲得を狙う。更に昨秋には女性目線のデザインを施した「ガードラック2号」を投入するなど、イベントへの参加を増やしていく意向を示す。

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