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Web特集

2010年03月01日

シリーズ: 揺れるライン塗装

揺れるライン塗装№154 東海金属工業(ノーリツイス) 高速色替えシステムで直行率向上 リードタイムの短縮にも貢献

オフィスファニチャーの生産を行っている東海金属工業(本社・愛知県弥富市、社長・青木通夫氏)は昨年の8月に約5,000万円を投じて高速色替え粉体塗装システムを導入した。生産アイテム数が多い中で、色数を集約して生産効率を高めている。今回、初めて粉体塗装を行う同社を取材した。
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専務取締役 青木輝護氏

世界同時不況は国内の家具メーカーにも深刻な影響を与えている。新設着工数が100万戸を下回りマンションやオフィスビルの着工数が激減している。当然、器が立たないと収める家具関連製品も売れない。「リーマンショック以来約1年を経過したが、需要は前年比40%ダウンの状態だ。しばらくこの状態が続くのではないか」とノーリツイス専務取締役の青木照護氏は顔を曇らせる。
同社はオフィスファニチャーの生産を行っているが、兄弟会社のノーリツイスが販売を手掛けており、『ノーリツイス』のブランドでイスをメインに自社製品を有するとともに大手メーカーのOEMも行っている。


同社が企画・販売しているイスは機能や用途に合わせ、さまざまなシーンで使用されてきた。身近なところでは会議室などで見られる折りたたみ式のメモ台の付いたイスだ。またフロアーアクセサリーとしてパンフレットスタンド、サインスタンド及びベルトリールパーティションなどもノーリツイスが企画し、東海金属工業が生産するというように両社が役割分担を行ってきた。「売上の70%がOEM供給によるが、大阪・東京・札幌に営業所を置き、自社商品の販売にも力を注いでいる」と青木専務は説明する。
自社ブランド商品の受注はカタログ販売で行っており、アイテム数は数千点に及ぶという。生産品目で見ると自社ブランドにOEM商品が加わり、そこに色数が加算されると膨大な点数に膨れ上がる。生産部門の東海金属工業はこれを受注生産でこなしている。


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前処理ライン

20100127-6-5.JPG カラーマックスQ3

色数を集約して生産性を高める

ここ数年の間にスチール家具関連は粉体塗装に置き換わってきた。特に大手メーカー各社は環境対策からその動きを強め、下請け業者、更には中小メーカーへと波及している。
両社は3年前から同業他社の粉体塗装ラインの見学を行うとともに機器メーカーの説明を受けるなど検討を重ねてきた。「これまでの溶剤ラインの老朽化による不具合の発生に加え、環境問題、更に熟練工による経験と勘から数値管理に切り替えることで標準化が図られる」(同氏)と導入理由を挙げる。特に粉体塗装は溶剤系塗装と比較して塗装が容易で管理しやすいといったメリットを強調する。
導入した高速色替え粉体塗装システムはノードソン製を採用した。システム選定では業界での採用実績と他社の工場見学から決めたという。また粉体塗装に置き換えるに当たっては生産性を追求すると頻繁な色替えは効率の低下につながる。かつコストアップの要因にもなりかねない。そこで21色ある色相を7色に集約。特にメタリック色は5色から1色に絞り込んだ。「営業サイドからすると色数の多い方が売りやすい。しかし生産効率、コスト、売れ筋商品などから色数を減らしても大きな売上減には至らないとの結論に達した」と青木専務。


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被塗物の折りたたみ椅子

溶剤系塗装時の1日の色替え回数は10回以上。需要が落ちているというものの粉体塗装における1日の色替え回数は4‐5回という。回数では半分以下になっているものの色替えに要する時間が全く違う。「現状の色替えは2人で10分くらい。かなり余裕を持ってやっている。しかし溶剤系塗装の不良によるスケやタレの手直しに要する時間を考えれば確実に直行率は上がっており、品質レベルも高い」と製造部生産技術係の寺村譲氏。
更に納期の問題がある。「受注を受けてから4日後に生産し、1日検品に当て翌日出荷の6日のローテーションで回している。受注から生産まで4日間の猶予があるものの、実際に当社に発注が起きるのは1~2日ずれてくる。納期が決まっているのでこの4日間で調整することになる。3日遅れると段取りが間に合わなくなる」と同氏。従って同社としては不良率の低減が導入効果のカギを握る。


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1レシプロ4ガンを対面に設置

新機構のポンプでソフトスプレー

新たに設置した粉体塗装システムのブースは高速色替えブース『カラーマックスQ3(キューブ)』。ノードソンが誇るカスタマイズに対応したカラーマックスのスタンダードタイプで壁面には塗料が付着しにくい特殊樹脂のアポジーを採用。1レシプロ4ガン(シュアーコートガン)を対面に設置し、前後で補正が行えるようにした。


供給装置は新タイプのポンプを装備したPRODIGY POWDER PORT。コントローラはデジタル表示のiControl Systemで255のレシピに対応可能。とりわけ今回導入した供給装置の新型ポンプ・PRODIGY POWDER PORTは極めて少ないエアで塗料を搬送するとともに搬送時のエア量と(塗料の)吐出時のエア量を独立して制御できることから塗装のスプレーをソフトに行うことができるといった特長を持つ。
また前後の補正については折りたたみイスの開閉部分に塗料がうまく乗らないことから、補正で膜厚を確保する。「形状がさまざまでレシプロだけでは入り込まない部分への対応」という。
塗装条件は1ガン当たりの吐出量が45‐85g/min。ガンと被塗物の距離は200㎜を標準に50㎜ピッチで前後の移動で調整(自動)して最適膜厚を確保するようにしている。「iControlのレシピは110ほど記憶させている」と寺村氏。また最大被塗物は高さ1800㎜×幅700㎜まで対応可能。


前処理ラインと焼付乾燥炉は従来のまま焼付乾燥炉の温度を200℃まで昇温できるように改造した。前処理は予備脱脂‐脱脂‐水洗‐水洗‐水切り乾燥を経て粉体塗装。焼付乾燥は物温で180℃×15分に設定している。ラインの全長は270m。ラインスピードは2.5m/min。塗料はポリエステル系塗料を使用。日本ペイントが供給している。
品質管理は外観チェックと膜厚計による膜厚検査がメイン。「(被塗物の)要求膜厚は溶剤系塗装と同じ要求品質になっているので、最低30μm以上付いていれば問題ない。粉体塗装の場合は50‐80μm程の膜厚になっている」(同氏)と過剰品質ともいえる。
その他、JIS規格商品についてはその規格に則り防錆性、密着性、衝撃性及びアンモニアや酢酸などによる抵抗試験を1年に1回実施しているという。

国内生産のメリットを差別化に

販売部門のノーリツイスは自社商品とOEM商品を手掛けているが、新しい商品企画を図ることでマーケットシェアを高めていきたい意向だ。「開発部隊を持っているのでデザイン性や機能性などを追求することで差別化を図り、OEM先に提案するなどして存在価値を高めていく必要がある」と青木専務。
また国内での一貫生産の強みを発揮し小ロット多品種・短納期への対応を進めていく。「粉体塗装は始まったばかり、今後自社のノウハウを積み上げていくことで品質及び生産性の向上を図っていきた」(同氏)と期待は高まる。


特に塗装の内製化について「メーカーである以上、自社で保証していく必要があるので、品質において自前で塗装し、管理していくことが信頼性に結びつくと判断している」と青木専務はコメントする。
同社はイスの修理も行っている。不具合が生じたものは送ってもらい部品交換など手直しして送り返す。「国内でモノ作りをしている以上修理も大切な業務のひとつ。長く使用して頂くのは嬉しいことだ。その代わり、廃盤になったイスの部品も在庫しておく必要がある。プレスの金型は捨てるわけにいかない」(同氏)という。
自社の強みを発揮することで他社に負けない生産メーカーとして独自の地歩を築いていく方向だ。


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新タイプの塗料供給装置

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