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Web特集

2010年04月13日

遮熱(屋根用)塗料特集2010 メーカー動向(2010年製品トレンド)

塗料

高グレード化に対応、新製品活発化 2010年製品トレンド

製品開発のベクトルとして共通するのは、経年劣化を考慮した耐久性グレードの向上。シリコン、フッ素樹脂系といった高耐候性樹脂系塗料の投入が相次ぐ他、反射性能による持続性を確保するため、低汚染性機能もスタンダード化している。
 その一方で製品開発の現場では、樹脂系の高度化と合わせて、遮熱性能の要である顔料設計の見直しが進んでいる。色あせや変色対策など、一般屋根用塗料とは異なった顔料設計が不可欠になっており、各社水面下で製品改良を進めている現状にある。顔料設計の見直しは、常備色及び調色対応という生産管理の領域に影響を及ぼす。耐候性や反射性能を維持しながら、市場コストにどう対応していくか。反射率の表示も含めて、各社カタログの刷新及び常備色の見直しが進んでいる。
一方、グリーン購入法調達品目に高日射反射率防水が認定されたことを受け、防水用トップコートの投入も目立っている。

トータルシステムの強み エスケー化研

エスケー化研は高い外装分野のシェア力を活用し、屋根・床分野におけるシェアアップに注力する。この分野は同社にとって外装分野ほどの占有率がなく、パイの拡大が見込めるためだ。
このため屋根分野の武器となるのが遮熱機能。商品としては「クールタイトシリーズ」で、水性から溶剤タイプまでそれぞれにポリウレタン系、アクリルシリコン系、フッ素系まで取り揃えている。
工法としては「クールタイトHI工法」を展開。この工法の特長は遮熱機能に防水機能を付与するとともに、独自の超低汚染技術(セラミック複合化)を導入し、遮熱効果を低下させる汚れ対策によって反射率を保持する。
また「クールテクト工法」は外壁遮熱塗り替え工法。水性システムでアクリルシリコン系とフッ素のバージョンを用意。下塗りには微弾性アクリルシリコン樹脂サーフェーサー「水性クールテクトF」をラインアップ。遮熱効果ばかりでなく、外壁を熱劣化から守る。


市場展開としては屋根・外壁・床のトータルシステムに特色を出す。とりわけ屋根と外壁の遮熱により、省エネ効果を相乗化するメリットを訴える。環境システムとして遮熱機能をスタンダード化する作戦。
「市場はコストにシビアになる一方で、環境システムへの関心は高まっている。『塗り替え時期に遮熱機能を』との声は着実に増えてきている。当社の遮熱シリーズの売上も拡大を続けている」(担当者)。

性能を理解してもらうことが大切 トウペ

トウペの遮熱塗料は「トアスカイコートシャネツ」の3製品を上市。「防錆や美観といった塗料本来の役割だけでなく、生活者が身近に感じられる機能が市場では必要とされている」(担当者)として販売に注力する。
屋根用遮熱塗料「トアスカイコートシャネツ」はトップコート用として弱溶剤ウレタン樹脂塗料「同U」と水性ハルスハイブリッド樹脂塗料「同W‐HALS」があり、また中塗りに水系1液形厚膜塗料「同MO」を塗ることで高度遮熱機能を提案する。
「同W‐HALS」はシリコン樹脂塗料を凌ぐ耐候性を有するハルスハイブリッド「ハイウェザーDC」の遮熱タイプ。水性、低汚染、高耐候性の性能はそのままに、特殊顔料の配合により高遮熱機能を付与している。


ただ遮熱塗料は生活者にも理解しやすい機能を有するだけに、その普及手順には慎重な姿勢で進める。
「機能を売る場合にはきちんと理解してもらわなければならない。耐候性であれば目に見えて理解できるが、遮熱塗料は体感、感覚の部分が多く分かりにくいとも言える。室内温度の低減や省エネ効果などは開口部など建物のさまざまな条件により異なる。そのため、性能をきちんと納得してもらう必要がある」と担当者。
同社では自社の試験データだけでなく、第三者機関の日本塗料検査協会による測定データ(同U:日射反射率52.9%、同W‐HALS:51.7% ※N6.1)を提示した上で、ユーザーや施主へ建物に適した提案を行っている。

性能に自信、戸建て向け拡充へ 大日本塗料

遮熱塗料「エコクールシリーズ」を展開する大日本塗料は、屋根・壁用、路面用を中心として、水系、弱溶剤の製品を耐久性に応じた樹脂系別に選択でき、すべての色に対応できる調色体制を取っており好評を得ている。
担当者は「採用物件の多くは工場屋根などの企業物件で占めている」とコメント。シミュレーションなどによる効果訴求を図る一方、塗料製品では少ないカーボンオフセットを付与。二酸化炭素排出権を購入し、「エコクール」の製造で消費される電力、燃料から排出される二酸化炭素のオフセット(相殺)を実現した。「エコクール」を塗装した施主には証明書を送付するなど、地球温暖化防止への具体的な取り組みが企業顧客からの信頼向上につながっている。


今後の展開に関して、「本塗料がグリーン購入法特定調達品目として扱われること、JIS化への動きなどを考慮して、カタログ類の充実化を予定している」と説明。塗料の性能についても標準色で反射性能基準をクリアしており、濃色対応の充実化を図ることで戸建て塗り替え分野についても拡大を見据えている。
今後の差別化展開について「日射反射率が性能に直結する以上、全波長領域での性能を高めていくことが重要。また保護、美観という塗料としての基本性能を踏まえた上で性能向上に努めていく」と話す。
同社では平成20年度に環境省が行った実証事業でも「高い評価結果が得られた」と性能面で自信を深めている。

金属屋根面のオール水系仕様構築 神東塗料

遮熱塗料においては、屋根、外壁、舗装道路向けを中心に豊富なラインアップを揃える一方で、鉄部プラント向けの遮熱製品を揃えるなど同社の強みを生かした製品投入を図っている。
屋根向けでは水性、弱溶剤ともに耐候性、低汚染性を保持するアクリルシリコン樹脂に特化し、性能面での優位性を訴求する。
上塗りには1液自己架橋型水系タイプの「水性サンカットルーフ」、1液弱溶剤形タイプの「マイルドサンカットルーフ」を上市。更に金属屋根向けの断熱用主材として「水性サンカットシャダン」を中塗りに組み込むことで厚膜仕上げを施し、高性能要求に対応している。


また「水性サンカットルーフ」の下塗りは窯業系屋根向けに水系カチオン形シーラー「水性サンカットシーラー」を上市する他、2液水系エポキシ樹脂プライマー「水性サンカットプライマー」を上市。金属屋根面でのオール水系仕様も揃え、環境対応力を差別化につなげている。
一方、外壁用では断熱用主材として「水性サンカットウォール」を上市する他、上塗りには超耐候性水系アクリルシリコン塗料「水性サンカットウォール」、超耐候性水性無機有機ハイブリッド塗料「水性サンカットトップセラ」の2製品を上市する。
また得意分野である鉄部プラント用遮熱製品として2液ウレタン遮熱用上塗「サンカットウレタン」を上市。舗装道路向けの「SPリクフェクターW」と合わせ用途拡充も進めている。

陸屋根、舗装面に特化 インターナショナルペイント

インターナショナルペイントは「住宅屋根、外壁用は効果が薄い」として、陸屋根向けの防水トップコート、路面用に特化した遮熱塗料製品の投入を図っている。
ベランダや陸屋根向けの簡易防水材として展開する「IPライトプルーフ遮熱」は、「IPプルーフシリーズ」として水系1液型高性能アクリルゴム系「IPライトプルーフ」、ウレタンタイプの「IPライトプルーフウレタン」を擁する。
遮熱タイプの「IPプルーフ遮熱」は防水、遮熱、断熱効果を兼ね備えた水系1液型簡易防水材として、特殊顔料を配合することで赤外線反射効果を付与。厚膜工法によって得られる断熱効果と合わせて屋上面での温度上昇を抑制する機能を持つ。


直井社長は「大型商業施設の屋上などにテスト施工を通じて良い評価が得られている」とコメント。塗り替え需要を中心に今後の販売拡大に期待感を寄せる。
一方、アスファルト舗装用の「IP遮熱アスファルトコート」は工場や歩道、駐車場などの軽舗装面がターゲット。水性1液有機・無機ハイブリッド型エマルション塗料で、黒色、グレー色の2色を揃え、アスファルト色を生かした仕上がり感が得られる。
同品は速乾環境反応技術とシロキサン結合との相乗効果により強靭な塗膜を形成し、優れた耐摩耗性を保持。熱、紫外線、酸化に対して強い保護性能を有し、アスファルトの劣化防止に寄与する。

防水材向け水系トップコート投入 大同塗料

主力分野である屋根用向けに遮熱塗料製品を拡充する一方で、用途展開による市場開拓を積極化する大同塗料。「床用塗料が企業の不景気により冷え込む中で、屋根用塗料は善戦している」(担当者)と屋根用分野と新規プロジェクトとして進める土木分野が下支えしている。
遮熱塗料製品としては、このほど防水トップコート用高反射率塗料「水系ソフトトップコート」を発売する。
遮熱タイプの防水トップコートとしてはかねてからウレタンタイプの「屋根クールU」を上市。陸屋根の多い沖縄などで豊富な実績を有しているが、水系でかつ耐候性、柔軟性を有するアクリルウレタンタイプの新製品を投入することで環境対応及び高耐久ニーズに対応する。また屋根用高日射反射率塗料、高日射反射率防水がグリーン購入法特定調達品に採用されたことを契機に自社の塗膜防水材と合わせた販売拡大に期待感を募らせている。


主力の屋根用遮熱では「すべての顧客が遮熱機能を求めているわけではない」(担当者)と鋼板屋根用長期重防食塗料「ハイアルマ」が根強い人気を抱える一方、「屋根クールネオ」を中心に「水系パーマフッソ」「水系パーマシリコン」など環境対応型高グレード製品による品揃えで拡充を進める。
また、軽歩道路面用「カラーファルトクール」、プールサイド用「プールコート サイドカラー遮熱型」、温室ビニルハウス用「クールコート」を上市するなど、需要開拓力を強みに積極的な用途展開を図っている。 

施工店支援が販売量に直結 アステックペイントジャパン

アステックペイントの屋根用遮熱防水塗料「EC-100」及び外壁用遮熱防水塗料「EC-2000」の販売が「ここ3年間、毎年25~35%の伸長を続けている」(菅原徹社長)と極めて好調だ。高い遮熱性能に加え、伸縮性640%の単層超弾性塗膜による防水機能、アクリル本来の性能を最大限に引き出した"ピュアアクリル樹脂"の耐久・耐候性など、建物に最も大切な耐久性と防水機能を高い次元で両立していることが優位性を築いている。


施工店直接販売を施策とする同社。新規加盟は毎年50社以上増加し、現在は全国300社近くを数える。「デフレが進行する中、より低価格で高品質な工事やサービスを提供するためには地元塗装会社による元請受注が有効」(同)との考えのもと、これら加盟施工店の支援に力点を置く。塗料の差別化機能を明確にプレゼンできる資料やデモ用などのプロモーションツールは群を抜いて充実。加えて、より実践的な営業研修を継続開催、各加盟店の受注力、競争力アップにつながっている。


同社では住宅、工場・倉庫、ビル・マンションと3つのチャネルに分けて事業展開。住宅チャネルへの材料販売は毎年50%以上の伸びを続けており、同社の厚い支援策による加盟店の実力アップが奏功しているかたちだ。また設備投資抑制で冷え込んでいた工場・倉庫向けでも機能・性能本位での採用が増加、2万m2以上の案件を多数受注するなど回転し始めた。今春以降、ビル・マンションチャネルでの元請化支援を強化、全方位体制を整える。

投資効果を訴求、高品質に自信 大高商会

セラミック遮熱・断熱塗料「クールサーム」を展開する大高商会。市場参入して17年が経過し、累計施工面積450万m2を超えるなど他を凌ぐ実績数を抱える。技術資料では実名企業入りの採用事例や実証データを盛り込み、実績と直結した豊富なデータを強みに、コスト試算に厳しい企業物件において需要を伸ばす要因となっている。
「クールサーム」はNASAが開発した特性の違う4種類のセラミック微粒子を塗膜中に配向し、赤外線領域を含む広い領域で熱線を放射・放散する機能を持つ。同社が行った試験によると施工後の表面温度低下は最大で30℃に達し、電気代換算(1万m2)で年間840万円削減を実現。投資効果に見合う省エネ技術として訴求を図っている。


機能の持続性については、セラミック微粒子が塗膜中に整然と並ぶため、表面の汚れによる機能低下はほとんどない。また12年経過した実物件のサンプルを第三者機関で試験したところによると、日射反射率は79.2%(全波長領域)と高い数値が得られたという。現在、同社はこれらの特性を生かした形で用途拡大を積極化しており、工場や倉庫、防水シート、プラント、冷凍倉庫、石油備蓄タンクと需要の幅を広げている。
更に同社は一昨年、アメリカ製の水性スーパーセラミック断熱塗料「ヘッジコート」を発売。グラスウール断熱材に匹敵する熱伝導率を有する断熱塗料として、印刷工場の乾燥炉や自動車工場の熱処理炉に採用されるなど、新たな展開も見せている。

新ブランド投入、40色を展開 日本ペイント

日本ペイントは昨年秋、材料販売用の遮熱ブランドを統一、新遮熱ブランド「サーモアイ」を立ち上げた。
耐候性、反射性の持続性など品質・性能向上を図る一方で、これまでブランド名が分かれていた材料販売用の遮熱製品を統合することでユーザーへの認知訴求度を高めるのが狙い。専用ウェブサイトを開設し、業界初となる色相別に日射反射率のカタログ表示を実施。企業顧客向けには遮熱シミュレーションサービスを開始するなど新機軸のマーケティングに関心を集めている。


新ブランド展開に際し、「時期的には最需要期を過ぎていたが、予想以上の反響が得られ、販売量にも直結した」(担当者)と一昨年比で2ケタ増の伸長。反射性能の表示についても後発メーカーの追随は覚悟の上。「技術に対する信頼や機能に対する適切な理解が得られ、好意的に受け止めて頂いている。社業を通じて社会に貢献するという当社の理念を具現化する」と新しい試みをいとわない姿勢を強調する。


サーモアイの最大の特長は標準色の豊富さ。屋根向けだけでも濃色、淡彩色合わせ40色の標準色を用意。路面用・床用も10色を揃え、圧倒的な色数による優位性を確保する。
豊富な標準色を展開する背景には2011年秋にスタートが予定されるJIS規格への対応が視野にある。「色相別にJIS認証を受けなければならない以上、調色品にJIS認証を受ける対応は現実的に不可能」と説明。豊富な色展開を差別化に生産、技術、営業を絡めた総合力で一気に勝負に出る。

屋根・床との相乗効果発揮 アトミクス

アトミクスは「アトム遮熱バリアルーフ」「アトムカラーベストスーパー遮熱マイルドワン」を投入、市場展開を加速させている。
「アトム遮熱バリアルーフ」の最大の特長は、下塗り・上塗りそれぞれ1回、2回塗りの省工程システム。1回塗りでも隠ぺい性が高くタレにくいため作業性が良いと施工業者からは高い評価を得ている。
「省工程のため人件費が抑えられる点が施工側のメリット。コストにシビアになっている分、このメリットは大きい」と担当者。
「スーパー遮熱マイルドワン」は1液シリコンウレタンハルス塗料。シリコン・ウレタンのハイブリッドタイプの高耐候性に加え、アクティブHALSが紫外線をブロック。ロングライフを実現した遮熱塗料のバージョンだ。


その特長は弱溶剤タイプのため旧塗膜を侵さず、特に2液アクリルウレタンの旧塗膜にはプライマーなしで密着。「ツヤあり」と「半ツヤ」の2種類でカラーバリエーションはブラック、チョコブラウン、チョコレート、ミッドナイトグレー、アイビーブラウンの5色。
また防水材関係でも「アトレーヌ水性防水材」+トップコートの遮熱仕様も用意されている。
市場展開の中心は同社が強みを持つ塗床材との組み合わせ提案セールスや既存ユーザーの掘り起こし。「床と屋根に対するトータルシステムとして展開し、当社のオリジナル性をアピールしていきたい」との意向。

防水向けに強み 中央ペイント

中央ペイントは遮熱塗料製品として中塗り層に中空状バルーンを配合した屋根用遮熱塗料「CPエコ」、太陽熱高反射塗料「クールワン」、路面用遮熱塗料「ヒルム」の3製品を上市。責任施工を軸とした販売展開を進めている。
参入企業が増す中で同社の強みは10年以上に及ぶ豊富な実績。異業種との連携を積極化することで、既存の領域を超えた受注体制の強化及び需要開発を行っている。
特にチャンスとして捉えるのは、防水材とのマッチング。ゴム系防水材、FRP防水材、塗膜防水材への塗装にノウハウを有し、各種防水材に対応したプライマーを開発。遮熱機能を有するトップコートを塗布することによる省エネ効果及び防水材の劣化抑止が期待される。


主力製品の「CPエコ」は、中空状バルーンと赤外線反射型特殊顔料を配合した厚膜タイプの遮熱塗料。プライマーを塗布後、主材塗り2回、上塗り2回の5工程仕上げ。1mm以上の厚膜で強靭な塗膜を形成し、太陽光の熱を抑える。1年通じた省エネ効果が特長。冬場も外部への熱を逃さない保温材としての機能を有する。その他、防錆効果、遮音効果に優れる。
「クールワン」は特殊遮熱ベース層と赤外線反射機能を有する上塗りを組み合わせた中膜タイプの太陽熱高反射遮熱塗料。
下塗り、ベース層の中塗り、上塗りの3工程仕上げで刷毛、ローラー、吹付に対応する。各種屋根材の他、屋上防水材への適用も見据えている。

機能の本筋を追求 ミラクール販売

ミラクール販売は「ミラクール」を建築分野、道路舗装分野、アスレチック施設分野で展開、「工場屋根分野は低迷しているが、幅広い分野に広がりを見せている」(担当者)という。
特に道路舗装はNIPPOコーポレーションとの資本提携を生かし、活発な動き。「まだ分母が小さいが伸び率は高い」と市場開発に力が入ってきている。


ミラクールは遮熱塗料のパイオニアとしての実績に加え、各種テスト施工での高い評価が強み。しかし過去の実績に甘えていると競合が厳しいこの分野での成長はないと考えている。
「遮熱塗料市場はこのままでは価格競争だけの市場になり、どのメーカーも利益が出なくなる。当社としては機能性塗料としての正道をいきたい。物件に対してはユーザーや施主が納得できるレベルの診断やシミュレーションを行っている。確かにシミュレーションと実際の違いはあるが、これまでの実績から逆算し、省エネ効果が得られている事実をアピールしたい」


また最近の外壁の遮熱の適用に対し「水平面や鉛直面が受ける直達日射量のデータを見ると、ほとんど効果がないことが分かる。この辺をきちんと説明しないと遮熱塗料全体の信頼性にキズをつけることになる」と警鐘を鳴らす。
同社が今注力するのがアジア・新興国での展開。シンガポールでのテスト結果を武器にまず進出している日系企業の工場屋根での実績づくりを目指す。「手応えがあるので拡大していきたい」とコメント。

淡彩色+フッ素光触媒で遮熱 ピアレックス・テクノロジーズ

遮熱塗料の遮熱性能劣化の要因として汚れの付着、積層が問題視されている。特に都市部で発生する煤煙、油汚れは熱吸収を高めるばかりか、しつこい汚れとして積層して、遮熱性能、美観ともに劣化させる。
こうした問題に対しピアレックス・テクノロジーズは、淡色系着色塗料+光触媒フッ素系塗料「ピュアコート」の組み合わせによる遮熱効果の性能劣化抑制を提案、採用が広がっている。


同仕様は元々日射反射の高い淡彩系の塗装で、汚れの付着・積層を防ぐことで遮熱性能を持続させるというアプローチ。それ自体が高い親水性を持つフッ素樹脂・ナフィオンを塗料樹脂としているため極めて高い防汚性能を発揮、汚れによる性能劣化を抑制する。加えてフッ素樹脂の超耐候性により、ベース着色塗料の顔料劣化を抑止、塗膜の長期耐久性に寄与する。
遮熱グレードの塗料を用いずとも充分かつ長期の遮熱性能が得られるため採用事例が増加。また屋上シート防水の遮熱トップコートとしても期待。

Sun瓦Xトップが好調 エーエスペイント

エーエスペイントはセメント瓦・洋風コンクリート瓦の塗り替え専用塗料として「Sun瓦」シリーズを自社ブランドで市場展開している。
Sun瓦シリーズは出荷量が前年比10%増と好調に推移。その中でも2液形弱溶剤シリコン変性樹脂塗料「Sun瓦Xトップ」は40%増と大きな伸びを見せる。「耐候性が優れており、弱溶剤のため膨れや剥がれといったリスクが低減できる点が評価されている」と担当者。
また、1液形水性シリコン樹脂塗料「Sun瓦Sトップ」は臭気が気になる現場などで増えている他、ハウスメーカーの塗り替えスペックに採用されるなど存在感を強めている。
その他のラインアップとしては、2液形ポリウレタン樹脂塗料「Sun瓦Uトップ」、アクリル樹脂塗料「Sun瓦Aトップ」を揃え市場展開している。


同社では下塗り塗料を重要視しているため、セメント瓦、洋風コンクリート瓦に適した下塗り塗料を劣化程度に合わせてそれぞれ揃えている。
セメント瓦用の塗り替えシステムとしては、劣化程度を3段階に分けて下塗り塗料を選択することを提案。今後は更に劣化程度が悪いケースに対応するためフィラーの開発を検討中。
また、洋風コンクリート瓦用では下塗り+中塗り+上塗りの3工程を標準仕様としている。ただ、一部の新興住宅地では塗り替えから10年経っているケースが出てきており、同社ではそうした場合に向けた新たな塗装システムの開発に着手する。

水系フッ素を投入、製品投入積極化 水谷ペイント

水谷ペイントの遮熱塗料製品は、ウレタン、シリコンといった各樹脂系に水系、弱溶剤、1液、2液タイプをラインアップ。主力分野である屋根向けにきめ細かい品揃えを図ることで汎用力を高めている。
市場動向について担当者は「床の冷え込みに比べて、屋根用塗料は堅調に推移している」と説明。主戦場とする屋根用塗料の拡充を掲げており、ここ近年新製品の投入を活発化している。
遮熱塗料については「まだまだ一般屋根用が占める比率が高い」としているが、「快適サーモ」(弱溶剤2液ウレタン、シリコン)、「水系ナノシリコン」、「デルニエX」(弱溶剤1液ウレタン)、「サーモ工法」(吹きつけ・ローラー仕様)、「ハイパー遮熱シリーズ」(弱溶剤シリコン、水系シリコン)とラインアップの充実化を進めている。


特に昨年は、ローラー工法による厚膜仕上げを可能にした「サーモ工法R」を発売。中塗り層に真球状の中空フィラーを配合した「サーモベースR」、上塗りに赤外線反射効果を有する「サーモR上塗り」という仕様により、優れた遮断・断熱性、防音性を付与する。またローラー施工を可能にしたことで、作業性が向上。トータルコストの低減に寄与する
また同社は、このほど一般屋根用として、超耐候性フッ素樹脂屋根用塗料「水系パワーフロン」を発売する。これまで溶剤系のみのラインアップだったが、一気に水系1液タイプのフッ素樹脂塗料を投入することで、高耐久性ニーズに対応する。

フッ素のWコートで美観性強化 AGCコーテック

旭硝子の「ルミフロン」ベースのフッ素樹脂塗料に特化するAGCコーテックは一昨年、大林組との共同開発品として太陽熱高反射率塗料「ボンフロン サンバリア」を上市した。
開発コンセプトは圧倒的な耐久性の確保。フッ素樹脂を採用し15年以上の耐久性を訴求するべく、安全性とフッ素樹脂の性能に合わせた顔料の選択にも留意し、ノンクロム顔料を採用している。従来品と同様10年の塗膜保証を打ち出すなど性能に対する技術力を武器に高グレードニーズをターゲットに見据える。


塗装仕様は金属屋根材、新生スレート瓦ともに下塗り、中塗り、上塗り2回の4工程仕様。特に上塗りは高反射性を有する「ボンフロン サンバリア」を塗布した後、フッ素樹脂クリヤー塗装によるフッ素のWコート仕上げ。塗膜表面を親水化させるクリヤーにより低汚染性を付与。美観を長期間維持し、反射機能の持続に寄与する。また「塗り替えの際は、クリヤーのみの塗装で済む」(担当者)とメンテナンス性の高さも売りにする。現在、屋根向けの他、ウレタン防水材のトップコートとしての需要も伸ばしている。
また色ニーズに対しては調色対応を構築しており、「色ブレのない調色体制も差別化の1つ」と説明する。
6月末には外壁用として「ボンフロン サンバリア外壁用」を投入する予定。モルタル、窯業系サイディングをターゲットに屋根と合わせて、外壁への遮熱化提案を進めていく。

ガラス向けを視野、応用展開へ 日本特殊塗料

現在、高反射率塗料市場でトップシェアと目される日本特殊塗料。平成16年から本格化したアタッシュケースに搭載した携帯型デモ機がブレーク。遮熱機能の効果が体感、視覚的に訴求できることから塗装業者及び塗料販売店に広まった。提供、販売も含めこれまでの累計頒布数は500セットを超える。
市場をリードする要因として、いち早く遮熱塗料専用ブランド「パラサーモ」を構築。遮熱塗料に特化した営業展開を図る一方、屋根、外壁、防水、舗装材と製品ラインアップ及び用途展開を進めてきた。また屋根向けに常備色18色(濃色タイプ)と豊富に揃えていることも差別化につながっている。


担当者は「屋根用も含めてまだまだ需要は伸びるだろう」とコメント。受注件数では戸建て向けが多く占めるが、今後は企業物件への拡充を図っていく意向。「遮熱塗装のリピートオーダーが増えている」と採用先のインタビューを販促物にするなど訴求力向上を図る。
同社が見据えるのは遮熱機能の深掘り、深耕による総合事業化。「ガラス向けの研究も進めており、年内には形にしたい」と工業分野への応用を含め、単なる製品供給にとどまらないソリューションの提供を視野に入れている。
現在、中塗り層に中空バルーンを配合した高グレード仕様として屋根向けに「パラサーモシールド」、外壁用に「NTダンネツコート」をラインアップ。「適切な用途に使用することで効果が得られる」と説明。また保証対応にも実績を持つ、防水遮熱仕様の需要拡大にも期待感を見せている。

ブランド力で差別化 関西ペイント

関西ペイントは「ヒルムシリーズ」として遮熱・断熱塗料を統合、幅広いニーズを吸収していく展開に入った。「ヒルムがマスコミに取り上げられ、これによるブランド認知を高めていく」というのが基本路線。
特に力を入れているのが遮熱・断熱効果を手軽にパソコンでシミュレーションできるシステムでの提案。節電効果やCO2削減の目安となるデータが得られるシステム。末端ユーザーの掘り起こしに寄与する。
ヒルムシリーズは「CPエコ」「ヒルムR‐10」「ヒルムR‐91」「ドリームコート」「ヒルムA」で構成され、屋根・壁(断熱)・路面をカバーしている。


同社独自のシミュレーションによると、屋根にヒルムを施工(1,000m2)すると、CO2の排出量は盛夏期で12,298kg、コストに換算すると29万9,138円。更に外壁に湿式断熱躯体保護防水仕上材「ドリームコート」を施工することで、CO2削減量は2,527kg、コストは6万1,479円の削減につながる。合計するとCO2を15,000kg弱、コストメリットは約36万円と試算することができる。
市場展開はブランドビルディング。ヒルムの認知をどこまで高めることができるかが鍵。このためダイレクトマーケティングを模索する。最終の施主や生活者レベルまでの浸透を計画。「遮熱・断熱効果ばかりでなく、ブランド力での信頼性や安心をアピールしていきたい。そのためには地道な活動とサービス力の発揮が必要となる」(担当者)。

船舶分野に注力 中国塗料

中国塗料では遮熱塗料「サーモシャダン」を展開している。従来タイプは中空バルーンを配合していたが、この程特殊遮熱顔料で遮熱効果を発揮させるタイプを開発し、新たな販売戦略を進める。
ポリウレタン樹脂系の高日射反射率塗料「サーモシャダンPU」は遮熱顔料により塗装面が太陽光線の赤外線領域を効率よく反射し、優れた遮熱効果を発揮する。また、塗膜性能が優秀なポリウレタン樹脂をベースとしているため、高耐候で耐水性や耐薬品性にも優れており、長期間の耐久性を発揮する。
同社が実施したハロゲンランプを使用した遮熱効果の実験では一般塗料に比べて、表面温度及び表裏温度で10度以上の低減効果が実証された。


船舶内の環境向上の一環としても遮熱塗料が注目されており、船舶分野で多くの実績を積んでいる同社ではターゲットを絞った販売戦略を図る。
「船舶分野での経験を生かして、甲板などでの温度低減を提案していく。グレーやグリーンの色相も揃えており提案幅も広がった」(担当者)として、船舶居住区の屋根や甲板、プラント、タンク、工場での採用を図っていく。
サーモシャダンではポリウレタン樹脂系の他、弱溶剤形ポリウレタン樹脂系とアクリル樹脂系をラインアップ。


また、屋根用塗料では1液形特殊シリコン樹脂塗料「ルーフチャンピオン」を上市。北海道や東北など環境の厳しい降雪地区で優れた耐久性と滑雪性が評価され採用物件を伸ばしている。

次世代の熱抑制「消熱」、採用増 リンクアース

消熱塗料「ネオコート」の採用実績が伸びている。同品は遮熱塗料に代わる次世代の熱交換塗料との位置づけ。熱抑制のメカニズムは、太陽光などの熱エネルギーを受けると塗膜中に配合された熱交換分子が振動、「熱を反射させるのではなく塗膜内で運動エネルギーに変える、つまり熱を消耗することで消熱する仕組み」と説明する。
反射により熱を大気中に放射することがないのでヒートアイランド対策への効果がより高い上、熱そのものに反応して機能が発現されるため、塗膜表面への汚れの積層による遮熱劣化が起きないといった特性がある。また5度~25度には反応しないため、冬場の暖房効率負荷も低減される。


「遮熱ではなく新たな熱抑制メカニズム」ながら実証効果をベースに、住宅、公共施設、企業物件など実績が積み重なってきており、市場での注目度も高まってきている。特に「遮熱塗料を採用して、汚れ付着などにより期待性能が得られなかった企業物件での採用が急速に増加している」とコメント。

薄膜断熱素材としてブランド戦略 日発販売

シンマテリアルの断熱塗料「キルコート」の販売を手掛ける日発販売はキルコートの多機能性を生かし薄膜断熱素材としてシンマテリアルと共同でブランド戦略を進めていく。
同品の持つ中空ビーズの高含有性による断熱効果と遮熱効果、樹脂特性による200%以上の高い伸縮性、更にタイル密着同等の付着性など同品の持つ機能を薄膜断熱素材としてブランドを構築。その基礎技術をベースに工業用製品を中心とした市場において訴求効果を図っていく方針だ。
また同社は日本大学生産工学部と産学協同でヒートアイランド対策の研究を進めており、同社での社内実験においてキルコートによる消費電力の低減効果は、内装に塗装することで冬場は20%の電力削減効果を記録した。


更に『コンクリート表面の機能性塗膜がコンクリートスラブの温度上昇・蓄熱に及ぼす影響』の研究論文では150mmのスラブの表面と裏側底面の温度差が5度に及ぶことなどが報告されている。まだ不明確な部分があるキルコートの中空ビーズがもたらす断熱効果が徐々に解明されつつあり、「産学協同研究を通してさまざまな実験データが得られており、これをベースにマーケティングを進めていく」とコメントする。
同時に海外からの引き合いも増える方向にある。「中国、韓国、タイ、東南アジア及び米国などから照会が来ており、契約及びサンプル出荷を開始した」という。同社は海外も視野に入れつつブランド戦略を推し進め、国内でも実績をより高めていく方向だ。

フッ素遮熱で高い説得力 ダイキン

「塗るエアコン」と銘打ったダイキンの太陽熱高反射塗料「ゼッフル遮熱」。空調メーカー、フッ素化学メーカー双方の顔を持つ同社ならではの展開が光る。
ゼッフル遮熱は塗料用の超耐候性ワニスとして名高い4フッ化フッ素樹脂「ゼッフル」に高い遮熱効果を持つ白顔料を配合。「遮熱効果は日射反射率がすべて」との考えのもと、赤外線領域だけでなく、太陽光の47%を占める可視光域の反射特性も考慮して塗料設計。N6グレーで、一般塗料の赤外線反射率42.2%に対し同品は88.7%、350nm‐2100nmの太陽光反射でも一般塗料の43.2%に対し66.0%と高い反射特性を示す。


更に遮熱が4フッ化塗料用樹脂「ゼッフル」である理由として、酸化チタンの光触媒による塗膜劣化抑制、防汚染性、防錆性による遮熱性能劣化の抑制を挙げ、日射反射効果の長期持続性に説得力を持たせる。
また、空調技術を応用した遮熱効果、省エネ効果のシミュレーションは同社ならではのアプローチ。定量化により効果を"見える化"するとともに、ほぼシミュレーション通りに効果が実証されていることから信頼と評価を高めている。
各種工場や倉庫の屋根を始め、大型客船にも相次いで採用。また石油タンクや各種ケミカルタンクでもタンク内温度上昇によるベーパーロスを削減。タンク内容物の大気への放出と環境負荷低減を両立するとして注目が高まっている。

ノンシーラー防水トップ遮熱発売 スズカファイン

昨年から販売店を媒介とした製品説明会の開催を積極化させているスズカファイン。これまで約2,000名のユーザーを動員するなど末端ユーザーへの訴求を強めている。
高反射率塗料においては、屋根用及び外壁用を上市。屋根用では「クールトップSi」(水系アクリルシリコン)を主力に「1液ワイドシリコン遮熱」(弱溶剤1液)、「ワイドシリコン」(弱溶剤2液)、壁用として昨年「カベクールSi」(水系アクリルシリコン)を上市。また歩道用水系塗料として「クールトップホドウ」を発売するなど、用途展開を進めている。
需要環境について担当者は「塗り替え周期を外壁と合わせるため、暴露が厳しい屋根の塗料系を高グレード化する傾向にある」と高グレードニーズの高まりを指摘。また「ここ1‐2年で濃色タイプの需要が増加している」と戸建て住宅での採用を伸ばしている。


同社では反射性能、耐候性などの性能強化を図る一方、このほど新たな需要領域として高反射率タイプの防水トップコート「水性ボウスイトップCOOL」を発売した。
同品は水性2液ウレタン樹脂塗料でシーラー不要での施工を実現、工期短縮に寄与する。これまでアクリルタイプを上市していたが、樹脂系、密着性を高めることで新設、塗り替え問わず各種のウレタン防水に塗布できるのが最大の特長となっている。
また同じくしてウレタン塗膜防水材「ワンツーボウスイECO」を発売。塗膜防水材の需要拡大に努めていく。

屋根用、外壁用を上市、性能強化 ロックペイント

ロックペイントは省エネルギー対策塗料として、屋根向けに高反射率タイプの「115ライン シャネツロック弱溶剤型」、外壁向けに熱遮蔽水性仕上塗材「115ライン シャネツロック」を上市している。
「シャネツロック弱溶剤型」は弱溶剤2液型シリコンウレタン樹脂塗料でシリコン樹脂の配合により弱溶剤ウレタン樹脂塗料以上の耐候性、耐汚染性が特長。防藻、防カビ機能も付与する。
適用素材はコンクリート系屋根、新生屋根材、金属系屋根材に加え、専用下塗り材である「ロック屋根・瓦用サーフェーサー」の塗布によりアスファルトシングル材への塗装も可能にするなど広範囲の屋根材に対応する。鉛・重金属フリータイプの顔料を採用。


一方、外壁向けの「シャネツロック」は熱遮蔽に優れたベースコートと耐候性に優れた上塗りを組み合わせることで、夏場は太陽光などの外部の熱を遮蔽し、冬場は室内の暖房を逃しにくくする機能を持つ。熱遮蔽性能について「断熱材に匹敵する効果は得られない」との記述をカタログに表記し、適切な機能理解を訴求。結露が抑えられるなど、一般塗料との比較による付加価値性を差別化に掲げる。
需要動向について担当者は「既存の屋根用塗料の置き換えではなく、これまであまり注視されていなかったスレート屋根の塗り替え需要を喚起している」と市場の拡大を指摘。今後は更に性能強化を図るべく、用途展開も含めた高グレード化への取り組みに注力していく意向を示す。

住宅シーンで「ガイナ」急上昇 日進産業

「対前年比130‐150%の伸張を続けている」と、塗布型断熱材「ガイナ」の勢いが止まらない。JAXA(宇宙航空研究開発機構)から移転された技術により開発した同品。「塗膜の80%を特殊セラミックビーズで構成。これにより断熱、遮熱、高耐久に加え、防音、消臭、結露防止などマルチな環境改善特性を発現」するのが特長。
こうした効果を期待し、大手のハウスメーカーやリフォーム会社、ビルダーなどが次々と採用、住宅シーンでの需要が広がっている。特徴的なのは内装用途での需要が半数ほどを占めている点。「断熱効果による暖房費抑制、壁が暖まることによる結露防止、無機リッチに由来する防音、消臭など住環境改善を最も実感できる」ためだ。


消費者向けで人気の高いリフォーム雑誌でも毎号、ガイナによる住環境改善事例を採り上げて紹介、このカテゴリーの材料としては一般での認知度も高い。更にカタログ、パンフレット、テレビ放映された際のDVD、各種実験機セットなど、説得力を高める販促ツールも充実、需要開発を強力に後押しする。
同社ではガイナを単なる塗料・塗材製品としては捉えていない。「住環境改善のマルチな機能を発揮する新たな建築材料。しかも"塗装"という極めて汎用的な方法で付与できるところに画期性があり、多くの需要家が反応していると思う。環境時代が到来する中、塗ってエコする"塗装"は時代の花形産業にもなり得る」とコメントする。

遮熱塗料、断熱コートで高い伸長率 東日本塗料

東日本塗料の遮熱塗料シリーズ及び断熱コートが好調に推移している。今期も前年比2ケタの伸長率にあり、実績が高まっている。「遮熱塗料と断熱コートをパックで推奨する他、屋上防水の上に遮熱塗料を乗せるなど組み合わせて提案を行っている」ことが奏功。
特に同社は防水工事で培った管理ノウハウを屋根にも生かすことで信頼性が高まっているようだ。「下地の処理やプライマーの選定など技術者が現場に赴いて指導、管理している。この現場主義に徹した姿勢がマーケットから受け入れられているのではないか」とコメントする。


既に遮熱塗料のスタンダードとなっているのが超耐候性ハルスハイブリッド型トップコート「スーパートップ遮熱」だ。更に各用途にバランスよく適合可能な2液水性ハルスハイブリッド塗料「エコトップ遮熱」。その他適材適所に選択可能なシリコン系を持つ。「遮熱塗料に関しては低臭気化に向けて取り組んでいる」と説明する。
一方の断熱コートもここ1‐2年の間に実績を高めている。昨年新潟県の会議場施設テルサの屋根4000m2に採用された他、ティラド(東洋ラジエーター)などにも採用され引き合いも増えているという。
同断熱コートは特殊中空バルーンと遮熱顔料を採用することで高耐候性の断熱機能と遮熱機能を併せ持った1液水性反応硬化型シリコン変性アクリルエマルジョン断熱塗材。「現状採用は限られたユーザー層。今後普及拡大することで需要に結び付けたい」という。

舗装面の長寿命化に寄与 NIPPO

道路施工、舗装資材の販売を手掛けるNIPPOは自社ブランドとして遮熱性舗装「パーフェクトクール」を販売している。車道、バスレーン、交差点、プールサイド、スポーツ施設など実績を重ねている。
同品は舗装表面に遮熱コート層「パーフェクトクールコート」を設けた工法で、日射反射率が可視光領域で低く、赤外線領域で高い機能を保持し、同じアスファルト色でも優れた温度上昇抑制効果を有する。更に熱反射性の特殊顔料の他、中空セラミック微粒子を配合することで、太陽光にそのまま帰す再帰性反射を実現し、反射による温熱感の防止に寄与している。


特長としては(1)温度上昇の抑制(2)アスファルト材の耐久性の向上(3)カラー化による視認性改善で安全性向上など。特に耐久性においては、アスファルトの轍(わだち)掘れが2分の1になり、舗装の寿命が2倍に増加。
メンテナンスも遮熱層の塗り替えで済み、ローコストメンテナンスを実現する。

顔料

製品安定性に自信 旭日産業(アサヒ化成工業)

複合酸化物系赤外線反射顔料を展開する旭日産業の需要が急激に伸びている。「昨年度は最も大きい落ち込みを経験したが、過去最高生産も経験した」とコメント。一昨年比で約2倍の増加を見せている。
その要因は、高反射率塗料の樹脂グレードの高度化と合わせて、耐候性に優れる無機顔料に対する需要が伸びているため。「当社はずっと耐候性を追求しており、製造プロセス、品質管理、顔料設計力に絶対の自信を持っている」と説明。懸念される色ぶれや赤外線反射率のバラツキに対して、徹底した品質管理体制を構築することで塗料メーカーの評価を高めている。


ノンクロムタイプの無機顔料は水系塗料の開発に伴い引き合いを増しているが、現在のところ鉄クロム系が主流。耐酸性、漆黒性など反射効果以外での性能面の高さも差別化につながっている。「マーケットの拡大と合わせてシェアも拡大している」と追い風基調に乗っている。今後は海外需要も本格化していくとして準備を進める。

ノンクロム処方の提案を積極化 シェファードカラージャパン

高機能無機複合顔料では世界トップシェアを誇るシェファードカラー(アメリカ)。PCM向けの他、欧米ではPVC(塩ビ)住宅部材に古くから採用されるなど豊富な実績を有する。また希少価値としてカモフラージュ赤外線反射顔料が米軍規格にも登録されている。
本国のアメリカでは、Cool Metal Roofing Coalition(CMRC)の主力メンバーとして参画する他、Calfornia Energy Commision(CEC)やCool Roofing Councilなど団体との連携協力を強化するなど、ビル外壁や一般住宅といった領域での普及拡大に注力している。
同社グループの最大の武器はワールドワイドでの対応力。用途展開で成長が見込まれる日本市場の他、中国、韓国、インドなどでの市場拡大が期待されることから、供給体制と技術フォローアップ体制を武器に優位性を確保したいとの考えを示す


その一方で日本市場においては、遮熱顔料「ARCTICシリーズ」及び易分散タイプの「DINAMIXシリーズ」の販売拡大に注力。特に黒色、灰色顔料では幅広いラインアップを有しており、中でもクロムフリータイプでの処方対応力が強み。現在、処方提案も含め、塗料メーカーとの開発を進めている段階にある。
今後のテーマとしては用途展開の拡大。用途に広がりを見せるプラスチックやエンプラ向けを中心に需要拡大を見据えている。

汎用白顔料との性能差クッキリ テイカ

テイカの赤外線遮蔽酸化チタン「TITANIX JR-1000」が好調だ。遮熱塗料への採用はもちろんのこと、舗装材、遮熱フィルムなど用途が広がっており、遮熱塗料の伸長率を上回る伸びを示している。
同JR-1000は暑さのもととなる近赤外領域の波長を効率よく反射する。酸化チタンの粒子径と反射する光の波長には相関性があり、長波長の赤外線領域を反射させるためには粒子径を大きくする必要があった。同社では独自の焼結方法により、一般的なピグメント用酸化チタンの約4倍に当たる1,000nmまで粒子径を成長させることに成功。併せて得意の表面処理技術により最適な分散法を確立、実用化に至った。


先頃、日塗工が制定した屋根用高日射反射率塗料の規格にも高い適用性を示す。例えば「ナス紺」色の場合、汎用酸化チタンではL*値22.5で近赤外反射率49.7%に対し、JR-1000ではL*値22.9で近赤外反射率60.0%。また「モスグリーン」でも、同程度のL*値に対して10ポイント反射率を高めるなど、明度、色相対応が有利になる。
更に同品を赤外線透過性の黒塗膜の下塗りに用いる仕様も提案。黒塗膜を透過した赤外線が下塗り層で反射する仕組みで、汎用酸化チタン含有プライマーの反射率52.5%に対し、同品含有プライマーでは66.3%、屋根裏面で5℃の温度差を実証。大粒子径のため光触媒による上塗り層への影響もない。遮熱塗料のネックであった濃色への対応幅も広がる。

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