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Web特集

2010年05月21日

建築塗料・塗装特集2010 メーカー動向(塗料)

新たな需要開発にベクトル 日本ペイント

「クリスタコート」が快調に飛ばしている。同品は建物の美観維持に特化したオーバーコーティング剤。独自の無機技術により乾燥直後から超親水機能を発現。塗装工事のフィニッシュで用いることで塗膜表層を超親水性(=超低汚染性)に改質し"いつまでも美しく保ちたい"といった建物外観への根源的なニーズに応える。さまざまな上塗り塗料に適用性を持ち、施工も簡便(刷毛、ローラー、スプレー)な上、材工価格800円/㎡と値ごろ感を持たせた。「愛車をボディーコーティングするのと同じように家にも愛情コーティングを」といった外壁塗装の新たな価値訴求が広がりそうな勢いだ。


一方、建築塗料全体を見渡せば、需要創出の方向性が見出せず閉塞感は高まるばかり。同社では従来の業界的な発想とは別の新たな需要開発の方向にベクトルを合わせる。「塗料は数ある仕上材の中のひとつに過ぎない。タイルや乾式ボード、クロスなど他の仕上との比較優位で塗料の新たな需要を創出していく必要がある」(担当者)との認識。このため最終需要家へ価値訴求できる製品開発、プロモーションを推し進める。
「パワーファクトリー」「サーモアイ」「ECOTO(イーコト)プロジェクト」などで実践しているプロモーションやWEB展開は最終需要家に分かりやすく親しみやすい。こうしたプロジェクトで吸い上げたニーズを反映した「これまでにない、誰もが思わず使ってみたくなる魅力ある塗料」を開発、続々と発売していく予定。

サイディング用クリヤーで自信作 大日本塗料

多彩模様サイディングボードのリフレッシュ工法「SBライズコートシステム」を近日中に発売する。約2年に及ぶフィールドテストで確信を深め、満を持しての投入だ。
今や住宅外壁の7割を窯業サイディングが占める。しかも自然石やタイル、レンガ、塗り壁調などデザインは高意匠化。この意匠を保ち続けるメンテナンスへのニーズが高まっている。
「窯業サイディングは新設後約10年で表層のクリヤー膜が9μほど劣化、デザインの要である着色層が露出する一歩手前の状態」と説明。SBライズコートシステムはクリヤー塗膜の再塗装によって多彩模様サイディングの意匠を維持し、基材を長期にわたって保護する機能が特色。


窯業サイディングの塗り替え時は「基材や旧塗膜の履歴をいかに把握しているかがポイント」と指摘。メーカー、基材、塗装仕様が多岐にわたっており、仕様の選択を誤ると剥離などのトラブルにつながりやすいためだ。この点で、同社は窯業サイディングプレコートのトップメーカーとしてノウハウを製品開発に反映。サイディング製品ごとの塗装適性を把握している上、旧塗膜の診断マニュアルも整備、工事の安全性を高めたのが強みだ。
弱溶剤系シリコン樹脂の「SBライズコート スマイル(2液)」は下・上塗り兼用の2コートシステム。また塗り替え需要で必須の水系に関しても同じくシリコン系のクリヤー及びシーラーのフィールドテストが最終段階。近日中にラインアップする予定。

仕上げのバリエーションで差別化 AGCコーテック

AGCコーテックは、耐候性で最高グレードを誇るフッ素樹脂塗料を標準スペックとした上で、多彩な仕上がり感を演出する豊富な品揃えが強み。
現在、住宅関連向けで仕上げのバリエーションとして揃えるのは、エナメル塗装仕上げ、完全艶消し仕上げ、クリヤー塗装仕上げ、高意匠仕上げの4タイプ。特に高意匠仕上げにおいては、土壁調水性タイプの「つち」、セラミック調水性タイプの「パレ」、石材調多彩模様タイプの「マイカストーン」をラインアップし、デザインニーズに対応している。


昨年発売した「マイカストーン」はフッ素樹脂と無機系顔料を組み合わせることで多彩な石材調意匠を付与。単色材からの意匠替えを可能にする。
市況について担当者は、「戸建て塗り替えにおけるフッ素樹脂塗料に対するニーズが高まっており、当社としては追い風と捉えている。直接の関係はないが住宅版エコポイント制度が開始されたことにより塗り替え需要も喚起されるのでないか」と期待を寄せる。

夏前めどに大型製品投入 関西ペイント

伝統の多彩模様塗料・ゾラコートを外部用として新たに開発、夏前をめどに「水性ゾラコートEX(仮称)」として発売する。建物外観のデザインニーズが高度化する中、色に立体感と深みのある特有の意匠が話題を集めそうだ。
集合住宅や商業施設はもちろんのこと、戸建住宅の塗り替えでも需要を期待する。特に高意匠サイディングの塗り替えにおける"劣化前クリヤー塗装"と異なり、ゾラコートによる新たな意匠付与といったアプローチが可能。住宅塗り替えに新たな魅力を創出する。


一方、大規模マンション改修においても管理組合などクライアントの選択肢を拡充する。下地調整材の分野で、微弾性フィラーの「アレスホルダーGII」、本格弾性フィラーの「同弾性ホルダー防水形」に加え、旧塗膜との密着性を更に高めたエポキシ系「アレスホルダーEPO(仮称)」を6月頃に発売予定。グレード提案の幅を広げることでスペックアップを図るのが狙いだ。
建築塗装市場は需要の減少、競争激化、工事価格の下落など打開の方向が見えない状況。そうした中同社は塗料・塗装の新たな価値軸を見出すべく最終需要家へのダイレクトマーケティングを試行。継続開催している生活者対象の「アレスシックイ」塗装教室では「最終需要家の価値観など改めて気づかされることが多い」(担当者)。ダイレクトマーケティングを通じて真のニーズや効果的なアプローチをあぶり出し、魅力ある需要創造につなげていきたい考えだ。

超低汚染型のパイオニア エスケー化研

エスケー化研が上市した超低汚染型塗料シリーズ「セラタイト」は市場を大きく塗り替えてしまうほどのインパクトをもたらした。低汚染技術は特許で明らかだが、インパクトの意味合いは汚れに対するコンセプトにあった。まさに同シリーズの登場によって超低汚染型が新時代を創ったといえる。
セラタイトが登場する以前、汚れは劣化と別ものとの認識が主流であった。「多少表面が汚れても、塗膜の耐久性に影響はない」との見方。市場関係者のマジョリティ(多数派)がそうした立場であった。


同社のマーケット感度は違っていた。劣化に比べ汚れは目に付きやすく、気になる。当然なんとかしたいとのニーズは潜在化しているはずとの読み。むしろ"汚れない"が本当のウォンツではないかとにらむ。
また、汚れと劣化に相関性はありはしないかとの疑問。調べてみると汚れの各種要因は劣化がかからまっていることが分かった。
そこで同社の技術の総力を挙げ開発されたのがセラタイトシリーズ。超低汚染コンセプトはヒット商品につながり、同社外装塗料の柱にまで成長。「現在でも毎年前年を上回る出荷」(担当者)を続ける定番商品となっている。


現在、水性セラタイトを加え、セラタイトシリーズとして体系化。超低汚染と耐久性を両立した工法システムとしても市場から高い認知を受けている。「セラタイトは超低汚染の代名詞として定着」し、他社が追随する形を引き起こしたのだ。

抜群の防汚機能「エヌティオ」 日本特殊塗料

日本特殊塗料は光触媒塗料「エヌティオ」の販売を強化する。カラーバリエーションに対応する新バージョンを投入する他、低汚染ニーズへの訴求を鮮明にしていく。
エヌティオPAは100%光触媒塗料。これまでの樹脂に混合したタイプに比べ、光触媒効果が大きい。このため防汚性、抗菌性、脱臭レベルが高い。
エヌティオは艶消しカラー仕上げの「エヌティオPA‐1工法」と艶ありクリヤー仕上げ「エヌティオPC‐10工法」がある。


PA‐1工法は光触媒「エヌティオPA」とフッ素樹脂塗料を組み合わせ、中塗りにフッ素樹脂塗料と無機質バルーンを配合(工法特許出願)し、光触媒機能を最大限に生かす。淡彩色の調色が可能。
PC‐10工法は無機塗料の中に光触媒を配合したクリヤータイプの工法。既存塗膜の上に直接塗ることが可能。
また、新規に「エヌティオG」をラインアップ。ガラス専用の光触媒塗料で、ガラス面の美観を長期維持する。
エヌティオは材工一体展開をしており、同社のニットクアメニティシステム会100社によるクローズドシステム。つくばエクスプレスの駅舎、学校、公共施設など着実に実績を伸ばしているが、新たな販促による急拡大を目指す。そのためのツールとして持ち運び可能な体感デモ機を開発。防汚機能の高さを試薬の色変化によって見える化。「機能性を訴えるには実証データだけではインパクトが弱い。目に見える形にしたい」(担当者)

高弾性のツヤ消し・低汚染を開発 菊水化学工業

菊水化学工業は"下地から仕上げまで"を経営方針とし、診断から艶消し仕上げまで複合的な技術力でコンシューマーにアプローチする。
同社ではナノレベルの無機質系超微粒子を有機成分と複合化した、超低汚染・高機能塗料「ナノペイント」を展開。親水性に優れ、セルフクリーニング効果により低汚染を実現する。
同品は機能及び価格でハイグレード製品のため、汎用品ではなく設計事務所など川上への提案に注力している。「材料はカタログで決めるのではなく、実際に確かめてから使用する時代に移ってきている。見本版を実際に暴露して調査してもらえば性能を理解してもらえる」と自信を持つ。


4月からは単層弾性艶消し塗料「ビュークリーンウォール」の販売を開始した。同品は艶消し、高弾性、汚れにくいというのが大きな特長。従来の高弾性塗料は艶消しにすると弾性が低下し下地の動きに追従するだけの十分な伸びを確保できないといった問題があった。しかも、塗膜がやわらかくなりすぎると汚染が目立つといった課題があり、「シックで落ち着いた雰囲気のある艶消しで高弾性が求められていた」。
同品は「表面は硬いのに中はやわらかい」塗膜を形成、表層の硬質ナノ被膜がトップコートを不要とした。表面架橋と塗膜表面に硬質ナノビーズが配列することで汚れを防ぐ。
当面はアライアンスを組んでいる販売店や同社の調色設備を持っている販売店に優先販売していき、下期にはフルオープンで市場展開していく。

タイル改修本格化、対応力に強み イサム塗料

建築分野においては、高機能性製品で差別化を図るイサム塗料。2007年に投入した磁器タイル改修工法「タイルガード」も3年が経過し、需要増加が期待される改修市場での普及拡大に弾みをつけたい意向を示す。
耐久性に優れているとされる磁器タイル壁面も自然暴露環境による経年劣化により、汚染物の付着、ひび割れ、浮き、漏水、剥離、欠損などの劣化現象が起きることが分かっている。そこで同社は独自性を有するエラストマー技術とアクリルシリコン樹脂塗料「ネオシリカシリーズ」で培った低汚染塗料技術を駆使することで、本来の磁器タイルの美装を回復するクリヤー工法を開発。更にトップコートに超低汚染機能を付与することで、長期間にわたって美観を維持する。


工法としては、タイル壁面に20年以上の実績を持つアクリルシリコン樹脂タイプの「タイルガード 下塗り材」を下塗りに使用。主材塗りには、伸びと柔らかさを持つ「タイルガード主材」を2回塗りし、磁器タイルや目地を酸性雨、水、湿気、排気ガスからガードする。上塗りには、低汚染高耐久性アクリルシリコン樹脂塗料「タイルガード上塗クリヤー」を2回塗り。親水化塗膜を形成し、雨水とともに汚れを洗い落とす機能を有する。
同品は壁面の調査診断を含めたイサムエラストマー会による責任施工で販売。また塗装だけでは担いきれない劣化に対しては、アイカ工業の壁面修正工法やミヤキの洗浄システムを採用することで対応力を強化している。

コーキング汚染対策に優位性 インターナショナルペイント

インターナショナルペイントは、耐汚染型塗り替え専用塗料「IPキレイコートSi」を上市している。雨ジミが発生するメカニズムを独自に研究することで、耐汚染性に優れた塗り替え専用塗料として展開している。
同品は、特殊アクリルエマルション樹脂、シリコン樹脂に帯電防止剤を加えることで、塗膜表面のベタツキとともに、風などによる静電気の発生を抑える機能を有する。そのため雨ジミの原因である大気中のホコリ、汚染物質の付着を軽減する。また、汚れが付着した場合においても親水化塗膜を形成するため、セルフクリーニング効果を有する。


特にコーキング塗装における可塑剤によるタック(ベタツキ)が原因となる黒ズミなどの耐汚染性は、最大の特長として挙げる。「コーキング汚染で困ったユーザーからの問い合わせが多い」として、独自の耐可塑剤性技術がユーザーから高い評価を得ており、根強いファンを抱える要因ともなっている。今後も塗り替え需要の増大と合わせて、「ニーズはもっと増えるだろう」と期待感を示す。
その他、塗膜伸び率400%(20℃)と柔軟な塗膜を形成するとともに、2007年に従来品のアクリル・ウレタンタイプから現在のシリコンタイプに一本化。高耐候性の訴求を高めている。防藻・防カビ性も有する。
「IPヨウヘキコート」は水系1液自己硬化型シリカ系エマルション塗料。通気型塗膜を形成するため、擁壁、モルタル、コンクリートに適する。

コンストラクションケミカル推進 ダイフレックス・恒和化学工業

今春からダイフレックスの事業部門として新たなスタートを切った。防水のダイフレックス、外装の恒和化学それぞれの強みの融合をより高め、「コンストラクションケミカル」の事業コンセプトを強力に推進していく。
コンストラクションケミカルとは塗料、防水、シーリングなど建物に関わる化学材料をトータル的に供給する事業スタイル。窓口や保証対応の一本化など顧客の利便性、工事への安心・安全といった側面からトータル供給を望む声がマーケットで高まっている。
懸案であったシーリング材の超耐久タイプのめどが立ったことから、今年度下期にも防水、外装、シーリングの建物外装パッケージで「15年保証」を打ち出していく構想だ。マンション大規模修繕など、注目度が高まることは間違いない。


一方、低層住宅向けでも多色サイディングのクリヤー仕上げ工法として発売した「ダイヤSPR工法」が順調に出荷を伸ばしている他、屋根用遮熱塗料でも新たな製品を投入する。超耐久性能で定評のある無機-有機複合「ダイヤ スーパーセランアクア」をベースとし、新規の超耐候遮熱顔料を配合、「屋根用遮熱塗料のネックであった退色の問題をクリア。更に壁と屋根との次期改修の同期化を図れることから施主サイドへの説得力が高まる」と説明。夏頃をめどに発売予定。
他方、土木分野でも撥水表面含浸材「コンフィックスSM‐9」が、撥水プラス塩害防止で高速道路で大型採用されるなど、事業展開が加速してきた。

光触媒艶消し投入へ TOTOオキツモコーティングス

光触媒塗料のトップメーカー・TOTOオキツモコーティングス。主力の「ハイドロテクトカラーコートECO‐EX」が進化する。市場で要望の多かった"艶消し"タイプを、5月をめどに投入。従来の5分艶と合わせデザインニーズに幅広く応える。併せて隠ぺい性やポットライフも改良、使いやすさを更に高めた。
超親水、高い光触媒活性で「いつまでも美しい外観」といった建物に対する根源的なニーズに応える一方で、消費者(施主、オーナー)の環境貢献意識への訴求力も高める。今年1月、空気浄化性能(窒素酸化物=NOx)に関する光触媒工業会の認証を国内で初めて取得した。


これまでポプラの木に換算していた空気浄化性能について、「住宅外装1棟の採用で乗用車12台分のNOx除去など、より身近で分かりやすい表現に変える」意向。NOx除去‐酸性雨減少‐森林保護‐CO2削減といった一般にも分かりやすいストーリーを展開する。美観に加え、環境浄化機能の価値訴求を強める考えだ。
親会社のTOTOは昨年、衛生陶器、タイル、塗料など個別で展開していたハイドロテクト事業を統合、ハイドロテクト事業部を創設した。TOTOの新たなドメインと位置づけ、国内外で強力に事業を推進、100周年を迎える2017年には350億円の売上目標を掲げている。汎用市場を広くカバーする塗料は注力分野との位置づけで、事業統合による技術対応力の向上、市場開発力の強化など推進力を高める。

有機無機ハイブリッドで超低汚染 神東塗料

神東塗料の低汚染タイプの外装用塗料は、高級グレードの「水性ハイテンセラ」とコストパフォーマンスの高い「水性ハイテントップ」を上市、設計関連や管理組合などに資産価値向上を提案した設計活動を進めている。
水性ハイテンセラは、超耐候性超低汚染水系有機無機ハイブリッド塗料として、性能を重視した施主に適した製品として展開。反応硬化形のため従来の水性塗料より耐候性や耐汚染性に優れ、主成分が無機質であるため難燃性にも優れた物性を有する。また、従来の無機系塗料に比べて耐アルカリ性、耐屈曲性、耐クラック性に優れている。
セメントやコンクリート、モルタル面における新設及び改修用上塗りとして適しており、耐候性及び付着性に優れるため光触媒塗料のバリヤーコートにも適用可能となっている。


水性ハイテントップは1液水性低汚染形アクリルシリコン塗料。シロキサン結合とUVブラインド効果によりチョーキングの原因となる紫外線をカットし、長期にわたり初期光沢を保持する。また、セルフクリーニング性を有する親水性表面により雨だれ汚れなどから塗膜を守る。
市場で低汚染ニーズが高まっている中、同社でも低汚染タイプの製品を展開しているが、市場拡大には課題もあるという。同社では「低汚染技術の評価方法が確立されていないし、建物の意匠設計との兼ね合いも汚れには重要なポイント。構造的な問題による汚れは塗料だけでは解決できない」として、施主への適切な説明を重視する。

サドリンエナメルが市場に浸透 玄々化学工業

玄々化学工業は屋外木部用の改修にサドリンエナメル(油性)をメインに事業展開を進めている。「屋外木部は2~3年ごとに改修を行わないと木材が劣化し灰色に変色してしまう。変色する前に改修するのが一般的。しかし現実は先延ばしになり劣化してから改修に踏み切るケースが多い」と説明する。
そのような劣化した木部用の再生にサドリンエナメルが有効だ。高い隠ぺい力で灰色化した木材を綺麗に再仕上げでき、木材の表面に現れるカビ・シミの発生を抑制する。また高耐候性の顔料と紫外線吸収剤により木材の変色・退色を抑えるとともに、塗膜を形成するタイプで厚膜仕上げが可能だ。


同品は昨年から本格展開に入ったが、「(職人に)一度使用して頂くとリピーターになる」というようにマーケットの評価も高く、販売店、塗装職人を対象に各地で勉強会を開催しサドリンエナメルの普及に力を注いできた。「屋外木部は雨と紫外線、更にカビによる塗膜劣化がほとんど。この劣化対策をきちんと説明することで採用に結びついている」という。
また同社は新たにサドリンアンチスリップ(油性)をマーケットに投入した。ウッドデッキの滑り止め対策用に製品化したもの。「(露天の)濡れたウッドデッキは滑りやすく、雨天の日などは滑って転ぶなどの危険が伴う。サドリンアンチスリップは濡れても耐スリップ性を発揮する」とコメントする。
一方外部用でも水性ニーズは高まる傾向にあり、同社は水性エルフエクステカラーを主体に対応を図っている。

ナノコンポジット派生品を充実 水谷ペイント

水谷ペイントは、高性能エコ塗料として「ナノコンポジットW」を販売している。パートナー施工店は1200社に増え、売上も前年比120%と堅調に推移している。同社ではナノコンポジットWの派生製品を新たに市場投入して、ラインアップの充実を図る。
ナノコンポジットWはセルフクリーニング機能を有しているため、優れた耐汚染性は同品の大きな特長となっている。ただ発売から6年が経ち課題も出てきているという。


「塗料の性能がグレードアップすると塗装後にクレームとなることも増える。塗膜だけで全く汚れないということではない。環境や構造上での対策が必要」(担当者)。
そこで取り扱い販売店に対して、有機質と無機質の汚染物質の種類や建物の部位による対策などを説明している。
4月からは新たに「ナノコンポジットW防藻+(プラス)」を開発、市場投入した。新商品は従来よりも無機成分が多く設計されており、乾燥が速く水分を減らすことで菌の成長を防ぐ。


また、ナノコンポジットW施工面専用の天端用保護クリヤーを上市。シリコン変性アクリル樹脂エマルションクリヤーで水系の艶消しタイプとなっており、太陽光の照射時間が長く壁面と比較して塗膜劣化が速い天端部分に対する汚れ防止として拡販を図る。
また、改修仕様と新築仕様兼用で使用できる「ナノコンポジットシーラーII」も上市する。付着性をアップさせ、エフロ防止機能を付与。新築においてもオール水性仕様が可能となる。

高弾性超低汚染性塗料を発売 スズカファイン

スズカファインはこのほど、超低汚染高耐候性2液反応硬化形水系無機系塗料「水性セラフレックスシリーズ」を発売した。無機ハイブリッドタイプの「水性セラフレックスSi」、フッ素タイプの「水性セラフレックスF」の2製品を揃える。
同品は超低汚染性を有しつつ、弾性機能を有している点が最大の特長。「同Si」の超低汚染性のメカニズムは、硬化剤に配合されたセラミック形成無機架橋剤が主材のシリコンと結びつき、表面にガラス質のセラミック層を形成。タックフリー効果が得られ、粘着による汚染物質の付着を抑制する他、帯電防止効果により静電気による汚れの付着を防ぐ。担当者は「耐汚染性に対しては、ユーザーの満足が得られるものをまだ提供しきれていない」と説明。従来の塗料ではできなかったハイレベルな耐汚染性を実現したとして、販売拡大に期待を寄せる。


更に高弾性も差別化のポイントに掲げる。同品は、防水形複層塗材(JIS A 6909)から建築用塗膜防水材(アクリルゴム系JIS A 6021)に該当する弾性機能を有していることから、幅広い主材のトップコートとしての利用が可能。外壁の防水機能のグレードアップに寄与する。
その他の製品としては昨年、軒裏・天井塗替用透湿形微弾性仕上塗材「ノキテンくん」を発売。自己架橋形特殊アクリルシリコン樹脂タイプの1液塗料で、付着性及び耐久性を保持。また透湿性を持つため、膨れやハガレの原因となる躯体内の水分を放散する。

光触媒塗装を可視化 ピアレックス・テクノロジーズ

光触媒フッ素樹脂コーティング「ピュアコート」シリーズの商品力強化に余念がない。
主力の「ピュアコートANプラス」は1液水性の光触媒クリヤーコート。光触媒で汚れを防ぎ、フッ素樹脂で基材の寿命を延ばす、特殊フッ素樹脂と光触媒技術を融合させた唯一のコーティング材。乾燥直後から高い親水性を発現、リーズナブルな施工価格、弾性・軟質基材への適用、バリア層不要の1層コーティングなど施主・施工業者双方に対して光触媒塗装採用へのハードルを大きく引き下げた。


この塗料に「塗膜の可視化」といったユニークな機能を付与する。光触媒トップコートは超薄膜クリヤーのため、「塗膜が付着しているかどうか分からない」というのが施主の率直な感想。これに対し同社では、塗料の中にごく微細のラメをブレンド。市販のルーペでラメの有無を覗くことで塗膜付着を確認できるというもの。もちろんクリヤーとしての透明性やツヤには影響しない。「施主様の安心感、信用から一段と説得力が高まる」とし、近日中に塗膜可視機能を標準化する。
一方、コンクリート打ち放しの改修用途でも夏頃をめどに新たなスペックを揃える。撥水材+フッ素中塗り+光触媒トップコート(溶剤2液)といった3工程から、撥水材と濡れ色防止のフッ素中塗りのドッキングで2工程に短縮。併せてトップの光触媒層も1液水性化を実現した。光触媒フッ素樹脂コーティングを核に独自性の強い技術を付加、市場での存在感を高めていく。

ハルスハイブリッドで差別化戦略 トウペ

トウペは低汚染形高耐候性ハルスハイブリッド樹脂塗料「ハイウェザーDC」を上市しており、フッ素樹脂塗料に迫る耐候性をアピールして展開。施工店への営業に注力し大型物件での採用拡大を図っている。
「近年は水系でありながら耐候性が良く、汚れにくいといった機能に対するニーズが強まっている」(担当者)中、同社ではシリコン樹脂系を上回り、フッ素樹脂系に迫る耐候性を有する同品で他社との差別化戦略を進めている。
同品は紫外線による樹脂劣化を防ぐHALS(光安定剤)と耐水性を飛躍的にアップさせるCHIMA(耐水モノマー)を樹脂の骨格に組み込んだハルスハイブリッド樹脂がベース。


低汚染に関しては、親水性で緻密な塗膜を形成するため、汚染の原因物質である排ガスや煤煙に含まれている有機系の汚れとの親和性が小さく、汚れの付着を防ぐ。また、付着しても降雨により洗い落とす効果がある。
また、ハルスハイブリッド樹脂系で高弾性機能を持つ「ハイウェザーダンセイ」もラインアップ。同品は高弾性の中塗材と組み合わせることにより、躯体に発生したクラックをカバーし、雨水などの浸入を防ぎ躯体を保護する。
更なる耐候性ニーズの高まりに対しては、1液形水性フッ素樹脂塗料「トアスイセイフッソ」を提案する。促進耐候性試験(サンシャインウエザオメーター)では4000時間で光沢保持率90%以上を示すなど、優れた耐候性を有する。今後は水性フッ素樹脂系の普及を見込み、拡販を図っていく。

高意匠性フッ素タイプを投入 山本窯業化工

有色陶磁器質骨材(カラーセラミック)を用いた高意匠性石材調塗材に特化する山本窯業化工。昨年10月にフッ素樹脂製品シリーズを投入し、高耐候性ニーズへの対応を図っている。
上市したのは、「セラキャストF」「ハイシーカラーF」「ファインローラーF」の3製品。
「セラキャストF」は旧塗膜であるアクリルタイルやアクリルリシンを天然石調の豊富な色彩に富んだ個性的なキャスト模様に意匠替えする。「ハイシーカラー」はローラー工法に対応し、既存のサイディングボードの凹凸を生かしつつ、色と模様をリフレッシュすることができる。「ファインローラーF」はカラーマイカ(雲母)を配合し、多彩模様を実現。ローラー工法ながらも重厚でハイグレードな石材調仕上げが得られる。


同社では戸建住宅やマンションなどの塗り替え物件をターゲットに見据え、高機能性を確保した上で、あくまでも意匠性による差別化を図ろうとしている。
昨年7月には色見本帳を刷新。「設計ユーザーはまず色見本帳で意匠を確認する。当社が強みとするデザイン性を訴求するためにも印刷品質のグレードを上げた」(担当者)と説明。色校正にも細心の注意を払い、立体感や質感の訴求力を高めた。
需要動向に関しては、「石材調シートが好調に推移している」とコメント。塗材、シートに関らず、用途、物件に応じた高意匠の外装デザインを提案することで、存在感を高めている。

ユニークなシステムを展開 セブンケミカル

セブンケミカルはニッチトップを目指す商品開発で注目されている。大手が目をつけない分野に新開発品を投入していくスタイル。結果的に「セブンコートB」「セブンウォール」などでパイオニアとしての地位を築いてきた。
そんな同社のポリシーを体現したシステムが「JKセライダー工法」。阪神・淡路大震災クラスの振動に耐えるタイル剥落防止工法。塗材に短繊維を混入し、硬化後は透明になるアクリル樹脂を採用。特殊なアンカーピンで射体に固定し、タイルの剥落を防止する。
工学院大学のテストによると、3方向から振動を与えた実験では、通常タイル200枚のうち124枚が剥落。これに対しJKセライダー工法を施したものは剥落ゼロであった。


「タイルの剥落は地震がなくても、事故として起きている。安全対策が求められている物件も多い。PR次第ではもっと伸びる工法」と担当者。
「セブンチタニック」は水系光触媒コーティング材、防汚効果が高く、消臭・抗菌効果から幅広い用途で使用されている。
実際「セブンチタニック」を上塗りコーティング材として採用した住宅の外壁は10年以上経過しても、新築に近いクリーンさを保っている。汚れに対する効果が実証され、「汚れは耐久性を損うことにもなるので、汚れない効果は見た目ばかりでなく、建物を保全する効果が高い。防汚ニーズに応える形でも伸ばしていきたい」(担当者)とコメントする。同品は光触媒の水性リキッドタイプで使いやすさが特長だ。

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