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Web特集

2010年07月12日

シリーズ: 塗るということの規範

塗るということの規範(7) 中嶋徹

では「Covering」というカテゴリーでの塗装において、物(壁も含めて)やその表面を「覆う」という意味で通常わたしたちが使用している言葉とは何か。それは「coat」(コート)という言葉になります。名詞的には「上着・外套」「毛皮・皮・膜」「層」そして動詞では「...に上着を着せる」「...被せる」「...に塗る」という意味があります。「coat wood with paint」(木にペイントを塗る)となります。「Covering」という言葉に塗装が対応していく言葉としては「Coating」(塗装)となります。
「コーティング」というのは、塗料の「被・膜」が「層」(layer)として、物の表面を「覆う」ことになります。「a coat of paint」(塗料の層あるいは膜)となります。「under coat」「base coat」「first coat」は「下塗」(層)になりますし、「finish coat」「top coat」は「上塗」「仕上げ塗り」(層)になります。私たちは塗料の被膜については「塗膜」と呼んでいます。これらは塗料環境下での用語です。そしてその膜としての厚みを「膜厚」と言いますが、その数値単位はミクロン(μ)になります。これらは「コーティング」の工業用の塗装の領域でよく使用される「技術」的な用語になります。


「コーティング」という位相から見れば、塗料は素材(物)の表面に対しての「表面被覆処理材」ということになります。そして「コーティング」としての塗装は「表面被覆処理技術」ということになります。私たちはここで「塗装」について2つの風景を前にして佇むことになります。1つは「Wall covering」としての「コーティング」の風景です。そしてもう1つは私たちが馴染んできた「ペンキ塗り」、つまり「ペイントを塗る」(彩色を施す)という意味での「Painting」という言葉の風景です。私たちはこの「塗るということ」の固有な行為について、「ペインティング」と「コーティング」というふたつの規範を掲げることになります。


単なる調合されたものではなく、石油化学工業の発展とともに合成の技術を駆使して、高機能化へ傾斜を高めてきた塗料もまたファイン・ケミカルへと転進することになりました。多様な石油化学の樹脂をベースにして、素材の「保護」や「美観」という役割を越えて、物の表面に「特殊な機能を賦与」するための表面被覆処理材あるいは機能性材として、塗料は市場で「コーティング材」という訴求に傾斜しています。


インターネットの「ウィキペディア英語版」(フリー百科辞典)のサイト:en.wikipedia.orgには「coating」について次のように定義されています。
訳すと「コーティングとは物の保護やその外観(見え)を変えるために用いられる表面被覆のことです。それらは液体、気体あるいは固体として用いられることになります」となります。
(つづく) ※2007執筆

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