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Web特集

2010年08月17日

シリーズ: 塗るということの規範

塗るということの規範(10) 中嶋徹

(前回の続き)動詞の活用から「Painting」は塗料を用いて塗るということであり、「Painter」は塗料を用いて塗る「人」を指すという説明がされています。続いて後段の引用では塗料の役割論に基づく使用例が述べられていますが、この中で他と異なる使用は「芸術の制作として」という文脈になります。これは「コーティング」のパースペクティブ(規範)にはないことは明瞭です。そして「Covering」というカテゴリーにおいてもこの塗料の認知は馴染まないものがあります。

私たちはここで改めて「Painting」は「塗装」として、「Painter」は「塗装職」としての言葉で私たちの佇(たたず)む風景を垣間見ることにします。


もう1つ「Paint」の定義をインターネットで確認します。これはアメリカのプリンストン大学知覚サイエンスライブラリーの「フリー辞書」のサイト:wordnet.princeton.edの記述になります。
 "asubstance used as a coating to protect or decorate a surface(especially a mixture of pigment suspended in a liquid);dries to form a hard coating"


訳すと「(塗料は)表面を保護あるいは色取りを添えるために被覆処理として使われる物質(特に液体の中に浮遊する顔料の混合物):乾燥して硬い被覆の膜を形成(を要するもの)」となります。記述は「protect」と「decorate」という使用目的に触れて、「substance」(物質)ということでその物性的な状態として、顔料の混合した液体であることと、その乾燥状態では固体化することを述べています。使用目的の「protect and decorate」は先述したウィキペディアの引用文にある「protect and add to color」に対応します。


「decorate」は「add to color」で「色を付ける」ということ、つまり「彩色すること」であり、表面に「色取りを添える」ということですが、言葉としての「decorate」は私たちの日常的な言葉としては「装飾する」「飾る」という言葉の解釈が専行しています。「decorate」には「色取る」「色取りを添える」あるいは(部屋に)「ペイントを塗る」「壁紙を貼る」という言葉の意味があります。これを辿ると「paint」という言葉と「decorate」という言葉の脈絡が繋がることになります。


そして「Paint」については、「protect」(保護)することと「顔料」によって「color」「decorate」(彩色を施す)(色取りを添える)という役割がその使用目的であることがわかります。見たように「decorate」に「ペイントを塗る」という意味があるように、「color」には「絵具」「塗料」「染料」という意味が掲げられていますが、文脈のなかで「...色を塗る」という言葉の意味があります。
次回は日本語の定義について述べます。(つづく)※2007年執筆

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