Web特集
2010年09月22日
シリーズ: 塗るということの規範
塗るということの規範(14) 中嶋徹
ペインターに関する記述の関連職種について、前文に次のような記述があります。
"Painters and Paperhangers apply various coverings to decorate and protect wood drywall metal, and other surfaces.Other construction occupations in which workers do finishing work include carpenters;carpet,floor,and tile installers and finishers;drywall installers, ceiling tile installers,and tapers; painting and coating workers,except construction and maintenance; and stucco mason."
訳文:ペインターや壁紙貼り職は木やドライウォールや金属やその他素材の表面に装飾(色取りを添える)や保護のために様々な表面被覆材を用いる。そして建築に関連した「仕上げ」に関わる職業としては、大工、カーペット、フロアー、タイル、ドライウォール、塗装、左官、石工などがある。
これらはほぼ内装に関わる、そして「仕上げ」を施す職種としての説明が記されています。塗装もまた、内装の仕上げとして明確な説明があってしかるべきですが見当たりません。一応は関連職種として「painting and coating workers」と記載されていますが、いわゆる職種紹介だけにとどまっており、内装に関連する仕事としての職業説明はありません。この引用文も然りですが、「素材の表面に装飾や保護のため」という目的のための記述ですまされているケースがほとんどです。これはおそらく塗装がオールラウンドプレイヤーであるスタンスがそうさせているとも言えます。
現実的には日本の塗装職と異なり、アメリカの塗装職は「Painter」であり「Paperhanger」であるケースが多々あります。彼らの仕事の中に壁紙貼りが塗装とともに業務内容に入っており、また場合によって彼らはドライウォールの取付け者(Installer)であり、そして左官職(Plasterer)として左官の壁塗り仕上げもします。
このことは逆に言えば、ドライウォールの取付け者や左官が「ペインター」として「ペイントを塗る人」であるということも成り立つということです。極端に言えば大工(carpenter)が「ペンキを塗る人」であるようなことは日常的なことなのです。
日本でも業種の壁は低くなっています。ただ塗装職が壁紙貼り職をしているというのはほとんど聞きません。アメリカでは「Painting」と並んで「Paperhanging」「Plastering」などがその業務内容に掲げられています。
例えばドライウォールの仕上げについて言えば、塗装、壁紙、左官ができれば、オールラウンドにドライウォールの仕上げに対応することが可能となります。そして、それが結果的に仕上げの可能性を高め、また顧客により広い提案とベスト・セレクション(最善の選択)の可能性を高めることになります。(つづく) ※2007年執筆
« 前のWeb特集 | Web特集アーカイブ | 次のWeb特集 »