コーティングメディア・オンライン独自のコンテンツをお届けします。新聞・雑誌の定期購読、単行本ご購入承り中!

Last Updated: 2012年1月 4日 15:58  RSS 2.0
キーワードを入力してサイト内のニュースを検索できます。

Web特集

2011年01月28日

シリーズ: 塗るということの規範

塗るということの規範(26) 中嶋徹

(「建設塗装工」の記述の続き)調整が完了したら、塗装工程に従って塗装を行います。塗装工程はいろいろな異種塗料の組み合わせによってできているので、正しく施工要領書に基づいて施工されるように管理したり、またできた塗膜の検査をすることも大事な仕事です。
塗装の方法は、基本的にははけを使う場合とローラーブラシを使うもの、そしてスプレーガンなど機器による吹付の3種類があります。どの方法も技術、技能が確立しており、それぞれの塗装に適した方法で塗装を行います。


塗装工は、目的に応じた塗料を選択しなければならないので、それぞれの塗料の異質を理解しておくだけでなく、美しさや色の持つ性質を適切に活用できるように、色彩設計を行う必要があります。生活環境に適した色や色の持つ役割を災害防止、能率増進などに役立てるためには、色や光沢、模様などを選択する仕事もしなければなりません。


また塗料の色を各種組み合わせて目的の色をつくりあげる、調色という仕事も重要です。最近では、古い建築物を再生させるための塗装工事が新築工事での塗装よりも多くなっています。この場合には、それぞれの建物に生活している人々から直接希望を聞きながら、劣化の状態を調査診断して塗装工事を進めなければならないため、高度の技術、技能が要求されます。単に塗装だけではなく、防水など建物自体の欠陥を診断し、それを修繕する改修工事が重要になってきました。


塗装工は、これまでのようなペンキ職人ではなく、建築生産と建築物の保全の中で大きい役割を果たし、建物の皮膚と言える部分の仕上げを総合的に担う重要な職責を果たしていると言ってもいいでしょう。
また「職業的な歩みと展望」については次のように記されています。
『建築工事の分野では、これまでは量をこなすことに重点が置かれていましたが、最近では、質に重点を置くように変わってきました。


建築工事の中で重要な役割を果たしている塗装工事も、質の充実を目指して新しい技術、工法の開発が行われています。建築のグローバル化から高級塗装が求められ、塗装の職業は技能に加えて美に対するセンスを必要とした職業になってきました。高級ホテルやビルなどで用いられる工芸的塗装のデコレイティブ・ペインティングはその一例です。また塗装の美的表現である色については、カラーコーディネーターの仕事とも重なり女性の新しい職場として入職者が増えつつあります。


塗装工事は、建設工事の中の他の専門工事とは違って、新築工事だけではなく、既にでき上がって人々の生活の場となっている建築物についても、より長持ちさせるための保全工事に重要な役割を果たしています。従って、この職業は、建築物が存在するかぎり続くと言ってもいいでしょう』(つづく) ※2007年執筆

« 前のWeb特集Web特集アーカイブ次のWeb特集 »

Web特集|ニュース|コラム|インタビュー|データルーム|イベント情報|セミナー情報|リンクネットワーク