コーティングメディア・オンライン独自のコンテンツをお届けします。新聞・雑誌の定期購読、単行本ご購入承り中!

Last Updated: 2012年1月 4日 15:58  RSS 2.0
キーワードを入力してサイト内のニュースを検索できます。

Web特集

2011年05月13日

シリーズ: 地域力

地域力(第19回) 田辺塗料(神奈川)  「施工を売る」スタイル構築

地域密着に活路を見出していく本格的な展開が今年からスタートする。昨年アトムサポートの協力で開催した塗装教室で「手応えをつかんだ」との自信から、「施工を売る」事業化に着手。地域に開かれた業態に変えていきたいとしている。
20110316-7-1.JPG

同社が立地する相模原市は東京や横浜のベッドタウンとして発展してきたばかりでなく、工業団地など産業の集積も厚い。このため同社の売上の50%あまりは工業ユーザーに塗料を提供するスタイルで、事業の根幹を築いてきた。しかし3年前のリーマンショックがこのスタイルを大きく揺さぶり、方向転換への模索が始まる。
「工業用は70%をボトムに80%半ばまで戻しているが、100%まで回復するかは不透明。再編の動きを見ていると、工業用に依存している現状はリスクが大きくなっている。もうひとつの柱を今から構築しておかないと、将来を展望することができない」(田辺俊明社長)。


昨年5月、アトムサポートとのタイアップで初めて塗装教室を開催した。20数名が参加し、自分で塗ることへの関心が予想以上に高いことが分かった。また、参加者の固定客化への可能性を手応えとしてつかんだという。
これまでも店頭売りや塗装の相談に来店する一般客がなかったわけではない。しかし信頼できる塗装業者を紹介する程度で積極的な関与はしてこなかった。この意識を変えたのがリーマンショックだったという。


改めて自社の立地している地域を見てみると"宝の山"だと気付く。半径2kmという狭商圏内だけでも戸建からアパート、中小マンションが多く存在する。「地域を絞り込んで密着していくことで新たな施工を売るビジネスを創造することができる」と見極める。
昨年、既存の顧客である塗装業者に対し、施工を売る事業への理解を求め相談したところ、大半の業者は賛成してくれたという。塗料販売店が施工に進出することへの抵抗感が低くなっていることを実感。「工事業者も仕事が減っているので、我々が施工を売る方向で仕事量を増やしてほしいとの気持ちが強まっている」と分析する。


同社が施工を売るとの方向に込めた意味合いは、生活者という施主の立場に立った施工サービスを提供したいとの思いがある。塗料のノウハウはもちろんだが、「正しい施工」を知らしめることがポイント。施主の立場からすれば不合理で理解できない施工内容が多いと感じているからだ。
「プロの施工業者からすれば当然の工程や段取りも、一般の人には理解しにくいことが多くあると思う。我々が前面に出て正しい施工とは何かを説得していくことで、本当の施工サービスを事業化できるのではないか。シリコン系やフッ素系といっても分かりにくい。一般のニーズは千差万別なので、個別ニーズに対応できるようにするには相談やコンサルティング能力が試されてくる」。


施工を売る事業は今年から本格的にスタートする。その第1弾として「正しい塗装とは何か」についての小冊子の配布を行う。地元コミュニティ誌で告知し配布していく予定。また機会を見てイベントや塗装教室を開催していく。
更に、店舗自体を広告塔として活用する意向を示す。築30年近い店舗を手直しし、オープンなスタイルに変えていく。まずは「相談に来店しやすい雰囲気」を作りたいとしている。
同社がこだわっているのは狭商圏で成り立つ施工を売るスタイル。地元ニーズに徹底的にこだわることで、ホームセンターなどの量販店などとの差別化を鮮明にする。つまり顧客とのフェイストゥフェイスの関係が重要と考えている。


「塗料・塗装のことであれば気軽に相談できる知識を土台としたい。これには3年から5年くらいはかかるかもしれないが、土台づくりは手を抜くことはできない。このためにいろいろな努力をしていかなければならないと思う。こうした土台の上に信頼という無形の価値が創れれば、塗料・塗装以外の商材を扱うチャンスも生まれてくる」とビジョンを定めている。
好立地であることに加え、同社のメリットとして既存の工業用ユーザーへの対応にチャンスを見出していく方向がある。ユーザーの建屋などを施工を売る対象に含めて展開していくことで、事業の立ち上げを早めることも可能と見る。


「このままでいれば存続すること自体見通しが立たない。施工を売る方向を具体化することで、企業活力を取り戻したい。当面は私が先頭に立ち、ベースができれば新規人材を投入し、事業体として確立していきたい」(田辺社長)。
◇所在地:神奈川県相模原市中央区相生4‐4‐13電話042‐753‐1156

20110316-7-2.JPG 

田辺俊明社長
 

施工を売るといっても我々が施工をするわけではない。むしろパートナーシップとして塗装業者の連携関係を作っていきたい。仕事を増やす(需要拡大)ことであれば、業者にはむしろ喜んでもらえると思う。成功させるためには施主との信頼関係が基本となるため、会社全体のイメージや情報発信力が試される。企業として地域に浸透していくためにいろいろな努力をしたい(談)

« 前のWeb特集Web特集アーカイブ次のWeb特集 »

Web特集|ニュース|コラム|インタビュー|データルーム|イベント情報|セミナー情報|リンクネットワーク