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Web特集

2011年05月16日

シリーズ: 地域力

地域力(第20回) 大貫塗料(栃木県) 継承できる事業体に

地場産業である木工用塗料の他、塗り床用塗料の材工展開のパイオニアとしての位置を変えていく必要が出てきている。「既存分野に頼っていては将来が見えてこない」(代表取締役・大貫定之氏)からだ。更なる地域密着によって自力で需要創造していくスタイルを指向。「子供に事業を継承できるビジネスの形を創りたい」(同)と行動を開始した。
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大貫氏は昨年、40代前半の若さで代表に就任したが「実質的には今年からが勝負」と気を引き締める。同社を取り巻く環境は厳しいものがある。リーマンショック以降、売上回復の戻りも鈍い。早急に手を打つ必要に迫られている。
しかし人材的にも限られるため、新たなビジネス創出に向けてトップ自らが行動を起こし、事業の形を作る決意を固めている。「どこから手をつけていくかはまだ決めていないのですが、地域との接点づくり、特に生活者ニーズを掘り起こしていきたい」という。


同社は栃木県北部の鹿沼市に立地、地元ではペイントショップとしての知名度が高く、従来から店頭販売はひとつの柱となってきた。このため店頭でコンサルティングセールスができる専任者を置き対応している。
店頭販売はリーマンショック後も安定しており、むしろ増える傾向も見える。それだけに売り方やPR次第では潜在需要の見込める分野。その一方で課題もクローズアップ。リフォーム業者などセミプロの集客力はある反面、生活者の来店率は低いのが実態。
「やはりプロショップのイメージが強く、来店しにくいところがあるのでは」とリテイルへの工夫の必要性を感じている。


これまでも大きなそで看板を出したり塗装教室を開催したり、生活者へのPRを怠ってきたわけではない。しかし全社的な姿勢として生活者対応をしてきたかとなると、従来の業販に営業の主力を置いてきたせいもあって、中途半端であったことは否めない。
市場変化の動向から、地域密着のテーマが切実なものとなっている中で、ひとつの決断を行った。施工サービスへの本格進出。これまでも塗り床工事では実績もあり、施工と無関係ではなかった。このため施工のノウハウは蓄積されている。


しかし今考えている施工サービスは地域の生活者が対象となるため、持てるノウハウをそのまま活用できるわけではない。「営業アプローチや施工業者とのタイアップなど、すべて白紙の状態から立ち上げていく」との覚悟だ。
その意味でニュービジネス創造に向け自らが行動し、その成果をベースに事業として確立していく。ひとつのポイントはショップ展開。「来店型のショップにしていきたい。一般の人たちに来店してもらうにはショップの在り方にもっと知恵を絞っていく。今のように商品を陳列しているだけではなく、ショールームとしての機能など、パフォーマンスを上げていく必要がある」と課題を指摘する。


方向性推進で一番念頭にある思いは、このままの事業形態では子供に引き渡せないとの気持ち。「将来の見えない商売をしていては継承してもくれないかもしれない」との危惧には深いものがある。
施工サービスの発想にも単なる材料販売からの脱却が不可欠との認識がある。「半製品の材料の販売だけでは成り立たない時代に入った。完成品として販売する方向ばかりでなく、塗料の持つ効果を付加価値に結びつけるビジネスをつくらないといけない。まだまだ一般の人たちに塗料の機能性や色彩の価値が認知されていない」と話す。


未来指向型のペイントビジネスとは何か。それが見えているわけではない。限られたマンパワーを最大限引き出すためにも、トップの指導力と行動力が問われていることは痛いほど自覚している。「生活者と直面してたじろいではいられない。確かに営業アプローチひとつとっても煩雑になるし、信頼性構築には時間もかかる。しかし地域に潜在化しているニーズにきちんと対応していくスタイルを自らが創らないと、生き残ることはできない」(同氏)。


塗料・塗装を通じての生活ステーション化に向け、第一歩を進める。地域の人たちとのペイントコミュニケーションの可能性には「夢がある」と言い切る。生活シーンの中で塗料・塗装が役立てることはたくさんあると考えるからだ。そのためには企業の方向性をブレないようにし、生活者の目線に合わせたサービスを創造していかなくてはならないと考えている。
「ローカルに立地しているわりに地域そのものをマーケットと見る感覚が鈍かったように思う。全社的なパワーを地域対応力に振り向けて地域サービスを創造したい」(大貫社長)。
◇所在地:栃木県鹿沼市緑町2‐6‐26 TEL0289‐64‐0046

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大貫定之社長
 

ローカル(地方)市場に立地する利点を引き出していきたいという。少子高齢化などマクロ問題もあるが、フェイストゥフェイスの関係(顔の見えるビジネス)はローカルの方が作りやすい事情もある。「不特定多数の顧客をターゲットにするのではなく、地域をベースにした顧客との密度の高い関係づくり」が突破口となる。拙速ではなく、腰を入れた長期テーマを設定していく方針だ。

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