Web特集
2011年10月13日
屋外木部・木材保護塗料特集2011 メーカー動向
消費者ブランドとしての飛躍狙う 日本エンバイロケミカルズ
今年、発売40周年を迎えた日本エンバイロケミカルズの木材保護塗料「キシラデコール」。現在、「DIYフォトコンテスト」と称した作品募集キャンペーンを実施するなど、ユーザーとの交流を深める施策が際立っている。
特にキシラデコール専用Webサイトは利用者からの評価が高い。一般建築、戸建ての施工事例集の他、カラーシミュレーション、DIY講座、製品安全データの掲載など、多種多様なコンテンツが盛り込まれている。またフリーダイヤルによる問い合わせ対応も重視するなど、消費者ブランドとしての認知向上を強化している。
その理由としては、圧倒的シェアを誇る木材保護塗料市場において、これ以上現状のパイの中で需要を伸ばすのは容易ではないとの考えがある。むしろ施主であり、ユーザーとなる一般消費者の嗜好性に対応することが、新たな活路につながると見ている。
そのため製品開発においても「カテゴリーごとに細分化されてくる可能性がある」(担当者)と指摘。新製品の投入を示唆するなど、新たな展開も予感させる。
競合ひしめく市場の中で、同社がシェアを維持している要因としては、製品に対する信頼性の高さ。「当社としては、製品のメリットだけでなく、デメリットも明らかにしている」。塗料がどのように経年変化し、劣化するのか。塗り替え時の施工性はどうなのか。短期的な性能評価でなく、一連のサイクルとしてユーザーの評価を得ていることが最大の強みとなっている。
進化を理解してもらう活動 トーヨーマテリア
3年前に発売した「セトール デッキ プラス」に動きが出てきた。屋外のウッドデッキなど、水掛かり、雨掛かりが多い箇所に「滑らない、ささくれない」など、用途と特徴が明確な商品。「プレジャーボートの他、店舗の屋外デッキ、避難通路など必要性本位での引き合いと実績が増加。木材の耐久性プラス安全性の観点から更に需要を探り、認知させていきたい」(担当者)と意気込む。
一方、主力の木材保護塗料「セトール HLS」に関しては、「月ごとにバラつきがあるものの、総じて伸長力に欠けている。市場的な要因も大きいが、シェアから見ればまだまだ伸ばす余地があり、やるべきことを一つひとつクリアしていく」(同)方針。
同品は、含浸型ツヤ消しタイプが主流の木材保護塗料分野において、造膜タイプで独自のポジションを確立している。「塗膜がハイビルドな発売当初のイメージを持たれているユーザーも多いと思うが、製造元(アクゾノーベル)による薄膜化の改良も進化しており、ワレ・ハガレの懸念も解消されてきている。そうした製品自体の進化と意匠感など造膜タイプならではの特性を再認識していただく活動が必要」とし、フィールド活動に熱を入れる。
一方、流通を担う塗料販売店は同社にとって重要な位置づけ。「1人でも多くセトールファンになっていただくためには、売りやすく手離れの良いフォローが必要」とし、ユーザーに即答できるQ&A集や製品比較表を作成。ファンづくりを着実に行っていく。
DIY、土木資材分野を強化 吉田製油所
白アリ予防駆除剤をホームセンタールート(HC)で拡充、同社の屋台骨になるまでに成長している。
東日本大震災を機に改めて建物の耐震性が求められる中、防蟻処理の重要性を指摘する。「知らず知らずの内に構造躯体に水分が入り込み、木材の腐食を進めている事例が多い。今後も生活者に対して防虫・防腐処理の必要性を啓蒙していきたい」(吉田善彦社長)と説明する。
更に同社はフラニコチニル系シロアリ防除剤「ミケブロック」を擁し、アメリカカンザイシロアリに対する防蟻処理工法の開発を進めている。アメリカカンザイシロアリは、木の中で生活し、屋根裏など拡散して繁殖するため生息場所を見出すのが難しい。「手軽で簡易的な工法でなければ普及しない」と処理技術のノウハウを蓄積している段階にある。
一方、木材保護塗料、クレオソートに代表される防虫・防腐剤においては、土木分野での需要開拓を積極化。間伐材の有効利用として、ガードレールや高速道路の遮音壁などへの利用が進んでいるためだ。
トリアゾール系瀝青系油剤「クレオトップ」はHCでの取り扱い店舗数も拡大している主力製品。環境対応型の「水性クレオトップ」、家庭用品規制法を遵守した「クレオソート油R」、木材保護塗料「スーパーウッドステイン」など豊富な品揃えも強みとなっている。
無処理で使用されることの多い土木資材に対し、エコの観点から防腐・防虫処理による耐久性を訴求していく。
製品改良、クリヤータイプに人気 キャピタルペイント
木工塗料専門メーカーのキャピタルペイントは、水性難燃塗料、オイル調水性フロア用塗料など、水性に特化した機能性塗料の開発で存在感を高めている。
木材保護塗料「ワンダー水性一液型ウッドガード」は昨年全面改良を実施。樹脂分と顔料のバランスを変えることで半造膜の塗膜を形成、耐候性の向上を図った。防腐、防虫、防カビを保持する他、燃えにくく発煙が少ない難燃1級を取得するなど、機能面でも差別化を図っている。色数もクリヤー、ホワイト含めた16色と豊富に揃える。またイペやジャラといったアクが強い南洋材に対して、クリヤータイプの需要が伸びているという。「吸い込みが少ないこれらの材は、油性ではアクが止められず、同品のクリヤーが使用されている事例がある」(担当者)と水性ならではの特性も見出している。
販売展開としては、ここ数年設計指定活動を精力的にこなしている。全国の設計士グループの勉強会に赴き、木材知識や水性木部用塗料の特性を訴求。販売店での説明会も合わせ、地道な活動で着実に販売量を伸ばしている。
また最近ニーズが高まっているのが不燃処理材向け塗料の開発。不燃処理材の普及拡大が進む一方、水分や湿気を含むと、ホウ酸やリン酸塩などの含浸物が溶出し、表面を白化させる課題が浮上している。これらの対策には「まだ決定的な処方がない」として、いち早く溶出防止システムを投入したいと意欲を見せる。
素材を守るメンテナンスを追求 三井化学産資
本格販売を開始して10年が経過した三井化学産資の「ノンロット」。発売以来、一度も売上を落すことなく着実に成長を続けてきた。「良い時は大きく、悪い時は悪いなりに少しでも伸ばしていきたい」と木の成長になぞらえた"年輪経営"を志向する。
着実な成長の背景にあるのが仮説と検証の繰り返し。これまでユーザーから得られた突出した製品特性をマーケティングに結びつけてきた事例がある。木の香り、臭い抜けの早さ、テープ付きなどもユーザーが見出した特性で販売拡大につながる要因となった。
同社では、これを更に磨きをかけるべく、3年前からユーザーアンケートを実施。今年は過去最大の約500人の塗装業者からアンケート回答を得た。
同社が製品コンセプトとして重視するのは「いかにして木造建造物を美しく、綺麗に維持させるか」。しかし、アンケートでは、その理念とは裏腹に塗り替え年数の長期化、簡易な下地処理に依存せざるを得ない実態が浮き彫りになった。「塗料的な視点では耐候性が必要だが、木という素材の視点に立てば、やはりこまめな塗り替えを啓蒙していくしかない」(担当者)と説明。同社としては、適切なメンテナンスを加えることで10年耐久を実現する製品開発を目指していくとしている。
今後は既存製品の特性を生かしたラインアップの拡充を図る計画。「改修においては、技術的知見を蓄えることが必要」と、今後も仮説と検証を繰り返すことで活路を見出していく姿勢を打ち出す。
サドリンシリーズに注力 玄々化学工業
玄々化学工業は屋外木部用では「サドリンシリーズ」の販売に注力している。「優れた耐候性が塗り替え需要に適しており、コンスタントに使ってもらっている」(担当者)と堅調だ。
低塗膜形成型木材保護塗料の「サドリンクラシック」は防虫・防カビ成分が木材に浸透し、木材表面に現れるカビや腐朽菌、虫害の発生を抑制する。更に紫外線吸収剤により木材の変退色を抑制する。カラーバリエーションは28色をラインアップ。
更に再塗装の際に旧塗膜を完全剥離する必要がなく簡易でメンテナンス作業ができる。
また、旧塗膜を剥離しても黒ずんでいるなど木材が傷んでいる場合に勧めているのが「サドリンエナメル」。
同品は造膜タイプの木材保護塗料で、圧倒的な隠ぺい力(高濃度の顔料)で灰色化した木材をきれいに再仕上げできる。造膜タイプでありながら、樹脂に柔軟性があるため木の収縮にも対応する。カラーは8色。
塗り替え仕様としては、サドリンクラシック及びサドリンエナメルともに、素地調整の後、必要に応じてサドリンベースを塗装し、その後に2回塗りで仕上げる。
また、水性タイプとしては「eLFエクステカラー」を展開している。木材の防腐・防カビ効果に優れ、強い撥水効果により長期間木材を保護する。
水性系のためほとんど臭いがなく作業環境に優れている。TVOC0.1%未満、カラーバリエーションは12色を揃えている。
浸透・塗り潰しタイプで意匠変化 新宮商行
米国・PPGインダストリー社製の木質油性ステイン「オリンピックステイン」を展開、既に国内で30年以上の実績を重ねている。木目を生かす半透明の「セミトランスパーレント」、透明の「ウォーターガード」の他、塗り潰しタイプの「ソリッドカラー」を揃える。デッキ用の「デッキステイン」も好評だ。
「生産国のアメリカでは屋外木部のメンテナンス用としてDIYでの需要が圧倒的。国内においても近年、DIYユーズが増加してきており、それらの需要へ向けた販売チャンネルの強化を図っている」と担当者。
具体的にはホームセンター(HC)やインターネットでの販売だ。HCにおける実演販売、またネット内でのQ&Aを充実させるなど「一般顧客がアプローチしやすい状況をつくるようにしている」と力が入る。
一般顧客向けでも課題はメンテナンス塗装の方法。塗り重ねるごとに濃色になるという制約を嫌う層も出てきており、その場合、汚れ・あく落としや剥離剤などを用いた下地処理など突っ込んだ説明を行う。「お客様の要望を聞いた上で、下地処理に手間を掛けてなるべく元の木地の状態に近づける方法を提案したり、逆に濃色の半透明タイプ、最終的には浸透タイプの塗り潰しで再塗装することを勧めるなどフレキシブルに対応している。浸透・塗り潰しタイプによる意匠・風合いのチェンジはひとつの切り口。顔料が多く配合されていることもあり、紫外線への耐候性も抜群」と説明する。
防藻機能を付与、認知向上図る 大阪塗料工業
大阪塗料工業は昨年、主力の「ニューボンデンDX」の製品リニューアルを実施。防蟻剤に加え防藻機能を付与するなど他社にない差別化を要し、需要拡大に意気込みを見せている。
新バージョンとなる同品の特長は、最高と自負する木材保護性能とコストパフォーマンス。性能を維持しながら価格を抑えたことで市場優位性を高めるのが狙いだ。
そこで課題となっているのが知名度の向上。販売店在庫を増やすなど地道な営業展開が奏功しているものの「もっと知ってもらうことが重要」(担当者)と飛躍につなげるにはWebサイトの充実化を図るなどマーケティングの強化を挙げる。
Webマーケティングを強化する背景には、それが需要に結び付いた実体験がある。「ある一般の男性がいろいろな天然系塗料を購入し比較した結果、同社のユーロが仕上がりもコストも含めて一番良かったとの評価をブログで書いて頂いたことがありました」。その後、注文が瞬間風速的に舞い込んだことで同社もブログの存在を知ったほど。インターネットの力を思い知らされる出来事となった。今後は写真を用いた施工事例を掲載するなど、コンテンツの充実化を進めていく。
既に勉強会を全国各地で行うなど地道ながら着実な営業展開が奏功し「小学校や美術館など公共物件での採用が増えている」と手応えを見せる。今後は販売店の協力を仰ぐ形で大きなポップを製作し、店頭PRの強化を図る意向を示す。
アクア好調、ニーズの深掘り進める 和信化学工業
水系木材保護塗料「ガードラックアクア」が好調な売れ行きを見せている。下地をカバーする隠ぺい性や1回塗り仕上げができる作業性などがユーザーの評価を得ている。木目仕上げを得意とする「ガードラックラテックス」とともに水系製品の拡大に弾みをつけている。
同社は、ここ数年精力的に製品説明会及び塗装教室を開催している。対象は塗料販売店、塗装業者のみならず、役所関係、設計関係、一般生活者と広範囲に及ぶ。特に一般生活者に対しては別荘地、キャンプ場、行政主催の生涯教育など、あらゆる機会を通じて水系木部塗装の普及・啓蒙に努めている。
「一般の生活者が塗料にどのようなイメージを持っているのか。どういう要望を持っているのか。できるだけ生活者との接点を増やすことで、今後の製品開発、また販促ツールを含めたサービスの在り方を追求していきたい」(担当者)と説明。子会社の和信ペイントを通じてホームセンタールートでの拡充を図る一方、業務用ルートをメインとする同社にとっても、一般生活者の声を無視することはできないとの姿勢に立っている。また移動展示車「ガードラック号」も今年新たに1台追加し、計4台が全国を奔走する。
下地処理については、「ウッドリカバリー」を上市。塩素系の希釈タイプで、優しい除去性能が特長。「アクやカビだけを除去し、赤太を白くするほどの除去性能は持たせていない。そのため、木本来の風合いを生かした仕上げができる」とアピールする。
水性タイプの木目仕上げに強み 大谷塗料
天然植物油をベースとした自然系木部用浸透型着色剤「VATON(バトン)シリーズ」を展開する塗料。屋内外に使える木部用塗料として、油性タイプの「VATON」、水性タイプの「水性VATON」を主力に特色を持った豊富なラインアップを有する。
「VATON」の最大の特長は、低臭かつ着色性の高さ。鮮鋭性の高い顔料の採用により耐候性を保持するとともに刷毛ムラ、塗り継ぎムラを抑え、ディッピング(浸漬)でも色溜りなく、美しい仕上げができる。塗膜は食品衛生法、FDA認可基準に適合している。
一方「水性VATON」は、天然植物油ベースである従来のバトンの施工性を維持しつつ、水性化した新タイプの浸透型着色剤。耐候性を保持する他、油の浸透効果を利用したことで水性でありながら、白くぼけず、しっとりとした美しい木目仕上げを演出する。木材、建材、加工材と幅広い木工製品に着色でき、色数もVATON同様16色と豊富なカラーバリエーションを揃える。乾燥時間(25℃)は4時間以上。ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆認定品。
更にこの水性タイプを屋外用として性能を高めたのが「水性VATON+(プラス)」。防虫防腐効果を保持する木材保護塗料として市場認知を高めている。
特長は水性でありながら、油性並みの木目仕上げができる浸透性を保持している点。塗膜の膨れや剥がれがないことから塗り替え適性に優れている。色数は16色。
屋外木部の難燃処理を実現 BAN-ZI
特殊塗料メーカーのBAN-ZI(バンジー、本社・東京都港区、社長・宮原万治氏)は、シリコーン系木部保護防炎塗料「Preventive fire super BX」を開発した。
同品は防火、撥水、白アリ対策、防腐機能を備えた多機能性が特長。これまで防火難燃剤は雨が当たる屋外用途は不向きとされているが、粒子が異なる100種類以上に及ぶシリコーン樹脂のブレンド技術によって、屋外木部の難燃処理を実現した。既に老人福祉施設の外壁ルーバーへの採用が決まるなど、業界唯一の機能を有する製品として販売拡大に期待感を募らせている。
その他、強力な撥水性能を保持する「スーパーウッドコート」を有するなど多彩な製品をラインアップする。いずれもクリヤータイプのみだが、現在着色タイプの開発を進めている。
同社は水性シリコーン樹脂、ガラス系コーティングを主力とした機能性塗料の開発を得意とする。オールオーバーが可能なサビ転換剤「サビキラー」は急速に市場認知度を高めている。
価格競争力を強化、拡販に期待 日本オスモ
小売店を対象とした販売店組織「ひまわり会」が発足して3年目を迎えた。当初33社でスタートした会員企業も今では69社と着実に広がりを見せている。
その間、同社は全国の塗装会社に数回にわたってダイレクトメールを送付し認知向上に努めるなど、塗料販売店、塗装業者との関係構築に努めた。
「オスモカラー ウッドステインプロテクター」を主力に屋外木部市場での拡大を狙う同社にとって、改修市場においては販売店、施工業者への訴求が不可避との判断がある。一連の販売施策を繰り返すことによって、徐々に精度を高め、塗装業者の使用材料としてスペックインされ始めている。
今年は更なる拡販につなげるべく、4月に製品価格の値下げを実施した。これまでも平米当たりの塗布面積換算で、競合他社品と比べて価格優位性を訴求していたが、製品価格を下げることでより競争力を高めた。担当者はオスモカラーウッドステインプロテクターについて「価格、施工性、1日2回塗り仕上げができる乾燥性と条件が揃った」と飛躍に意気込みを示す。
塗り替え仕様に関しては、下地処理剤として「ウッドリバイバー」を上市する他、塗料との相性が良いとして大塚刷毛製造の「塗来」を推奨品に据えるなど、道具の面からも施工の効率化をサポートとする。
一方、同社では塗り替えプロジェクトチームを発足させており、「システムとして充実化していきたい」との今後の展開にも意欲を示す。
まずは市場への浸透、展開に本腰 エービーシー商会
木材保護塗料の展開に本腰を入れる。3年前、アルキッド油性ベースの製品がほとんどを占めるこの分野で、初めてシリコーン系ポリマーをベースとした「ワイティプルーフW」を投入した。木材劣化の最大要因である「水と紫外線を徹底的に防ぐ」とのコンセプトで開発。シリコーン由来の超撥水性と性能添加の自由度による紫外線カット機能で圧倒的な長期耐久性を実現。2~3年に一度のメンテ塗装を推奨する従来品の2~3倍の耐久性を発揮、市場が最も望んでいる保護機能の長期化で明確な差別化を図った。
現状、耐久性への市場の感度と価格面がミスマッチしており足踏み状態だが、「リーマンショック以降、建築関連のあらゆる資材、部材が落ち込んだが、この分野だけは落ちていない。サスティナブル社会へ向かう中で、木材のポテンシャルは更に高まる。木材保護塗料は非常に有望な分野」との見方。
このため、「新規参入の当社としてはまず市場浸透を図る必要がある」との見地から新たに木材保護着色塗料「ランバージュ」を開発、発売した。市場で普及しているアルキッドタイプの浸透性木材保護塗料で、ポイントは高級顔料使用による紫外線カット性能と、最大普及品の下をいく市場浸透価格。「塗料販売店様が売りやすいグレードをラインアップするとともに、営業量も投入、市場での存在感を高めることに注力している。ワイティプルーフWはハイグレード版と位置づけ、市場浸透の度合いとともに相乗効果が期待できる」と積極姿勢。
木材保護の意識付けが重要 菊水化学工業
菊水化学工業は木部用として水性木材保護塗料「WOODGO(ウッドゴー)」を展開している。「建物の空間コンセプトが一致しているところへアプローチし、木材を保護する意識の定着を図っていきたい」(担当者)との方向性で、市場での普及を進めていく。
同品は半造膜タイプのため、優れた木材保護機能を持ちつつ、木の呼吸を妨げないといった特長がある。木に含浸するため木との密着性が良好で、塗膜が防水機能を発揮する。更に塗膜は紫外線に強く、木の美観を長く保つことができる。
その他の特長として、防虫・防菌に強いため、カビやシロアリから木を保護する。カラーバリエーションは20色と豊富にラインアップ。また、燃えにくいといった特長があり、不燃材料認定(NM-1930)を取得している。
同社では、油性・含浸タイプが主流の市場の中で水性・造膜タイプを差別化に営業活動を進めている。
「適材適所の提案が大切。DIYの場合、水性塗料の方が処分も楽になる。また、デッキやバルコニーでは水性の方が作業環境に良く、造膜するので耐久性にも優れている」として、施工業者や設計士だけでなく、工務店やハウスメーカーなど直接施主と接する業態へのアプローチを図っていく。
同社では木材保護塗料市場の拡大には建物に対する"愛着"をいかに持たせるかが重要との考え。愛着を持たせることでメンテナンスへの喚起を促せるとの視点から、マーケティング戦略を図っていく意向。
屋内外の定番クリヤーを目指す ユニオンペイント
ユニオンペイントは建築木部内外装全般の保護着色塗料として「タフウッドステイン」を展開している。
油性タイプの浸透性の良い塗料で、木材に深く浸透し、腐れ、カビ、虫害などから木材を護る。特に撥水性に秀でており、撥水性を求める物件や部位で多用、撥水性への評価は高い。また、粘度が低いので扱いやすく、そのままムラなく塗装ができ、作業性も良好だ。
加えて、他社品に比べリーズナブルな価格設定も同品のメリット。ユーザーや塗料販売店は、同等品スペックの際、他社品から同品への置き換えを図ることで価格対応力が強まる。「ある程度固定化した市場だが、裾野は広く、コストパフォーマンスの再認識などまだまだ需要は広げていける」(担当者)との見方だ。
一方、同社のロングセラー商品「EGシリーズ」に昨年、ニューフェイスを加えた。「EGユニラップ」がそれだ。従来、屋内用途が主流だったEGシリーズに、屋内外での使用を可能とした木部用2液ウレタンクリヤーを加えた。
これまでにない高耐候性・無黄変タイプで、高光沢の仕上がり感やハイグレードな肉持ち感が屋外でも発揮される。しかも塗装表面のペタつき感がなく、外部用塗料の欠点であった硬化乾燥までの時間を大幅に短縮した。「玄関ドアなど外部で光沢や肉持ち感の欲しいニーズにぴったり。もちろん屋内用でもグレード感がアップ。屋内外全般に幅広く使用できる木部用クリヤーとして塗装店様の定番化を狙いたい」(同)と普及を目指す。
ガーデンペイントが好調 アサヒペン
家庭用塗料トップのアサヒペンは屋外木部用塗料として、「ウッドガード外部用」「水性ガーデンペイント」「水性ガーデン用カラー」などウッドケアシリーズとして豊富なラインアップを有している。
中でも「水性ガーデンペイント」は簡単なサビ落としだけで釘部にもそのまま塗れる手軽さが特長。隠ぺい力が高く、古くなったラティスやガーデン用品を落ち着いたシルク調のツヤに仕上げる。20色と豊富なカラーバリエーションも魅力となっている。
同品においては昨年発売した新製品ながらも好調な売れ行きを見せている。木部以外にもコンクリート、鉄製品、レンガなど多用途塗料としての性格を有するものの、あえて"ガーデンペイント"と用途を明確に突出させたことも「販売増加に寄与している」(担当者)と分析する。
強力防虫・防腐塗料として展開する「ウッドガード外部用」は、白あり防除機能を有した木材保護塗料。性能とコストパフォーマンスに優れており、生活者の利用を想定し薬剤の安全性にも配慮。同社が得意とする在庫期間の長期化にも耐えられる長期製品安定性も保持する。水性タイプの「水性ウッドガード外部用」は長時間持続する撥水機能が特長。
同社にとって、屋外木部用塗料製品は多用途、エアゾールに続く主力分野の1つ。「ラティスなどは低価格化が顕著で、塗り替えるよりも取り替えるケースが増えている」と市場トレンドの変化に危機感を募らせている。
新製品を積極化、パウチも投入 カンペハピオ
昨年、パウチ入り塗料、チューブ入り塗料と斬新な容器の投入で業界内外の注目を集めたカンペハピオ。"ペイントユーザーの創出"をテーマに塗装教室など一般生活者を呼び込んだダイレクトマーケティングを繰り返す中で、塗料容器の既成概念を崩すという1つの形を見出した。
実際、チューブ入り塗料「ヌーロ」は「画材でもなく、塗料でもないちょっとした用途に使うユーザーが多く存在した」と新たなユーザー層の獲得に成功した。今後はホームセンタールートだけではなく、生活雑貨やファッションアイテムとしての展開に期待する。9月には同社としては初となる「ギフトショー」に出展、その感度を探ることとなる。
同社がランバーケアと称する木材保護塗料分野においては、「キシラデコール」と自社ブランド品の2軸展開で売り場の活性化に努めている。
自社ブランドにおいても豊富なラインアップを有しており、店の地域性や顧客の嗜好性に対応した品揃えが強み。また6月には価格戦略製品として、「水性木材保護塗料」を投入した。流通チャンネルが多様化する中で求められていたもので、防虫・防腐機能と塗料の基本的性能を確保しながら、色数(5色)、容量(3種類)を絞ることで廉価な価格設定を実現した。
更に3月にはパウチ入り「ガーデン水性木部用塗料」を発売。色数30色と豊富なカラーバリエーションが魅力でパウチの持つエコロジー性を訴求することで女性層の支持を狙う。
プロスペックを積極投入 ニッペホームプロダクツ
今年6月、家庭用塗料メーカーとしては初となる「窓ガラス用遮熱コート剤」を発売した。ホームセンター各社の店頭に置かれたことで、省エネ、節電ムードの追い風に乗り、早くもリピート需要を生み出す立ち上がりを見せている。
同社の強みはプロブランド製品をいち早くDIYルートに落とし込むことができるグループ力にある。ホームセンターのプロショップ化の流れに加え、情報化時代により業販、家庭用の市場トレンドがオーバーラップしている背景がある。そのためプロスペックブランドをリテール分野(小売)に落とし込むことが同社のコア戦略となっている。
屋外木部用塗料としては、昨年防虫・防腐塗料として「油性木部保護塗料」(10色)、「水性木部保護塗料」(8色)を発売した。「木ゆえに素材の傷みが早く、製品回転率が高い」(斎藤真一社長)との売上比率を占める重要な分野との認識。それでもトタンペイントと重複するリピートユーザーがメインとなっており「失敗したくない。冒険したくない気持ちが働いている分野でもある」と製品選択において保守的傾向が強いと分析する。
その中で同社は、製品単体の訴求より、魅力ある売り場を提案するセールスプロモーションを強化していく方向性を示唆する。「いかにして製品を味見してもらい、体験によって塗料に対するハードルを下げられるか」。
"物売り"から"事売り"へ。大きく舵を切ろうとしている。
少量多品種対応に磨き サンデーペイント
サンデーペイントは、デフレ傾向が進む家庭用塗料市場において、採算確保を優先した事業展開を重視する。特に少量多品種ニーズに対応した生産技術は同社の強み。パッケージ、充填に至るまで少量ニーズに対応した生産システムで差別優位性を狙う考えで、OEMにも積極的な対応を見せている。
そのため、製品開発においてもニッチでかつ高付加価値製品を指向する。屋外木部用塗料では、天然樹脂塗料「エコウッド カラーステイン」が根強い人気を得ている。同品は「販売店とともに育てあげた製品。お客様にはリピート商品として定期的に使ってもらっている」(担当者)とコメントする。容量200を追加投入したことで、ホビー用途や試行的な用途に対応するなど、新たなユーザーの獲得を進めている。
同品は低臭で製品に含まれるヒノキチオールが防カビ、抗菌性を発揮する他、浸透性、撥水性を特長としている。この他、木部用ガーデンカラーシリーズとして、防蟻、防腐性能を有した油性2製品、水性1製品をラインアップする。
当面、木部用塗料における新製品投入はないとしているものの、親会社である大日本塗料との技術を生かした相乗効果を図る狙い。鉛フリーでRoHS、REACHに対応したノンTXタイプの環境対応形ラッカー系スプレーもその1つ。更に「刷毛塗りをしたいとの要望が強い」と缶容器タイプのラッカー塗料も環境対応形へと新たな挑戦を始めている。
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