2011/10/01 00:00

ワックス添加剤 WEB連載講座(1)

ビックケミー・ジャパン

ビックケミーは、今年ワックス添加剤の新製品を投入し、機能性製品のラインアップの充実を図っています。 "BYK is excellence in Wax Additives" と銘打って BYK-Chemie GmbH(ドイツ)とビックケミー・ジャパン共同で2007年7月からワックスキャンペーンもスタートさせました。8月上旬の国内3ケ所でのワックス添加剤説明会も多くの方にご来場いただきました。WEBではベースとなるワックスやワックス添加剤を基礎理論から応用例など、紙面連載以上に図表を用いながら、連載講座でご紹介いたします。
はじめに:

ワックスは何千年も前から表面保護の目的としてあらゆる分野で用いられてきました。例えば、奈良 東大寺の大仏殿には437トンの青銅、130kgの金 そして7トンのワックスが使われています。 ワックスは今日に至るまで、産業、芸術の様々な分野で使用されてきました。その表面保護の効果というと、木工床のパーケットラッカーで耐スクラッチ性を付与したり、包装用紙材のコーティングでは撥水性、缶やコイルコーティング、キャンディーなどにはスリップ性を改善したりと用途も多岐にわたります。 他にもワックス添加剤では、アルミやマイカのような光輝性顔料の配向性向上や、家具や皮革のベルベットタッチのソフトフィール感を引き出すこともできます。表面を凹凸してつや消し効果やテクスチャーを実現できる製品もあります。粉体塗料のハンマートーンはその1例です。

産業界ではその技術発展により、多くのケースで以前のような目的ではワックスを使わなくなりました。天然のワックスはその粒径が100μmからブロック体の0.5mmとまちまちで、塗料の生産工程で使用するにはあまりにも大き過ぎます。多くの塗料には30μm以下の粒径が適しているでしょう。ここに特殊技術による高品質なワックス添加剤の開発の理由があります。ワックス添加剤がワックスの特性とその粒径制御によって表面保護、表面効果を引き出すのです。 ワックス添加剤のお話の前にベースとなるワックスとは?からお話を始めることにしましょう。

ワックスの外観写真=ワックスの外観


ワックス 定義と分類?:

ワックスとは:
ワックスは古代から知られており、当初、"ワックス"は"蜜蝋"の同義語として用いられました。やがて、ワックスのような性質を示す他の天然材料が発見され、20世紀には合成ワックスが使用されるようになりました。
一般的なワックスの定義はありません。化学構造は多種多様で、ワックスとワックス以外の化学物質の区別が難しいので化学的な説明は重要ではありません。ワックスとはある種の有機化合物グループを示す広義な用語です。ワックスの定義としては物理的および技術的性質を用いるのが適切でしょう。性質は以下のとおりです。


•融点が40℃以上(一般的には50℃‐160℃)の固体
•低溶融粘度(融点より10℃高い温度での溶融粘度が10Pa・s以下)
•溶融時に分解しない
•こするだけで光沢が得られ、燃焼によりすすが発生する


ワックスと有機ポリマーの違いは多くの場合明確ではありません。たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)はワックスに分類されることが多いですが、定義上は融点がないのでワックスには該当しません。


分類:
ワックスには種々のものから採ることができます。天然ワックス以外に半合成ワックスおよび合成ワックスがあります。


天然ワックスには、化石に由来するものと生物に由来するもの(化石以外)があります。
パラフィンワックス(原油ベース)およびモンタンワックス(石炭ベース)は化石に由来する代表的なワックスです。化石以外のワックスとしては、蜜蝋やカルナバワックスが動植物に由来する代表的なものです。


天然ワックスの分類

天然ワックスの欠点の一つに、混合物であるために組成が特定の範囲内で一定しない点があります。さらに、不純物が含まれるので黄変したり、あるいは茶色に変色することがあります。工業的に使用するには精製や漂白などの不純物の除去が必要になります。
天然ワックスは現在でも塗料に使用されていますが、その重要性は低下し続けています。合成ワックスが各種用途に応じて容易に製造可能で、化学的組成も容易にコントロールできるためです。


半合成ワックスは天然材料から合成できます。たとえば、アマイドワックスは脂肪酸とアミン類の縮合反応により製造されます。工業的に多く使用されているアマイドワックスはエチレンビスステアリン酸アマイド(EBS)です。他に変性モンタンワックスがあります。ワックスのエステル基を分解させた後、酸基をさらにエステル化させます。この過程で暗色化などの天然モンタンワックスの主な欠点をなくすことができます。


合成ワックスは現代の塗料およびインキにとって最も重要なワックスで、ホモポリマーとコポリマーに分類することができます。最初に市販されたワックスはフィッシャー・トロプシュワックスです。続いて、ポリエチレン(LDPE、低密度ポリエチレンおよびHDPE、高密度ポリエチレン)およびポリプロピレンワックスなどのホモポリマーワックスが製造されました。重合に加えて、(特に、ポリプロピレンの場合)高分子量ポリマーから分解して作ることもできます。
エチレン酢酸ビニル(EVA)やエチレンアクリル酸(EAA)をベースとするコポリマーワックスは、特にメタリック(ベースコート)塗料の配合成分としてよく知られています。


合成ワックスの分類

ベースワックスの物理的性質(1)

ベースワックスの物理的性質(2)

次回は、ワックスからワックス添加剤へと続きます。
Article author: Anne Drewer, product group manager, wax additives, BYK-Cera bv  2007.07


BYK company profile:
ビックケミーは塗料、インキおよびプラスチック業界で使用される添加剤では、世界的なリーディングサプライヤーの一つです。添加剤は塗料、インキおよびプラスチックの製造工程で使用され、製造工程を最適化し、最終製品の品質、外観を大きく向上させます。ビックケミーでは、湿潤分散剤、スリップ性、レベリング性を向上させる表面調整剤、消泡剤、レオロジーコントロール剤をはじめ、ナノテクノロジーを応用した添加剤、ワックス添加剤等を取り扱っています。


Wax Additives
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