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Web特集

2011年11月03日

重防食塗料特集2011 メーカー動向(塗料・資材・設備)

記者の目 新メンテナンス発想とは

重防食マーケットが停滞している。その最大の理由は"理想と現実とのかい離"にある。スペック的には重防食仕様シフトを謳っているが、国をはじめ自治体などではそれにかかる予算が確保されていない。結果的に劣化が放置されている実態がある。
加えて今回の震災により、自然災害のための予算が優先される傾向から、鋼橋のメンテナンス予算は、減ることはあっても増えることはない。しかしこのまま放置しておけば交通網といったインフラの維持がおぼつかなくなってしまう。
対策は2つある。予防メンテナンスの徹底がひとつ。劣化すればするほどメンテナンスコストが増える。従って定期的な軽メンテナンスを施すことによって、コストを抑えトータルメンテナンスコストの削減につなげることができる。
もうひとつはタッチアップメンテナンスの実施。劣化の箇所を特定した部分補修工法で、鋼橋全体の耐久性を高める方向だ。


剥離工法の浸透・拡大へ インバイロワンシステム

インバイロワンシステムが10月3日付で設立され、鋼橋など構造物の旧塗膜剥離工法の展開を加速していく。既に特許工法の許諾認定施工会社の約160社のネットワーク化を完了し「全国どの地域で採用されても、万全の施工を行うことができる」(臼井社長)体勢を整えた。
鋼橋の旧塗膜処理はこれまでブラストによる機械的方法が主流であったが、都心部や周辺に住宅があるエリアではブラスト処理に限界がある。その騒音ばかりでなく飛散対策など。このためインバイロワンシステムが採用されるケースが目立ってきた。また民間のプラント施設での採用が拡大しつつある。
国が管轄する鋼橋での採用動向はかなり地域格差がある。NETIS登録や便覧記載などを背景に剥離工法としての認知は高まっている。しかしコスト問題の壁が大きい。


インバイロワンシステムの最大のメリットは環境適性が高く、トータルコストメリットが大きいところにある。しかし発注側の自治体の担当セクションは新システムを採用する上で"理論上のメリット"だけでは動きにくい事情もある。このため同社では実橋での実績データによる解析データを提供するなど、採用拡大を図っている。
一方、施工会社の北海道ブロックは同工法を普及させる協議会を結成し、活発に受注活動を行っている。今後同社と施工会社またはブロック協議会が連携しての工法の採用拡大がテーマとなってきた。全国協議会設立も視野に入れている。


塗膜除去、着実に評価固める 三彩化工

三彩化工が上市している鋼道路橋塗膜除去技術「ネオリバー泥パック工法」が採用実績を着実に伸ばしている。2年前のNETIS(国交省・新技術情報提供システム)の登録により、同工法の認知が加速したためだ。
同工法は塗膜剥離剤専門メーカーとしてのノウハウを結集して開発され、いわば専門メーカーだからできるバージョンとなっている。剥離性能は素地調整2種程度のサンドブラスト工法に代替できるレベルに置かれた。つまりサンブラによる飛散や廃棄物の発生といった課題を大きく改善する効果を発揮する。それによる下地処理の工期短縮やトータルコストの低減につなげる。
当初はサンドブラスト工法主流の中で、剥離工法のメリットが伝わらない状況であった。実橋での採用実績を積み重ねていくことで徐々に認知度を上げ、評価を固めていった。


トータルコスト面への寄与は、廃棄物の大幅な削減で最もアピール。またサンブラによる作業者の健康面への配慮の面で剥離工法は優位性があることも評価ポイントとなった。
同工法がターゲットにしているのはA塗装系(鉛系さび止めペイント/長油フタル酸樹脂塗料)とB塗装系(鉛系さび止めペイント/フェノールMIO塗料/塩化ゴム系塗料)。A・B塗装系の鋼橋ストックは膨大なもので、重防食仕様への転換とともにニーズが高まるものと期待する。「拙速ではなく、地道に評価を定着させるため、施工支援を更に強めていきたい」(内海社長)とのスタンスだ。


次世代環境対応塗料を市場展開へ 大日本塗料

環境対応形塗料の開発に関して、業界の先導役を担ってきた大日本塗料はいま、そのスタンスを一層鮮明にして市場への展開を進める。
同社の得意とする重防食塗料の分野では、従来からVOC削減や鉛・クロムフリーなどの環境対応、省工程(厚膜形ふっ素樹脂など)、長期使用に耐える厚膜形ふっ素樹脂塗装「VフロンHBシステム」を提供してきた。
同システムは耐候性の優れたふっ素樹脂塗料で、工程削減に寄与する厚膜性を付与させた「VフロンHB」と弱溶剤タイプの「VフロンHBクリーンスマイル」から構成されており、プラントや鉄塔などで採用が進んでいる。


また、現在は水系化システムの確立を急ぎ、更なる環境対応形塗料の普及を図る意向。
5年ほど前から、溶剤型と同品質のポリウレタン系の水系上塗り塗料や水系変性エポキシ樹脂下塗塗料を上市し、鉄道の橋梁などで採用実績を積み重ねてきた。
現在はこれらに加えて水性の有機ジンクリッチペイントや、水性ふっ素樹脂塗料(上・中塗り)の市場投入を目前に控えている。
同社では下塗りから上塗りまで、高耐候性を有する水系システムを構築、環境対応とライフサイクルコスト両立の実現へ向け展開を進めていく。
その他の製品開発としては、ハイソリッドタイプの市場展開を見込んでいる。溶剤を減らし固形分を80~90%まで高めることで、環境に配慮した塗装設計の実現を目指す。


厚膜フッ素樹脂系を上市 関西ペイント

関西ペイントは中塗上塗兼用フッ素樹脂塗料「UniTECT(ユニテクト)70SF」を開発、6月より市場展開を本格スタートさせた。
ユニテクト70SFは中塗りと上塗りを兼用させた厚膜タイプのため工期短縮とコストダウンに寄与する。更に優れた耐久性を発揮しLCC削減にもつながる。同品はふっ素樹脂とシロキサン架橋のハイブリッド技術を駆使することでふっ素樹脂配合量の最適化に成功し、塗膜性能を損ねることなく塗料価格の低減を実現している。
更に厚膜形変性エポキシ樹脂塗料「エスコNBマイルドH」を下塗りに組み合わせることで、塗装工程数を従来比で最大半分に減らすことができ、ウレタン樹脂塗装系並みのコストまで低減することができる。プラントや電力関連など民間施設に向けて「ウレタンのコストでふっ素の品質」をアピールし、拡販を図っていく意向。


また、水系重防食塗装システムは開発済みで、東京都下ではいち早く橋梁塗替工事での実績も得ており、市場ニーズへの体制も整えている。
その他、エポキシ樹脂塗料の弱点であった低温塗装環境下でも硬化性能に優れる、低温用エポキシ樹脂系錆止め塗料「エスコ LTC」を上市した。防食性に優れるのはもちろんのこと、乾燥が速いことから1day 2coatが可能で、工期の短縮につながることから、ユーザーからの評価も高い。
防食性能はもとより環境性能と経済性の両面を兼ね備えた製品開発にこだわり、あらたな市場展開に取り組む。

厚膜フッ素樹脂系を上市予定 日本ペイント

日本ペイントは厚膜タイプの「ハイポンダブルガード」を展開。省工程・工期短縮に伴うコスト削減に寄与できることから引き合いは強まっている。更に近々、フッ素樹脂系の厚膜タイプの本格展開を予定しており、厚膜タイプのラインアップを充実させる。
ハイポンダブルガードは防食性・付着性と耐候性を併せ持つ、弱溶剤形下上兼用塗料で、エポキシ・シリコン変性樹脂系「ハイポンダブルガードSi」とエポキシ・ウレタン変性樹脂系「ハイポンダブルガードU」を揃え、市場展開を進めている。
標準膜厚は50μmという厚膜性に優れるのが大きな特長となっており、工期短縮及びコスト削減に寄与することから、煙突やタンク、配管などで採用が進んでいる。


更に厚膜タイプの新アイテムとしてフッ素樹脂系をこの秋口に上市を予定している。耐候性の優れたフッ素樹脂系により塗り替え周期を伸ばしLCC低減を提案する。歩道橋で試験的に採用されるなど、民間施設だけでなく橋梁へも積極的にアピールしていく意向を示す。
新製品によりウレタン樹脂系、シリコン樹脂系、フッ素樹脂系の各グレードが揃い、厚膜省工程システムの製品力アップを図る。
また、水性タイプについても、下塗りの変性エポキシ樹脂系から、上塗りのウレタン・フッ素樹脂系までオール水性システムを製品開発中であり、現在試験施工を積み上げている段階にある。


省工程化、厚膜形下塗り塗料が充実 神東塗料

軽防食から重防食までフルラインアップを揃える神東塗料。橋梁新設に依存していた防食塗料マーケット全体が縮小傾向をたどる中、「これまでのスクラップ&ビルドから腐食メンテナンスを施すケースが増えている」(担当者)と厚膜形を中心としたメンテナンス向けの製品開発を強化している。
現在、民間プラント向けには、工程省略によるコスト低減を実現した厚膜塗装系をメインに展開。中でも中塗り機能を兼ね備えた下塗り塗料の「セラボーンMP」は、得意とするハイソリッド技術の塗料設計により開発した。エアレス塗装で100μm、刷毛塗りで80~100μmと厚膜塗装ができるのが特長で、補修塗りを含む下塗り2回塗りで200μmの膜厚を確保。厳しい環境下に耐え得る防食性を付与するとともに、グリーン購入法適合(鉛・クロムフリー)、VOC低減と環境負荷低減を備えている。


一方、一般鉄骨、鋼製煙突などのメンテナンス向けには、2回塗りで120μmの膜厚を確保する「さびコート」を塗布後、「NKポリンK中塗」「NYポリンK上塗」の4工程仕様を構築。更に厚膜タイプの「NYポリンK上塗HB」を上塗りに配することで、3工程仕上げの省工程化を実現する。
その他、高腐食環境向けに「タフグリップ」を上市。柔軟な塗膜を形成する厚膜形変性エポキシ樹脂塗料で、悪素地や各種旧塗膜においても優れた密着性を発揮するのが特長。現在、製鉄所関連で採用を伸ばしているという。


環境配慮形仕様で改修向け強化 トウペ

水性さび止め塗料、弱溶剤ふっ素樹脂塗料と市場に先駆けて環境配慮型製品を投入してきたトウペ。このほど、溶融亜鉛めっき専用プライマーとして水性2液型エポキシ樹脂塗料下塗り「トアガイアプライマーCP」を上市するなど、水性ラインアップの充実を図ることで差別化を図る。
景況感については「新設橋梁物件は横ばい基調ながら先行き不透明感が拭い切れないものの、改修は堅調に伸びてきている」(担当者)とコメント。これまで新設向けをメインにしてきた同社においても改修メンテナンスに向けた営業展開を強化している。
一方、水系製品の動向に対しては「まだまだ鉄に水は合わないという先入観が採用の障壁になっている」と現状を説明。それでもISO取得企業や臭気を嫌う食品工場物件で採用が増えており、「首都圏を中心に広がっていくと見られる」と拡大傾向にあると推察する。


製品展開としては現在、環境配慮形水系防食システム「トアガイアシステム」を構築しており、水性2液形エポキシでプライマーから中塗りまでカバー。上塗りには、水型1液形ハルスハイブリッド樹脂塗料もしくは、高硬度の塗膜を形成する水性2液反応硬化形ポリウレタン樹脂塗料「トア杜」を組み合わせることで幅広い改修用途に対応する。
また新設の鋼材向けには、鉛・クロムフリータイプの「クリーントアボーセイ」「クリーンシロボーセイ」(いずれもJIS K5674 1種)を上市。環境ニーズに先駆けた品揃えを図っている。


明確な訴求力が強み ジャパンカーボライン

「こんな塗料を待っていた」と、ユーザーの問題解決に応える製品を次々と開発、市場での存在感が高まっている。中でも急速に認知度を高めているのが「ラストボンド」だ。鉄部の錆面に強力に浸透して錆を固定化する悪素地面用の浸透性エポキシシーラー。
鉄部のメンテナンス塗装ではケレンが必須だが、アングル材の背合わせ面やボルトの隙間など電動工具の入らない局所、火気厳禁エリア、ケレンで穴が開きそうな部位など除錆が行えない部位が多数存在する。これまでお手上げ状態だったこうした箇所の除錆不足を補い、しっかりとした防食塗装を可能にしたのがラストボンドだ。
既に国内最大手の製鉄メーカーで設備などのメンテナンス塗装にラストボンドが指定されるなど性能評価も高い。また、同品を扱う販売店でも「多くのユーザーが抱えている除錆不足の問題解決を図れることから売りやすく、新規開拓にも有効。国内にはほぼ対抗品がなく価格形成力があるのも魅力」とモチベーションを高めており、販売が急伸している。


同社の製品群は訴求点が分かりやすいのが特徴。フッ素を超える超耐候が売りのトップコート「シロキサンエースHB」、商品や素材への移臭を抑え、食品工場のメンテナンス塗装に最適な「グリーンノンソル」、更にはスピードが最も求められる震災からの復旧・復興需要で威力を発揮する厚膜(1回で70μm)超速乾(指触20分)の省工程「マルチカラーFC74」などニーズにピタリとはまる製品群が光る。


環境配慮とコスト低減を両立 ラスト・オリウムジャパン

RPMグループのラスト・オリウムジャパン(本社・横浜市中区、社長・カール ウッデン氏)は、改修市場を視野に入れた製品投入を活発化させている。
同社はRPMグループの中核を担う防食塗料メーカー。2002年の日本法人設立以来、駅舎や工場、石油タンク、送電鉄塔、クリーンセンターなど、多くの物件で実績を重ねている。
同社の特長は、低VOC/ゼロVOC、無鉛といった環境配慮設計に加え、短工期、厚膜化に特化した製品開発。環境対応とコスト削減を図ることで、民間企業を中心に評価を高めている。
2液性エポキシ樹脂の「9100」は乾燥塗膜125~200μmを形成する超厚膜タイプ。プライマー機能を有し、金属錆面や亜鉛メッキ面での1回塗り仕上げを実現した。
2液性アクリルポリウレタンの「9800」も「9100」同様、プライマーなしでの1回塗り仕上げが可能だが、防錆プライマーの2工程仕様により鉄塔やタンクでの使用に耐え得る耐候性、耐薬品性、防食性を付与することができる。乾燥膜厚は75~125μm。


「NOXYDE(ノキサイド)」はエラストマータイプの水性厚膜型防食塗料。175μmの膜厚を形成し、3倍の伸張性を持つ高弾性力が特長。吊橋のワイヤーケーブルに採用されるなど、伸縮追従性と重防食性能が要求される用途に適している。
その他、日本向けに速乾プライマーを開発するなど、ラインアップの充実を図ることで、ユーザー層の拡大を見据えている。


「水性ローバル」、用途拡大に期待 ローバル

今年7月、水性タイプの常温亜鉛めっき塗料「水性ローバル」(特許出願中)の開発に成功したローバル。来年4月の発売予定ながら、先んじて製品化を発表した背景には「ジンクリッチペイント専門メーカーとして、先陣を切りたかった」(担当者)との自負がある。
本来、鋼材面に水性さび止め塗料を塗布することは矛盾するもの。塗膜の硬化前に塗料中の水と鉄が反応し、錆を発生させる懸念があるためだ。
それに対し同社は、乾燥塗膜中の亜鉛含有率を95%にまで高め、更に水希釈率を2%以内にとどめることで、水による鋼材への影響を最低限に抑えた。また禁水性物質である亜鉛と水の接触を抑えるため、荷姿を溶剤タイプとは異なる1液1粉末形にすることで、水性化を実現した。


性能面については溶剤タイプの従来品同様、亜鉛の持つ電気化学的特性を利用し、溶融亜鉛めっき並みの強力な錆止め効果を発揮。また古くなった亜鉛めっき部材に対しては、塗布するだけで再めっき効果が得られ、被塗物の長寿命化に寄与する。更に中塗り、上塗りに水性塗料を組み合わせることでオール水系仕様を実現する。
今回同社がいち早く水性タイプの製品化に注力したのには、用途拡大につなげられるとの専業メーカーとしての成長戦略がある。低臭、超低VOCといった環境安全性能を得たことで、臭気が懸念される立体駐車場や都市部での施工、バラストタンクといった密閉空間での施工が可能になるなど、新たな需要創出へ期待感を募らせている。


タンクや鉄塔でもフッ素樹脂が採用 AGC旭硝子

塗料用フッ素樹脂「ルミフロン」を展開するAGC旭硝子。平成17年の「鋼道路橋塗装・防食便覧」の改定でフッ素樹脂塗料仕上げが採用されたことで、道路橋用途をはじめルミフロンは好調に推移してきた。
「便覧」によりフッ素樹脂塗料の関心度が高まり、最近では道路橋だけでなく、タンクや鉄塔など民間案件でもフッ素樹脂塗料仕上げが広がるなど横展開が進んでいる。加えて、シンボリックな東京スカイツリーに採用されたことも追い風として、ルミフロンの更なる広がりを期待する。
ただ、3月の震災により公共工事の発注状況が見えにくい状態となっている。復興事業が優先される中で塗り替え工事にどのように影響するか、今後の動向に注視する。
また、防食塗装分野での開発動向としては環境配慮を目的に厚膜型及び水性タイプに特化した開発を進めている。厚膜型向けは既に完了しており、現在は水性タイプ向けの開発を強化する。


「優れた耐候性と防食性が求められる鋼構造物用塗料において、水性塗料でも水分及び塩素などの腐食因子を遮断する必要がある。そうした性能を得るため塗膜の乾燥過程で架橋する、架橋型の水性フッ素樹脂の開発を進めている」(担当者)。水性タイプでも溶剤タイプと同等の耐候性が求められる中で、要求性能に対応した水性フッ素樹脂の確立を目指す。
来年でルミフロン販売から30年を迎える。実構造物では25年の耐用年数を得ており更なる拡販を図る。

循環式ブラスト工法が好調 山田塗装

山田塗装では「循環式エコ クリーンブラスト工法」を展開しており、国交省のNETISに登録されたことも追い風となり工事発注が増えている。
循環式エコ クリーンブラスト工法は、研削材と剥がした塗装カスを分離して研削材を循環再利用することで、産業廃棄物(塗装カスのみ)の処分量を大幅に低減することができる。
また、研削材に金属性研削材(スチールグリット)を採用することにより研削材の粉砕が少なくなり粉塵を大きく削減できる。
本来、金属系研削材は「水分に弱い」「購入費が高い」といった課題があり、現場施工には使用できなかった。しかし、同社ではドライコンプレッサー及びエアーコンディショナーを採用することで投射環境を乾燥状態に保つように改善した。更に研削材を循環再利用することでコスト問題もクリアすることができた。


従来の非金属系研削材(高炉スラグやガーネットなど)を使用したエアーブラスト工法と比べると、施工費は高くなるが産廃処分費が大幅に削減できるためトータルコストでは安く済む。
加えて、回収作業が並行して行えるので施工速度が速く、粉塵の発生が少ないので現場視認性が高く仕上がり面の確認もしやすいなどの特長がある。
また、同工法は昨年12月に国交省のNETISに登録された。更に中部地方整備局の発注工事の特記仕様の新技術として明記されるなど、今後ますます同工法の需要の高まりが予想され、同社としては事業拡大を図っていく。

ブラスト機の普及拡大に期待 厚地鉄工

厚地鉄工は、エア、バキューム、ロボット、ウェットといった各種ブラスト機をラインアップし、塗装、梨地加工、下地処理、ピーニング、彫刻・工芸、エレクトロニクスなど多種多様な分野に供給している。
景況感について厚地徹三社長は、「リーマンショック以降、需要の落ち込みが続いていたが、9月から好転の兆しが見え始めている」とコメント。改修市場の拡大が期待される塗装分野での販売拡大に期待感を寄せている。
その中で販売拡大に注力するのがウェットブラスター。「昔からある製品だが、ここにきて関心が高まっている」と飛散防止に対する気運の高まりを追い風にしたい考えを示す。
「ACRニューウェットブラスター」は、ノズルに「ウェット・ノズルホルダー」を取り付け、ブラスト噴射と合わせて水を霧幕状に噴射し、粉塵の飛散防止を抑えるというもの。乾式ブラストと変わらない処理能力を確保するとともに、使用中のブラスト機への接続を可能にし、汎用性を確保した。更にセット価格で約40万円という低価格設定も魅力の1つとなっている。


一方、バキュームブラスターにおいては、施工面積や現場条件に応じて各種ラインアップする中、コンクリート・鋼構造物などの素地調整用としてエア・電動方式の「パワーブラスターACV-1ER-8C」を上市する。同品は、研掃・回収・選別・集塵を1台にまとめた多機能型で、研削材を自動回収し、繰り返し利用できる他、使用範囲20~60mと高所作業に適している。


ダイヤモンドホイール充実 大塚刷毛製造

大塚刷毛製造は重防食関連分野の機器の品揃えを強化している。鋼橋など構造物の改修ニーズへの対応のためだ。
特に市場から注目されているのは下地処理機器「ダイヤモンドホイール」シリーズ。ホイールは旧塗膜剥離に使用されるが、適正な研削レベルを発揮するためにホイールを使い分け、下地をいためないようにしなければならない。
このためダイヤモンドホイールは用途別に多彩なバージョンを用意した。
新製品「マルテー・弾だんホイール」は、弾性塗膜から鋼橋の旧塗膜まで対応できる。特徴は、作業時のハネ・揺れを抑制し、綺麗な仕上がりを実現する。同シリーズには深削り防止溝の付いた鋼板用、ショックアブソーバ付きの静音タイプの他、スモール(小型)、ミニタイプがある。
またコンクリート下地用には一般塗膜用、厚膜用、静音用の3タイプを用意。


シリーズ品としては、研磨・ハクリ用、Vカット用、Uカット用、切断用など多彩。どのような研削にも対応できるラインアップ。
アプリケーションも充実。専用の集塵カバー、ロータリーカッター、コンクリートカッター、ロータリーホイール、ナイスカバーなど。
また、鋼橋のリベット部の剥離に便利な「リベットシェーバー」、六角ボルトやナットの側面・先端部のみならず平面部のケレン処理用「ケレンマイスター」がある。
現場サイドに立った機器ニーズに的確に対応した展開を図っていく。

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