2013/09/03 10:01

工業塗装ラインのホコリ対策(第5回) 平田技術士事務所 代表 平田政司

みなさん、こんにちは。塗装技術コンサルタントの平田政司です。引き続き、「工業塗装ラインのホコリ対策」についてお話します。
工業塗装ラインのホコリ対策には、「見える化」が有効です。
外観検査記録から手直し率(不具合率)を計算することにより、ラインの成績が「見える化」できます。この日々の手直し率をグラフ化し目標値やコメントを記入することで、現場の変化や改善活動の結果が「見える化」できます。またこのグラフを現場に掲示することで情報の「見える化」ができます。


 
◎目標手直し率を決める

次に目標設定のポイントをご紹介します。
改善活動の目標値は、本来経営計画から決めるものです。すなわち、経営計画からその部署の収益目標が設定され、その結果目標手直し率はいくらでなければならないというロジックから落とし込むべき数字であろうと私は考えています。最初はエイヤーで決めても差し支えありませんが、将来的には経営計画から落とし込む努力をしてください。


また上記の逆で、改善効果を金額換算することで推進メンバーが改善活動の重要性を認識することができるようになります。メンバーでこの改善コストを共有化することにより、改善活動の推進エネルギーに変えることができます。


更に塗装設備というのは絶えず投資を行い設備の更新を図らなければなりませんが、改善活動によりもたらされた利益は、次の設備投資の原資にすることができます。すなわち自分達の職場の設備費用は自分達で稼ぐという考え方です。より良い仕事をするために、メンバーで一丸となって改善活動を推進するという姿です。

◎改善効果金額の計算

改善効果の金額には、再塗装の塗料費、光熱費、変動費など原価試算で計算できる「目に見えるコスト」が上げられます。しかし、それ以外の見えないコストの削減効果があります。


たとえば外観不具合が少なくなれば、保管場、パレットが不要になり、手直し前の仕掛かりが減ります。その他、不具合品を管理する費用や不具合品を再塗装することによる浪費作業時間、不具合がなければ塗装できた時間などが浮きます。更には、ムダな再塗装に使われる塗料が少なくなることにより溶剤排出規制(VOC)対策にも貢献します。


なお、これらの改善効果の金額計算により、改善活動にどの程度お金を掛けることができるかも判断することができるようになります。毎月の損失金額を計算すると、驚くような数字になる場合が多いです。
では、次回は現場の「見える化」についてご紹介します。