2013/10/09 13:22

工業塗装ラインのホコリ対策(第6回) 平田技術士事務所 代表 平田政司

みなさん、こんにちは。塗装技術コンサルタントの平田政司です。引き続き、「工業塗装ラインのホコリ対策」についてお話します。
工業塗装ラインのホコリ対策には、「見える化」が有効です。
外観検査記録から手直し率(不具合率)を計算することにより、ラインの成績が「見える化」できます。この日々の手直し率をグラフ化し目標値やコメントを記入することで、現場の変化や改善活動の結果が「見える化」できます。
またこのグラフを現場に掲示すると情報の「見える化」ができます。改善効果金額の計算により、推進メンバーが改善活動の重要性を認識することができ、更にはどの程度まで改善にお金を掛けることができるかも判断することができるようになります。
ここまでが前回までのおさらいです。

◎ 現場の「見える化」

これから数回にわたり、気流やホコリの「見える化」のテクニックについてご紹介します。
最初の今回は、気流の見える化についてです。空気とホコリは目には見えません。しかしホコリは気流に乗っかって運ばれていきますので、気流の見える化は極めて重要です。
気流の調査は風速と風向の調査に分けられます。風速の測定には風速計を使います。一般に風速計にはベーン式風速計と熱線式風速計の2種類の風速計があります。


ベーン式風速計は風車がついている風速計で、塗装ブースのような微風の風速を測ることはできません。それに対し熱線式風速計は0.1m/s付近の風速も測定することができます。塗装ブースの風速は0.4m/s前後ですので、塗装改善には熱線式風速計をお薦めします。
次に、風向はスモークテスターで測定します。スモークテスターは発煙剤のSnCl4が空気中の湿気と反応し、15-30分間発煙します。スモークテスターの白煙は喉への刺激があるので、吸い込まないよう注意が必要です。
広範囲の気流を測定したいときはライブハウスなどで使われるフォグマシンの利用ができます。このフォグマシンは、エチレングリコール等の水溶液を熱して白煙を発生させます。白煙の量は多く、またスモークテスターのような刺激臭がありません。


私の調べた範囲では塗装への影響はありませんが、各自で再確認して使用してください。
なおこの度日刊工業新聞社から「製品信頼性/生産性を決める!ものづくり現場の微粒子ゴミ対策」という本を出版しました。いろいろな産業分野の微粒子ゴミ対策について共同執筆した書籍です。私も塗装工程のゴミブツ対策について執筆しています。
では、次回は現場に漂うホコリの「見える化」についてご紹介します。