2013/11/12 15:41

工業塗装ラインのホコリ対策(第7回) 平田技術士事務所 代表 平田政司

みなさん、こんにちは。塗装技術コンサルタントの平田政司です。引き続き、「工業塗装ラインのホコリ対策」についてお話します。
工業塗装ラインのホコリ対策には、「見える化」が有効です。
前回は気流の「見える化」についてご紹介しました。

◎浮遊するホコリの「見える化」

朝、布団を押し入れへ仕舞うときにホコリがよく見えるという現象は誰でも体験していると思います。この現象は「チンダル現象」という物理現象です。ホコリに光が当たって光が散乱し、ホコリが光って見えるわけです。
この現象を利用すれば、空気中に浮遊する微粒子ゴミを観察することができます。
私はいろいろな電球で試してみましたが、現段階ではショーウィンドーのスポットライトに使われているハロゲン電球を使っています。ハロゲン電球はいろいろなメーカーから発売されています。どのメーカーでも大丈夫ですが、私は以下の電球を使っています。できるだけ大きいワット数と狭角というところがポイントです。


△ナショナルハロゲン電球「ダイクロビーム」100ワット形70ミリ径ビーム角狭角8度
この電球は口金が11mm(E11)ですので、通常の電球の口金(26mm:E26)のソケットには入りません。そのため、E11からE26への変換アダプターも合わせて購入する必要があります。電球は大型電器ショップで、変換アダプターはホームセンターで購入できます。 変換アダプターが購入できたら、ホームセンターなどで売られているハンドランプに取り付けると塗装現場で観察することができます。


たとえば、現場の作業員のつなぎ服に光を当てて、服をたたいてみましょう。多量の繊維ゴミが発生するようでは、その作業服は塗装には適さないということが判断できます。
また、塗装ブースでハロゲン電球をかざしてみると、周囲の環境によっては驚くほど浮遊ゴミを観察することができます。
このようにして、浮遊するホコリを「見える化」することができます。


なお観察するときのテクニックですが、ランプの手元からではなく、光に向かって斜めから見るとよりホコリが良く見えます。この現象は「ミー散乱」といいます。浮遊ゴミのように光の波長より大きな粒子に光が当たると、散乱光は光の前方への指向性が強くなり側方や後方へはあまり散乱しなくなります。ですから光が向かってくる方向から見るとホコリが良く見えるわけです。太陽の下で雲が白く見える現象と同じです。なお、長時間光を見続けないように注意してください。
では、次回は現場に漂うホコリの「見える化」テクニックについて引き続きご紹介します。