2013/12/18 12:00

実践ボディショップマネージメント(20) 第19章 広告について 伊倉大介

第19章 広告について

いよいよ、私の連載も20回目を迎えました。いつも読んで頂いている皆様、ありがとうございます。あと数回の連載を予定しておりますので最後までお付き合いをいただければ幸いです。
さて、この章では改めて集客に関して深掘りしていこうと思います。これまでも触れてきた集客への取組みですが、前章では「生涯売上」という考え方の中で、新規の管理顧客を増やし続けていくことが必要であると触れました。今章では、新規集客の取組みである「広告」について、話を進めていこうと思います。
まずもって、広告の定義とはどんなものでしょう?私は「広告主の情報を伝え広げ、見込み客に対して、広告主の商品・サービスを認知してもらい、興味を持ってもらう」ことだと捉えています。単純に見込み客の目に触れるだけでなく、「興味を持ってもらう」ということが必要なのです。
板金塗装工場において、見込み客に興味を持って頂くための具体的な広告手法として「看板」「チラシ」「タウンページ」「インターネット」「FAXDM」「チェーン店への加盟」等が挙げられます。その中で効果の高い広告は、工場の特徴や地域性・顧客層によって変わりますが、ここからは私達の工場で大きな効果を発揮している「インターネット」に絞って触れていきます。
まず、私は自社サイトを自分で作っています。これには労力もかかりますし、知識習得に時間がかかるので、あまり勧められませんが、大切なのは自社の仕事に対する想いや特徴をできる限り自分の言葉で表現することです。綺麗な文言や過大な表現を無理して使うと、消費者は違和感を持ちます。できる限り自然体で、工場の良さを伝える工夫をすることで、消費者は好感を持ち、それが問い合わせにつながります。制作を依頼する際も同様に気を配ることが必要です。また、「ワードプレス」というプログラムを使用することで、自身でもブログのような感覚で更新することができ、直近の取組みや想いを、サイトから自身の言葉で伝えることができるようになります。
また、自社サイトと併用して利用しているのがtwitterやfacebookなどのSNSです。SNSとはソーシャルネットワーキングサービスの略で、社会的ネットワークを構築することができるサービスのことを指します。自社サイトのように売り込み色が強い形ではなく、より個人間のつながりに近い形になるので、消費者としてはより自然に工場とつながることができるようになります。私達はfacebook上で、頂いた顧客アンケートをスキャンして、直筆のまま掲載しています。それを見た消費者は、利用者からの口コミをリアルな形で得ることができ、サービスを受ける前から信頼感が芽生えます。
そして、私たちの取り組みで欠かせないのは「リスティング広告」というインターネット広告です。私たちはGoogleアドワーズとyahooリスティングという2社の広告を利用していますが、両広告ともに非常に費用対効果が高く、売上に対する広告費は3%から5%程度です。私達はこの広告を利用することで、仕事量をコントロールすることに成功しています。リスティング広告とは、キーワードに対して入札することでgoogleやyahooの検索結果に広告が表示される広告です。インターネットユーザーが広告に興味を示し、その広告をクリックすることで、課金される仕組みとなっています。私達は板金塗装や地域名に関連する約5,000のキーワードに対して入札しています。クリックされない限り、広告費は発生しませんので、無駄な広告費が少ないのが大きな特徴と言えるでしょう。また、少額から始められ、効果を試すことができるので、導入しやすい広告でもあります。皆様も、一度試す価値はあると思います。

広告を出すことが目的ではない

インターネットに限らず、広告には費用がかかります。費用を投じることで効果を信じ、「出しただけで満足する」というケースは多々見受けられます。しかし、見込み客に興味を持ってもらわない限り、広告の目的を果たしたとは言えません。出した広告がどれだけの効果を発揮したかを測定する必要があります。効果測定の方法は色々ありますが、私達が最近導入したのは「コールトラッキング」というシステムです。私の工場でもいくつかの広告手法を使っていますが、すべての広告に求めているのは「目に触れ、興味を持ってもらった見込み客から電話をもらうこと」です。そこで私達はお客様からの電話が、「いつ・どこから・どんな広告を見て、電話がかかってきたのか」を分析するシステムを導入しています。それにより、どんな媒体にどのように広告を打てば効果的かを判断し、広告戦略を立てるのです。電話がかかってくる=成約にはなりませんが、消費者にとって電話をかけるという行為は、認知という段階を越えて、興味を持っている段階と言えるでしょう。広告の目的である「興味を持ってもらう」という要件を満たしているわけです。そこから成約につなげるには来店を促し、お客様の要望に合った修理内容・見積りを提案し、更にクロージングをかけるなどの段階があります。
ただし、それらは広告の次の段階になります。「広告」という視点に絞ると、興味を持ってもらったという効果を、電話を通じて測定・分析することで限られた広告予算で、最善な広告手法を選んでいく必要があるのです。