2014/01/13 15:35

工業塗装ラインのホコリ対策(第9回) 平田技術士事務所 代表 平田政司

みなさん、こんにちは。塗装技術コンサルタントの平田政司です。引き続き、「工業塗装ラインのホコリ対策」についてお話します。
工業塗装ラインのホコリ対策には、「見える化」が有効です。
前回はHIDライトとレーザーによる浮遊するホコリの「見える化」についてご紹介しました。


◎浮遊するホコリの定量化

HIDライトやレーザーは、現場に浮遊しているホコリの挙動をダイレクトに観察することができます。しかしホコリの数や形状などを測定することはできません。


現象を数値化することを定量化と言いますが、浮遊するホコリの数の測定にはパーティクルカウンターという装置があります。パーティクルカウンターは0.5μm以上の微粒子ゴミの数を計測することができます。しかし塗装表面のゴミ欠陥の大きさはこのサイズよりずっと大きいという事情があります。


そこで私は、簡便に現場のホコリの数を測定することができる方法を使っています。
それはパソコンの印刷用紙のラベルシートを使い、空気中に浮遊するホコリを捕捉するという方法です。
ラベルシートは紙の裏側が糊面になっています。通常は印刷後の糊面の紙を剥がして貼り付けますが、ここではその糊面を活用します。


このラベルシートの糊面の紙を剥がして、粘着面を上にして測定したい場所に一定時間置いておきます。簡単に言うと、ホコリの環境に暴露させるわけです。
私の経験では、暴露時間は2~3時間から半日程度が適当です。暴露後にOHPシートを糊面に貼り付けて現場から回収します。


あとは検査場など十分な照明があるところで、自社の検査基準に基づいて糊面に付着したゴミ・ブツ・ホコリの大きさと数を計測、記録します。数字を暴露時間で割れば、1時間あたりの不具合レベルを定量化することができます。


また日々改善活動を続けていく中でこの数字を継続的に追跡していけば、改善効果を「見える化」することができます。
なお、ラベルシート上の微粒子ゴミのサイズの計測には、透明フィルム製の国立印刷局製造「きょう雑物測定図表」を使うと便利です。


◎ホコリの観察

ラベルシートに捕捉されたホコリは、デジタルマイクロスコープを使うとパソコン画面で観察することができます。これも「見える化」です。ゴミ・ブツをズームアップして観察すると、形状や色により発生源を特定できる場合もあります。私は「ディノライトデジタルマイクロスコープ」という製品を活用しています。
では、次回は得られた結果のまとめ方についてご紹介します。