2014/03/09 09:55

工業塗装ラインのホコリ対策(第11回) 平田技術士事務所 代表 平田政司

みなさん、こんにちは。塗装技術コンサルタントの平田政司です。引き続き、「工業塗装ラインのホコリ対策」についてお話します。 工業塗装ラインのホコリ対策には、「見える化」が有効です。 前回はデータのまとめ方についてご紹介しました。今回から具体的な対策事例の紹介を始めます。

◎ホコリ対策の原理原則

これまでご紹介したように、発塵したホコリは気流により拡散します。これがホコリの拡散原理です。つまり塗装工程においては、気流は「風まかせ」ではなく、気流を「制御する」という考えが重要です。気流の「見える化」により、ホコリの発生源とその拡散方向を把握することが必要です。
また工業塗装ラインにおけるホコリ対策の原則は、次の3つに集約されると私は考えています。
1)塗装工程を囲う
2)ホコリを捕捉する
3)ホコリの発生源を取り除く
これらの原則について、1つずつ解説していきます。

◎原則1:塗装工程を囲う 

塗装工程を囲って塗装ラインをホコリから守るという原則は一般によく知られています。塗装工場の入口はいつも必ず閉める習慣が必要です。閉めれば外気は入ってきません。ところが、塗装工場の天井に排気ファンがあるにも係わらず給気がされていない場合は、扉を開けた瞬間に外気が乱入します。これは工場全体の給気と排気のバランスが取れていないため工場内部が陰圧になり、開口部から外気が入るという現象です。そのような工場ではシートシャッターが工場の内側に膨らんでいるのですぐに分かります。また工場のドアの開閉が重いことでも判断できます。このような場合は、いくら塗装工程を囲っても空気は隙間を探し、かなりの速度で外気が入ってきます。塗装工場では排気だけでなく、給気装置からきれいな空気を排気と同じ量だけ入れましょう。


この給気と排気のバランスのことを給排気バランスと呼ぶことがあります。給排気バランスは塗装ブースに対しても重要です。塗装ブースには臭気があるため排気は必ずありますが、たまに給気装置が設置されていない場合があります。そのような工場をグリーンレーザーで観察すると、フォークリフトの出入り口から塗装ブースへホコリが一直線に向かっています。塗装ブースがホコリの集塵機になっているわけです。


囲うという意味においては、除塵工程や塗装不具合品の研磨工程も塗装ブースと同じように囲う必要があります。また囲うだけでなく給気と排気を行い、製品から発生したホコリを集塵する必要があります。
では、次回も引き続き具体的な対策事例についてご紹介していきます。