2014/04/30 12:57

工業塗装ラインのホコリ対策(第13回) 平田技術士事務所 代表 平田政司

みなさん、こんにちは。塗装技術コンサルタントの平田政司です。引き続き、「工業塗装ラインのホコリ対策」についてお話します。
工業塗装ラインのホコリ対策には、「見える化」が有効です。
私はホコリ対策の3原則を次のように考えています。
1)塗装工程を囲う
2)ホコリを捕捉する
3)ホコリの発生源を取り除く
前回はホコリ対策の3原則のうちの2番目の「ホコリを捕捉する」についてご紹介しました。今回はその続きとして掃除の方法についてご紹介いたします。

◎塗装工程の床面の状態

塗装工程をレーザーで観察します。すると、人が歩くと床面からホコリが舞い上がる様子を観察することができます。すなわち床には、目では見えない埃がたくさん降り積もっているわけです。
私の調査では、塗装工程の2大発塵源は床と人でした。場内を歩行すると、床と人の両方から発塵します。半導体製造業界では、これを「ホコリのオーラ」と呼んでいます。人からオーラのようにホコリが出るわけです。この言葉は、ホコリの発塵メカニズムをうまく表現できていると思います。


また稼働中の塗装工場のホコリの量を高さ方向で測定すると、床面からの高さが低いほどホコリが多いことが分かりました。床面30のホコリの量は、高さ1mに対して約2倍でした。
更に、球状の粒子を静止空気中で落下させると空気の粘性を受けて一定速度になります。これを「ストークスの終末速度」と言います。たとえば50μmのケイ砂(比重2.7)の落下速度はたったの0.2m/sです。鉄(比重7.7)でさえ、0.6m/sです。


このことから、一度舞い上がってしまったホコリは、いつまで経っても浮遊したままで沈静化しないということが分かります。

◎毎日の清掃方法

以上のメカニズムから、塗装工程の毎日の清掃方法についてその一例をご紹介します。
1)まず大原則として、歩くだけでホコリが飛散し終日沈静化しないわけですから、箒の使用は厳禁です。
2)朝一番、床に沈静化したホコリを起こさないように静かに掃除機を掛けます。人数は限定しましょう。その後、濡れたスポンジモップで拭きます。
3)拭き取り後、場内全面に散水します。そこで初めて場内の給排気ファンを稼働します。すなわち寝た子を起こさないことがポイントです。
4)掃除機は、床面に排気するタイプは掃除することでホコリを舞い上げてしまいます。低速、上方、クリーン排気のタイプをお薦めします。


では、次回は3番目の原則の「ホコリの発生源を取り除く」についてご紹介します。