2014/06/10 19:35

工業塗装ラインのホコリ対策(第14回) 平田技術士事務所 代表 平田政司

みなさん、こんにちは。塗装技術コンサルタントの平田政司です。引き続き、「工業塗装ラインのホコリ対策」についてお話します。


工業塗装ラインのホコリ対策の3原則は次の通りです。
1)塗装工程を囲う
2)ホコリを捕捉する
3)ホコリの発生源を取り除く
前回は、塗装工程の清掃方法についてご紹介しました。今回は3番目の原則の「ホコリの発生源を取り除く」についてご紹介します。

◎原則3:発生源を取り除く 

私の経験では、塗装工程のゴミ・ホコリの3大発生源は床と人と搬送装置です。ぜひ皆さんの塗装工程でも、「見える化」により発生源を特定してみてください。
このうち床については前回清掃方法をご紹介しましたので、今回は人からの発塵を止める方法について記載します。

◎人からの発塵を止める

人からの発塵を止める方法は、次の3つです。
1)塗装専用クリーンスーツの着用
2)クリーンスーツの毎日の洗濯
3)スーツのクリーン環境での保管
塗装工程では塗装作業の際に衣服がこすれ合って、人から発塵します。特に作業服が綿や短繊維の化学繊維の場合、レーザーやポラリオンライトで著しい発塵を観察することができます。そこで長繊維ポリエステル製低発塵クリーンスーツが必要となるわけです。


ところが一般に市販されている半導体製造用のクリーンスーツは、低発塵性、制電性は備えていますが、通気性や吸汗性が良くありません。それは、半導体製造工程は一定温度の作業環境であり、作業量も塗装工程と比べると小さいのでスーツに通気性や吸汗性がそれほど必要ないという背景があるからです。一方、塗装工程は夏暑く冬寒く、腕の往復動作や歩行作業もありますので、半導体製造用のスーツでは蒸れてしまうという問題が発生します。つまり、塗装用クリーンスーツには半導体製造工程のクリーンスーツとは異なる機能が更に必要であるということです。


その機能とは、吸汗性、水分の速乾性、通気性です。特に通気性に関しては、快適性とポンピング現象防止という2つの機能が求められます。ポンピング現象とは、通気性の低いスーツで作業をしたときに、作業に伴いスーツ内部のホコリが首回りなどからブワッと出てくる現象を言います。そこで生地に適度な通気性を持たせるとスーツ全体がフィルターの役目となり、ポンピング現象を防ぐことができます。
以上の機能を持った塗装専用クリーンスーツが、ガードナーから発売されています。
では、次回はクリーンスーツの洗濯と保管方法についてご紹介します。