2014/07/08 19:09

工業塗装ラインのホコリ対策(第15回) 平田技術士事務所 代表 平田政司

みなさん、こんにちは。塗装技術コンサルタントの平田政司です。引き続き、「工業塗装ラインのホコリ対策」についてお話しします。
工業塗装ラインのホコリ対策の3原則は次の通りです。
1) 塗装工程を囲う
2) ホコリを捕捉する
3) ホコリの発生源を取り除く
前回は、人からの発塵を止める方法として塗装専用クリーンスーツをご紹介しました。今回はクリーンスーツの洗濯と保管方法についてご紹介します。

◎人からの発塵を止める 

人からの発塵を止める方法は、次の3つです。
1)塗装専用クリーンスーツの着用
2)クリーンスーツの毎日の洗濯
3)スーツのクリーン環境での保管
クリーンスーツは、維持管理がとても重要です。せっかく現場にクリーンスーツを導入しても、スーツにホコリが付着していては意味がありません。
ある塗装ブースでクリーンスーツの洗濯の有無による1週間の塵埃量を比較調査しました。その結果、毎日洗濯有りの週のブース内の塵埃量は洗濯無しの週の3分の1でした。これは塗装作業時のクリーンスーツからホコリが飛散していることを意味していると考えています。


また朝からの経過時間では着用してからの時間が過ぎるほど塗装ブースの発塵量が多いことが分かりました。すなわち朝一番のスーツはきれいであっても、塗装作業中にスーツにホコリが付着し時間が経過するごとに発塵量が増すということです。以上のことから、クリーンスーツは毎日洗濯が必要であると言えます。


次にスーツの洗濯方法についてです。スーツの洗濯には外部のクリーニング業者に出す方法と社内で洗濯する方法があります。コストを考えた場合、私は社内での洗濯をお奨めしています。一方、自宅で洗濯してもらう方法には問題があります。なぜなら綿など発塵が大きい衣類と一緒に洗った場合、クリーンスーツにホコリがびっしり付着してしまうからです。この現象をクロスコンタミネーションと言います。クリーンスーツはクリーンスーツだけで洗濯する必要があります。この管理を徹底するために、社内での洗濯を推奨しています。もちろん社内でも軍手やウエスと一緒に洗うのは厳禁です。


最後に保管方法です。洗濯したクリーンスーツを焼付炉の裏側などに無造作に吊しておくなどは論外です。パイプを組み合わせて帯電防止の塩ビカーテンで囲い、クリーンスーツ専用のロッカーを用意しましょう。天井にFFU(ファンフィルターユニット:クリーン給気装置)を設置すればなお万全です。これらの洗濯機やクリーンロッカーは塗装ブースの近くへ設置して、人やスーツの動線を短くする必要があります。
では、次回は搬送装置や治具のホコリ対策についてご紹介します。