2017/03/02 14:18

塗り床・木床用塗料特集2017 環境対応からの一手を模索 材工品質で格差広がる

塗り床マーケット

平成28年度の塗り床マーケットは、3万4,000トンを記録した平成27年を割り込む公算が大きくなってきた。建築物着工床面積統計を製造業で見ると、平成28年4月から12月の着工床面積は前年比10.2%減の631万6,000㎡となり、新築、改修ともに建築塗料全体の市況低迷と同調する形で不振を招いている。自動車産業が集積する中部エリアは堅調に推移したが、各メーカーからは「繁忙期となる12月の落ち込みが響いた」との声が相次いだ。
こうした状況に苦戦を強いられるのがルートセールスを中心とする汎用塗料メーカー。現場診断、仕様構築、施工サポートなどマンパワーを要するため、事業の選択と集中を背景に事実上の撤退を判断するメーカーも出ており、専業特化したメーカーの存在感が高まっている。

それでも平成21年にリーマンショックで2万5,000トン台に落ち込んだ以降は、3万1,000トンから3万4,000トン台を推移しており、底堅く需要を確保している。
これを下支えするのが、伸長する水性硬質ウレタン。環境対応と耐久性、耐熱水性などの物性面を両立した製品として、厨房や食品工場で拡大。現在は工場や倉庫などへ用途を広げてきた。
ただ一時は数量ベースでエポキシを追い抜くかに見えたが、平成25年以降は、再びエポキシが引き離し、水性硬質ウレタンに踊り場感が見える。


背景にあるのは製品開発面で、エポキシ、ウレタンの各樹脂系とも水性製品の投入を積極化しており、品質、コスト面で水性硬質ウレタンの需要を取り合っている構図がうかがえる。
こうした状況に各メーカーは、需要底上げに寄与する新製品に期待するが、決定打を見出せない状況となっており、閉塞感を招いている。
今後も大きな成長性を見込めない中で、メーカー各社は材工一体による付加価値展開に注力していくスタンスだ。低VOC化を含め安全性、健康など施工環境に対する配慮から、"働きやすさ"や"快適さ"など、そこに従事する人のアメニティ(居住性の良さ)にどう関わっていくか。材料、工事を包括したプロデュース力が成長の鍵となる。

木床マーケット

木材利用拡大に対する気運を背景に木工塗料需要の拡大が期待されるものの、木床分野は依然として苦戦を強いられている。
その最大の要因になっているのがシート建材の台頭。意匠、品質面、施工性の良さを背景に塗料需要はジリ貧傾向を余儀なくされている。木床の主戦場である体育館においても「樹脂フローリングや工場生産品の普及により、現場施工が減っている」(メーカー担当者)と説明。更に「床施工技能者の高齢化も懸念材料の1つ。若手への継承が難しく、後継者問題も需要構造の変化を招く可能性がある」と指摘する。
こうした状況を受け、メーカー各社は木床のみをターゲットに据えるのではなく、屋内外を絡めた包括的な品揃えで塗料需要の確保を目指す方向性を明確にする。


シート建材の攻勢を受けているのは木床に限らないことから、木と塗装の付加価値をどう訴求するか。人の感性に与える価値向上が不可欠となってる。
その一端を示すものとして、高級マンションの内装や高級家具、オイル仕上げのフローリングなど、木の素材感と合わせて木工塗装品に根強い人気があるのも事実。更に、リノベーションブームやDIYの女性参画など、生活者の消費指向にも変化が見られており、木工塗料に新たな潮流が見られている。
いずれも量産拡大からのシフトが必要条件となり、ニッチな領域でいかに付加価値性を高めていくか。マーケットとの連携が一層求められている。