2017/03/02 14:28

塗り床・木床用塗料特集2017 ワークスタイルをデザインする 床面に"個性化ニーズ"高まり

装飾塗装会社のフォーアーツデザイン(本社・東京都江戸川区、社長・栗又弥江子氏)は、昨年11月に開催したペイントギャラリーでオフィスフロアに多彩な色や柄をあしらったデザインペイントを紹介し、設計士やデザイナー、塗装業者などの注目を集めた。

商業施設をメインにデコラティブペイントやエイジングペイントなどの装飾塗装を行ってきた同社が自らギャラリーを企画し開催した背景には、ペイントが持つ多彩な表現性を社会に認知させたいとの想いがある。
床での実績は、レストランなど店舗や商業施設が中心。絵や柄を描いて欲しいとの依頼に対し、モルタル、木、型枠などさまざまな素材に塗装を手がけてきた。栗又社長は「Pタイルや大理石など、床も壁面と同様にどんな素材でも問題なく塗装することができます」と塗装のメリットを強調する。


床面ゆえに心配されるのは持ち、いわゆる耐久性。歩行による接触劣化が避けられないだけにギャラリーでも同様の質問が多く寄せられたという。
しかし、栗又氏は「いつまでも新鮮な状態にあることが良いわけではありません」と言い切る。実際に大手コーヒーチェーンでは店内のフロアを保護するためにワックスを7回塗布する一方、素材や造作であえて古びた雰囲気を演出し、床面に付着する擦り傷や汚れも味に変えようとするデザインも増えているという。「新しいものは新しく、古いものは古びたように表現できるのもペイントの強みです」。
栗又氏によると店舗などで古びた空間を演出するアンティーク塗装が採用されたのは15年以上前にさかのぼるという。バブル崩壊後も好転しない社会情勢に呼応するように、使い慣れた心地の良さや素材感が消費者の感性を刺激した。


デザインの潮流について「商業施設の自然派嗜好は今も続いており、近年は棚や木箱をペイントするDIYへと受け継がれている」と解説。新築マンションがモダンや高級感を価値とする一方で、中古住宅を購入し、自らライフスタイルに合ったデザインを施すリノベーションの台頭は、その一端を垣間見ることができる。
デザインが時を経て個人のライフスタイルに影響を与えてきた流れは、今後オフィスや工場といったワークスタイルの変容へ及ぶことが想像に難くない。「アメリカでは働く人のモチベーションが経済を動かすとして、ワークスタイルを共有する企業集積や街づくりまで波及しています」。


日本でも個人の座席を取り除いたフリーアドレスや遊び場を設けるなど、職場環境の刷新に取り組む企業がメディアで紹介されるケースも増えており、職場デザインとワークスタイルを同調させようとの動きが見られている。
こうしたスタイルの変化は、心地よさや快適さ、楽しさなど、人の感性に根ざしており、工場、倉庫、オフィスデザインに関わる塗り床にとっても従来にない価値創出を実現できる可能性がある。
栗又氏も「従業員の考え方や発想が価値になっていく中で、いかにクリエイティブな環境にしていくか。カラーデザインが与える効果についても検証していきたい」と話す。

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壁と床で幻想的な空間を演出

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衣服を魅せる多彩な色使い