ビジネスシーンで広がる機能性塗料
新たな需要“オフィススペック”

壁をホワイトボードに変えたり、マグネットがつく壁にできる機能性塗料がビジネスのシーンで広がっている。職場でのミーティングや打ち合わせにおいて、オフィスの壁を利用してメンバーのアイデアや情報をその場で共有、クリエイティブな場の雰囲気づくりに役立てようとの動きだ。こうした機能性塗料のスペックを採用し、「とても満足している」という企業の事例を取材した。


東京・日本橋の高層ビルにオフィスを構えるリサーチバンク。南琢也社長が2016年に起業した不動産情報サービスのベンチャー企業だ。同社のビジネスについて南社長は、「例えば、このマンションでこの広さ、この価格帯なら年収がこれくらいの、こういった職業の人たちに響きますよといったように、お客様情報の統計を集積・分析してデベロッパーさんなどに提供するサービス」と説明。

デベロッパーが物件を建設する際の参考データを提供するようなサービスで、「不動産のプロを満足させる専門性の高い情報やデータを提供できるのが当社の強み。他に競合がなく、収益性の高いビジネスモデルと言えます」と南社長。4名の社員数ながら、大手の不動産会社やデベロッパーなどクライアントの高い顧客満足を獲得、独自のポジションを築いている。

そのような同社に小さな、でも解決しなければならない1つの悩みがあった。打ち合わせルームの「ホワイトボード」の問題だ。「打ち合わせルームでは既製のスタンドタイプのホワイトボードを使っていたのですが、書けるスペースが小さいこと、それと部屋が狭いためスタンドの脚でよくつまずくなど不便さを感じていました」と打ち明ける。

大企業のオフィスが集まり、同社のビジネスにとって都合の良い日本橋にオフィスを構えたものの、「賃貸オフィスはどこも大企業相手のワンフロア借り上げのような物件ばかりで、当社のような規模の会社が借りられるオフィスは限られていた」という状況で、打ち合わせルームの広さに目をつぶらざるを得なかった。

その打ち合わせルームは広さにして15~16㎡ほど。スタッフのミーティングやクライアントとの打ち合わせでこの部屋を頻繁に使うが、「私たちの仕事では、人と人のつながりや情報の関係性など相関図を多用しながら打ち合わせを行います。このため、その場で書いたり消したりできるホワイトボードが必須なのですが、狭小な部屋に置けるホワイトボードでは書けるスペースが限られ、スタンドの脚で通路も狭められるので煩わしい。何かいい方法はないかと考えていたときに知人から、壁そのものをホワイトボードにできる塗料があるとの情報を聞きました。壁をホワイトボードにできれば書くスペースも広がるし煩わしい脚の問題もなくなる。すぐに施工を依頼しました」と経緯を説明する。

壁がマインドマップのように

同社はこの夏、打ち合わせルームの壁の1面(約6㎡)をホワイトボードに変える塗装工事を依頼。磁石がつく壁になる「マグネットペイント」を下塗りし、白のエマルション塗料で中塗り、最後にホワイトボード機能の「スケッチペイント」(クリヤー)で仕上げるスペックを採用。「ホワイトボードの機能だけでなく、資料をマグネットで留められるなど便利」(南社長)とし、このスペックを採用した。

いずれもオランダ・マグペイント社の製品で、国内ではマグペイントジャパン(東京都、西村純一社長)が早くから展開。「この種の塗料はB to C向けに捉えられがちですが、当社の場合、リサーチバンク様のようにビジネスシーンでのご利用が圧倒的に多い」(マグペイントジャパンの西村社長)というように、"オフィススペック"という新たなジャンルの開拓にも成功している。

今回の塗装でホワイトボードのようにマーカーで書き消しができ、マグネット機能も加えられたリサーチバンクの打ち合わせルームの壁。南琢也社長は、「これまで場所を取っていたスタンドタイプのホワイトボードがなくなったのですっきりし、スマートな印象の部屋になりました。そして何より、書き消しできるスペースが広がったことが大きい」とメリットを強調。

「先ほども申し上げたように、社内でのミーティングやクライアントとの打ち合わせ、提案など多くの場面でホワイトボードを使用します。そこにいる人たちから出てきたアイデアや情報を書き加えたり関係性を示したりしながら大きく壁を使えるので、さながらマインドマップのようにプランが広がります。メンバーの頭の中にあることがそこに表出されて視覚化できるので、共通認識を得る上でとても優れているし、活発に意見を誘うクリエイティブな場の雰囲気にもなります。パワーポイントに比べて書いたり消したりも自在で、手書きというアナログな方法ですがデジタルにはない良さがあります」と南社長。

部屋の狭さを克服できた上、壁そのものをホワイトボードに変えて書き消しできるスペースも広がり、「ビジネスでとても役立っており、満足しています」と評価は高い。ビジネスのシーンで壁にマグネットやホワイトボード機能を持たせる塗料の"オフィススペック"。ニーズはまだまだ広がりそうだ。



書けるスペースが広がり満足していると南社長
書けるスペースが広がり満足していると南社長

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