新技術開発 色材をシリカ内に封入し高耐久化

GSアライアンス

環境・エネルギー分野の先端技術開発を行うGSアライアンス(社長・森良平氏、兵庫県川西市)は、極小のシリカの球体内部に有機顔料・染料を封入する技術を開発。水分や酸素をシャットアウトすることによる色材などの劣化抑制が期待できる。高耐候性塗料などへの応用を模索中だ。

GSアライアンスは有機顔料やインクジェットインクなどの各種色材の開発・販売を手掛ける富士色素のグループ会社。2010年の設立以来、100%天然由来色材を使った塗料・インクや生分解性樹脂、次世代LIBといった環境・エネルギー分野の先端技術開発とその社会実装に取り組んでいる。

有機顔料や染料といった有機物に由来する色材は、太陽光に含まれる紫外線や空気中の酸素・水分の影響によって劣化(退色)するため、屋外での長期使用に適さない。同社で技術開発を主導する森氏は「異分野の技術開発成果の応用でこの課題が解決できるのでは」と閃き、有機顔料や染料の耐候性を高める独自手法を開発した。

具体的には、非多孔性シリカの球体に顔料・染料を封入するというもの。シリカ球は紫外線を含む光は通すが酸素や水分はシャットアウトする。このシリカ封入色材を樹脂に分散することで塗料やプラスチック成形品に色を付けることができる。

「有機材料が紫外線により劣化するメカニズムは、まず紫外線で物質の化学結合が分断され、この際に状態が不安定で反応性が高い分子であるラジカルが生じる。次に、このラジカルが空気中の酸素や水分と反応して劣化が進んでいく。シリカ球内部の色材は光による分断は起きても酸素や水分とは反応しないため、劣化が妨げられて耐候性が増すと考えた」と森氏は説明する。

実際、シリカ封止色材を混錬した樹脂成形品を屋外に設置し数週間にわたり太陽光に曝しても目立った劣化は見られなかったという。「特に蛍光染料が劣化しなかったことに驚いた。従来、こうした効果がある技術はなかったのでは」と手応えを口にする。

シリカ球体のサイズは直径約1~10マイクロメートルで、顔料や染料などをこれより小さな100ナノメートル以下の粒径にしてシリカ内に封入している。こうした微細化技術は富士色素が長年培ってきた強みの1つとのこと。

森氏はこの技術の塗料や樹脂への応用を検討している。「有機顔料や蛍光染料ならではの色合いや意匠を出せる屋外用塗料の開発につながる可能性がある」との展望を抱く。